著者
生長 幸之助
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.409_1, 2021

私はこの800字という字数制限で十分な自分語りを行うための真に驚くべき解法を発見したが、ここに記すには余白が狭すぎる(要旨ですから!)。
著者
春日 秀朗 宇都宮 博 サトウ タツヤ
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.121-132, 2014

本研究は,親から感じた期待が子どものどのような感情や行動を引き出し,それらが大学生の現在の自己抑制型行動特性と生活満足感にどのような影響を与えるのか検討することを目的とした。対象は大学生367名であった。質問紙調査により大学入学以前に親から感じた期待と期待に対して抱いた感情,行った行動を尋ね,自己抑制型行動特性及び生活満足感への影響を検討した。その結果,期待の認知形態により反応様式や生活満足感に差異が生じることが明らかになった。「人間性」・「進路」・「よい子期待」のいずれの期待も高く認知していた期待高群の大学生は,いずれの期待も感じなかった,もしくは人間性期待のみを感じていた大学生よりも負担感が高かったが,進路・よい子期待のみを感じていた大学生よりも期待に対して肯定的な反応をとっており,生活満足感も高かった。また自己抑制型行動特性から生活満足感への影響に関して,期待高群においては正の影響がみられた。これらのことから,期待が子どもに対しネガティブな影響を与えるのは,期待内容や程度とともに,子どもが期待をどのように認知しているのかが重要であることが明らかになった。期待高群において自己抑制型行動特性が生活満足感へ正の影響を与えていたことから,自らが望んで期待に応えた場合,自己抑制的な自身の性格を肯定的にとらえていることが示唆された。
著者
笹岡 歩 河本 高伸 青江 誠一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.253-258, 2015 (Released:2016-04-06)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1

【目的】本研究は大麦の健康機能に着目し,大麦粉ホットケーキの摂取が小麦粉ホットケーキと比較して食後血糖値の上昇を抑制するかを検証するため実施した。【方法】対象は空腹時の血糖値が正常な成人12名(男性6名,女性6名)とした。糖質 50 g分の大麦粉ホットケーキ(試験食)と小麦粉ホットケーキ(対照食)のそれぞれを摂取し,摂取前および摂取開始から15分,30分,45分,60分,90分,120分後の血糖値を測定した。なお,試験は無作為化,単盲検,クロスオーバー試験とし,統計解析は各変数の正規性を確認後,血糖値変化量(Δ血糖値)の経時変化の解析は乱塊法二元配置分散分析を,血糖値上昇下面積(IAUC)の解析はFriedman検定を行った。また,ホットケーキシロップを添えた場合についても同様の試験を実施した。【結果】ホットケーキシロップ無しおよび有りの試験について,大麦粉ホットケーキを摂取した場合,小麦粉ホットケーキと比較して,0~120分間の全平均Δ血糖値およびIAUCが有意に低下した。【結論】大麦粉ホットケーキには,小麦粉ホットケーキと比較して血糖値の上昇を抑制する効果が確認された。
著者
Tai-YanWu Ching-NungLin Shi-JimYen
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2013論文集
巻号頁・発行日
pp.15-18, 2013-11-01

Minesweeper is a Partially Observable Markov Decision Process(POMDP) problem.How to gain more information from current situation affects future decision making significantly.This paper proposes a heuristic solver which outperforms all present minesweeper solvers includingpure heuristic and hybrid single player MCTS with heuristic approaches. With our methodology,more hidden information can be extracted from the same situation than previous methods. Fur-thermore, this solver is practical with efficient performance.
著者
Xiaodong Wang Yuta Yagi Shotaro Tojima Izumi Kinoshita Yuichi Hirota Shinji Fujita
出版者
The Plankton Society of Japan, The Japanese Association of Benthology
雑誌
Plankton and Benthos Research (ISSN:18808247)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.210-220, 2021-08-06 (Released:2021-07-31)
参考文献数
46
被引用文献数
1 2

