著者
井上 清子 吉田 敦子
出版者
文教大学
雑誌
教育学部紀要 = Annual Report of The Faculty of Education (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.19-26, 2008-12-01

本研究では,ソーシャル・スキルという観点からの児童理解や指導のための一助とするために,児童のソーシャル・スキルの性差を中心とした発達について明らかにすることを目的とした.公立小学校2 校の小学2 年生から6 年生を対象として質問紙調査を行い,706 名(男子350 名,女子356 名)を分析対象とした.その結果,配慮のスキル・関わりのスキルとも,有意に女子の方が高かった.配慮のスキルについては,小学2 年生の時点ですでに女子の方が高く,その後も女子の方が高いスキルを持ち続けていることが示唆された.関わりのスキルについては,配慮のスキルほど,はっきりした性差はみられなかった.男子では,配慮のスキル・関わりのスキルとも,学年群があがることによる有意な変化は見られなかった.女子では,学年群があがるに従って,配慮のスキル・関わりのスキルとも下がる傾向があり,特に高学年では,低・中学年に比べて有意に低かった.
著者
吉田 敦彦 Atsuhiko Yoshida
出版者
学習院女子短期大学国語国文学会
雑誌
国語国文論集 (ISSN:02896753)
巻号頁・発行日
no.17, pp.116-135, 1988-03-20

特別寄稿
著者
篠田 知和基 吉田 敦彦 丸山 顕徳 松村 一男 中根 千絵 鈴木 正崇 不破 有理 服部 等作 山田 仁史 立川 武蔵 後藤 敏文 荻原 真子 木村 武史 後藤 明 廣田 律子 近藤 久美子 竹原 新 坂井 弘紀 諏訪 春雄 小松 和彦 鷹巣 純 栗原 成郎 依田 千百子
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

世界神話の基本的な二元構造を日本神話、ギリシャ神話、エジプト神話、インド・イラン神話、オセアニア神話、シベリア神話、アメリカ神話などにさぐった。明暗、水中の火、愛の二元性、罪と罰、異界と常世などのテーマでシンポジウムをおこない、それぞれの論文集を刊行した。生死、善悪の問題はそのつど検討された。最後は聖と穢れについて総括討論会をおこなった。その結果、世界神話は聖なるものを水中の火のような矛盾した概念のなかに追及するものであることがあきらかになった。
著者
張 漢明 野呂 昌満 沢田 篤史 吉田 敦 蜂巣 吉成 横森 励士
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.11, pp.1-6, 2013-03-06

本研究の目的はソフトウェアアーキテクチャを中心とした実践的な記述法と検証法を確立することである.振舞い仕様と機能仕様及び詳細化関係に着目して,既存のモデル検査とテスティング技術を適切に適用するための検証モデルを提示する.本稿では単純な自動販売機を事例として,アーキテクチャ段階における仕様記述と検証例を示す.本検証モデルは,ソフトウェア開発者がアーキテクチャを記述及び検証するさいの実践的な指針となることを目指す.
著者
吉田 敦彦 Atsuhiko Yoshida
出版者
学習院大学東洋文化研究所
雑誌
調査研究報告 (ISSN:09196536)
巻号頁・発行日
no.31, pp.50-70, 1990-03

昔話の中で山姥は、自分の身体からさまざまな財宝などを排泄したり分泌していくらでも出せる、不思議な力をもち、また死ぬと死体からも、財宝や作物などが発生するように、物語られてきた。これは記紀に記された作物起源神話の主人公の神たちが、やはりさまざまな御馳走を、身体からいくらでも排泄したり分泌して出せた上に、死体から作物などが発生したと語られているのと似ている。殺されると死体から作物が生え出る、地母神的豊穣女神は、わが国で縄文時代の中期にはすでに信仰され、その姿を土偶や土器に表現されていた。昔話の中の山姥は、土偶や土器から窺えるこの縄文時代の地母神の性質を1さまざまな面でびっくりするほどよく受け継いでおり、古い女神が民間伝承の中で不気味な妖怪に変化したものと目せる。
著者
茅野 崇 鈴木 理恵 新谷 良澄 吉田 敦 奥住 捷子 森屋 恭爾 木村 哲
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.81-84, 2005-06-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
19

病院感染対策には手洗いおよび手指消毒が基本かつ重要である. 近年のアルコールゲル擦式手指消毒薬 (ゲル剤) に関する報告ではKramerらがその殺菌効果の低さを指摘している. 我々はKramerらの報告と異なるグローブジュース法によりゲル剤の殺菌効果を検討した.総付着菌数の対数減少値は, 液体石けん0.99±0.53 (n=29), ゲル剤A1. 61±0.66 (n=36), ゲル剤B1.52±0.55 (n=29), アルコール擦式手指消毒薬 (ラビング剤) 2.05±0.67 (n=38) であった (Mean±SD). ラビング剤およびゲル剤は液体石けんに比べ有意に菌数を減少させた (P<0.0001). この結果は, Staphylococcus aureusおよびEscherichia coliの菌種別および被験者を医療職・事務職に分けた職種別の各検討結果においても同様の成績が認められた.以上より, ゲル剤の殺菌効果はラビング剤よりも若干劣り, 石けんと流水による手洗いよりも優れていることが示された.
著者
吉田 敦彦 永田 佳之 今井 重孝 西村 拓生 西平 直 森岡 次郎 藤根 雅之
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

