著者
大類 伸
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.3, pp.1-10, 1954-12-30

Il Prof. Orui, prende in considerazione, tre opere del Machiavelli, Il Principe, I Discorsi e La Storia di Firenze. E ci da un resoconto di che parole, il Machiavelli si servisse, per esprimere l'idea di popolo, e che significato quelle parole avessero. Nel Principe e nei Discorsi, il popolo sono i molti, cioe popolo ha un significato piuttosto numerico. Nella Storia di Firenze, si serve della parola popolo, in relazione alla classe dirigente i nobile e la plebe, cioe la classe media. L'autore conclude dicendo, che dalla Storia di Firenze e chiaro, che per il Machiavelli, il popolo non e la plebe, Machiavelli e l'uomo della rinascenza, e viveva in Firenze, che prosperava sotto la guida ricca borghesia fiorentina.
著者
高井 昌史
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.94-105,137, 2001-03-21 (Released:2011-05-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1

高校野球中継の視聴者が実際に行う主体的な意味付与や、そのゆらぎを分析する際、「本当らしさ」(Verisimilitude) という概念が極めて有効である。「本当らしさ」とは、実際になにが真実なのかということではなく、支配的文化が真実であるとしている何か、あるいは一般的に信頼できるものとして受け入れられている何かを意味している。さらに「本当らしさ」は「文化的本当らしさ」(Cultural Verisimilitude) と「ジャンル的本当らしさ」(Generic Verisimilitude) に分類される。前者は、テレビドラマのようなフィクションの外にあり、我々の社会生活における常識、基準に照らした本当らしさである。それに対して後者は、フィクションの中での本当らしさである。高校野球中継を視聴するとき、世代あるいは性によって「本当らしさ」の揺れ動く方向性に特徴がある。保護者の世代、および女子高校生は高校野球を「ジャンル的本当らしさ」に近いと認識しながらも「文化的本当らしさ」として見ようとする。そこには、努力をおしまず礼儀正しい、しかも男らしい若者像、あるいは男性像を求める大衆心理が働いている。それに対して、男子高校生の中の一部は、自分自身が高校球児との比較対照とされることを怖れ、高校野球をあくまでも「ジャンル的本当らしさ」として見ようとする。さらに彼らの中には「本当らしさ」に真っ向から対立し、それを否定しようとする「反-本当らしさ」(Anti-Verisimilitude) も見られるのである。このように、「本当らしさ」とは固定化された「静的」なものではなく、常に揺れ動く可能性を秘めた「動的」なものなのである。そしてその揺れ動きは個人の主観的な意味付与だけではなく、世代、性といった要因にも大きく規定されるのである。
著者
工藤 洋
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.175-183, 2017
被引用文献数
5

<p>アブラナ科のタネツケバナ属(<i>Cardamine</i>)は約200種からなる。日本の農耕地に見られるのがタネツケバナ,オオバタネツケバナ,ミチタネツケバナの3種である。これらの種を対象に,生活史,生態,進化,系統地理,外来植物,形態形成,ゲノムといった様々な観点の研究がなされてきた。本総説では,これまでの研究を概観し以下の点を論じる。①タネツケバナは<i>C. flexuosa</i>とは別種である。②タネツケバナの学名は<i>C. occulta</i> Hornem.である。③タネツケバナは外来種として世界の温帯圏に広がっている。④オオバタネツケバナの学名は<i>C. scutata</i> Thunb.である。⑤オオバタネツケバナは倍数化によるタネツケバナ属多様化の典型例である。⑥日本のオオバタネツケバナ集団には地理的遺伝構造がある。⑦ミチタネツケバナはヨーロッパ原産の外来植物である。⑧ミチタネツケバナのゲノムが決定し,モデル植物としての基盤が整備されている。⑨ミチタネツケバナの雄しべ数は温度に依存して変わる。これらの研究は,近縁種の分類と同定,農耕地への適応,外来雑草の侵入といった,雑草学研究にとって重要な課題を含み,研究の展開が期待される。</p>
著者
道場 親信
出版者
青土社
雑誌
現代思想
巻号頁・発行日
vol.30, no.13, pp.212-239, 2002-11
被引用文献数
1
著者
東海 義仁
出版者
富山大学人間発達科学部日本文学会
雑誌
富山大学日本文学研究 (ISSN:24326216)
巻号頁・発行日
no.4, pp.33-39, 2018-07-30

