著者
Masahiro Ito Takashi Yamamoto Kenichi Takaku Nanako Tsutsui Mayumi Sasagawa Satoru Hirono Toshiya Suzuki Makoto Kodama
出版者
International Heart Journal Association
雑誌
International Heart Journal (ISSN:13492365)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.394-395, 2012 (Released:2012-12-18)
参考文献数
8
被引用文献数
3 3

There have been only a few reports regarding the relation between snow shoveling and acute heart failure syndromes (AHFS). We present a case series of 5 patients who presented with AHFS, all within 5 days after shoveling snow. Although all patients underwent examination at a regular out-patient clinic, no patient had prior signs or symptoms of heart failure. The condition of all patients had gradually deteriorated, with no abrupt onset of dyspnea after shoveling snow. Four of the 5 patients demonstrated a preserved ejection fraction on echocardiography. Snow shoveling may lead to AHFS in patients who are at risk for developing heart failure.
著者
山本 順一
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学経済経営論集 (ISSN:02869721)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.17-68, 2016-10

Now we are living 21st century social lives. Information technology and Internet have been changing our society and our daily life. Everything continues to be different day by day. Public libraries all over the world are also changing. They have taken new digital contents and various databases. While lots of library users now use e-books and electronic journals, they use PCs in the libraries and enjoy cyberspace. Librarians believe in intellectual freedom, and library privacy as well. This paper deals with the legal history and construction of library privacy. Substantial idea of library privacy protection style nowadays is different from 20th century's way. Japanese public libraries would like to protect users' library privacy through general ordinances for the protection of personal data held by administrative organs. The author considers such Japanese legal way of style is inappropriate, and U.S. public libraries enforce better protection of the personal library use information through their privacy policies and various privacy protection laws. This paper introduces some examples, including San Francisco, Boston, New York, and so on.

3 0 0 0 OA 泰緬鉄道補遺

著者
浅井 得一
出版者
日本地理教育学会
雑誌
新地理 (ISSN:05598362)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.1-31, 1963-03-25 (Released:2010-02-26)

