著者
植木 克美
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.Suppl, pp.41-44, 2016-01-25 (Released:2016-02-12)
参考文献数
7

本研究では,教職経験が異なる熟年期の小学校教師2名を対象に,ライフストーリー的手法によって,①保護者対応の変容プロセスを明らかにし,②保護者対応における教師の成長と世代継承について検討した.分析の結果,若手期,中堅期から熟年期にかけて,保護者と教師の関係性が変容することがわかった.そして,保護者対応の困難な経験が,保護者対応の変容をもたらすひとつの“転機”になっていると考えられた.また,保護者対応における異世代間の学びは,教師である専門家間,さらに教師と保護者間でも成立していることを明らかにした.
著者
小島 康夫 工藤 弘
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

北海道に生育する植物一特に樹木を中心として、そのアレロパシー作用の有無を検討した。この研究では主にアレロパシー効果を種子発芽と幼杯軸の伸長に対する阻害作用に基づいて評価を行った。北海道における樹木では、グイマツ、シンジュ、ヒバ、サトウカエデ、ナナカマド、ホオノキ、ハリエンジュに強いアレロパシー活性が認められ、次いでクルミ科4種(オニグルミ、ヒメグルミ、サワグルミ、クログルミ)、カツラ、トドマツ、ミズナラにある程度の活性が認められた。草本では、クマイザサ、ラワンブキ、ミジバショウに強いアレロパシー活性が認められたこれらのうち、ナナカマド、クルミ、シンジュ、ササ、フキについて、アレロパシー活性の季節的変動、組織部位(例えば葉と茎と根など)による変動、活性成分と思われる物質の検索について、さらに詳しく検討を行った。ササについては、多年生のために季節的な変動は少なく、通年にわたりアレロパシー活性が認められた。ササの新芽には活性が認められない。部位の比較では、葉、茎に関して極性の高いフラクション(酢酸エチル可溶部やエタノール可溶部)に強い活性が認められ、根ではエタノール可溶フラクションとともに、極性の低いヘキサン可溶部でも強い活性を示した。フキでは秋に採取した根に活性が示され、ヘキサン可溶部からアレロパシー物質含むフラクションを特定することができた。ナナマカドでは、果実とともに葉にも強い活性が認められた。特に秋に強い活性が示されている。同様に、ミズナラでも秋に強い活性が示され、根、樹皮、根ともに活性があることを示した。一方、シンジュでは、秋よりも春から夏にかけて強い活性が示され、特に根に活性成分が多く含まれることが示唆された。
著者
清水 眞澄
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.37-46, 2013-07-10 (Released:2018-07-13)

中世、名は与えられるものという建前を持ちつつも、実は名乗ることで「名」を主体的に用いる、いうなれば自らの役割や位置づけを主張するための名乗りが出現した。これは、歴史的な経緯の中でも極めて注目すべき変換であった。やがて芸能の世界では、通字ではなくて、名前そのものが受け継がれるようになった。芸名の出現である。けれども、中世以前の芸名が具体的にどのような社会的価値を持ったのかという検証は、従来ほとんど行われてこなかった。本稿では、舞童の名の問題から芸名の系譜をたどり、その有りようを中世の定型と捉えることで、文芸を読み解くための手掛かりとしたい。
著者
大西 幸美 磯村 有希 田中 生雅 荒武 幸代 小林 則子 田中 優司
出版者
愛知教育大学健康支援センター
雑誌
Iris health : the bulletin of Center for Campus Health and Environment, Aichi University of Education (ISSN:13472801)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.11-14, 2017

健康支援センターでは学生や職員の自己健康管理を促すきっかけをつくるため健康講座を行っている。2016年4月の学生定期健康診断時に健康管理医によるメンタルヘルス状況調査が行われ、その中で健康講座へのニーズを尋ねる質問をした。その結果「リラックス法」が最も多かったことからアロマテラピーとリラックス法を兼ねた「アロマキャンドルづくり講座」を実施し好評を得られた。今後も学生のニーズを反映させた講座を企画し健康管理のひとつの手段として役立て頂けるような講座を検討していくことが重要だと考えた。

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著者
新声社 編
出版者
新声社
巻号頁・発行日
1901
著者
高橋 秀則
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
pp.18-0053, (Released:2020-01-21)
参考文献数
7

関節リウマチなどで生じる関節痛に対する西洋医学的治療は,薬物療法や理学療法などを中心に行われることが多いが難治の症例もある.一方,東洋医学的療法の一つである経穴刺激療法(遠絡療法)は,難治性疼痛に対して有力であるとの報告があるものの,有効性が確立されていない.今回,関節リウマチと診断されていた症例で,外傷を契機に発症した重度肘関節痛に対して本法が奏効したので報告する.症例は60歳,女性.左肘を捻り左肘痛が発症し,近医で肘内側靱帯断裂と診断され鎮痛薬投薬,理学療法を行うも改善せず痛みのために関節運動が困難になった.翌年には右肘関節にも痛みが生じ,次第に関節運動が困難となり,発症2年後われわれの施設に紹介受診となった.初診時両肘の関節運動はまったく不可能で,運動時痛のみならず安静時痛も激しく筋萎縮や骨萎縮も生じていた.薬物療法とともに遠絡療法が開始された.治療は1~2週間に1回行われ,2カ月後には安静時痛は消失,左肘関節は全可動域,右肘関節は0~90°までに可動域が改善した.遠絡療法は鍼を刺さない東洋医学的手技として,重度の関節痛に有力な除痛手段と思われた.
著者
祁 楽 林 勝彦 佐々木 和郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 38.16 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.157-159, 2014-03-10 (Released:2017-09-21)