短編集『女のいない男たち』には六つの作品が収録されている。斎藤環はそれらに共通するテーマを「性愛の不条理」という謎として捉え、清水良典はこの短編集が「セックスの介入によって理不尽に破壊される人間の弱さへの恐怖」を想起する。本稿では、この短編集の出発点と作者自身に評される「ドライブ・マイ・カー」を中心に分析を行う。都甲幸治は、家福が乗るサーブは「そのまま妻の身体でもある」とした上で、みさきがサーブに乗車できた理由について考察を深めるが、本稿ではサーブの中の座る位置によって視点が転換することを指摘するため、サーブ=妻の身体であるという大枠には則らない。例えば、物語の冒頭で家福が女性ドライバーを二分類するのは運転席以外の席に乗ったとき(視点が転換しているとき)であり、この二分類が家福と高槻にも当てはまるものであることは語りの偏りを指摘するうえで重要である。山本千尋は家福の「生きる姿勢」に注目し、家福のブラインドスポット(盲点)について指摘する。確かに家福は接触事故を機に、緑内障による自身のブラインドスポットに気づかされる。一方で、運転免許証が停止になった原因にはアルコールの検知も含まれており、その原因の大部分を緑内障によるブラインドスポットのせいであると考える家福の考え方には偏りがあるだろう。また、本作品は男性サイドに偏った語りにより構成されており、女性サイドの視点が欠如している。加えて、中性的なみさきという人物にその語りを肯定させることで語りの偏りが隠蔽されていることも指摘する。家福が行う評価の枠組みに家福自身も含まれていることは、語りの偏りが隠蔽されることで気づきにくくなる。作品内に存在する要素で、これまでとは異なる観点に着目して語りの偏りを指摘し、その効果についても考えたい。
著者
礒部 禎夫 柴田 章夫
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.1024-1030, 1993

反芻動物にフマール酸を飼料に添加して給与した場合に,第一胃内の発酵と消化機能にいかなる影響を与えるかをルーメン•カニュレ装着山羊3頭を用いて調査した.試験方法は穀類(トウモロコシ)を20%含む飼料1と,50%含む飼料2に対してフマール酸を0,2.5あるいは5%添加し,これらの飼料を6時間ごとの自動給餌法によって3週間ずつ給与した.最後の週に採食直前のルーメン内容物を採取して,6時間ごとのpH,VFAモル比を測定した.またナイロン•バッグ法によって内挿したパルプフロックの48時間における消化率を比較した.更に上記の飼料条件下のルーメン内容物の二重ガーゼ濾液100mlをO<sub>2</sub>除去-CO<sub>2</sub>ガスの通気下で嫌気培養し,酸化還元電位(Eh)が平衡に達した後にフマール酸を注入し,その後のpHとEhの変化を追跡した.ルーメンpHは飼料1及び飼料2のいずれの飼料給与においても,フマール酸の添加量を高めることによって無添加の場合よりも高まる傾向を示した.特に飼料2の給餌条件下では2.5%,5%添加群ともに有意(P<0.05およびP<0.01)に高まった.VFAの生成割合は飼料1でのフマール酸添加を2.5%から5%に高めると,酢酸,プロピオン酸のモル比が増大し,酪酸,イソ酪酸,吉草酸,カプロン酸は低下した.この変化は飼料2の給餌条件下でも見られ,フマール酸の2.5%,5%添加共に酢酸,プロピオン酸が増加し,イソ酪酸が低下した.ナイロンバッグ法によるパルプフロック消失率は飼料1の条件下で2.5%,5%添加により有意し上昇した.in vitroにおけるフマール酸代謝の様相は,Eh変動時間の推移から考察すると,ルーメン内におけるフマール酸の代謝がフマール酸の添加によって適応的に高まることを示唆した.
著者
横手 慎二
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.29-56, 2010-12

はじめに第一節 捕虜・抑留者ラーゲリの成立第二節 捕虜の強制労働第三節 戦後賠償としての「シベリア抑留」結び小此木政夫教授退職記念号
著者
相良 智弘
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.10, no.13, pp.4-6, 2011-07-19

「父親のように仕事ばかりの人生は送りたくない」と、映画への思いを封印し、一度は異業種に進んだ宮崎駿の長男が、映画から"逃げ続ける"人生にピリオドを打ち、アニメーション映画監督として本格始動する。 宮崎吾朗、44歳。7月16日から全国公開のスタジオジブリの新作アニメ映画「コクリコ坂から」は、宮崎にとっては2作目の監督作。「ゲド戦記」以来5年ぶりの映画製作となる。