著者
中島 徹
出版者
日本・美術による学び学会
雑誌
美術による学び (ISSN:24356573)
巻号頁・発行日
vol.2, no.11, pp.202111, 2021 (Released:2021-05-11)

昨年から続くCOVID-19 の世界的な流行により、博物館の活動は大きく影響を受けることとなりました。本稿では、学び研メルマガ第330 号と362 号に寄稿した内容を再録し、この1年間でオンラインの取り組みがより工夫を凝らしたものに進化してきたことを振り返ってみたいと思います。
著者
萩原 敏雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1327, pp.142-145, 2006-02-06

2005年の天皇杯全日本サッカー選手権大会を制したチーム、東京ヴェルディ1969(運営会社名は日本テレビフットボールクラブ、以下ヴェルディ)が、J1(1部リーグ)からJ2(2部リーグ)に落ちた——。これは想定外の出来事でした。しかし、事実です。
著者
高橋 晋平 猪岡 光
出版者
日本感性工学会
雑誌
感性工学研究論文集 (ISSN:13461958)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-6, 2004-11-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
7

People can enjoy Japanese traditional comic storytelling by both hearing the voice and watching the gesture of a teller. Some records of comic storytelling are available only by a voice record. If the animated motion for the talk is generated, we may enjoy storytelling more. We propose two methods to generate animation in accordance with a talk. One is a real time teaching; animation is generated at real time using a mouse. The other is a semiautomatic method; the timing for a new motion will be searched and the candidates of possible motion patterns are shown to an operator. The operator will choose a motion pattern fitted with the talk of a teller. Experimental results showed the effectiveness of these methods. The methods will be applicable to the development of animation fitted with voice or music data.
著者
下島 裕美 佐藤 浩一 越智 啓太
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.74-83, 2012-07-31 (Released:2012-09-07)
参考文献数
31
被引用文献数
6 16

「ある一定の時点における個人の心理的過去および心理的未来についての見解の総体」を時間的展望という(Levin, 1951 猪股訳 1979)。本研究は,時間的展望の個人差を測定する尺度であるZimbardo Time Perspective Inventory(ZTPI)を日本語に翻訳し,原版と同様の5因子構造が得られるかどうか確認することを目的とした。大学生748名を対象に調査を行い,探索的因子分析の結果,未来・現在快楽・現在運命・過去肯定・過去否定の5因子計43項目が見出された。回転前の5因子で全分散を説明する割合は37%であった。確証的因子分析の結果,CFI=.681, GFI=.829, AGFI=.810, RMSEA=.057, AIC=3125.726であった。α係数は.65から.76,再検査信頼性(n=110)は.63から.78(p<.05)の範囲であり,原版に劣らない信頼性が確認された。原版と日本版の項目を比較したところ,日本版の現在快楽は「刺激希求性」の意味合いが強いことと,未来とのつながりがあることが示唆された。妥当性を検討した上で日本版尺度を完成させ,現在進行中である国際比較研究への参加が期待される。
著者
近藤 一郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.811-816, 1973-11-15 (Released:2011-11-04)

大分の銘醸庫の1つである八鹿酒造では最近まで全仕込の70%に山廃酒母を使用されていた。その育成法もできるだけ省力化したもので, 夜間の管理も宿直者によって行なわれるよう工夫されている。酒母製造が酵母仕込までに合理化された現在, 再び山廃酒母の採用を1つの見せ場とすることもあろうと考え, 特に寄稿をお願いしたものである。
著者
Tomohiro OKA Osamu WADA Shingo NITTA Hideto MARUNO Kiyonori MIZUNO
出版者
Japanese Society of Physical Therapy
雑誌
Physical Therapy Research (ISSN:21898448)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.66-71, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
20
被引用文献数
5

Objective: Deep vein thrombosis (DVT) is a severe complication after total knee arthroplasty (TKA). Performing self-calf massage may decrease the incidence of DVT. The purpose of this study was to investigate whether self-calf massage is effective for preventing DVT after TKA. Method: In all, 165 patients participated in the present study. Patients were randomized to one of two groups: the self-calf massage group or the control group. In the control group, patients started regular physical therapy. In the self-calf massage group, in addition to regular physical therapy, patients were instructed to massage their calf muscles 30 times from the distal to proximal side. This procedure was repeated three times and was completed in 2 mins during the 2 days following TKA. All patients were evaluated for DVT on postoperative day 3 using lower limb vein ultrasonography. Results: The incidence of DVT was significantly lower in the self-calf massage group than in the control group. Self-calf massage was associated with a lower incidence of DVT, whereas age and female sex were risk factors for DVT. Conclusion: This study showed that the self-calf massage may be beneficial for the prevention of DVT after TKA.
著者
木村 義成 山本 啓雅 林田 純人 溝端 康光
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2021, 2021

