著者
武井 弘一 Takei Koichi
出版者
琉球大学法文学部
雑誌
地理歴史人類学論集 (ISSN:21858535)
巻号頁・発行日
no.1, pp.33-42, 2010

近世の百姓といえば、田畠を耕しても領主に重い年頁を取り立てられ、自給自足で生きるためで精一杯だったと考えられている。しかし、近年、そのような百姓の暮らしの見直しが進んでいる。そこで、煙草に注目し、百姓の暮らしのなかで、どれくらい喫煙の風習が広まっていたのかを明らかにすることを課題とした。事例としたのは近世中期の金沢平野で、絵農書『農業図絵』を解読することで分析した。その結果、農村での喫煙は基本的に成人男性のみに許された特権で、煙草は噂好品として消費され、農作業の合間や仕事休みに心身のリラックスを求めて飲用されていた。近世中期の段階での成人男性の喫煙率は、最低に見積もって3割であったと考えられる。未公開:論文中の史料1~4は著作者の意向により削除
著者
山崎 眞
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.730, pp.98-105, 2010-10
著者
下田 妙子
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.15-23, 2000-09

アトピー性皮膚炎患者13名に対して低n-6PUFA食を約4ヶ月間施行した。その結果、食事療法後、摂取脂肪が有意(p<0.05)に減少し、その結果、脂肪酸も有意(p<0.05)に減少した。脂肪酸のうち、一価不飽和脂肪酸(MUFA)は有意(p<0.05)に減少し、多価不飽和脂肪酸(PUFA)は減少傾向を示した。食事中のPUFA,飽和脂肪酸(SFA)の摂取量およびn-6/n-3比は、有意ではないものの食事療法後低下した。食事療法を実施した患者に対して食事療法前後での血中脂肪酸値を比較すると、イコサペンタエン酸(20:5 n-3 EPA)、ドコサヘキサエン酸(22:6 n-3 DHA)は有意に上昇し、リノール酸(18:2 n-6 LA)は有意に低下した。その結果、血中n-6/n-3比およびAA/EPA比は治療後有意(p<0.001)に低下した。皮膚症状は個々の患者によって程度の差はあるものの改善効果が示された。以上の結果から、低n-6系列多価不飽和脂肪酸食による食事療法は皮膚症状や血液生化学的データを改善するものとして、今後、アトピー性皮膚炎患者の食事療法として有用であることが示唆された。
著者
中村 剛
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.3-16, 2008-08-31

「仕方ない」とみなされていることが,実は不正義なのではないか.このような問題意識の下,本稿では,「仕方ない」と思われ見放されている人がいる現実と,すべての"ひとり"の福祉を保障しようとする理念とのギャップを埋めるために要請されるものとして社会福祉における正義をとらえ,その内容を明らかにしている.最初に,正義の概念と社会福祉の理念を確認したうえで,社会福祉研究において正義を論じる理由を確認する.次に「仕方ない」という現実了解に抗するために,他の可能性へと思考を開こうとするデリダの哲学と,不正義の経験という観点から正義論を展開するシュクラーの正義論を取り上げる.そして,この2つの観点から導かれる倫理的正義と政治的正義を提示する・結論として,社会福祉における正義を倫理的正義と政治的正義から構成される倫理的政治的正義と位置づけ,その内容を(1)意味,(2)構想,(3)合意される理由という観点から記述している.
著者
小山内 秀和 楠見 孝
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.50-61, 2016
被引用文献数
4

物語を読むときに読者が体験する「物語に入り込む」現象を示す概念として,近年「物語への移入」が注目されている。本研究では,Green & Brock(2000)が作成した物語への移入尺度と,さらにそれを元にAppel, Gnambs, Richter, & Green(2015)の提案した短縮版の日本語版をそれぞれ作成し,信頼性と妥当性の検討を行った。調査1(920名)および調査2(275名)の結果,日本語版移入尺度は高い信頼性を持つことが示され,並行して測定したイメージへの没頭尺度や文学反応質問紙(LRQ)との間に正の相関を示し,基準関連妥当性を有することが示唆された。しかしながら,予測された1因子モデルによって確証的因子分析を行った結果,オリジナルの移入尺度の適合度は低いものとなる一方,短縮版尺度の適合度は許容できる結果となった。二つの日本語版尺度は,因子構造についてさらに検討する余地があるものの,今後の心理学,文学研究への応用が期待できるツールと考えられる。
著者
中里見 博
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社会科学研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.39-69, 2007
被引用文献数
3

女性の性売買は, 深刻な性的不平等であるにもかかわらず, 今日継続されている.売買春は, その内と外の女性に対する暴力の誘発, ジェンダーの再生産, ジェンダー化されたセクシュアリティの構築という実質的な意味で性差別の制度的実践にほかならない, 売買春を「性的サービス労働」の売買とみなす「性=労働」論は, 売買春の現場で行なわれている性的使用=虐待を「サービス労働」と称して正統化するものである, 性差別・性暴力と対抗してきた性的自己決定権という人権は, 売買春に適用されて変質した.それは売買春を雇用労働とすることを否定するが, 自営業の売買春を否定できず, 合法化する働きをなしうる.しかも自営売春業の合法化は売買春による差別・被害を全社会規模で拡大することになる.元来性的自己決定権と一体であったにもかかわらず矮小化され喪失された性的人格権を復位させる必要がある.そうすることで買春行為は, 金銭で性的人格権を買い取る違法な行為と評価することができ, 例えばスウェーデンでは実現している買春者処罰法のような売買春禁止法への展望が拓けるであろう.
著者
犬塚 美輪 大道 一弘 川島 一通
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.67-77, 2013

本研究では,論理的コミュニケーションの指導において,評価の指導的機能を重視し,体系的評価枠組みを提案した.さらに,評価と明示的フィードバック作成の支援システムを開発した.5人の大学教員に対する聞き取り調査と文献をもとに,6要素(分かりやすい表現,論理的な主張,批判的な検討,協調的な議論,ツールの使用,基本姿勢)から構成される評価枠組みを構築した.この評価枠組みに沿った評価の入力をもとにフィードバックを出力するシステムを開発し,その信頼性と妥当性の検討を試みた.2名の大学教員に評価システムを用いて大学生の作文(8編)を評価した.評定者間の級内相関および相関係数を算出したところ,中程度以上の相関が得られ,級内相関も「論理的な主張」以外では中程度以上の値であった.また,印象評定と評価システムを用いた評価の相関も中程度以上の値が得られた.
著者
本間 小枝子
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学短期大学部紀要 = Bulletin of Atomi Junior College (ISSN:13422561)
巻号頁・発行日
no.32, pp.A71-A86, 1996-02

In making Japanese style clothes of Sumo-wrestlers, it is necessary to make out the size of them. So I took their measurments and examined their size, cutting and sewing. As a result, since their measurment is larger than that of the ordinary people, you must devise the cutting when you use limited cloth; especially widening "okumi-haba", dividing at sleeve. If the wrestler is particularly larger, you have to divide at "migoro". In sewing, it is general to handsew at the right side and to use the sewing-machine at the wrong side in order to make strong nowadays.