著者
伊藤淳子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情処学研報
巻号頁・発行日
vol.1995, pp.41-47, 1995
被引用文献数
1

日本全国の女子高生は約260万人。半数以上が自分の部屋にファックス&留守番機能付き電話機を持ち、また40%近い子がポケベルを持っている。世間ではインターネットの導入が騒がれているが、現在のところ彼女らのコミュニケーションは「おしゃべり」である。ところが、この「クチコミ」と言うもっともプリミティプなネットワークが企業の動向を左右することもある。グリコの「イチゴポッキー」、ロッテの「コアラのマーチ」など、女子高生のクチコミで全国的にヒットした商品も数多い。しかし、クチコミにはかならず仕掛けがある。そのメカニズムと、女性における情報の価値について考察してみたいと考えた。
著者
中村 治 古川 彰 鳥越 皓之 松田 素二 西城戸 誠 土屋 雄一郎
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

水害現象を水害文化として長期的で経験論的かつ価値論的な視野からとらえることによって、総体としての日常生活世界の中で、水害被災当事者の生活の視点から捉え直し、生活再建や地域社会の再生のプロセスを環境社会学的に明らかにした。また、文書や写真などの水害記録を発掘し、聞き書きにより経験者の記憶を生活史として再構成しながら、これを災害教育としていかに次世代につなぎ水害文化の継承を図るか、その社会学的手法の開発に取り組んだ。
著者
大和 裕幸 松本 三和夫 小野塚 知二 安達 裕之 橋本 毅彦 鈴木 淳
出版者
東京大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

東大総長・海軍技術中将 平賀譲氏の残された40,000点にのぼる資料をディジタル化して公開準備をおこなってきた。本研究ではディジタル化を完了し、東大附属図書館のディジタルライブラリーで公開すること、さらに東京大学などで平賀譲展を開催し、成果を一般に広め、さらにその図録をまとめることにした。その結果、(1)平賀譲文書のディジタルアーカイブを東大図書館に開設した。URLは以下のようである。http://rarebook.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/hiraga/ (2)平賀譲展-高生から東大総長まで-を東京大学駒場キャンパスで平成20年3月から5月にかけて開催し、あわせて講演会も行った。来場者は2,000名を超えた。また、呉市海事歴史科学館で開催された「平賀譲展」にも本研究での成果を反映して協力した。 (3)図録「平賀譲 名軍艦デザイナーの足跡をたどる」を文藝春秋社から刊行した。平賀譲の資料が多くの研究者の目に触れることが出来るようになったが、その意義は大きい。共同研究者は、経済史、社会学、日本史、技術史、造船史、工学と多方面にわたっており、様々な見地から新しい資料に取り組み、今後の研究のポイントと手法について検討する。具体的なテーマとしては、(1)軍艦建造の過程(計画から訓令・進水・竣工まで)から見た設計学への寄与、(2)イギリス製軍艦の建造報告を主とした艦船技術導入・移転の分析、(3)軍艦建造予算(材料費・工費)の推移をめぐる研究の進展、(4)平賀の講義ノートの復刻・解析、などがあげられた。また今後の課題として、(1)書誌情報の追加作業、(2)ポータルサイトの検討とインプリメンテーション、(3)講義ノートのディジタル化、(4)個別研究テーマの検討などが考えられる。
著者
伊藤 信一 鈴木 智和 小南 陽亮
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.123-131, 2011-07-30

陸生のカニ(陸ガニ)が生息地の植物に対して果実採食と種子散布という作用を及ぼすことは熱帯・亜熱帯において数例知られているが、日本のような温帯では報告例が見当たらない。そこで、本研究では、陸ガニによる果実の選好性と採食・運搬行動を明らかにし、その結果から陸ガニが温帯海岸林において種子散布者や種子食者として作用するかを検討した。調査は浜松市にある海岸林とその周辺の竹林で行い、日本に広く分布するアカテガニ、ベンケイガニ、クロベンケイガニを対象に、果実の選好性、種子の取り扱い、果実の採食場所を比較した。飼育下でも野外の生息地においても、3種の陸ガニは多様な果実を好む傾向がみられた。アカテガニでは採食時に種子を破損する頻度が他の2種よりも低く、海岸林の多様な植生で活動し、採食した果実の種子を巣穴から離れた場所にも落としていた。一方で、クロベンケイガニでは、種子を破損する割合が高く、生育可能な植物が限られる湿った環境で主に活動しており、巣穴近くに果実を運んで採食する傾向が強かった。ベンケイガニでも種子を破損する頻度が高かったが、活動する植生は多様であった。これらの結果から、種子散布者となる可能性はアカテガニ、ベンケイガニ、クロベンケイガニの順に高く、種子食者となる可能性はその逆であると考えられた。すなわち、温帯の海岸林においても陸ガニは種子散布者または種子食者となっている可能性が高く、陸ガニの種によってその作用は異なることが示唆された。
著者
高橋 克行
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2013-02

