著者
谷脇 徹 興津 真行 岸 洋一
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.158-163, 2004-05-16
被引用文献数
1

マツノマダラカミキリの羽化脱出頭数を野外網室と25°C恒温条件の恒温室で0,4,8,12,16,20時の4時間ごとに調査した。環境条件が変動しない恒温室では,羽化脱出のピーク時間帯はみられなかった。野外網室では8〜12時と16〜20時にピークがみられた。羽化脱出頭数を目的変数,気温,降水量,日照時間を説明変数とした重回帰分析により,8〜12時の羽化脱出は過度に高い気温,過度に多い日照,降水に抑制され,16〜20時の羽化脱出は日中から日没頃にかけての気温が高いと促進されると考えられた。気温は羽化脱出の日周期性に最も影響する気象要因であると推察された。羽化脱出頭数の最多時間帯と次に多い時間帯の組み合わせには5パターンがみられ,気温条件により異なった。野外における羽化脱出の日周期性には,内的要因である羽化脱出リズムの寄与程度は小さく,外的要因である気温を主とする気象要因の寄与程度が大きいと考えられた。

2 0 0 0 OA 大日本時代史

出版者
早稲田大学出版部
巻号頁・発行日
vol.南北朝時代史, 1908
著者
李 明
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.519-524, 2013-10-25 (Released:2013-10-25)

本稿は、朝鮮戦争休戦直後における平壌の被害状況、都市復興計画や住環境整備などの復興過程を辿ることにより、東アジア戦災復興史の研究に興味深い情報を提供しようとするものである。1)朝鮮戦争による戦災状況について若干の確認を試みる。2)戦時中の復興計画について考察する。3)復興と国家建設方針について社会主義建設方針、設計の標準化・規格化と組立式施工方式の導入などの面から若干の確認と考察を試みる。4)復興建設について復興都市計画、都市中心部の町並み形成や住環境整備を中心に考察する。
著者
岡田 昌史 黒須 寛明
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.88, no.906, pp.21-00317, 2022 (Released:2022-02-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1

Because mechanical parts will be broken by high acceleration caused by impact of collision, a shock reduction mechanism takes an important role for mechanism design. Springs and dampers have been often used for a shock absorber, however, because of their mass, the impact is transmitted to the body. Momentum exchange impact damper (MEID) and mechanical singularity will be effective mechanism design. The former transfers momentum from body to damper-mass to reduce the body velocity. The latter avoids impact transmission. This paper proposes an impact mitigation mechanism inspired by break-fall in Judo. The mechanism exchanges momentum without additional sensor nor actuator, and avoids impact transmission by singular configuration. It is shown that the proposed mechanism has 1-DOF by Kutzbach-Gruebler’s equation using a planer model and two singular configurations by singularity analysis. Dynamics simulation confirms the concept of the proposed mechanism (Momentum exchange). And a prototype is designed and motion captured by a high speed camera to evaluate the momentum exchange.
著者
藤井 學
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.520-541, 1958-11-01

近世初頭の京都町衆の法華信仰について、 (一) その信仰形態 (二) この信仰が彼等の生活や意識に如何に投影されるかを紹介したいのが本稿の趣旨である。信者の例として本阿弥・狩野・後藤・茶屋・尾形・佐野家等を取上げる。彼等は何れも代表的な京都上層町衆であり、宗門規制が影響して互に姻戚であり、一族「皆法華」であつた。法華宗寺は彼等「惣族」団結の精神的支柱として存し、実生活の規範もここに求められた。彼等は宗義を理論的に理解し、一族中より碩僧を輩出させた。町衆は教化する側に上昇したのである。本阿弥一門が支配経営した洛北鷹ヶ峰は、芸術家聚落であると共に町衆信者の集りであり、住民は実生活と合致した信仰生活を送り、此地は法華経支配の地域=「常寂光土」なる宗義的意義を持つていたのである。かかる町衆の法華信仰或はその止揚であつた鷹ヶ峰は、内には反幕府的要素を多分に含み乍らも、その存在した社会的条件と宗門宗義の変質によつて、質的変化を遂げ、近世封建社会の中に次第に解消して行つた。

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1915年03月27日, 1915-03-27

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1915年03月09日, 1915-03-09
著者
鈴木彰真 野々村翔 村田嘉利
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.100-107, 2014-07-02

近年,様々な食感のグミが販売されており,それに応じて消費者の嗜好も多様化している.メーカーが提示するグミの食感は客観的な表現がされておらず,顧客の求める食感とメーカーが提示する食感が合致していない.そこで本論文では,微妙な差異の表現が必要であるグミの食感を対象に,擬音語,擬態語を表すオノマトペを用いたグミの推薦システムを構築し,その有用性について評価を行った.客観的にオノマトペ表現を用いたグミの推薦システムを構築するためには,使用するオノマトペの数と内容の吟味とグミとの関連付け方法が重要となる.本論文では,複数のアンケートから食に関するオノマトペとグミを関連付け,アンケートの結果から関連度の高い順に複数のグミを推薦した.提案サービスの評価として,選択したオノマトペによって適切にグミが推薦されるかどうか検討した.評価では,被験者にグミの種類を1つ思い浮かべてもらい,選んだオノマトペから推薦されたグミのサンプル上位4品目を試食してもらった.その後,オノマトペとグミの合致度を5段階評価してもらった.評価の結果,9割以上が合致度4以上と回答し,所望する食感のグミを推薦できていることが示された.
著者
中根 俊成 渡利 茉里 安東 由喜雄
出版者
医学書院
雑誌
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 (ISSN:18816096)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.383-393, 2018-04-01

自己免疫性自律神経節障害(AAG)では抗ニコチン性自律神経節アセチルコリン受容体(gAChR)抗体の出現を血清中に認める。gAChRの構成サブユニットはα3とβ4であり,いずれかもしくはいずれに対しても自己抗体の産生が認められる。この抗gAChR抗体がAAGの病因であることを証明するin vitro実験は既に報告されており,患者血清IgGによる疾患移送もなされている。われわれは本邦におけるAAGの臨床像として,①慢性経過の症例が多い,②広範な自律神経障害を示すことが多いが,部分的自律神経障害(体位性起立性頻脈症候群,慢性偽性腸閉塞症など)の症例でも陽性と呈することがある,③extra-autonomic manifestations(自律神経外症状)として中枢神経症状(精神症状,記銘力障害など),内分泌障害などを呈することがある,④一部の症例において悪性腫瘍,膠原病などの自己免疫疾患の併存がみられる,などを報告してきた。これら以外の未解決の事項としてAAGと同じく自律神経障害を病態の主座とするニューロパチー(急性自律感覚ニューロパチーなど)が同じ疾患スペクトラム上にあるものか,異なるものか,が挙げられる。われわれはこれらの病像にアプローチするために他のニコチン性AChRサブユニットに対する自己抗体の検出についても研究を進めている。