二十世紀九十年代になると、日本のホラー映画は雨後の竹の子のように次々と出てくる。特に、『リング』を代表とする一シリーズのホラー映画は独特な東方的恐怖を作り、世界範囲の観衆を魅了した。一方、中国のホラー映画は人気があるのに、観客の満足する要求に応えられなくなった。日本と中国はとても似通った歴史文化の雰囲気があり、この日本のホラー映画が成功を得た方法を中国のホラー映画の中に取れ入れて見れば、ホラー映画の発展と収入の成績良くなるのではないだろうか?この研究を通して中日ホラー映画の比較を試みる。日本のホラー映画の撮影経験を中国の国情と照らし合わせて、中国のホラー映画の発展に有効な方法を探し出す。
著者
大矢 温
出版者
ロシア・東欧学会
雑誌
ロシア・東欧研究 (ISSN:13486497)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.31, pp.57-72, 2002

The main object of this paper is to analyze the prevalence of xenophobia (and Neo-nazism as its political expression) in Russian society today and to examine its persuadable causes. Here the action and the ideology of the People's National Party (Narodnaya national'naya partiya) and of its leader Alexander Ivanov-Sukharevskiy are analyzed as an example of the violent fascist party in Russia because the PNP is considered to have a strong relation with the Skinhead movement among the younger generation today.<BR>Today xenophobia and racial antipathy is prevalent throughout European society and racist or fascist movement is gaining ground in many European countries. The question is, does Russian fascism have any relationship with this global movement? If so, does it advocate nationalism owing to the effect of globalism? Does fascism equal to a nationalism of Russia? (We must remember that more than 20 million Soviet people were killed in the war against the fascist Germany.) Is the Neo-nazi in today's Russia is really a Nazism? How does it differ from the classical one?<BR>The leader of the People's National Party, Alexander Ivanov-Sukharevskiy, came to be known as a politician only after he became a candidate of the Parliament in 1995. He became widely known by his book &ldquo;My Faith is Rusism!&rdquo; (Moya vera - rusizm!) in 1997. In this book, Ivanov names his ideology as &ldquo;Russism&rdquo;. Although his &ldquo;Russism&rdquo; is composed of many ideological fragmentary elements of popular fascism, it can be formulated as a slogan of &ldquo;Russia for Russians&rdquo;, which also can be summed up as an appeal for Russians to emancipate Russia from &ldquo;non-aryans&rdquo;, &ldquo;communists&rdquo;, and &ldquo;Jews&rdquo; and to fight against them.<BR>Obviously, Ivanov's &ldquo;Russism&rdquo; is not so prominent one among other fascism ideologies. But what is the main reason of its success? Why does it so attract young dissatisfied Russians? What is the background of its prosperity?<BR>In this author's opinion, the main cause of Ivanov's prosperity does not seem to be &ldquo;a confusion&rdquo; of post-Soviet society. Rather, it must be found in &ldquo;a relative stability&rdquo; of Russian society today. In a word, Russian society today is not so confused as the post-Soviet society, say, up to 1995. A fairy tale of a post-Soviet millionaire is not plausible today for those whom live in misery. Because, according to Ivanov, &ldquo;Jews&rdquo; have already established &ldquo;Yid resume&rdquo; in Russia.<BR>Then, what is to be done? The answer is quite simple -- &ldquo;fight against them&rdquo;.<BR>By arguing so, Ivanov published one document which is named &ldquo;The ABC's of Russian skinheads&rdquo; (Azbuki rocciiskikh skinheaov) . In this document, Ivanov encourages the dissatisfied young to eliminate alien elements from Russia and to shave their own heads. In this way, Ivanov connects &ldquo;Russism&rdquo; as a political movement with skinheads, which was regarded as a sub-culture of the violent young.
著者
串崎 幸代 Yukiyo Kushizaki 千里金蘭大学 生活科学部 児童学科
巻号頁・発行日
vol.11, pp.11-17,

人は老いることによってさまざまな喪失を体験することが多い。老年期の課題については、そうした喪失などに対処し老いや死を受け入れることが挙げられるが、認知的・精神的な機能が衰退する後期高齢者や認知症の患者において、老いを生きることの意味はどのように考えるべきであろうか。文献を通して考察した結果、人生の最終段階においては他者を信頼して自己を委ねていくという課題が存在し、高齢者が認知的機能や自己意識を手放して生きることの意味や希望は高齢者を見守る側の他者に託されると考えられた。
著者
三浦 郁夫
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

遺伝的にオスとメスを決める性決定の仕組みには、大きく2つが存在する。哺乳類に代表されるXX/XY型と鳥類に代表されるZZ/ZW型である。近年、2つのタイプは相互変換が可能であることがわかってきた。我が国に生息するツチガエルは2つのタイプが地域集団に別々に存在しており、性決定機構変換の仕組みを解明する上で、最適な研究材料と言える。本研究では、2つのタイプが接触した近畿地方において、性決定の仕組みがZW型に収束した集団を発見し、その変換の遺伝学的、進化学的仕組みを明らかにした。その際、既に遺伝子退化が始まっていたW染色体がX染色体と入れ替わり、新しいW染色体として若返る現象も明らかにした。
著者
不詳(PD)[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1929-06