泰緬鉄道については, はじめて耳にする人もあると思うので, 正編とやや重複のきらいはあるが, その概要についてしるすことにする。泰緬鉄道は太平洋戦争中に日本軍がタイとビルマの間に建設した延長415kmにおよぶ鉄道である。日本軍は昭和17年5月のビルマ全土の占領をもって, 南方進攻作戦を成功のうちに終了した。しかし連合軍の日本軍占領地域に対する反攻は, インド洋方面においてまず開始され, 昭和17年の後半になると, ラングーン-シンガポール間の航路は, 連合軍の航空機と潜水艦による攻撃のために危険となって, ほとんどとだえてしまった。このため17年6月から安全な陸路としての鉄道の建設が始まったのである。ビルマとタイを結ぶ鉄道の建設は, イギリス側でも調査をしたことがあり, トングーからチェンマイに至るもの, モールメンからビサヌロークに至るもの, メルギーからチュンポンに至るものなどのルートが考えられていたが, のちに日本軍が鉄道を建設したサム・オン峠 (いわゆるThree Pagodas' Pass) を越えるタンビザヤ-ノンブラドック間のルートについては, 工事が困難であるとして, 具体的な計画は何も立てていなかったようである。 (第1図) タンビザヤ-ノンブラドックのルートは, 地形的に見ればそれほどけわしいものではなく, 最高点のサム・オン峠も海抜450mしかない。イギリス側が困難なりとしたのは, おそらくここが世界的に名高い悪性マラリアの浸淫地であつたからではなかろうか。そして日本軍がここを選んだのはこのルートがビルマ側およびタイ側の既設の鉄道を結ぶ最短距離であったからである。このルートのタイ側はメクロン川およびその支流ケオノイ川の谷に沿っており, 雨期には川を利用すればビルマ国境に近いところまでさかのぼることができる。ジャングルの主体は竹で, 株をつくってはえているから, 株と株の間は自由に通行できるが, 1つの株の竹と他の株の竹は上方で互にからみ合っていて, 道を開くために下方を切っても, 竹は倒れず, また焼いても燃えない。工事にはこのような思わぬ困難が待っていたのである。雨量は年に3,000mm内外であるが, その2/3は5月から9月までの雨期に降るから, ケオノイ川は氾濫の危険があり, またビルマ側は多くの川がこのルートを横切っているので, 流木を伴う急流のために, 橋が流失するおそれがある。工事はビルマ側およびタイ側から同時に始められ, 昭和18年10月17日に東西の軌道がタイのコンコイターで連接され, 1年余りで完成した。日本軍の鉄道2個連隊を基幹とする部隊のほか, ジャワ, シンガポール, ビルマから集めたオランダ, オーストラリア, イギリスなどの連合軍の俘虜と, タイ, ビルマ, マライ, ジャワ, 仏印などの現地人の労務者がこの工事に従った。俘虜は昭和18年8月には47,737名 (うち患者27,053名, 就業率42%) に達し, 現地人労務者は多いときには10万名ぐらいいた。工事に従う者の多くがマラリアにたおれたほか, 昭和18年の初めにはコレラがビルマ側で発生し, 4月にはタイ側に波及, マラリアやコレラのために日本軍1千, 俘虜1万, 現地人労務者3万の死者を出している。雨期には食料の輸送が不円滑となり, 奥地方面約100kmの間は, 栄養失調のための犠牲者も出た。軌間はlmで, 日本からC56型機関車および貨車 「トム」 が送られビルマ, タイ, マライ, 仏印からも機関車, 貨車が集められた。軌条はラングーン-マンダレー間の複線およびイェ線の一部をはずしてもってきたり, マライの東部線をはずすなどおもに現地のものを利用したが, サイゴンに集結してあった大本営手持ちのもの120kmも使った。鉄道は完成したが, 最初の計画の1日の輸送量1方向3,000tは, 工事をいそいだためその1/3の1,000tに変更された。すなわち1列車100t (10t貨車10両), 10往復20列車という案で, これは5個師団分の常続補給量であり, 絶対に欠くことができないものであった。しかし開通後間もなく空襲が始まって, 昼間輸送は困難となり夜間を主として1日に3列車の運転がせいいっぱいというところであった。停車場には必ず密林内に待避線をつくり, 昼間は列車をここへいれておくのである。また輸送は主として貨物と患者のみに限り, 健康な兵員は線路に沿って歩かせた。列車の時速も20kmにすぎなかったが, 航空路を除けば, これはビルマ-タイ間の唯一の連絡路となり, ビルマにおける20万の日本軍への補給は, 細々ながらこの1本の鉄道によってささえられていたのである。敗戦後は日本軍の引揚げに使われたのち, こんどはイギリス軍に指揮された日本軍の俘虜の手によって, その大部分が撤去されてしまった。シンガポールの繁栄を守るため, あるいはビルマ, タイ2国の接近を警戒するためにイギリスがとった処置は, 大きな犠牲をはらって建設したこの鉄道をふたたびジャングルの中にうずめてしまったのである。
著者
二木 鋭雄
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.2, pp.76-79, 2007 (Released:2007-02-14)
参考文献数
17
被引用文献数
8 9

「ストレス」という言葉は,日常生活で身近によく使われている.一般にストレスという言葉はネガティブな意味が強く,生活にとって好ましくないものという響きがある.確かに,われわれの身の回りにある多種のストレスにより,からだやこころの健康が脅かされ,その結果,身体の不調,疾患へとつながっていくことが少なくない.しかし,近年の分子生物学の進展に伴い,われわれの生体には極めて精巧な防御システムが構築されており,ホメオスタシスを維持するためのシステム,仕組みができていることも分かってきた.ストレス,すなわち外からのシグナルを受けて,生体は巧みに応答する.場合によってはストレスをうまく利用して,生体を常によい状態に保つようにしている.多くのストレスが,時によってはよいシグナル,よいストレスとなることもある.言い換えると,ストレスがないこと,ストレスフリーの生活が本当にこころや身体にとっていいことなのかどうか,むしろ疑問である.もちろん,あるレベルを超えたストレスに対しては防御力,適応能力が対応できず破綻し,QOLの低下を招くと考えられる.如何にして,少々のストレスにはうまく適応できるような状態に保つようにしているかが肝要であると言えよう.
著者
久下 裕利
雑誌
學苑 = GAKUEN (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.903, pp.28-51, 2016-01-01
著者
宮林 幸江 安田 仁
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.139-146, 2008

