著者
嶋田 繁
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.151-164, 2000-04-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
51
被引用文献数
17 13

天城カワゴ平火山は,伊豆半島の天城火山北西部に位置する単成火山である.噴出物層序から,同火山の噴火活動は噴火様式の異なる4ステージ(ステージI:火砕サージ噴火→ステージII:プリニー式噴火→ステージIII:火砕流噴火→ステージIV:溶岩流出)に区分できる.このうち,ステージIIで噴出した大量の降下軽石(KGP)はおもに東風により西へ吹送されたが,一部は火口の北または北東~南東方向にも認められ,全体の分布域は伊豆~東海地方のほか南関東,中部山岳地域,近畿地方などの広域に及ぶ.その分布には偏西風の影響がほとんど認められないことから,噴火は夏季に生じた可能性が示唆される.またステージIIIでは,火砕流が天城火山山麓の谷を流下したが,これと同時に灰かぐらが発生し,火砕流の流下域やその西側に細粒火山灰層が厚く堆積した.カワゴ平火山の噴火年代については,14C年代値,周辺地域のテフラ層序,KGPと考古遺物との層位関係から,3,060~3,190yrs BPと推定した.この噴火と同時期(縄文時代後~晩期)の伊豆半島や駿河湾岸周辺の沖積低地では,潟湖の埋積が進み,沼沢地・湿地が発達していた.特に静清平野では,KGPを挾む泥炭層が低地のほか,扇状地末端などの微高地上にも分布することから,KGP降下期の同平野では広域に沼沢地・湿地が形成されていたと推定される.
著者
田沼 光明
出版者
三田哲學會
雑誌
哲学 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
no.87, pp.p257-280, 1988-12

序第一章. ディドロの「天才」の概念 A. 天才の素質、集中力の問題とその稀少性について B. 天才の独創性第二章. 『大学論』の位相第三章. 天才への教育的配慮 A. 天才を損うものと天才の扱い方 B. 天才と社会結語

3 0 0 0 OA 一宮市史

著者
一宮市 編
出版者
一宮市
巻号頁・発行日
vol.下巻, 1939
著者
原田 幸一
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学医学部保健学科紀要 (ISSN:18807151)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-6, 2006-01-31

鉛貧血については、鉛により赤血球膜の浸透圧に対する脆弱性が増大し、そのため赤血球が破壊することによる溶血性貧血と、ヘム生合成への鉛の阻害作用による貧血の2つの観点から理解される。ここでは、ヘム生合成に影響する鉛による貧血について考察する。
著者
中林 敏郎 鈴木 邦男
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.779-782, 1986-11-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
2
被引用文献数
1

焙煎に伴うコーヒー豆の著しい膨化と脆化の原因を明らかにする為に実験を行ない,次の事実を明らかにした.(1) 焙煎により豆の体積はイタリアンローストで約70%増となり,比重は生豆の1.16がイタリアンローストでは0.49と軽くなった.(2) 豆の圧縮強度は生豆の51.8kgからイタリアンローストでは1.72kgと著しく脆くなった.(3) 走査型電子顕微鏡観察により,焙煎の進行に伴なって表面のき裂は次第に大きく深くなると共に,豆の内部に球状の空胞が発達してスポンジ状となり,さらにイタリアンローストでは空胞壁の破壊もみられた.(4) この豆の内部組織のスポンジ化が豆の膨化と脆化の直接の原因であることを確かめると共に,焙煎時の熱反応の進行について組織学的に若干の考察を行なった.
著者
植田 光洋
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.496-499, 2016-10-20 (Released:2017-04-03)
参考文献数
8