日本のオルタナティブ学校に関する事例研究と原理的考察を通して、公教育とオルタナティブ教育とが連携する意義と可能性を明らかにした。1)多義的な「オルタナティブ」概念および「多様性と公共性」をめぐる議論を分析したうえで、学校教育法と並立するオルタナティブな教育機会確保法の意義を明らかにした。2)オルタナティブ教育実践の質を保証する先行事例として、相互認証、教員研修、公民連携等の役割を担う中間支援組織の試み、および台湾の「実験教育三法」の動向を検証した。3)公教育学校とオルタナティブ学校が連携したサステイナブルスクール・プロジェクトに参画し、ホールスクールアプローチによる実践・評価モデルを開発した。
著者
西村 拓生 岡本 哲雄 吉田 敦彦 山内 清郎 井谷 信彦 辻 敦子 神戸 和佳子 山田 真由美
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

教育における宗教性は、教育という営みの根底を考える際に非常に重要な契機である。この問題を考える際に思想史的に注目すべきなのが、京都学派の哲学に源流をもつ教育哲学の系譜である。この研究では、京都学派教育哲学の諸思想を分析し、その中に、「生命性と超越」を鍵概念とする系譜、「臨床性から公共性」という志向をもつ系譜、そして「言語の限界と可能性」をめぐる系譜を見出した。さらに、その分析を基盤として、教育における宗教性・超越性に関する多様な思想史的・人間学的研究を行ない、包括的・体系的な研究への足掛かりを構築した。
著者
仁枝 元良 吉田 敦 片岡 通明 有馬 政登 鳴海 馨 成田 久雄 笹崎 郁雄 宮城島 実香
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第41回, no.人工知能及び認知科学, pp.85-86, 1990-09-04

AI開発環境として開発される多くのツールは,従来開発に利用されてきたシステム構築のためのツールや技法とは異なった文化を背景としており,知識処理システムは従来のシステムと独立して開発される場合が多かった.そのためにエキスパートシステム(以降ESという)開発ではLISP,PROLOGベースで固有のモデルを構築するため以下の問題が発生していた.・省資源,高性能の知識処理システムの構築が難しい.・データベース,ネットワークなどの既存システムとの融合が難しい.これらの問題を解決するために,COBOLベースのES構築支援ソフトウェアーYPS/KR(YacII Programming System/Knowledge Representation)を開発し,既存システムとESの自然な融合を実現した.YPS/KRのシステム構成は以下のとおりである.・WS上でのモデル編集/構築を行う開発環境・ホスト上で実行するために知識表現形式をCOBOLに変換するYPS/KRであり,COBOLのプリプロセッサである.本論文ではオブジェクト指向とイベント駆動型推論を中心にYPS/KRの概要について述べる.
著者
仁枝 元良 吉田 敦 片岡 通明 有馬 政登 鳴海 馨 成田 久雄 笹崎 郁雄 宮城島 実香
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.85-86, 1990-09-04

AI開発環境として開発される多くのツールは,従来開発に利用されてきたシステム構築のためのツールや技法とは異なった文化を背景としており,知識処理システムは従来のシステムと独立して開発される場合が多かった.そのためにエキスパートシステム(以降ESという)開発ではLISP,PROLOGベースで固有のモデルを構築するため以下の問題が発生していた.・省資源,高性能の知識処理システムの構築が難しい.・データベース,ネットワークなどの既存システムとの融合が難しい.これらの問題を解決するために,COBOLベースのES構築支援ソフトウェアーYPS/KR(YacII Programming System/Knowledge Representation)を開発し,既存システムとESの自然な融合を実現した.YPS/KRのシステム構成は以下のとおりである.・WS上でのモデル編集/構築を行う開発環境・ホスト上で実行するために知識表現形式をCOBOLに変換するYPS/KRであり,COBOLのプリプロセッサである.本論文ではオブジェクト指向とイベント駆動型推論を中心にYPS/KRの概要について述べる.
著者
吉田敦彦著
出版者
みすず書房
巻号頁・発行日
1979
著者
吉田 敦也
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究ではモバイルインターネット社会における成人ICTリテラシーの現状と国際的動向について調査研究を行い、地域ICTリーダー育成に効果的な学習プログラムと標準化を検討した。主な結果は、①日本の成人ICTリテラシー育成プログラムを5分類した。②全体的に高度IT人材育成を目標に技術指向が強い傾向にあった。③海外では国際連携の取組が多く人材育成の生態系が形成されていた。④ECDL/ICDLは実用性を特徴とし政策連携していた。⑤学習内容、教え方、「場」は急速に変化しておりイノベーション促進と社会課題解決強化の方向にあった。⑥これらから日本版ICTリテラシー形成モデル、学習プログラム、標準化を検討した。
著者
吉田 敦彦
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.62, pp.32-46, 1990-11-10 (Released:2009-09-04)
参考文献数
28