<b>目的</b> 事故や自殺死に関する死の突然性が死別反応に影響するとされるが,突然の死に病死をも含めた比較検討はみあたらない。とくに国内に関しては,死別に関する実証的知見が不足し,死別状況による影響のみならず,群分けによる比較検討も充分になされていない。よって本研究では遺族の健康・抑うつ・悲嘆反応への死因の影響を査定していくこととする。<br/><b>方法</b> 近親者との死別を体験した親・子・配偶者・従兄弟の428人が返答し,その中から死因が記されかつメモリアルリアクション(命日反応など)を考慮した178人に対し質問紙調査を実施した。そして回答を,自殺,事故死,急性死,病死(闘病期間 1 年未満)の 4 群に分類した。各群の身体的・精神的健康については GHQ・SRQ-D により,日本人の悲嘆の情緒を主とする反応は Miyabayashi Grief Measurement (MGM)により測定した。<br/><b>結果</b> 4 群の得点順位はほぼ自殺>事故死>急性死>病死群の順となった。自殺・事故死・急性死の GHQ, SRQ-D 得点が臨床弁別閾内,または弁別域を超えた。GHQ の下位尺度である身体症状と不安不眠尺度に群間差は認められないが,不安不眠は死因に拘らず遺族全体に高得点であった。MGM では,病死と比較した自殺・事故死との間で全 4 下位尺度に群間差が認められ,自殺遺族の死別反応は,最大と判明した。その一方で下位尺度の中の適応・対処の努力(高得点ほど,実行不可の逆転の項目)では最も非力であった。<br/><b>結論</b> 死因が死別反応に影響することが確認された。とくにその影響力は健康面より悲嘆の情緒反応において顕著と判明した。
著者
秋吉茂著
出版者
謙光社
巻号頁・発行日
1969
著者
関 明穂 鈴木 久雄 中塚 幹也
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

性同一性障害の人の体力・運動能力測定を前年度に引き続き実施した。これまでに測定に協力していただいたのは20歳代のトランス女性で、全員がホルモン療法を受けていた。測定を行った人の体格、体力・運動能力測定の結果は、同年代の男性・女性の基準値がオーバーラップしている範囲内であったが、測定数が少ないため、さらに例数を増やして検討を行う必要がある。また、性同一性障害・トランスジェンダーの人がマラソン大会に参加することについてのアンケート調査を、大会の主催者を対象として実施した。449件(回収率47%)の回答のうち、時間計測を行っていて男女別の種目があるとの回答があった395大会について分析した。これまでに性同一性障害・トランスジェンダーの人が参加したことがあるとの回答が14大会(3.6%)からあった。もし、性同一性障害・トランスジェンダーの人から「男女どちらのカテゴリーで参加可能か」との問い合わせがあった場合、どう回答するかを聞いたところ、「本人の申告する性別で参加してもらう」が約4割で最も多く、次いで「その人の状況に応じて判断する」「戸籍上の性別で参加してもらう」の順であった。また、性同一性障害・トランスジェンダーの人がマラソン大会に参加する場合に問題が生じる可能性があることとして、約8割が「更衣室」を、約6割が「トイレ」「上位入賞時の扱い」「男女どちらのカテゴリーで参加するか」と回答していた。マラソンは順位を争う競技スポーツの側面と、多くの市民ランナーが参加する健康スポーツの側面とを有している。マラソン大会の主催者は健康スポーツの観点から多くの人に本人の希望に添った形で参加してもらいたいとの思いがある一方で、競技スポーツの観点から競技の公平性を保つために、どのような条件で性同一性障害・トランスジェンダーの人の参加を認めるのがよいのかが課題であると考えているものと思われた。
著者
岡本 隆
出版者
PALAEONTOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.154, pp.117-139, 1989-06-30 (Released:2010-05-25)
参考文献数
28

