著者
高橋 則子
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = National Institure of Japanese Literature (ISSN:03873447)
巻号頁・発行日
no.31, pp.277-293, 2005-02-28

国文学研究資料館蔵黒本『〔四天王〕』は、『補訂版国書総目録』・『古典籍総合目録』・国文学研究資料館「マイクロ資料・和古書目録データベース」に未載である。これは、宝暦六年(一七五六)刊黒本『頼光 金臣 本未記』ではないかと思われ、現在のところ他での所蔵を見ない。本書の内容は、源頼光の四天王の一代記であり、『前太平記』から直接取材したものと思われる。It is impossible to find the kurohon called Shitennô owned by N.I.J.L in Kokushosômokuroku, Kotensekisôgômokuroku and in the Database of Microfilm and classical books of N.I.J.L. I thought that this book corresponds to the kurohon called Ichidaiki published in 1756 that cannot be found in any other place. The content of this book is the biographies of Minamoto Raikô’s Shitennô, directry taken from Zentaiheiki.
著者
山崎 航 平石 広典 溝口 文雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1932-1940, 2006-06-15

多くの現実的なコンピュータソフトウェアは,動的な側面を備えているが,この問題に対して,既存のアクセスコントロールメカニズムでは,十分に扱えないという現状にある.本論文では,動的なセキュリティポリシを扱うためのアクセスコントロールシステムについて述べる.我々が提案する方法は,RBAC(Role-Based Access Control)を基本としており,あらかじめコンテクスト情報と抽象ロールを用いて静的に定義されたルールを用いて,動的に具体的なロールを決定する.ルールを論理型言語による宣言的な表現で記述することによって,ユーザ,ロール,パーミッションに対して,双方向の問合せが可能となる.本論文では,プロジェクトマネジメントシステムのシンプルな例を用いることによって,提案する方法の有効性について議論する.
著者
小野 芳秀
雑誌
東北福祉大学研究紀要 = Bulletin of Tohoku fukushi university (ISSN:13405012)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.35-60, 2017-03-17

本研究の目的は,希死念慮のある思春期児童を対象としたスクールソーシャルワークにおいて,支援を目的とした “かかわり” の手段として,近年 10 代の若年層にもユーザーが増大している SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を用いた事例について考察し,そのメリット(有効性)とデメリット(限界・注意点)を整理することである。SNS を用いたスクールソーシャルワークの実践事例を分析した結果,SNS 活用のメリットとして,既読表示や交信履歴の縦覧機能等を活用でき,自殺防止を目的とするゲートキーパーとしてのモニタリング効果が期待されることが明らかとなった。一方,デメリットとして,SNS を支援ツールとして用いる場合は,予め時限的活用やバウンダリーの配慮が成されないと,被支援者の転移の把握とコントロールが困難であり,頻回相談により支援者の負担が大きくなること,特に対象者が危険因子として精神疾患を有する場合は,精神症状を刺激する可能性もあり,医療と福祉的支援の連携による家族を含めた生活環境への現実的かつ具体的介入が同時に必要であることが判った。この結果により,実効性のあるソーシャルワーク実践,とりわけスクールソーシャルワークにおける “生命の危険を伴う”緊急度の高いケースや当事者達に “困り感” が欠如しているような支援困難ケースにおいては,子どもや保護者に接触できる専門的スキルを持った支援者が,関係機関の連携による支援体制のもと,本人主体を原則としながらも,当事者たちの問題解決のための方法を選択するための改善策の提示や,主体的に問題解決に取り組むための意識変容を目的に誘導的に介入する意識的 “かかわり” による積極的支援が必要であり,これらの支援ツールとして適切に用いれば SNS は有効であると結論づけた。
著者
山田 昇
出版者
佐野日本大学短期大学
雑誌
佐野日本大学短期大学研究紀要 = Sano nihon university college bulletin (ISSN:24340707)
巻号頁・発行日
no.30, pp.1-11, 2019-03-31