The ontogeny of Ilisha elongata was reviewed, and their early distribution was examined because information on the early life history of this species is limited. Revision in ontogeny revealed several unique characteristics to this species, such as two chorions in the egg and a more anterior pelvic bud (fin) position. These characteristics contrast strikingly with the clupeid fishes, suggesting that this species belongs to the Pristigasteridae and not to the Clupeidae. Data from ichthyoplankton collected in March, May, July and November suggest that I. elongata spawned just off river mouths in summer and attained peak spawning in June. The larvae with elliptical eyes migrated inside the rivers, where the waters were more turbid. Thus, the spawning and nursery grounds of I. elongata almost entirely overlapped with those of the clupeid Sardinella zunasi both temporally and spatially, which may result in larval competition between the two species.
著者
日道 俊之 小山内 秀和 後藤 崇志 藤田 弥世 河村 悠太 Davis Mark H. 野村 理朗
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.61-71, 2017 (Released:2017-04-25)
参考文献数
57
被引用文献数
13 54

Empathy is a multi-dimensional concept with emotional and cognitive components. The Interpersonal Reactivity Index (IRI) is a multi-dimensional scale of empathic traits. Although some researchers have attempted to translate the IRI into Japanese, these translated scales had limitations with content and construct validity, and measurement invariance. We therefore attempt to overcome these limitations by developing a new Japanese version of the IRI (IRI-J). We used three approaches to assess the validity and measurement invariance of the IRI-J. In Study 1, content validity was tested using back-translation, and construct validity was confirmed through a comprehensive investigation of a web-based survey using six other scales. Results indicate that the factor structure of the IRI-J was equivalent to that of the original version, and that the IRI-J had adequate reliability and construct validity. In Study 2, measurement invariance by gender was confirmed using data from four web-based surveys. These results suggest that the factor model of IRI-J for each gender is equivalent. The present study thus provides an improved measure of empathic traits for the Japanese population.
著者
吉田 惇 井元 智子 河野 達仁
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.47-58, 2019 (Released:2019-04-20)
参考文献数
18

日本各地でクマによる農作物被害や人身被害が増加している.本研究は,生物保全とクマ被害軽減を同時に考慮した社会的に望ましい土地利用のあり方を理論的に分析する.具体的には,(a)生態系サービス,(b)農作物被害,(c)農地におけるクマ遭遇リスク(人身被害,恐怖感)の外部性を同時に考慮し,ブナの本数および住宅地と農地それぞれの最適総土地面積条件を導出する.分析により,クマが住宅地に侵入しない場合は市場均衡で決まる総住宅地面積は社会的最適と一致すること,最適総農地面積は農地拡大による生態系サービスの質の低下とクマ被害の減少のトレードオフに依存して,市場均衡より大きい場合も小さい場合もあることを明らかにする.各外部性が最適政策へ与える影響についても整理する.クマが住宅地に侵入する場合の拡張も示す.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1945年03月14日, 1945-03-14

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1947年07月11日, 1947-07-11
著者
是川 夕
出版者
日本人口学会
雑誌
人口学研究 (ISSN:03868311)
巻号頁・発行日
pp.1801002, (Released:2018-09-03)
参考文献数
52

日本の移民研究では1990年代以降,外国籍人口の急増に伴い,移民第二世代の教育問題が注目されてきている。これは,社会的統合を重視する欧米の移民研究において特に重視されて来た論点であり,同論点の検証に当たっては,移民第二世代が学校で実際に経験する困難さだけではなく,親の階層的地位や移民の編入様式に注目する「分節化された同化理論」など,広く社会構造との関連を視野に入れた分析枠組みが用いられてきた。しかしながら,日本では移民第二世代の学校文化への適応に焦点を当てた臨床的なアプローチは数多く行われて来たものの,複数の移民集団に横断的な教育達成の状況やその要因についてナショナルレベルのデータから明らかにした研究はまれであった。また,その際,分節化された同化理論が想定するように,親世代の階層的地位や編入様式など,広く社会構造との関係に注目した研究は少なかったといえよう。こうした状況を受け,本研究では国勢調査の個票データを用いて,母親の国籍別に見た子どもの高校在学率に焦点を当てた研究を行うことで,移民第二世代の教育達成の状況とその要因について明らかにする。また,分節化された同化理論に基づくことで,移民第一世代と第二世代の階層的地位の世代間変動に注目した分析を行う。その結果,外国籍の母を持つ子どもの場合,日本人の母を持つ場合と比較してその高校在学率は低い傾向にあるものの,それは移民第二世代一般に見られる傾向であり,親世代での階層的地位と子どもの高校在学との結びつきは相対的に弱いことが示された。つまり,分節化された同化理論は日本には妥当しない可能性が高いといえる。その一方で,移民の低い教育達成は,子ども自身の日本国内での居住期間の長期化に伴う日本社会への適応によって自然と解消する可能性が低いことも示された。これは多言語での情報提供や日本語教室など教育現場に対する今後のより一層の政策的支援の必要性を示すものである。
著者
塩谷 芳也
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 社会科学系列 (ISSN:02879719)
巻号頁・発行日
no.38, pp.63-73, 2021-03-31