Nipponitesおよび近縁種Eubostrychoceras japonicumについて, 層序学的な形態変化をできる限り詳細に検討したところ, 各々の系統では, 時代と共に少しずつ, しかしながら段階的に殼表面の彫刻が変わっていくことが明らかになった。一方, Nipponitesの系統で最も原始的な形態型の殼彫刻やその他の形質は, 同時代のEubostrychocerasのそれと, ほとんど区別できない。両者は, 殼の三次元的構造が全く異なっており, これらの中間的形態も知られていないが, 前者は後者から派生したことが強く示唆される。本研究で示されたデータは, 先に筆者によって理論形態学的に帰結された, "Nipponitesは, Eubostrychocerasから全く突然に(中間型なしに)生じた"という仮説を, 比較形態学的および層序学的側面から支持するものである。
著者
Yohei Sawaya Masahiro Ishizaka Akira Kubo Takahiro Shiba Tamaki Hirose Ko Onoda Hitoshi Maruyama Tomohiko Urano
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.754-759, 2020 (Released:2020-11-11)
参考文献数
30
被引用文献数
7

[Purpose] We focused on skeletal muscle mass index, one of the biomarkers of sarcopenia, and investigated the association between skeletal muscle mass index and the parameters of lung function and respiratory muscle strength. [Participants and Methods] After applying the exclusion criteria, we included, in this cross-sectional study, 120 community-dwelling older adults aged ≥65 years who required long-term care/support and underwent ambulatory rehabilitation under the long-term care insurance system in Japan. We measured the skeletal muscle mass index, forced vital capacity, forced expiratory volume in 1 second, peak expiratory flow rate, maximum expiratory pressure, and maximum inspiratory pressure. The data were analyzed using Pearson correlation coefficient and multiple regression analysis. [Results] The skeletal muscle mass index was positively correlated with only maximum expiratory pressure for both male and female participants by Pearson’s correlation coefficient. With the skeletal muscle mass index as a dependent variable, only the maximum expiratory pressure was significant for both male and female participants by the multiple regression analysis. [Conclusion] Therefore, the findings of this study suggested that compared with lung function tests, maximum expiratory pressure, which is an indicator of respiratory muscle strength, is related to muscle mass. Maximum expiratory pressure might be the most useful indicator for sarcopenia.
著者
Yuki SAITO Kei AKUZAWA Kentaro TACHIBANA
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE Transactions on Information and Systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.E103.D, no.9, pp.1978-1987, 2020-09-01 (Released:2020-09-01)
参考文献数
53

This paper presents a method for many-to-one voice conversion using phonetic posteriorgrams (PPGs) based on an adversarial training of deep neural networks (DNNs). A conventional method for many-to-one VC can learn a mapping function from input acoustic features to target acoustic features through separately trained DNN-based speech recognition and synthesis models. However, 1) the differences among speakers observed in PPGs and 2) an over-smoothing effect of generated acoustic features degrade the converted speech quality. Our method performs a domain-adversarial training of the recognition model for reducing the PPG differences. In addition, it incorporates a generative adversarial network into the training of the synthesis model for alleviating the over-smoothing effect. Unlike the conventional method, ours jointly trains the recognition and synthesis models so that they are optimized for many-to-one VC. Experimental evaluation demonstrates that the proposed method significantly improves the converted speech quality compared with conventional VC methods.
著者
長塚 隆
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.571-575, 2020-12-01 (Released:2020-12-01)

現在多くの人に関心を持たれている書籍「FACTFULNESS」の翻訳者である関美和氏による特別講演「実録FACTFULNESS 大ヒットの舞台裏」がオンライン開催された。講演者はハンス・ロスリングらによる「FACTFULNESS」がどのようにして生まれたのか。さらに,日本語版への翻訳と出版がどのようなプロセスを経て実現されたのか講演者の経験を踏まえて紹介された。日本語版への翻訳と出版の舞台裏ではどのような工夫と努力がなされていたのかを,講演者の豊富な経験を踏まえて語られたので,多くの参加者は講演に引き付けられた。
著者
Sei TSUNODA Yuhei KAWANO Takeshi HORIO Naoki OKUDA Shuichi TAKISHITA
出版者
The Japanese Society of Hypertension
雑誌
Hypertension Research (ISSN:09169636)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.167-173, 2002 (Released:2002-09-13)
参考文献数
32
被引用文献数
59 71

