著者
松﨑 友世 本間 道子
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.98-108, 2005 (Released:2006-02-18)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

本研究では社会的アイデンティティ理論から,地位の低い集団がネガティブな社会的アイデンティティ(SI)におかれた状況で,ポジティブなSIを獲得しようと試みる方略である社会的創造の新しい次元比較方略に注目し,低地位集団のSIの変容を検討した。今回,低地位集団に関連する次元を加え,低地位集団のネガティブなSIがポジティブなSIに変化するか,他の次元との比較により検討を行った。実験では集団地位,比較次元を独立変数,課題の内集団・外集団評価差を従属変数とした。その結果,低地位集団は高地位有利次元群で外集団ひいき,中立次元群では両集団評価に差はなく,低地位有利次元群では内集団を外集団よりも高く評価したが統計的に有意ではなかった。ただ低地位有利次元群と中立次元群間で差が認められ,低地位有利次元群で内集団評価がもっとも高くSIがポジティブ方向を示していた。一方,高地位集団では,高地位有利次元群,中立次元群において内集団ひいきを示し従来の知見と一致する結果を示した。低地位有利次元群において,両集団評価に差はみられなかった。本研究では,得られた知見を社会的アイデンティティ理論から仮説に基づいて検討した。
著者
清水 智子
出版者
日本民俗建築学会
雑誌
民俗建築 (ISSN:02899574)
巻号頁・発行日
no.160, pp.12-17, 2021-11
著者
鈴木 康文 高田 緑 土居 良子 深澤 優子
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.13-18, 2014

高校生や大学生に対して,身近な電気製品に使われている科学技術に対する興味を喚起するためにLEDを用いた光通信に関する教材を作製した。一つはLED光線電話であり,もう一つはLEDによる音声・映像通信機である。前者は古くから知られたものであるが,後者は新たに考案したものである。LEDからの光をDVDプレイヤーからの音声信号と映像信号で変調させ,この光を受光側に置いたLEDで受け取り,増幅し,テレビで再生するものである。2本のアクリル棒を光ファイバーケーブルとして用い,その中で光を送信する。教材としての改良を繰り返しながら,子ども・保護者・高校生・大学生.教員らに対し複数回の教育実践の機会を設けた。その結果,これらの教材は従来もっている通信の概念とは異なって目新しく映り,見る者の驚きとともに興味や関心を引き付けることが分かった。
著者
除村 健俊
出版者
一般社団法人 プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.36-38, 2003

ThinkPad開発において,さまざまなリスクに対処しながら開発を進めるが,特にスケジュール・リスク管理は主要な管理項目である.本稿では. ThinkPad開発において発生しているスケジュール・リスクを整理し,それぞれの特徴を述べる.また,プロジェクト遂行時のスケジュール・リスク管理の方法としてチェックポイント・スケジューリングと並行開発について述べ,さらに,並行開発ではタスク分解を行なうことにより,スケジュールの遅れを少なくし,リソース,開発費の増加を抑えることができる例を示す.
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.397, pp.17-22, 2017-10

福井県あわら市にある温泉旅館「グランディア芳泉(ほうせん)」の改革ドキュメント。休日を30日増やして、給料はそのまま。残業は週に2時間程度。それでもサービスの質は落とさず、利益率は10%にアップ──。「休めない旅館」はいかにしてそんな離れ業を実現したのか。
著者
菅原 徹 山口 遊子 宮崎 正己 岸本 泰蔵 上家 倫子 黒野 寛馬
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-17-00090, (Released:2018-08-24)
参考文献数
10
被引用文献数
1

The purpose of this research is to clarify the relationship between the female body type and posture and the aesthetic impression it creates. We divided the BMI into 5 levels, body types into 3 levels, and posture into 6 types, making 40 types of sample images created using a 3D body scanner. Questionnaires were conducted with 157 adult women using the SD method. As a result of the principal component analysis, the first principal component axis shows “beauty” and the second shows “plumpness”. From the scatter plot, regarding posture, the weak upright type had the lowest score for beauty. The balanced upright type was considered to be beautiful. The stage of BMI shows plumpness, and when the level of sharpness is low, the level of beauty also tends to be low. The impression of the form of women showed that the elements of posture are strongly related to beauty.
著者
深見 俊崇 木原 俊行 小柳 和喜雄 島田 希
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.Suppl., pp.177-180, 2020-02-20 (Released:2020-03-23)
参考文献数
8

本研究では,レジリエンスの形成に関して先駆的に取り組まれているオーストラリアのBRiTEフレームワークを援用した中堅・ベテラン教師向け研修プログラムを構想・試行した.受講者のコメントからは,180分間という限られた時間にも関わらず,BRiTE の5つの視点を学ぶことで自身が取り組めていない点や自覚していなかった点に気づくことができ,レジリエンスを発揮するための実践につなげる可能性が認められた.
著者
中村 久美
出版者
天理大学
雑誌
天理大学学報 (ISSN:03874311)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.113-128, 2015-02

月と鏡はともに他者の像を反映するという相似の機能を担い,心理的にも互いに隣接する観念である。両者は地上の現実世界の反映であると同時に,異次元世界へと人を誘う扉でもあり,我々のなじみ深い世界にぽっかり空いた未知の世界,夢の世界への入り口である。しばしば絵画や文学作品の主題ともなり,重要な場面に欠かせない道具ともなる月と鏡であるが,これらは偶然というより,見かけの相似以上のつながりがあるのではないだろうか。西洋とわが国の文学作品を比較した時,その結びつきはより明らかになるが,東西の違いもまた浮かび上がる。月は西洋では不吉な事件の前兆となることが多く,日本では異界への入り口の象徴になることが多い。また鏡は西洋では現実の真実を現すのに使われ,日本では裏面の真実が語られる。