本研究の課題は,日本における成人の性行動とパーソナリティの関連性を解明することである。日本全国に居住する20–59 歳の男女を対象に,2019 年9 月にWeb 調査を実施し,性交経験人数とビッグファイブによるパーソナリティ(外向性,協調性,勤勉性,神経症傾向,開放性)を測定した(N=300)。性交経験人数を従属変数,ビッグファイブを独立変数として,年齢,教育年数,個人収入をコントロールしながら男女別に重回帰分析を行った。その結果,男性では,外向性と協調性が性交経験人数に対して有意な効果を持ち,外向性が高いほど,また協調性が低いほど性交経験人数が大きくなる傾向が見られた。しかし,女性ではいずれのパーソナリティも有意な効果を示さなかった。これらの結果について,先行研究と比較しながら議論を行った。
著者
望月 慎吾 津丸 真一 山田 和紀 望月 高明 伴 敏彦
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.276-279, 2012-09-15 (Released:2012-10-26)
参考文献数
11

穿通性の心損傷を来たした場合,心嚢水の貯留を認めたり,血行動態の不安定となる症例が多い.心臓に釘が4本穿通していたにもかかわらず,心嚢水の貯留が極少量で,血行動態の安定していた症例を経験したので報告する.症例は22歳,男性.釘うち機で受傷し,近医を受診した.胸部レントゲン写真およびCT検査で,5本の釘の穿通による心臓および肺の損傷を疑い,手術目的で当科紹介となった.CT検査では気胸を認めたが,心タンポナーデは認めなかった.左開胸,分離片肺換気とし,心膜を切開すると釘が3本左心室の側壁に刺入していた.1本は心筋内を通過することなく直接肺に穿通していた.残り1本は,経食道心エコー上で心内に埋もれているのを確認した.いずれの釘も人工心肺を使用することなく,抜去することができた.術後経過は良好で,術後12病日に独歩退院となった.
著者
福長 秀彦
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.84-103, 2018 (Released:2018-12-20)
被引用文献数
1

SNSの普及によって誤情報や虚偽情報は急速に、そして広範囲に拡散するようになった。本稿は、拡散抑制にマスメディアとして、どう向き合うのかを考察した。考察と検証の結果は以下の通り。■拡散抑制の対象:流言、デマ、フェイクニュースには、大災害などの非常時に不安や恐怖などの社会心理によって急激に拡散し、人びとの安全を脅かすおそれがあるものがあり、打ち消し報道の対象となる。■打ち消し報道を行う意味:先行研究によると、社会不安などが高じている非常時に、マスメディアの情報が状況を曖昧にしか説明できない場合に、流言が拡散する。曖昧さを少しでも払しょくするために、打ち消し報道を行う必要がある。■拡散の実相:「大阪府北部の地震」では、「京阪脱線」の流言が拡散した。Twitterの投稿を見ると、地震発生直後のツイートは「脱線するかと思った」だった。暫くすると、「脱線したの?」という疑問形、「脱線しているらしい」という推測のツイートが増えた。やがて「脱線した」という確定的な表現の投稿が現れた。■ポスト・トゥルース時代に求められるもの:誤情報・虚偽情報には人びとの生命・安全などに係わり、迅速に拡散抑制をする必要がある「急性」「亜急性」のものと、民主主義社会の健全な世論形成を徐々に蝕む「慢性」の毒性をもつものがある。後者の打ち消し報道を行う場合には、その公益性が人びとの納得を得られるものである必要がある。