著者
渡邊 寛
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.28-41, 2019-07-01 (Released:2019-07-06)
参考文献数
49

本研究では,現代の男子大学生を対象に,以下2点を検討した。第1に,男子大学生が認知する親の男性役割期待の実態を検討した。その結果,男子大学生は,父親の伝統的な男性役割期待をあまり感じず,父母の新しい男性役割期待を強く感じていた。第2に,親の属性(学歴と就労状況)や親の男性役割期待認知が,男子大学生の男性役割態度に与える影響を検討した。その結果,学歴や働き方は父親の影響が強く,男性役割期待は母親の影響が強かった。これらの結果から,男子大学生は,父親の働き方や生き方を手本とする一方で,母親からの期待の影響を直接受けていると示唆された。これらの結果を踏まえて,本研究の意義と今後の課題が議論された。
著者
山口 晴幸
出版者
水利科学研究所
巻号頁・発行日
no.302, pp.85-100, 2008 (Released:2011-12-08)
著者
鈴木 晃仁
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.33-51, 2014-12-20 (Released:2015-11-08)

This paper examines the relationship between psychiatric practice and literature. Those materials that suggest patients' “literary” activities, both in narrow and wide senses of the term, have been selected from an archive of a private hospital in Tokyo before the Second World War and their meanings and functions in and out of the psychiatric hospital are discussed. The two apparently contradictory forces of producing patients' discourse and forbidding their subjectivity are present and did somehow contribute to the making of the “literature” of the mental patients.
著者
永井 聡子
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.91-96, 2011

本稿は、平成21年度静岡文化芸術大学「学長特別研究費」および平成22年度創立10周年記念特別公開講座(公演)ミュージカル・ドラマ「いとしのクレメンタイン」の初演制作と公演(平成22年12月17日(金)・18日(土)の2日間)の成果としての報告であり、制作過程における記録である。 公演は、本学が舞台芸術作品を自主企画制作して学生への教育とするとともに、一般公開することによって、地域における文化環境創造へのトライアルを目指し、「大学劇場」の役割とその可能性を探った。学生が舞台に様々な角度で関わることで舞台制作の動きを現実のものとして学ぶこと、大学の講堂を使用することによって学生が講義の場合と同様、日常的に教育を受ける場を与えることを意味する。 舞台芸術を学ぶ学生には、「地域に根差した創造的な」劇場運営の柱ともなるこれからの担い手として、また地域そのものの文化力向上を担える人材として育っていくことを期待するものであった。

3 0 0 0 OA 西洋妖怪伝説

著者
蘆谷重常 著
出版者
国民書院
巻号頁・発行日
1919
著者
大沼 俊博 渡邊 裕文 蔦谷 星子 三好 裕子 山口 剛司 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.103-107, 2002 (Released:2005-05-21)
参考文献数
2
被引用文献数
1

To evaluate of sustained elevation of a paralyzed superior limb, we performed physical therapy for the limb in a patient with postapoplectic hemiplegia. During the physical therapy, sustained elevation of the paralyzed superior limb was achieved by activating muscle groups in the lower trunk and gluteal region controlled by the corticoreticular spinal tract, and by accelerating continuation of associated righting reflex. These findings suggest that postural adjustment of the body center and proximal extremities is required in hemiplegic patients to achieve functional improvement of a paralyzed superior limb.

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1886年05月12日, 1886-05-12
著者
茅野 崇 鈴木 理恵 新谷 良澄 吉田 敦 奥住 捷子 森屋 恭爾 木村 哲
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.81-84, 2005-06-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
19

病院感染対策には手洗いおよび手指消毒が基本かつ重要である. 近年のアルコールゲル擦式手指消毒薬 (ゲル剤) に関する報告ではKramerらがその殺菌効果の低さを指摘している. 我々はKramerらの報告と異なるグローブジュース法によりゲル剤の殺菌効果を検討した.総付着菌数の対数減少値は, 液体石けん0.99±0.53 (n=29), ゲル剤A1. 61±0.66 (n=36), ゲル剤B1.52±0.55 (n=29), アルコール擦式手指消毒薬 (ラビング剤) 2.05±0.67 (n=38) であった (Mean±SD). ラビング剤およびゲル剤は液体石けんに比べ有意に菌数を減少させた (P<0.0001). この結果は, Staphylococcus aureusおよびEscherichia coliの菌種別および被験者を医療職・事務職に分けた職種別の各検討結果においても同様の成績が認められた.以上より, ゲル剤の殺菌効果はラビング剤よりも若干劣り, 石けんと流水による手洗いよりも優れていることが示された.
著者
蔵治 光一郎 市栄 智明
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.95-107, 2006
被引用文献数
2

北ボルネオ(マレイシア・サバ州及びサラワク州)の10地点においてマレイシア気象サービスにより過去最長51年間にわたり観測された一般気象データを用いて,北ボルネオ一般気象の季節変動について検討した.その結果,気温,湿度,降水量,風速,風向,日射量,蒸発量などが明瞭な季節変動をすることが明らかになった.特に降水量にはかなり顕著な季節変動があることが見出された.これまでの研究では,この地域は明瞭な季節変動がない地域と認識されてきたが,それは変動の振幅が温帯や他の熱帯の振幅と比較して相対的に小さいためであると考えられる.降水量については,月降水量100mmを下回る月が3ヶ月に満たないがゆえに,季節変動がないと解釈されていたと考えられる.
著者
杉本 俊介
出版者
北海道大学大学院文学研究科応用倫理研究教育センター
雑誌
応用倫理 (ISSN:18830110)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.35-50, 2012-10-01

In this paper, I will discuss Peter Singer's answer to "Why be Moral?". There have been many debates regarding the "Why be Moral?" problem. It is, however, still unclear whether at least one answer is correct. I take up and examine Singer's argument. Firstly, I will provide a brief overview of the literature on the Why be Moral? problem, and place Singer's contribution within the literature. Secondly, I claim that Singer's argument from a meaning of life does not intend to provide everyone with the reasons for acting morally, as opposed to the standard interpretation. His 1973 article supports my claim. However, in fact, Singer requires us to be moral, which is an apparent contradiction to my interpretation. Lastly, I explain why it is not a contradiction.本論文は、ピーター・シンガーが「なぜ道徳的であるべきか」(Why be Moral?)という問いに十分に答えているかどうかを検討する。この問いは誰がどう答えたかは知られていても、それが十分な答えかどうかはあまり明らかにされていない。そこで本論文では、シンガーの答えを取り上げ、彼の回答がWhy be Moral? という問いに対する十分な答えであるかどうかを検討したい。本論文のおおまかな流れは以下のとおりである。まず、Why be Moral? 問題の概要を示すとともに、そのなかでのシンガーの答えがどのように位置づけられてきたかを確認する。次いで、従来の解釈と異なり、シンガーは〈あらゆる人にとって道徳的であるべき理由を与えようとはしていない〉ことを確認する。彼がどうしてこのようなスタンスをとるかについても説明を与える。これに対しては、実際シンガーは道徳を気にかけない人々を説得しようとしているではないかという反論が挙げられるだろう。一見すると「なぜ道徳的でなければならないか」という問いに答えられないことを認めているにもかかわらず、我々に道徳的になるように要求することは矛盾した態度であるように思われるからだ。最後に、この反論を検討する。