It is said that there were in Japan nearly 600 occurrences of the legend of “Abandoning an elderlyperson in the mountains”. According to this legend, which is not always clear in folk studies, in agriculturalsocieties of low productivity, the amount of food and other circumstances led to the abandonment of theelderly who had lost their ability to work.In modern society too, frequent occurrences of old people dying in solitude, or being murdered bysomeone who has tired of giving them care, are a phenomenon which can be thought to have a link to thistradition of abandonment. There is a big difference between the background of the medieval period, inwhich the legend was mainly created, and that of present society, in which“ abandonment” is nowoccurring, so the two cannot be understood in the same way. However, in this paper, I will present points ofcommonality that seem to exist between them.
著者
小原 裕輝 中沢 実
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.246-253, 2021-01-15

単体のレーザレンジファインダ(LRF)を用いた人の検出手法は,貨物運搬ロボットなどに使われる.これらの検出では,入力が検出対象であるかどうかの判定に,hand-crafted特徴量と正であるか偽であるか分類する1クラス分類モデルを使用した手法が適用されている.本論文では,1クラス分類モデルへの入力をhand-crafted特徴量ではなく,深層学習モデルによって生成された特徴量に置き換えた手法を提案する.実験では,hand-crafted特徴を使用した手法との検出率の比較を行い,パフォーマンスが一部向上したことを示す.また,ロボットの利用など実応用のために,Jetson Nanoを使用して提案手法の処理速度の評価を行い実用可能性を評価した.
著者
藤原 孝章 FUJIWARA Takaaki
出版者
京都
雑誌
総合文化研究所紀要 = Bulletin of The Institute for Interdisciplinary Studies of Culture Doshisha Women's College of Liberal Arts (ISSN:09100105)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.81-96, 2006-03-31

The contents of this research consist of two parts: identifying the significance of current issues studies through the analysis of 'Social Studies in Japan in the early years after the Second World War.' and N.I.E; Newspapers in Education; and clarifying the strategy of developing learning units in social studies in order to improve the lesson plans for current issues studies. Current issues are 'the controversial issues in our society and the world'. Therefore the aims of learning current issues are to make students become involved in their society and to have them examine consider the values of a democratic society by themselves. Also I present the principles of a learning methodology for social studies related to a democratic society, and then, I apply them to the analysis of learning units for current issues in recent years, and propose an improved design for them.
著者
藤本 万里子 松田 亘 満永 拓邦
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.381-382, 2019-02-28

Windows の脆弱性を悪用する攻撃により、多くの組織が被害を受けている。特に2017年に公開された MS17-010の脆弱性は、Wannacryランサムウエアや標的型攻撃の感染拡大活動に悪用された。本脆弱性を悪用するEternalblue Doublepulsarなどの攻撃ツールがインターネットに公開されており、攻撃者は遠隔から任意のコードを実行出来る。更に本ツールはWIndows の正規のプロセスを悪用するため、攻撃を受けたことに気づくのが難しい。本研究では、WIndows のイベントログからMS17-010の脆弱性を悪用する攻撃の痕跡を調査する方法を紹介する。
著者
山田 浩久
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 社会科学 = Bulletin of Yamagata University. Social Science
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.63-82, 2009-02-15