Cross-sectional studies have shown that home blood pressure (BP) correlates with hypertensive target organ damage better than clinic BP. However, there have been few longitudinal studies regarding the predictive value of home BP on the changes in organ damage in treated hypertensive patients. Clinic and home BP over a 12-month period, antihypertensive medication use, echocardiographic and electrocardiographic results, and serum creatinine and urinary protein levels were examined in 209 treated hypertensive patients in 1993. These patients were prospectively followed for 5 years. The patients were divided into 4 subgroups according to hypertension control as follows: good control (<140⁄90 mmHg for clinic BP, <135⁄85 mmHg for home BP), improved, worsened, and poor control. The average clinic BP was 147.0±14.9⁄87.0±7.6 mmHg (mean±SD) in 1993 and 146.0±13.7⁄84.1±7.5 mmHg in 1998. The average home BP was 136.8±10.4⁄84.3±7.6 mmHg in 1993 and 136.1±9.7⁄81.2±7.7 mmHg in 1998. The left ventricular mass index (LVMI) positively correlated with both home systolic BP and clinic systolic BP in 1998 but not in 1993. The correlation tended to be closer for home BP than for clinic BP. LVMI did not change in patients with good or improved home systolic BP, while it increased in those with poor or worsened home systolic BP. The relationship between changes in LVMI and clinic BP was not significant. In conclusion, Home BP was more effective than clinic BP as a predictor of changes in left ventricular hypertrophy in treated hypertensive patients. Home BP should be controlled to below 135⁄85mmHg to prevent cardiac hypertrophy.(Hypertens Res 2002; 25: 167-173)
著者
小林 健彦
出版者
新潟産業大学経済学部
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 = Bulletin of Niigata Sangyo University Faculty of Economics (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.54, pp.91-121, 2019-10

