著者
亀井 了 長嶋 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

聾者のコミニケーションの一手段である手話は、手指動作と顔の表情、口形、うなずきなどによって表現される非手指動作によって構成される。著者らは手話工学の立場から、手話を工学および言語学的に解析し、日本語と手話の相互翻訳システムの構築を行っているが、現在のシステムの手話表示体系では、手指動作の表示のみにとどまっている。そこで、本報告では、システムの手話表示に非手指動作を組み込む方法について検討する。
著者
吉田 宇一
出版者
日本評論社
雑誌
数学文化
巻号頁・発行日
no.13, pp.3-5, 2010-01
著者
宇山 智彦 BEATRICE Penati PENATI Beatrice FENATI Beatrice
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

当初はウズベキスタンの地方文書館で史料調査を行う計画であったが、近年、外国人研究者にウズベキスタンの文書館の利用許可が非常に下りにくくなっているため、実現できなかった。その代わり、モスクワのロシア国立社会政治史文書館(RGASPI)で、ウズベキスタンの地方の党組織から共産党中央委員会中央アジア・ビューローに送られた文書を閲覧した。その結果、土地水利改革が、モスクワからの押しつけというよりも、地方からの要請で行われた面が大きいという仮説を裏付けることができた。前年度までの作業と合わせ、土地水利改革の前史(ロシア帝国期の土地調査・税制を含む)、政策立案の方法、改革に関与した諸組織・指導者、改革の経済的・社会的影響を解明し、研究の目的をほぼ達することができたと言える。研究分担者は2011年8月にカザフスタンのナザルバエフ大学助教授となり、日本を離れたが、研究成果の取りまとめと発表はその後も続けている。成果の一部は、ESCAS(欧州中央アジア研究学会)などヨーロッパ各地の学会・セミナーで発表した。また、1920年代のネップ期に中央綿作委員会が、金融・商業・食料供給・投資を含むウズベキスタン経済のさまざまな分野において果たした役割と、他の諸機関との競争関係を分析した論文が、2012年内にフランスのCahiers du Monde Russe誌に掲載されることが決定した。また、ロシア革命から農業集団化前夜までの、ウズベキスタンにおける土地水利改革を含む農業・経済政策と社会・環境変化についてのモノグラフを執筆中で、遠からず完成する予定である。
著者
森山 英樹 増子 潤 金村 尚彦 木藤 伸宏 小澤 淳也 今北 英高 高柳 清美 伊藤 俊一 磯崎 弘司 出家 正隆
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1-9, 2011-02-20
被引用文献数
1

【目的】本研究の目的は,理学療法分野での運動器疾患ならびに症状を対象としたストレッチング単独の有用性や効果を検証することである。【方法】関連する論文を文献データベースにて検索した。収集した論文の質的評価を行い,メタアナリシスあるいは効果量か95%信頼区間により検討した。【結果】研究選択の適格基準に合致した臨床試験25編が抽出された。足関節背屈制限,肩関節周囲炎,腰痛,変形性膝関節症,ハムストリングス損傷,足底筋膜炎,頸部痛,線維筋痛症に対するストレッチングの有効性が示され,膝関節屈曲拘縮と脳卒中後の上肢障害の改善効果は見出せなかった。【結論】現時点での運動器障害に対するストレッチングの適応のエビデンスを提供した。一方,本結果では理学療法分野でストレッチングの対象となる機能障害が十分に網羅されていない。ストレッチングは普遍的治療であるからこそ,その有用性や効果を今後実証する必要がある。
著者
江口 泰正 太田 雅規 大和 浩
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.247-253, 2011-09-01

現在,職場における健康保持増進の取り組みとしてもっとも多い内容は,「労働者健康状況調査結果の概況」(厚生労働省2008)によると「健康相談」であるが,2番目に多いのは「職場体操」である.一人でも,あるいは集団でも手軽にできる「体操」は労働者に受け入れられやすく,また継続もしやすいことから,ストレッチングは職場体操としても様々な形で実施されている.しかし,近年その効果に関して否定的な文献も多くなってきた.そこで,総説論文を中心に調査したところ,静的ストレッチング(static stretching)直後における筋パワー系運動(muscle strength/force and isokinetic power)のパフォーマンスはむしろ低下,運動後の筋肉痛の予防にはならないことも明らかにされている.「職場体操」の目的は様々であるが,ストレッチングを職場体操として選択する場合には,その目的に応じたやり方を考慮する必要がある.
著者
石田 和希
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
地盤工学会誌 (ISSN:18827276)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.54-55, 2010-03-01
参考文献数
2
著者
中山 雅哉 宇井 隆晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.377, pp.7-11, 2005-10-21
被引用文献数
2

LIVE! UNIVERSEでは2002年6月より世界各地で観測される金環日食や皆既日食のインターネット中継を行ってきた。最近は、国内からのアクセスも多くなってきたため、2005年4月9日に観測された金環・皆既日食のインターネット中継(LE2005)では、日本語JPドメイン名Webによるアクセス評価の実験を行った。その結果、全Webアクセスの約15.9%が日本語JPドメイン名Webへのアクセスであり、日本語JPドメイン名による広告の有効性を示すことができた。本稿では、今回のアクセス評価におけるWebアクセスの解析結果について報告する。
著者
相馬 充 谷川 清隆
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

