著者
酒井 映子 末田 香里 内島 幸江 サカイ エイコ スエダ カオリ ウチジマ ユキエ Eiko SAKAI Kaori SUEDA Yukie UCHIJIMA
雑誌
名古屋女子大学紀要. 家政・自然編 = Journal of Nagoya Women's University. Home economics・natural science
巻号頁・発行日
vol.40, pp.145-153, 1994-03-05

"中国貴州省吾南部の苗族と布依族の食文化の特徴の一端を栄養的側面から明らかにすることを目的として,日常の食事状況について調査研究を行った.中国における栽培作物の事情は,1980年の「包産到戸」,すなわち農家の個人販売許可によって,食料作物から経済作物へと変化している.このような状況の中で,少数民族である苗族や布依族においても食料事情には変化が生じているものと考えられる.そこで,主として日常の食物摂取状況から両民族間の比較検討を行い,さらに,現状の栄養的問題についても若干の検討を行ったので報告する."
著者
井之口 有一 堀井 令以知 中井 和子 Y. Inokuti R. Horii K. Nakai
雑誌
西京大學學術報告. 人文 = The scientific reports of Saikyo University. Humanistic science
巻号頁・発行日
vol.10, pp.22_a-1_a, 1958-10-25

In Part I, we touched on the ancient court-lady speechs which have persisted in Daisyozi Amamonzeki nunnery. The present paper is an attempt to explain some linguistic circumstances in this nunnery. It is difficult to classify the extremely varied assertions which have been made connecting lingustic and nonlinguistic behavior. Therefore, in this paper, we will primarily ask three kinds of nonlinguistic questions : 1) What are the natures of human relation connected with Daisyozi and Imperial palace, of social circles and their manners and customs? 2) What are the year's regular functions in Daisyozi? (the Feast of the Seven Herbs of Health, Kazyo, the moonlight party and ancient customs etc.) 3) What kinds of education and recreation were done for the nuns? (the distinctive perception of public and private affairs, Kiyo and Otugi, Genzimonogatari cards and others) Thus, we intend to treat in next Parts on the correlation between some aspects of language and non-linguistic phenomena in this nunnery.
著者
古閑 博美 コガ ヒロミ Hiromi KOGA
雑誌
嘉悦大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.63-73, 2005-10-31

学生の授業中の私語、着帽、睡眠、携帯電話の操作、飲食、化粧、教科書・ノート・筆記具の不携帯のほか、トイレや電話のための途中退室などが問題となっている。そういった態度に接し、教師はどのように対すればよいのであろうか。教育現場で、このことに悩む教師の姿がある。社会で礼儀・作法は不可欠であり、教育現場で、無作法な態度や傍若無人な振舞いが看過されてよいわけはないのである。大学は躾教育まで担っていない、との考えは排除したいものとなる。知識の教養と行動の教養を身につけた学生を育成するのは、社会のニーズでもある。教師は、教育現場にふさわしい辞儀と魅力行動を実践したい。授業中、飲食、私語、着帽などの学生がいても、注意もせず放置する教師を、心ある学生は評価していない。学生が、知的教養以外にマナーなど行動の教養を身につけることは、彼らの将来にとって重要というだけでなく、わが国の将来と直結する課題となる。魅力行動学という研究分野を、あえて唱える所以である。
著者
小田嶋 恭二
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.211-230, 2003-03-31

藤根村という東北の貧しい農村に生まれた高橋峯次郎という一教師をとおして、彼が生きた明治・大正・昭和の三時代とはどういう時代であったのか、また村の指導者として日露戦争、満州事変そして太平洋戦争に、どのように関与し行動したかを考察する。峯次郎という人間を考える上でのキーワードは、「貧しい農村」、「青少年教育」、「兵隊バカ」の三つである。これは、彼が生前六六年間書き続けた日記、三七年間発行し続けた『真友』、教え子から受け取った七千通を超える軍事郵便、生涯にわたって手がけた二冊の郷土史から拾い上げることができる。彼は、藩政時代から繰り返し起こる飢饉や百姓一揆の恐ろしさ、戊辰戦争の敗北により明治政府から疎外されてきた東北農村の歴史を聞いて育つ。苦学して師範学校を卒業し、教員となり村の青少年教育に情熱を注ぐが、戦争という暗い陰がいつも隣り合わせであった。日露戦争にも従軍し、戦争の悲惨さや家族に及ぼす影響を痛いほど知っていた。そのため、教え子が戦地に行って苦労しないよう軍事訓練をしたり、出征兵士に村の様子、家族の様子を知らせる『真友』や激励の手紙を送付した。時には異常なまで軍に協力する姿が、誤解され「兵隊バカ」と呼ばれることもあった。昭和二〇年八月一五日敗戦という結末で太平洋戦争は終わる。これまで政治を信じ軍部を信じ「兵隊バカ」とまで呼ばれ、国策遂行に協力したことに対し、敗戦を境にその指導責任を問われることになる。戦争で教え子を失い、これまで村の指導者としてとった行動が否定され、心に深い傷を負う。戦後、彼は戦死した教え子の霊を供養し、遺族たちの世話や恵まれない人々や子どもの世話をし、社会福祉に奉仕する。これは彼自身の戦争責任の取り方であり、また一つの人生のけじめのつけ方でもあったのではないか。
著者
西 将輝 宍戸 哲平 李 欣怡 木村 啓二 佐野 健太郎
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
巻号頁・発行日
vol.2023-EMB-62, no.7, pp.1-6, 2023-03-16