日本(列島)は南北に湾曲して細長く、又、列島部分の幅も狭い。そこに横たわる自然地形も狭小な国土の割には起伏に富む。又、島嶼部も夥しく存在する。従って、日本に於いては歴史的にも、地震や火山噴火と言った地盤に関わる自然災害だけではなく、津波や高潮、高波、大雨、洪水、土石流等と言った「水災害」の影響をも大きく受けて来たという特質がある。日本の古代王権は、或る種の意図を以って、そうした自然災害を文字情報としての記録に残すことを行なって来た。ここで言う処の「或る種の意図」とは、それらの自然的な事象の発生を、或る場合には自らの都合の良い様に解釈をし、加工し、政治的に利用、喧伝することであった。その目的は、災害対処能力を持ちうる唯一の王権として、自らの「支配の正当性」を合理的に主張することであったものと考えられる。それでは、韓半島の場合にはどうであろうか。筆者が『災害対処の文化論シリーズ Ⅰ ~古代日本語に記録された自然災害と疾病~』〔DLMarket Inc(データ版)、シーズネット株式会社・製本直送.comの本屋さん(電子書籍製本版)、2015年7月1日、初版発行〕に於いても指摘をした如く、「咎徴(きゅうちょう)」の語が示す中国由来の儒教的災異思想の反映はその一例である。ところで、本稿に先立って刊行した『災害対処の文化論シリーズ Ⅵ 韓半島における災害情報の言語文化 ~倭国に於ける災害対処の文化論との対比~』〔単著書、販売:シーズネット株式会社(2019/2/1)〕で主たる素材として扱った「三国史記」は、韓半島で現存する最古の記録書とされており、新羅国(新羅本紀12巻)、高句麗国(高句麗本紀10巻)、百済国(百済本紀6巻)3ヶ国の事績を体系的、時系列的に記したものである。3か国の本紀の他にも、年表3巻(上、中、下)、志9巻、列伝10巻、合計50巻よりなる。西暦1145年、高麗国の仁宗(第17代国王)の命に依り、金富軾等19名の史官等が編纂、担当し、進上したとされている。李王朝の中宗代(1506~1544年)に慶州で刊行された木版本が刊本としては現存最古のもので、その影印本が流布している。「三国史記」は、中国大陸で行なわれていた正史編纂事業を大いに意識して作成されたらしく、その意味に於いては、日本に於ける六国史、取り分け、「日本書紀」的存在であったのかもしれない。それ故に、その編纂に際しては、東アジア世界に特有の、特定の歴史観、国家観、対外観、宇宙観、そして、対自然(災害)観等が色濃く反映されていた可能性もあり、史料としての取り扱いには慎重であるべきであって、慎重な史料批判も必要とされた。つまり、正史である以上、そこに記された事象に曲筆、虚偽、隠蔽、粉飾、宣伝等の作業が存在していることも十分考慮されたのである。又、記録の特性上、編纂者の故意ではないものの、結果としてその事象が偽であったり、偏見や誤解が包含されている可能性に就いても、排除をすることは出来ないとした。それでは、「三国遺事」の場合に在っては、どうであろうか。「三国遺事」は、新羅国、高句麗国、百済国に関わる古記録、伝承、神話等を収集、編集し、そこに就いての遺聞逸事を記した書物である。高麗王朝期に、一然(いちねん。普覚国師。1206~1289年)に依り撰述され、一部分はその弟子であった無極が補筆したとされる。全5巻より成る。本稿では、そうして成立した「三国遺事」に記された、自然災害、人為的災害関係記事の内容、編纂意図や位置付けを、言語文化、文化論の視角より探ってみることとする。「三国遺事」に於いては、如何なる対自然災害観や、災害対処の様相が記録されていたのか、いなかったのかを追究することが本稿の目的とする処の1つである。更には、こうした素材を使いながら、韓半島に於ける災害対処の様相を文化論として構築をすることが出来得るのか、否かを検証することも2つ目の目的として掲げて置く。本稿では、そうした観点、課題意識より、韓半島に於ける対災害観や、災害対処の様相を文化論として窺おうとしたものである。シリーズ後半部分に当たる本稿では、気象、その他の事象に関わる記事を中心として、検証作業を進めて行くこととする。尚、本稿に於いて使用する「三国遺事」は、昭和3年(1928)9月に朝鮮史学会が編集、発行した刊本であり、昭和46年(1971)7月に国書刊行会より復刻、発行された『三國遺事(全)』である。更に、史料引用文中の読み方や現代語訳等に関しては、金思燁氏訳『完約 三国遺事』の記載に依った部分が存在することを明示しておく。
著者
田中 謙二
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.143, no.4, pp.193-197, 2014 (Released:2014-04-10)
参考文献数
16

チャネルロドプシンを神経細胞に発現させ,光照射のオンオフで神経発火を操作する技術論文が2005年に報告されてから10年近くが経過しようとしている.その技術にはオプトジェネティクスという造語が与えられ,2010年にはNature Methods誌によってMethod of the Yearに選ばれた.先端技術は取り入れるのに多少の困難があったとしても,ひとたび取り入れてしまえば強力に研究をサポートする.光操作可能な遺伝子改変マウスの開発は,先端技術の取り込みを加速させた.というのも,遺伝子改変マウスを入手して,交配するだけで実験動物を準備できるからである.この準備を整えたあとは,興味のある細胞に光を照射するだけであり,データを回収するだけである.オプトジェネティクス導入の現実可能性について本稿の内容から考えてもらえれば幸いである.
著者
西山 耕一郎
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.93-100, 2016-12-01 (Released:2017-06-13)
参考文献数
22
被引用文献数
1

Dysphagia has now become a common disease in Japan, and the presence of otolaryngologists is more significant in the dysphagia clinics. Impaired swallowing function can easily cause suffocation and aspiration pneumonia which can be induced by food, saliva and stomach acid. Patients with dementia could have a suffocation by filling up food in their mouth. Although the aspiration pneumonia in elderly patients is difficult to avoid, an oral diet can often be continued with appropriate treatment. Multidisciplinary team approach is necessary in the field of swallowing medicine, however the otolaryngologist can play a leading role in the team evaluating the swallowing function and treating the dysphagia and pneumonia.