制度:新 ; 報告番号:甲3932号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:2013/3/15 ; 主論文の冊数:1 ; 早大学位記番号:新6304
著者
秋田県民謡
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1928-10

19 0 0 0 OA 日本民族信念

著者
原房孝 著
出版者
東文書院
巻号頁・発行日
1938
著者
梅澤 嘉一郎
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.97-117, 2001-03-15

大学生のホームレス観について, 講義の際に日本やアメリカのホームレスの実情をVTR等をまじえて事情を紹介し, 講義の前と後の変化の状況を共学大学生並びに女子大学学生につきアンケート方式で実施し, 共学大学生と女子大学生, あるいは共学大学における女子大学生と女子大学生との間にどのような相違があるか検討をおこなった。検討をおこなった結果, ホームレスを「野宿者だけに限定せず, 住宅困窮者等も含めて捉える」学生が共学大学, 女子大学ともに共通して過半数を超えている。ホームレスの原因につき「個人責任だけでなく社会経済的要因もある」こと, 従って, 「行政の対策が必要」との見方については, 共学大学の男子大学生, 共学大学の女子大学生, 女子大学学生の順に高い割合を占めた。また, 変化の内容を意識的項目と客観的項目とで比較すると, 意識的事項につては, 共学大学の男子大学生, 共学大学の女子大学生, 女子大学学生の順に高い割合を占め, 一方, 客観的事項は, 共学大学の女子大学生, 女子大学学生ともに同じであったが, 男子学生は女子学生より約3倍変化し男女差が顕著に認められた。総じて, この調査結果から, 共学大学女子学生より, 女子大学学生の方が, 2倍程度ホームレス観の変化が顕著であった。ホームレス問題解決の鍵は住民の合意形成といわれる。本検証結果から今後のホームレス問題解決に向けての展望が開かれることを期待したい。
著者
孫 漢洛
出版者
近畿大学臨床心理センター
雑誌
近畿大学臨床心理センター紀要
巻号頁・発行日
no.3, pp.95-105, 2010-10

[要約] 年間の自殺者が3万人を超え、同時に自傷行為を繰り返す人達が増え続けるなかで、自傷する側の論理、治療する側の論理で自傷行為を考え直し両者の溝を埋める必要がある。自傷行為は決して「生きるため」だけの行為や「気を引くため」の行為ではなく、自殺関連行動である。我々は自傷を繰り返す彼・彼女らに対して、自傷=境界性パーソナリティ障害といった迷信にとらわれてはいけない。自傷行為じしんを治療対象と考えるのでなく、自傷を繰り返す彼・彼女らの"クール"な援助者(サポーター)になることを目指してもいいのではないだろうか。
著者
唐木 英明
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.130, no.4, pp.275-280, 2007-10-01
参考文献数
19

知識人の趣味であった科学が,19世紀以後,社会の問題解決という目的を持つようになり,研究者の数が増えて科学者集団が生まれ,集団内の成功が社会における成功につながった.これは必然的に科学の不正につながり,その社会的影響が無視できなくなった.これに加えて,国立大学の法人化と産学連携の推進により,これまでは主に企業研究者の問題であった利益相反も多くの研究者の問題になりつつある.不正の発見はピアレビューと追試による検証で行われるが,ピアレビューは性善説に準拠するために,意図的な不正を見抜く力はない.また検証はその結果が出るまでには長い時間がかかり,その間に他の研究者や社会が損失を被ることがある.内部告発も有効ではあるが,慎重な取り扱いが必要である.科学の不正は,一般社会における不正と同じく,いつでも起こりうる.不正を防止するためには科学者集団が科学の品質を保証するシステムを構築するとともに,研究者が功利主義ではなく義務論に基づいて行動し,一般社会に通用する透明性と説明責任を果たすことが何より重要であり,そのために一般道徳に加えて科学者倫理の教育を強化することが必要である.<br>