深層学習が様々な場面で利用されるようになり,それと共に学習データや入力データ,推論結果,さらには学習モデルの保護が問題となりつつある.そのため,データを暗号化したまま演算処理できる準同型暗号による深層学習が注目されている.しかしながら,準同型暗号による演算コストは高く,これまでに, 並列化やハードウェアアクセラレータの利用といった様々な高速化手法が提案されている.一方筆者等は,深層学習の推論処理において多くのビット数が必要としないことに注目し,ビット削減版準同型暗号を利用した深層学習推論を提案してきた.本稿ではまず,ビット削減版の深層学習処理を準同型暗号ライブラリ SEAL とSEAL を用いた深層学習フレームワーク HE-Transformer に実装し,Intel Xeon プロセッサ上で評価した.さらに,富士通 A64FX 上でビット削減版準同型暗号を実装し評価を行なった.評価の結果,CryptoNets を用いた MNIST データセットの分類においてオリジナルの nGraph-HE2 に対し Intel Xeon 上で最大で 9.37 倍の速度向上が得られた.また,富士通 A64FX 上で行列積を評価した結果,Intel Xeon W-2145 と比較して,最大 1.08 倍の速度向上が得られた.
著者
山本 耕平 赤堀 三郎
出版者
東京女子大学現代教養学部国際社会学科社会学専攻紀要編集委員会
雑誌
東京女子大学社会学年報 = Tokyo Woman's Christian University annals of sociology (ISSN:21876401)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-14, 2023-03-02

本研究は,プライバシー不安のジェンダー差がいかなる要因によって生じるのかを量的データの分析から検討することを通じて,情報技術が高度化する現代社会におけるプライバシー不安の性質を理解するための手がかりを得ようとするものである.科学技術のリスク認知に見られるジェンダー差の説明として先行研究において論じられてきたメカニズムを 4 つの仮説として整理し,2020 年に実施されたインターネット調査のデータ(n=5,961)を用いた線形回帰モデルの推定によって検証した.推定の結果,プライバシー不安は女性のほうが有意に高いこと,その差は知識量のジェンダー差や公的機関にたいする信頼のジェンダー差によっては説明できないこと,子どもの有無によってジェンダー差の度合いに違いがないことが確認され,女性が相対的にケア役割を内面化しやすいというジェンダー化された社会化の過程によってプライバシー不安のジェンダー差が生じる,という仮説が棄却されずに残った.ジェンダー化された社会化の過程にはケア役割の取得のほかにもさまざまな過程がありえ,それらの各々の過程が及ぼす影響を弁別することが課題として残るものの,科学技術にたいして疎遠な存在として社会化された集団が当該の科学技術にたいする不安を抱きやすいとすれば,現代のプライバシー不安は知識の提供などの短期的な対応によっては解消しづらいものである,という含意を得た. This study attempts to understand the nature of privacy concerns in contemporary society, where information technology is becoming increasingly advanced, by examining the factors contributing to gender differences. Four hypotheses were developed, drawing on the literature on gender differences in science and technology risk perception. They were tested by estimating linear regression models using data from the Internet survey conducted in 2020 (n=5,961). The estimation results confirmed that privacy concerns are significantly higher among women. Gender differences in knowledge or trust in public institutions cannot explain this discrepancy. Moreover, no difference in the degree of gender difference due to the presence or absence of children was detected. These results suggest that the gendered differences in privacy concerns are caused by the gendered socialization process, in which women are relatively more likely to internalize care roles. Considering other aspects of the socialization process as possible determinants of these gender differences is required. However, the findings imply that people who are socialized to be alienated from science and technology are likely to be anxious. Contemporary privacy concerns are difficult to resolve through short-term measures such as education.
著者
金 範松
出版者
大正大学
雑誌
大正大学大学院研究論集 (ISSN:03857816)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.266, 2012-03

学内学術研究発表会発表要旨
著者
小西 洋太郎
出版者
畿央大学
雑誌
畿央大学紀要 = Bulletin of Kio University (ISSN:13495534)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-16, 2020-06-30

キヌア(Chenopodium quinoa Willd.)は7000年前から中央アンデス地方で栽培化された擬穀物である。気温,水,塩のストレスに耐性を示す種々な品種が存在する。キヌア種子はタンパク質含量が高く,かつ優れたアミノ酸組成を有し,またカルシウム,マグネシウム,鉄,亜鉛などのミネラルも多い。さらに生活習慣病を防ぐ種々のフィットケミカルが含まれる。このようにキヌアは世界の食料安全保障に貢献する作物として注目されている。しかし,キヌアの開発にあたっては,生産の場において持続可能な農業生態系,生物の多様性を維持しながら進めていくことが重要である。
著者
松山 新吾 MATSUYAMA Shingo
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構特別資料: 第3回直交格子CFDワークショップ講演集 = JAXA Special Publication: Proceedings of the 3rd Workshop on Cartesian Grid-based CFD (ISSN:24332232)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-SP-22-008, pp.35-45, 2023-02-03

第3回直交格子CFDワークショップ (2022年7月1日. いわて県民情報交流センター(アイーナ)), 盛岡市, 岩手