はじめに:近年の観光開発は、開発業者による大規模な土地改変を伴うリゾート開発に代わり、自然環境の保全を前提とする体験型、対話型の観光を提案する開発が主流になっている。体験型、対話型の観光は、環境論的な観点から肯定されるとともに、開発費用を大幅に縮小することから、 主に地方の地域振興策の一つに採用される場合が多い。また、原則的に「人の手を加えない」 開発であることから、地域内の歴史的遺物や文化資産と絡めることが容易であり、街並保有や 文化伝承に関わる議論にまで展開させることが可能である。体験型、対話型の観光は、ローリスク、ローコストであるがゆえに、提案しやすく、受け入れられやすい開発であるといえる。しかしながら、観光を産業としてみた場合、産業の育成には資本投下が不可欠であり、投下 資本量に応じた生産性の向上が利潤を増加させ、地域経済を活性化させる。体験型、対話型観光の提案者は、ローリターンであることに触れず、環境保全や地域アイデンティティ創出の重要性を強調する。もちろん、それらが重要な案件ではあることは明らかであるが、地域政策を 立案する大前提は地域住民の生活向上にある。地域住民はローリターンの開発であることを認識し、開発の努力が実を結ぶまで耐え続けなければならないというのは閣発者側の論理であり、住民は分かりやすい短期的な成果を期待する。観光政策の実施に伴い、観光客のマナーの悪さや地域住民の負担過多といった問題も指摘さ れている。目標到達までの時聞が長期化するほど地域住民の意識は希薄化するであろう。地域振興策あるいは地域活性化策のーつとして観光開発を挙げる以上、経済的な効果を明確にし、短期の目標を積み上げることによって、地域住民の観光開発に対するモチベーションを維持する工夫が必要であると考える。
著者
上地 秀昭 Hideaki Uechi 豊見城中央病院産婦人科 : 獨協医科大学産科婦人科学 Devision of Obstetrics and Gynecology Tomishiro central Hospital : Department of Obstetrics and Gynecology Dokkyo Medical University
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.25-31, 2011-03-25

近年若年女性の子宮頸部異形成や上皮内癌などの初期病変が増加傾向にあり,その治療として子宮頸部円錐切除術(円切)が施行されている.円切により子宮頸部浸潤癌の発生を減少させるが,再発した場合浸潤癌へ進展する危険性は高い.そのため治療後の再発を早期に発見することが求められる.今回,当院で円切を施行した226 例において,円切前後におけるhuman papillomavirus(HPV)感染と外科断端陰性例での再発との関連性を検討した.術前のHPV 陽性率は97.3%(220/226 例)であり,HPV16 型が最も多く44.5%を占めた.HPV 陽性220 例中54 例(25.4%)に術後HPV 陽性が持続し,HPV 陰性例に比して再発率が有意に高かった(p<0.01).また,外科断端陰性の181 例においても,円切後HPV が持続した例での再発率が有意に高かった(p<0.01).さらに円切後HPV 陽性の外科断端陰性例において,円切前後で同じ型のHPV が持続した例では有意に再発率が高かった(p<0.01).以上より,円切後HPV 陽性及びHPV の型(同一)は再発のリスク因子であり,円切後のフォローアップに細胞診のみでなくHPV 検査及び型検索を併用して行うことが重要である.
著者
津田 忠雄
出版者
近畿大学健康スポーツ教育センター
雑誌
近畿大学健康スポーツ教育センター研究紀要 = The research bulletin of Health and Sports Sciences (ISSN:1349175X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.27-40, 2003-07-01

[Abstract] This research focused on apparent existence of the antipodal personality in the sport events, which is utterty different from the athlete's usual self-recognized personality. The author considered antipodal personality of the athlete as "two-sidedness of the athlete's personality". An awareness survey and "TSPS (Two-Sided Personality Test)" ware performed and the results were analyzed. "Two-sidedness of the athlete's personality" was recognized among majority athletes. It became obvious that "two-sidedness of the athlete's personality" was antipodal, however, co-existing, complementing and influencing each other. In other words, the "two-sidedness of the athlete's personality" was antipodal but continuous while they were contradicted. The "two-sidedness of the athlete's personality" was found to be co-existed and self-controlled. Moreover, the research found that many athletes naturally accepted the "two-sided personality" without any conserns. The research also indicated that the athlete's personality was grasped more dynamic and vivid through referring to the athlete's "two-sided personality".
著者
湯淺 墾道
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:21888647)
巻号頁・発行日
vol.2019-EIP-84, no.16, pp.1-8, 2019-05-27