我々の研究は西暦628年(推古天皇36年)の日本書紀最初の日食記録が記録どおりに皆既日食であったことを明らかにしたことに端を発している.これにより,過去の地球自転速度変動を明らかにすることの重要性が認識されたためである.我々は地球自転回転角パラメータΔTと同時に月の潮汐項を決める手法を開発し,これによって,まず,紀元前200年以降,現在まで,月の潮汐項がほぼ一定であることを明らかにした.これは,紀元前198年から紀元前181年までの中国とローマにおける皆既日食と金環日食の記録,および,紀元後616年,628年,702年の中国と日本における皆既日食や皆既に近い日食と紀元後681年の日本の火星食の記録などから判明した事実である.ΔTの値については,紀元後1年以後1200年までの中国や欧州の日食記録を調査し,454年と616年の間に3000秒以上の急激な減少が,また,873年と912年の間に600秒以上の急激な減少があったが,その他には特に目立った変化がないことがわかった.さらに,ΔTの値が他の期間では減少傾向にあるのに対して,616年と873年の間ではほとんど変化がないか,むしろやや増加していることが明らかになった.これは,西暦628年と873年の日本の日食記録,616年,702年,729年,761年,822年の中国の日食記録と840年のベルガモ(イタリア)の日食記録などから判明したものである.この他,ΔTの決定には,月食の時刻記録も有用であり,将来の解析に用いるため,世界の古代におけるこれらの記録を収集し,計算機で扱えるファイルとして保存する作業も行った.
著者
小田 裕樹 森 信介 北 研二
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.6, no.7, pp.93-108, 1999-10-10 (Released:2011-03-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

日本語処理において, 単語の同定, すなわち文の単語分割は, 最も基本的かつ重要な処理である. 本論文では, 日本語文字のクラス分類により得られた文字クラスモデルを用いる新しい単語分割手法を提案する. 文字クラスモデルでは, 推定すべきパラメータ数が文字モデルより少ないという大きな利点があり, 文字モデルより頑健な推定を可能とする. したがって, 文字クラスモデルを単語分割へ適用した場合, 文字モデルよりもさらに頑健な未知語モデルとして機能することが期待できる. 文字クラスタリングの基準はモデルの推定に用いるコーパスとは別に用意したコーパスのエントロピーであり, 探索方法は貧欲アルゴリズムに基づいている. このため, 局所的にではあるが最適な文字のクラス分類がクラスの数をあらかじめ決めることなく得られる. ATR対話データベースを用いて評価実験を行った結果, 文字クラスモデルを用いた提案手法の単語分割精度は文字モデルによる精度より高く, 特に, 文字クラスを予測単位とする可変長n-gramクラスモデルではオープンテストにおいて再現率96.38%, 適合率96.23%の高精度を達成した.
著者
持田 信治 川上 匡也 白土 竜一 矢鳴 虎夫
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.25-31, 2004-10-20

インターネット上のWWW(World Wide Web)からHTML文書を収集するプログラムをWEBクローラと呼ぶ。通常WEBクローラにより回収されたHTML文書はインデックスを付加された後サーチエンジンにより公開されている。しかし一般的なサーチエンジンを検索して得られる情報は研究用としては精度が低い、そこで本研究では研究活動に有効な情報を自動的に登録、蓄積してWEB技術により情報を公開する研究支援用WEBクローラとそのネットワークの基本的な考え方を提案する。本研究で提案するWEBクローラは研究目的に従い情報を自動収集してXML文書(Extensible Markup Language)として蓄積する。そして収集した情報を全文検索機能により研究者に提供する。本WEBクローラネットワークが実現すれば、各研究者は様々な研究場面で適切な情報の提供を受けることにより判断時間の短縮と正確な判断が可能となり、研究の効率化と各自の専門を超えた広範囲な研究成果の創出が可能となる。
著者
佐藤 竜一 久保田 壮一 青山 幸太 土屋 江里 宮川 謹至
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.106-114, 2012 (Released:2012-05-01)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

科学技術振興機構(JST)が運用する電子ジャーナルサイト「J-STAGE」は,運用開始から13年が経過し,海外の有力電子ジャーナルサイト等と比較すると,ユーザーインタフェースや機能面を中心にその陳腐化が否めない状況であった。JSTではユーザビリティーの向上,国際発信力のさらなる強化を目的として,新システム「J-STAGE3」を開発し,(1)過去分の公開サイトであるJournal@rchiveの統合,(2)デザイン/ユーザーインタフェースの一新,(3)データベース形式のXML国際標準形式への移行,(4)購読・販売管理機能の強化,(5)学協会運用工数の削減および (6)投稿審査システムの改善を実現する。一方で,2010年度末に国内学協会誌の電子化状況について調査した結果,国内学協会誌の電子化率は全体で62%であったが,人文社会系は34%と依然遅れている。また,言語別で見ると欧文誌92%に対して和文誌は55%という結果になり,さらなる電子化の推進が必要な状況にあることが判明した。このような状況を踏まえ,新システムJ-STAGE3の機能と方向性,国内学協会誌の電子化促進における役割について触れる。
著者
新田 和宏
出版者
近畿大学生物理工学部
雑誌
Memoirs of the Faculty of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
no.29, pp.17-31, 2012-03

[概略] 本稿は、東日本大震災の経験を踏まえ、被災地や日本社会全体を、持続可能な社会として再生するための教育的アプローチであるESD (持続可能な開発のための教育)に着目しつつ、そのESD自身が、震災を契機にして、熟議による市民性教育をべースにしたESDとして再生する必要性について論究する。 [Abstract] This article discusses ESD, while according to the experience of the Tohoku Earth quake. I propose ESD, as new version, that based on citizenship education, and related the deliberative democracy. New ESD, so to speak, is the educational approach to revive and renew as sustainable society not only the stricken area but also Japanese society intotally.