This paper deals with the problem of the 'helping relationship' and tries to clarify the real position of Buber when in the dialogue between him and Rogers, he raises objections against the latter. The aim of our discussion is to bring into focus the peculiar nature of Buber's thought who takes a third stand between two positions-on the one side Buber's opposition to the indoctrinating type of the Zwangsschule-which he shares with Rogers, and on the other hand Buber's opposition to the Freie Schule leaving room for growth.First, we consider Buber's argument that there is a limit to the proposal of Rogers who insists that a relation of equality exists between the giver and receiver of assistance (help).Secondly we examine, rising up to Buber's human ontology, the problem of the attitude required of the assisting person through Roger's concept of 'acceptance' in contrast to Buber's concept of 'confirmation' (Bestätigung) of 'potentiality'. We discover there in the relation to the assisted person the confirmation of a power directed toward the realization of truth (Wahrheit) as the basic attitude of the assisting person.
著者
吉田 敦彦
出版者
学習院大学
雑誌
調査研究報告 (ISSN:09196536)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.50-70, 1990-03

昔話の中で山姥は、自分の身体からさまざまな財宝などを排泄したり分泌していくらでも出せる、不思議な力をもち、また死ぬと死体からも、財宝や作物などが発生するように、物語られてきた。これは記紀に記された作物起源神話の主人公の神たちが、やはりさまざまな御馳走を、身体からいくらでも排泄したり分泌して出せた上に、死体から作物などが発生したと語られているのと似ている。殺されると死体から作物が生え出る、地母神的豊穣女神は、わが国で縄文時代の中期にはすでに信仰され、その姿を土偶や土器に表現されていた。昔話の中の山姥は、土偶や土器から窺えるこの縄文時代の地母神の性質を1さまざまな面でびっくりするほどよく受け継いでおり、古い女神が民間伝承の中で不気味な妖怪に変化したものと目せる。It is related in Japanese folk tales that the mountain witch has a magical power to excrete or secrete treasure as much as she wants, and that even after death foods and treasures come out from her body. The same power is attributed to the deities of food in the Japanese myths recorded in K()jilei(『古事記』)(the Records of Ancient Matters) and〈Xihonshohi(『日本書紀』)(the Chronicles of Japan). A mothergoddess of fertility (akind of the Mother Earth), from whose dead body foodstuffs grew up, was believed in and represented by clay figurines and earthenwares in the Jomon period (the Japanese neolithic cultural period extending from about 8000 B.C. to about 300 B.C). The mountain witch inherits various characteristics of this Jomon goddess of ferility, and it seems that the goddess was transfigured in folklore into a witch.
著者
吉田 敦也 堀尾 裕幸 山口 隆美
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1994

本研究では、交流共感型先端VR遠隔医療システムとしてのハイパーホスピタル(超病院)の一部として、ISDNを経由した遠隔2点間で、医師と患者が、それぞれの3次元VR映像のエージェントを用いて面接を行なう電子問診システムのプロトタイプを試作した。平成6年度においては、シリコングラフィックス社のワークステーション「インディ」を中心とした(1)双方向映像通信システムを試作し、ISDN回線とEhtemetを用いた実験的な利用を試みた。平成7年度においては、(2) 3Dグラフィックエージェントを人間様の形状と非人間様(野菜など)の形状をベースに試作し、対話場面に必要な表情表出や動作を利用できるようにインターフェースを開発した。平成8年度においては、上記に構築したシステムとグラフィックエージェントなどを用いて、(3)模擬的な電子問診実験を行い、話し易さ、緊張感、行動の反響など対話におけるコミュニケーション特性について測定・評価した。本研究の全体的な成果としては、グラフィックエージェントなどの視覚的、聴覚的なリアリティが高いほど、コミュニケーション効果は低下する可能性が認められたことである。すなわち、高忠実な現実再生型の描画や音声合成は必ずしも、対話を促進する方向へでは機能しない傾向にあり、むしろ精細度を低下させた描画や電子音声の方が人間関係をメディエ-トしやすいのではないかと思われる結果を得た。また、動作レベルでは、電子面接中にグラフィックエージェントが表現する手足や体の動きが被面接者に反響することが明らかとなった。このことは、電子面接を行う際のグラフィックエージェントの非言語的行動が、被面接者に対して心理的影響を与える要因となることを示唆するものである。音声レベルでは、面接者の発話音声の周波数に非面接者に対して好印象を与える値があることを見いだした。特に、第一フォルマント周波数が平均的な成人の値よりも低い場合に、被面接者はその音声による質問に答えやすいと感じる傾向が認められた。このことはグラフィックエージェントの発話音声の特性が面接効果に影響を与えることを示唆するものである。以上の結果をもとに診察場面など医療環境における電子問診システムのヒューマンインターフェース設計について総合的な考察を試みた。