本稿においては,アメリカにおける選挙のサイバーセキュリティに関する近時の動向について検討する.アメリカにおいては,選挙管理システムが重要インフラ指定を受けており,選挙システムのセキュリティに関する訴訟も提起されるようになってきている.それに加えて 2018 年 9 月に発出された大統領令 13848 により,外国政府または外国人等が選挙に干渉した疑いがある場合に連邦政府が調査を行うことが定められた.調査の対象は,政治団体,選挙運動又は候補者のインフラストラクチャーとされており,選挙管理システムよりも広範となっている.また調査の結果,外国政府または外国人等が選挙に干渉したことが明確となった場合には,経済制裁を行う旨を規定している.本稿では,これらのアメリカにおける選挙サイバーセキュリティ対策の現状とその問題点,日本への含意等についての検討を行うこととする.
著者
石丸 圭荘 増山 茂 平松 礼二 了德寺 健二
出版者
了德寺大学
雑誌
了德寺大学研究紀要 = The Bulletin of Ryotokuji University (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.1, pp.117-123, 2007

Our purpose is to evaluate the contribution of oriental medicine to art therapy by paying close attention to the theory of five colors (blue, red, yellow, white and black) in conjunction with the theory of five parenchematous viscera functions (liver, heart, spleen, lung and kidney), which is thought to reflect underlying five elements (wood, fire, earth, metal and water). Questionnaires were distributed to 160 young paramedical students who had no special knowledge of oriental medicine nor the five-color theory. Subjects' favors or disfavors of five colors (blue, red, yellow, white and black) were compared with his viscera condition determined by Meiji oriental score (MOS) which classifies it by analyzing six representative clinical symptoms of the five viscera theory. Chi-square test among the favorite or disfavorite colors and the viscera conditions revealed a statistically significant relationship between the favorite blue color group (69 out of 160 students) and the liver group (55 out of 160 students) by MOS. These results suggest that one's favor or disfavor of colors possibly reflects one's internal viscera condition and that the five-color theory based on oriental medicine would be applicable to art therapy.
著者
大谷 卓史 芳賀 高洋 池畑 陽介 佐藤 匡 高木 秀明 山根 信二
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.179-184, 2014-08-17

一般的に,児童・生徒のインターネットや情報機器の利用を制限・監視することで,児童・生徒のインターネット利用リスクを低くできると信じられている.しかしながら,情報社会におけるコミュニケーションや社会参加がインターネットや情報機器によって媒介されるとすれば,ただ禁止・監視するだけでは児童・生徒の情報社会における自律的判断の成長を妨げ,情報社会への適応を阻害する可能性が高い.むしろ保護者・教師と児童・生徒がインターネットや情報機器の利用について日常的に話し合うことで,児童・生徒のインターネット利用リスクを低くするとともに,児童・生徒の道徳的自律を支援できるとの情報倫理学者 Mathiesen(2013)の知見がある.また,そもそも大人がインターネット利用によってトラブルを引き起こす例も多い.本稿著者は,平成 26 年度において,地域社会の保護者・社会人に対してスマホや SNS の情報リテラシーおよび情報倫理の地域社会教育を実施するモデルとなる教材・講習会の設計と試行的実施をめざし,実行可能性調査を含め,研究を進めている.本稿はその研究の目的・背景と計画を説明するものである.
著者
クーロワ ナズグリ
出版者
国際医療福祉大学学会
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 = Journal of the International University of Health and Welfare (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.93-100, 2016-03-31

近年,自殺は15〜19 歳の青少年の主な死因の1 つとなっている.世界保健機関(WHO)によると,世界的に青少年の死因の中で第2 位に位置している.それにもかかわらず,多くの国では自殺予防対策が行われておらず,限定的な対策が行われているだけである.各国の統計局や日本の厚生労働省,警察庁,文部科学省の統計や報告,また,WHO やユニセフ,自殺予防機関の統計,報告,マスメディアの情報を分析し,青少年の自殺の状況を把握し,青少年の自殺予防の実態を明らかにした.各国の自殺予防対策は不十分で,主に市民やボランティアが対策を実施していることがわかった.自殺は青少年の主な死因の1 つとなっており,女子より男子の自殺が多く,主な自殺手段は縊死(首つり)である.自殺リスクは主に家族環境や学校環境にあり,親の教育や学校の教師の自殺予防の教育研修,学校などで面接相談のできる場所を設けることが自殺を減少させるための一歩であると考えられる.
著者
劔持 祐之介
出版者
岩手大学
巻号頁・発行日
pp.1-65, 2020

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