<p><b>研究発表の背景</b></p><p> 令和元年度版の消防白書によると,全国における医療機関への平均搬送時間は35.0分(平成20年)から 39.5.分(平成30年)と10年間で4.5分増加しており,救急搬送の長時間化が指摘されている.また,患者の受入先医療機関が速やかに決定しない救急事案(救急搬送困難事案)が全国的に報告されている.</p><p> 傷病者に対する救急搬送の時間フェーズは大きく分類すると,「傷病発生〜消防署による覚知」,「覚知〜救急車の現場到着」,「現場到着〜傷病者の医療機関への収容」の三段階となる.救急救命活動においては,傷病者に対して一定時間内に適切な初期処置を行わなければ救命率が下回ることが報告されており,救急搬送の時間フェーズの中では,特に救急覚知場所への到着,「覚知〜救急車の現場到着」までの時間短縮が重要となる.</p><p> 高齢化社会が進展する中で,今後も救急需要は高まることが予想されており,救急施策において消防組織の改善努力では限界があり,救急車の適正な利用促進や夏季における熱中症の注意喚起など,搬送対象となる地域住民への啓発活動が推進されている.</p><p></p><p><b>研究発表の目的</b></p><p> このような社会的な背景のもと,本研究発表では,現場到着からみた救急活動,不要不急な救急車の利用,熱中症と社会地区属性の3つの課題を例に,地理学がどのように救急医療の諸課題に貢献できるか紹介する.</p><p> 本研究発表では,救急隊の活動において重要視される「出場〜現場到着」時間の観点から考案した「救急隊最近接地域」という空間分析単位と都市内部の居住者特性の空間的分布パターンや居住分化に関する分析から派生したジオデモグラフィックスと呼ばれる小地域における地区類型データを用いた分析を上記の3つの課題に適用する方法について解説する.</p><p></p><p><b>救急隊最近接地域を用いた分析例</b></p><p> 救急活動においては,救急隊配置場所から救急覚知場所(「出場~現場」)の現場到着時間の短縮が重要となる.したがって,発表者らは,各救急隊がそれぞれ最短時間で現場到着できる地域を「救急隊最近接地域」と定義し,カーナビゲーション・システムで利用される道路ネットワーク・データとGIS(地理情報システム)を用いることで,この独自に定義した地域を作成した(木村, 2020).</p><p> 本研究発表では,大阪市を事例にした「救急隊最近接地域」の作成(図1)と,この独自に作成した空間分析単位を用いて,現場到着からみた救急活動,不要不急な救急車の利用に関して,それぞれの地域差について分析した例を示す.</p><p></p><p><b>ジオデモグラフィックスを用いた分析例</b></p><p> 本研究発表では,Experian Japan社のMosaic Japanというジオデモグラフィックス・データと大阪市消防局の救急搬送記録から判明した熱中症発生データから,熱中症が多発する地区類型を見出す分析例を紹介する.</p><p> この分析例から,どのような地区特性の,どのような人を対象に,熱中症の注意喚起を促す広報活動を行うか,救急施策に対する地区類型データの利活用の可能性について本研究発表で触れる。</p><p></p><p><b>参考文献</b></p><p>木村義成 2020. 大阪市における消化出血患者の搬送特性からみた地域グループ.史林 103(1):215-241.</p>
著者
一林 亮 鈴木 銀河 山本 咲 中道 嘉 渡辺 雅之 本多 満
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.559-563, 2020-08-31 (Released:2020-08-31)
参考文献数
17

目的:われわれは気管挿管下に人工呼吸管理を行った80歳以上の高齢者の予後に影響する因子を調査し,人工呼吸管理の是非を検討した。対象および方法:3年間で当院救命救急センターに現場から直接搬送され,気管挿管された80歳以上の患者95例を対象とした。診療録より日常生活動作,認知症の有無,APACHEⅡスコア,アルブミン値,28日間のventilator free day(VFD)などを後方視的に検討した。結果:患者95例のうち生存群55例,死亡群40例であり,多重ロジスティック回帰分析の結果,アルブミン値がオッズ比2.28869 で生存および28日間VFDに影響していた。結論:高齢者治療において人工呼吸管理をする場合,血中アルブミン値も参考に各施設でリスク・予後を評価する必要があると考えられる。
著者
中嶋 名菜 福山 豊 松添 直隆 北野 直子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】近年、農業人口の減少、核家族化、食生活の洋風化などの社会的変化により行事食を家庭で作る機会が減り、伝統的な行事食が次の世代へ伝承されない傾向にある。そこで阿蘇神社を中心に現在でも数々の農耕祭事が行われている阿蘇地域において、行事食ならびに郷土料理の喫食状況を明らかにすることを目的とした。【方法】2012年4-8月、阿蘇7市町村在住の女性780名を対象に、日本調理科学会特別研究の質問票を基に、行事食、郷土料理に関する調査を行った。基本属性(性、年齢、居住地区、家族構成)に不備のある者を除いた430名を解析対象とし、喫食状況について年代(40歳代以下、50・60歳代、70歳代以上)、世帯別(単身世帯、同世帯、2世帯、3世帯以上)に比較した。【結果】阿蘇地域においては、正月、節分、上巳、土用の丑の日、大晦日の行事の経験はどの年代においても90%以上が経験していた。七草・春分の日・盂蘭盆・お月見・秋分の日・春祭り・秋祭りが40歳代以下の者が50歳代以上より経験率が有意に低かった(p<0.05)。また、お節料理では、年代が高いほど家庭で作る割合が高かったが、世帯別では有意な差は見られなかった。郷土料理では、高菜飯やだご汁、いなりずしなどは全体の喫食経験がほぼ100%であるのに対し、すぼ豆腐に関しては70歳代以上でも経験率が60%未満であり、赤ど漬け、とうきび飯、ひこずり、すぼ豆腐、のっぺ汁、栗飯において年代間で喫食経験に有意差が見られ、年代が高いほど高かった(p<0.05)。以上より、阿蘇地域の行事食や郷土料理は年代が低いほど伝承度合が低く、行事、調理法や食品の種類によって伝承の容易さに相違がある可能性が示唆された。