著者
清野 武
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.19, no.8, 1978-08-15
著者
田中 涼
出版者
国立音楽大学大学院
雑誌
音楽研究 : 大学院研究年報 = Ongaku Kenkyu (ISSN:02894807)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.83-100, 2018-03-31

わが国における西洋音楽の創作、演奏、そしてオーケストラの設置など、幅広く活動した音楽家のひとりが、山田耕筰(1886-1965)である。彼が誕生したのは、「音楽取調掛」や「東京音楽学校」が開設され、国家による西洋音楽の組織的導入が始まった頃の1886(明治19)年であった。まさに彼の人生は、わが国の西洋音楽の揺籃から成長の時期に一致する。設立まもない東京音楽学校で教授された西洋音楽は、とりわけ声楽に関しては、ドイツ語やイタリア語の歌曲が主であった。そのため、当時のわが国では、西洋音楽の書法による日本語歌曲というのは、作曲される機会も演奏される機会も少なかったと考えられる。山田はアメリカ視察から帰国してしばらくすると、日本語による歌曲の創作を試みる。彼は、日本語の歌詞と西洋音楽との関係についての探求を深め、この成果として一連の「歌曲論」が発表された。特に山田が問題としたのは、ドイツ語やイタリア語では、言葉のアクセントやリズムの捉え方が日本語と大いに異なっているという、本質的な相違であった。日本語の歌詞と西洋音楽の語法とをいかに融合するのかが、日本語による歌曲の創作を続けていくうえで、彼が解決しなくてはならない問題であった。こうした、作曲法的であり美学的とも言える根本的な思索を通して創作された山田の日本語歌曲だが、彼が実際に日本語歌曲を創作する上で用いた作曲語法と、歌曲論で展開した理論とが一致しているかどうかは、今日でも評価の分かれるところである。本論では、西洋音楽を学んだ日本人作曲家が直面する、日本語の歌詞に西洋音楽を付して音楽作品としての一体性を獲得するという課題に対して、山田が実践した方法を音声学の視点から明らかにした。山田の歌曲論を考察し、彼の作品を分析したことで、彼が言葉のリズムや高低関係を無視した日本語歌曲に疑問を持ち、日本語の発音を生かして歌曲を創作する方法を研究していたこと、すなわち、歌曲創作において、今日で言う言葉のアクセントやモーラ、リズムを非常に重要視していたことが明らかになった。特に「からたちの花」には、詩の発音に合わせて拍子を変化させる技法や、詩のアクセントに合わせて歌唱旋律の音高の高低関係を決める技法、詩の各連の末尾に全終止または半終止を置く技法や、詩の1モーラに1音を当てる技法が見られることから、この曲は、彼の歌曲論に忠実に作曲されたものであると言える。
著者
長谷川 勇輝 平井 一誠 真弓 凌輔 柄戸 拓也 石川 将輝 岡田 美智男
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.260-263, 2018-09-06

ロボットからの発話の多くは、日本語などの自然言語が用いられる。しかし、ロボットから「そのゴミを拾って!」と指示されてもうれしくない。本研究では、周りの人から解釈を積極的に引き出しつつ、一緒にオリジナルな意味を生みだす可能性を備えた「もこー!」や「もこもん」などの〈もこもこ音〉を発するゴミ箱ロボット〈MoCoMoN〉を構築した。本発表では、そのコンセプトやインタラクションデザインについて紹介する。
著者
CHAN Joshua DOUCET Arnaud LEON-GONZALEZ Roberto STRACHAN Rodney W.
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.18-12, 2018-10

This paper develops a new methodology that decomposes shocks into homoscedastic and heteroscedastic components. This specification implies there exist linear combinations of heteroscedastic variables that eliminate heteroscedasticity. That is, these linear combinations are homoscedastic; a property we call co-heteroscedasticity. The heteroscedastic part of the model uses a multivariate stochastic volatility inverse Wishart process. The resulting model is invariant to the ordering of the variables, which we show is important for impulse response analysis but is generally important for, e.g., volatility estimation and variance decompositions. The specification allows estimation in moderately high-dimensions. The computational strategy uses a novel particle filter algorithm, a reparameterization that substantially improves algorithmic convergence and an alternating-order particle Gibbs that reduces the amount of particles needed for accurate estimation. We provide two empirical applications; one to exchange rate data and another to a large Vector Autoregression (VAR) of US macroeconomic variables. We find strong evidence for co-heteroscedasticity and, in the second application, estimate the impact of monetary policy on the homoscedastic and heteroscedastic components of macroeconomic variables.
著者
伊藤 毅志 板倉 貴章
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.31-36, 2015-09-18

チェスや囲碁・将棋のような完全情報確定ゲームを題材にした認知科学研究として,様々なレベルのプレイヤごとの思考過程の違いを比較した研究が行われてきた.本研究では,「氷上のチェス」と呼ばれるほど高度な戦略的思考を必要とされるカーリングを題材にして,プレイヤの思考過程の研究を行った.カーリングは,将棋などとは異なり,不確定要素を含むゲームであるが,その思考過程について確定ゲームと違いがあるかどうかを,「次の一手問題」を用いた認知科学的実験から検証していく.
著者
安岡 孝一 安岡 素子
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.108(1997-CH-036), pp.1-6, 1997-11-15