扱いづらい反応として悪名高かったラジカル反応は,多くの化学者による献身的な努力により,一般社会にとっても有用な有機化学反応へと変貌しつつある。本稿では,ラジカル反応の基本事項を解説するとともに,近年著しい発展を遂げている有機分子触媒によるラジカル反応に関して,特に炭素ラジカルの生成法及びその活用法に関して概説した。また,ラジカル反応の特性を活かした連続的ラジカル反応(多成分連結反応)についても合わせて紹介した。
著者
藤枝 重治 坂下 雅文 徳永 貴広 岡野 光博 春名 威範 吉川 衛 鴻 信義 浅香 大也 春名 眞一 中山 次久 石戸谷 淳一 佐久間 康徳 平川 勝洋 竹野 幸夫 氷見 徹夫 関 伸彦 飯野 ゆき子 吉田 尚弘 小林 正佳 坂井田 寛 近藤 健二 山岨 達也 三輪 高喜 山田 奏子 河田 了 寺田 哲也 川内 秀之 森倉 一朗 池田 勝久 村田 潤子 池田 浩己 野口 恵美子 玉利 真由美 広田 朝光 意元 義政 高林 哲司 富田 かおり 二之宮 貴裕 森川 太洋 浦島 充佳
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.728-735, 2015-06-20 (Released:2015-07-18)
参考文献数
21
被引用文献数
2 9

これまで本邦における慢性副鼻腔炎は好中球浸潤が主体で, 内視鏡鼻副鼻腔手術とマクロライド少量長期投与にてかなり治療成績が向上してきた. しかし2000年頃からそれらの治療に抵抗性を示し, 易再発性の難治性副鼻腔炎が増加してきた. この副鼻腔炎は, 成人発症で, 嗅覚障害を伴い, 両側に鼻茸があり, 篩骨洞優位の陰影があった. 末梢好酸球も多く, 気管支喘息やアスピリン不耐症の合併もあった. このような副鼻腔炎の粘膜には多数の好酸球浸潤が認められていたため, 好酸球性副鼻腔炎と命名された. 好酸球性副鼻腔炎は, 徐々に増加傾向を示してきたが, 好酸球性副鼻腔炎の概念, 診断基準はあまり明確に普及していかなかった. そこで全国規模の疫学調査と診断ガイドライン作成を目的に多施設共同大規模疫学研究 (Japanese Epidemiological Survey of Refractory Eosinophilic Chronic Rhinosinusitis Study: JESREC Study) を行った. その結果, 両側病変, 鼻茸あり, CT 所見, 血中好酸球比率からなる臨床スコアによる簡便な診断基準を作成した. さらに臨床スコア, アスピリン不耐症, NSAIDs アレルギー, 気管支喘息の合併症, CT 所見, 血中好酸球比率による重症度分類も決定した. 4つに分類した重症度分類は, 術後の鼻茸再発と有意に相関し, 最も易再発性かつ難治性の重症好酸球性副鼻腔炎はおよそ全国に2万人いることが判明した. 治療法については経口コルチコステロイド以外まだ確立されておらず, 早急なる対応が急務と考えている.

3 0 0 0 OA 諸系譜

巻号頁・発行日
vol.第13冊, 1800
著者
今田 智大 橋本 剛
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.6, pp.151-154, 2012-11-09

オセロにおいて一般的に設けられているハンディキャップは隅に石を置くものであるが、そのハンディキャップは実力差を埋めるのにあまり妥当でないと言われている。本研究では実力差が大きい時に一般に設けられているオセロのハンディキャップが妥当でないことを示し、新しく大きな実力差を埋めるハンディキャップを提案する。

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1936年07月22日, 1936-07-22
著者
佐々木 貴広 下村 卓 金田 さやか
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.31, no.8, pp.305-311, 2018-08-10 (Released:2018-10-16)
参考文献数
11

Much attention has been paid on CMGs (Control Moment Gyros) as a large torque generator of spacecraft. There are many studies on singularities of CMGs. However, the steering law in their studies has achieved only singularity avoidance in most cases. In this paper, we propose a multi-objective steering law which achieves complete 3-axis attitude control while considering not only singularity avoidance but also another function. First, we introduce a steering law for both singularity avoidance and power optimization. Second, we propose another steering law for both singularity avoidance and achieving preferred gimbal angles. Regarding the control law, we apply a GS (Gain-Scheduled) controller via LPV control theory while introducing a Parameter-Dependent Coordinate Transformation.