著者
南雲 大悟
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
no.250, pp.58-75, 2012-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第250集「近現代東アジアにおける相互認識と表象-「脱亜」と「アジア主義」-」山田 賢編
著者
吉田 栄介
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.75-86, 2012-02

論文本研究は, テンション・マネジメントとしての管理会計という視座に立ち, 管理会計の機能・役割を探索することを意図する。具体的には, 原価企画と業績管理を取り上げ, 「業績目標水準」と「コントロール・モード」に焦点を当て, 成果との関係を実証的に明らかにする。分析の結果, 第1に, 製造業での原価企画においてある程度の挑戦的目標原価が有効であること, 第2に, 業種を問わず原価企画における部門間協働が有効であること, 第3に, 業種を問わずインターラクティブ・コントロールも診断的コントロールも業績目標の達成に有効であることが示唆された。This paper aims to clarify the function of management accounting from the point of view of management accounting as tension management. We focused on the level of performance targets and control mode on target cost management and management control and show the relationship between them and organizational performance. As the results, first, we identified that stretch target costs which were set at relevant levels were effective. Second, we identified that cross functional activities at target cost management are effective in both manufacturing and non-manufacturing industries.Third, it suggests that both interactive and diagnostic control were effective for achievement of performance targets.
著者
青山 賢治
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.679-694, 2013

本稿は, 消費社会化が起こるための必要条件にかんする分析である. 消費社会化は, 余剰生産力と需要の関係において問題とされるが, それは十分条件ではない. アメリカの場合, 生産力の余剰に先行して, 空間の余剰があったことが記号論的空間の成立をもたらしたと考えられる. 本稿は, アメリカの西部フロンティアにかかわる空間編成を系譜学的に分析し, そこから記号論化された消費社会の成立を問題にする.<br>19世紀初頭, 未踏で表象不可能な空間であった西部は, 博物誌, 地誌学の調査によって表象の空間へ移される. 1830年代, 表象 (不) 可能性の境界上で, 歪んだイメージを介したフロンティアが語られる. 19世紀半ば, 移住者向けガイドブックに, 博物誌, 新聞, 広告, 誇張話などが並置された記号論的領域が登場する.<br>大陸横断鉄道以後, フロンティアは空間的外縁ではなく, 双極的時間の運動として現れる. レール沿線における未開と近代技術の接触から, フロンティアの不確定な前進=消滅が起こる. この不確定性が消滅したところでは, 都市と農村の形成が同時代的に実現される. 他方, 古いイメージと新しいメディア技術という双極性から, オールド・ウェストという「西部的なもの」の舞台や映画が成立する. カタログという商品=広告は, 都市と農村という空間的隔たりを, 最新モードのうちに結びつけ, 欲望を記号論的空間のなかで分節することで, 消費社会化をもたらす.
著者
有田 要 玉置 元 堀田 博 奥山 清一 志村 豁 井口 喬 遠山 哲夫 堀田 和一
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.213-227, 1983

分裂病者同士の結婚についてはいまだまとまった研究報告はみられない.昭和大学付属烏山病院において, 1979年9月30日現在, 10年以上にわたって診療を続けている長期経過の分裂病者501例のなかで, 結婚したのは7組 (すべて恋愛結婚) である.そのうち5組が結婚生活を継続しており, 2組が離婚となっている.経過年数は3年から15年である.今回われわれはこれらの病者夫婦をとりあげ, 分裂病者同士の結婚について主として長期経過の病状とのかかわり (欠陥の程度) を中心に考察した.欠陥の程度については精神症状, 社会適応状況, 社会生活能力についてそれぞれ良好, 中間, 不良の3段階に区分したがいずれにしろこれら3項目は相関している.1) 夫の平均は良好群に属し妻のそれは中間群であるが, 夫はいずれにおいても妻と同程度, もしくはそれ以上の安定した能力を保持している.2) 結婚の成立および維持については夫婦単位でみた時, 中間ないし良好の状態に位置しているが, 必ずしも個々が上記の状態に位置する必要はなく, 不良群に属する妻とのペアで結婚生活を維持している例も存在する.3) 夫および妻ともに前記3項目の評価が中間に属する場合でも治療者や周囲の者の濃厚な援助や指導があれば, 結婚生活は維持できる.4) 結婚後3項目の評価が変動 (悪化) した場合は, 治療者のより積極的な介在が必要である.しかしそれが著しい場合は維持が困難である.5) 病状や生活能力等からも出産育児については相当に困難をともなう.6) 子供への遺伝については未解決な問題も多く, 慎重な配慮と指導が必要である.
著者
張 戦国 メッタ チャレオンパニチ アリ ラドワン 富田 彰
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
石炭科学会議発表論文集
巻号頁・発行日
no.32, pp.319-322, 1995-10-26