日本の地名には、あまり他に用例がないような漢字あるいは「国字」とよばれるような漢字がしばしば見られる。このような漢字は、しばしば漢和辞典等には収録されておらず、漢字研究の枠から洩れているのが現状である。本稿では、このような「地名にのみ使用される漢字」にスポットをあてるべく、「ぽすたるガイド'97」において使用頻度が非常に低い漢字の調査をおこない、それらのうち辞書に含まれていない漢字全ての地名用例を示している。
著者
久野 靖 和田 勉 中山 泰一
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.48-61, 2015-06-19

情報および情報技術は現代社会の基盤となっており,社会の構成員がこれらの内容を身につけてから社会に出ることが重要となってきている.世界の多くの国がこのため,情報教育に注力してきているが,それらの内容とわが国の現状には隔たりがある.本稿では積極的な情報教育を進めている各国の状況を整理・分析し,そのうえでわが国の情報教育が目標とすべきことと,初等中等段階における情報教育の体系的なカリキュラムについて提案する.
著者
杉生 貴成 猪俣 敦夫
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-43, no.10, pp.1-6, 2018-09-20

近年,Tor 等の匿名化ネットワークを使用して送信元を隠蔽して接続する手段を用いて接続,また検索エンジンにインデックスされないダークウェブ (Dark Web) と呼ばれる Web サイト群が注目されている.Dark Web は麻薬市場,銃器関連の密売,児童ポルノ,脆弱性情報,Booter (DDoS 請負サービス) のような違法行為やサービスのための理想的なホスティングの場となっている.世界中の研究者や法執行機関,セキュリティ会社,学術機関で調査を行っているが,効率的な調査方法が確立されておらず,調査に時間がかかる問題がある.本研究では Dark Web 上のサイトの一つである Ichidan と呼ばれている Web サイトを利用し大量の Onion ドメイン名を取得し分析を行った.取得した Onion ドメインに全てに対してスクレイピングを行い,トップページをダウンロードした.ダウンロードしたトップページのテキストから Onion ドメインを 6 つのカテゴリに大別した.そしてハイパーリンクのつながりから Onion ドメインをノードとし被ハイパーリンクの方向を矢印とした有向グラフを作成し Dark Web 同士の接続状況が容易に捉えられるようにした.そのグラフに大別した 6 つのカテゴリを合わせることでコンテンツごとのつながりや特性について解明しようと試みた.
著者
本田 正美 梶川 裕矢
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:21888906)
巻号頁・発行日
vol.2018-DPS-176, no.6, pp.1-6, 2018-09-06

自由に二次利用可能な形式でデータを公開するオープンデータの取り組みが広がりを見せている.日本での取組済の自治体数は,2018 年 7 月時点で 300 を超える.そのような中で,実際に提供されているオープンデータについては,その量や内容に相違が存在している.本研究では,かような自治体におけるオープンデータの取り組みにつき,自治体としてどのような契機でその着手に至り,その結果としてどのような自己評価を行っているのか事例分析を通して明らかにする.
著者
松本 義秀 河合 栄治 奥田 剛 門林 雄基
雑誌
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.2002, no.15, pp.159-164, 2002-10-16

近年,IPv6の普及に伴いP2P(Peer-to-Peer)と呼ばれるクライアント同士の接続方式が注目されている.P2P方式はお互いのノードがサーパを介さずに自律分散的に働くことによって,サービスを提供することが可能である.本論文ではP2PをWeb Cacheへ適用する.従来のWebCacheは大規模なLAN環境に最適化され,小規模なLAN環境や個人ユーザにとって効果が薄いことが問題とされてきた.提案システムでは各ユーザのローカルキャッシュを共有し,P2Pネットワークを用いて検索を行う.このことにより.WebCacheを小規模なLAN環境や個人ユーザにも適用することが可能であり,応答時間の高速化と,サーパサイドのトラフイツクの削減が可能である.また.P2Pを用いることで管理コストが全くかからず,酎故障性に優れたシステムが構成できる.
著者
渡邉 昌史 Masashi Watanabe
雑誌
武庫川女子大紀要. 人文・社会科学 (ISSN:09163115)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.79-88, 2017-03-31

Nara Park is located in Nara Prefecture in Japan and represents an image of the ancient capital of Nara. This study discusses changes that were made to the sports facilities constructed in the park and the change of the image of Nara Park. Nara Park was created in 1880 and was affected by a conflict between changes in the times, which require the development of up-to-date facilities, and the park’s ability to serve as a sightseeing attraction, which requires the preservation of its scenery. In 1910, an athletics stadium, tennis courts, and a baseball field were built. In 1928, a swimming pool was constructed and a comprehensive sports facility was added, which gave Nara Park a complete sporting site. Nara Park is set on land that was formerly a temple but, once the sports facility was created, it became a“ modern” public park. In 1988, the“ Nara Silkroad Exposition” was held there. For this event, permission was given to eliminate the“ modern” elements, which referred to the sports park, and to preserve it as an authentic“ ancient city.” Consequently, all of the sports facilities were removed. Through the expulsion of“ modern” elements, the differences between“ modern” and“ the Ancient Capital of Nara” have created the current format of the Nara brand.