Coal pyrolysis produces a variety of products. Therefore for a reasonable design of an economical process, it is essential to have a detailed planning how to properly use all the products. We have been investigating the method to control the product distribution. The present study attempts to obtain basic pyrolysis data under a high pressure hydrogen with a continuous coal feed. It was found that the pyrolysis temperature, residence time and catalyst have large effects on the hydrocracking reaction.
著者
野間 聖明
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.220-224, 1984-05-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
16
著者
栂 浩平
出版者
日本大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

一部の昆虫では,混み合い条件では変態(幼虫から蛹を経て成虫へ至る過程)が抑制され,混み合いから解放されると変態する現象が知られる.混み合いと言う環境要因を認識し,発生過程を可塑的に変化させることを可能にする機構はどのようなものだろうか.本研究では混み合いによる変態抑制に関わる発生遺伝学的な機構を明らかにするため,以下の解析を行った.ツヤケシオオゴミムシダマシの幼虫は集団飼育条件では変態しないが,隔離飼育によって変態が促進される.隔離後に集団飼育に移すと変態を抑制できることがわかった.昆虫の変態は幼若ホルモン量の低下と脱皮ホルモンの分泌によって促進される.これらに関連する遺伝子の発現解析を行ったところ,脱皮ホルモン関連の遺伝子が混み合いに移行後に発現が低下していることがわかった.脱皮ホルモン(20-Hydroxyecdysone)の注射によって混み合い条件でも変態が促進されたことも合わせると,混み合いは脱皮ホルモンの上昇を抑制する効果があることがわかった.一方で,混み合い条件における幼若ホルモン関連の遺伝子の発現の上昇に有意な差は見られなかった.しかし,発現は混み合い条件で上昇している傾向にあるため,詳細な解析が必要と考えられる.これまで変態の抑制は幼若ホルモンによる抑制が一般的に知られているが,混み合いによる変態抑制は脱皮ホルモンの制御によって達成されることを示した.混み合いによって発現が変動する遺伝子を探索するため,隔離条件と混み合い条件で飼育した幼虫を用いて,RNAシーケンス解析を行った.その結果,混み合いで発現が上昇もしくは減少する遺伝子を22個見つけた.今後は,これらの遺伝子をRNAiによりノックダウンし,混み合い条件での飼育でも変態してしまう遺伝子かどうかを検証する.
著者
亀谷 真知子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.290_2, 2017

<p> 日本の舞踊文化は、その希有な歴史性と多彩性とで世界的にも注目されている。中でも、水田稲作農耕に根ざした地域の舞踊は人々の絆を強める機能を果たしてきた。演者は、一般体育に位置づけられた「民族舞踊」の種目で、日本の伝統舞踊をとおして文化を実践的に学ぶための指導を二十五年間続けている。多様な身体運動・身体表現を持ち、学生が身近に触れる機会のある盆踊りを取り上げ、踊りを実践しながら舞踊文化についての理解を深め、学生同士が協力して踊りを盛り上げられるようにカリキュラムや指導法を工夫した。その結果を検討しつつ報告する。</p>