著者
梶谷 康介 神庭 重信
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.465-472, 2013-05-15

抄録 感情失禁は脳梗塞などの脳器質性疾患に伴う,些細な刺激に反応して生じる制御不能な感情の表出である。脳梗塞後に起こる感情失禁は患者のADLに大きな影響を与えるが,その治療法は十分確立されていない。抑肝散は近年アルツハイマー病など認知症の周辺症状に対してしばしば使用される漢方薬である。以前我々は,偶然にも抑肝散が脳梗塞後の感情失禁を軽快させることを見出し,2症例を報告した。今回さらに4使用経験例を加え,抑肝散が脳血管障害後の感情失禁に対して有効な治療法となりうるかを検討する。
著者
石川 優
雑誌
表現文化
巻号頁・発行日
no.2, pp.87-102, 2007-03

1. はじめに : 既存のマンガやアニメ、ゲームなどを基にした、ファンによる二次的な表現行為、およびそれによって生み出されたテクストを、総じて〈二次創作〉という。所謂〈オタク〉の人々による造語であり、具体的には同人誌や同人ゲーム、フィギュア制作、コスチューム・プレイ(コスプレ)などの形態をとる。二次創作は同人誌即売会などを介して展開され、ファン同士の交流の手段として機能している。約30年の歴史をもつ同人誌即売会である〈コミックマーケット〉には、現在、1回の開催につき2万3千から3万5千サークルが参加し、40万人前後の一般入場者が集う。コミックマーケットという巨大イベントの主流が二次創作であることからも、その隆盛がうかがえる。……
著者
金子 之史
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.129-160, 2021 (Released:2021-08-26)
参考文献数
99

1910(明治43)年に渡瀨庄三郞は「外来種」であるフイリマングースHerpestes auropunctatusを沖縄本島と渡名喜島に導入した.本稿では関係史料を検討して以下の7点を得た.第1に,中川(1900)は現在でいう外来種に関する米国農務省年報を抄訳しジャマイカ島へのフイリマングース導入経過と影響を紹介した最初であったが,書誌情報は不十分であった.第2に,渡瀨と中川の経歴により両者は既知の関係と推測されたが,渡瀨(1910a,b)には中川(1900)の明示的な影響はなかった.第3に,従来不明であった中川(1900)の出典はPalmer(1899)であると判明した.ただしPalmer(1899)にある数種の外来種,立法行為の必要性,および要約は中川(1900)には訳出されていない.第4に,複数の史料間で1910年の「渡瀨講話」の内容を検討し,渡瀨のマングース導入の論理過程を明らかにした.第5に,渡瀨(1910a)は出典を明示しない講話記録であるが,渡瀨がジャマイカ島へのフイリマングース導入に関するEspeut(1882),Duerden(1896),およびPalmer(1899)を読んでいた可能性を指摘し,国立臺灣大学図書館の渡瀨文庫にPalmer(1899)の抜刷が保管されていること,またその表紙上に“S. WATASE”,“3 SEP. 1907”,および“IMPERIAL UNIVERSITY, TOKIO”のスタンプ押印を確認した.第6に,1907~1910年における渡瀨のフイリマングース導入の出来事を時系列の表にまとめた.第7に,ジャマイカ島,沖縄,他地域のマングース導入に関する当時唯一の日本語文献であった岸田(1924,1927,1931)と従来入手不能であった1910年出版の3文献の復刻版との詳細な比較によって,岸田の記述文には出典のないものがあり,また渡瀨(1910a)には地名や頭数に引用の誤りがあることを明らかにした.
著者
中里 主哉 小林 えり 斎藤 和巳 風間 一洋 吉田 光男
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.401-402, 2016-03-10

Twitterでは、自分がどこでツイートをしたのかを情報として発信する位置情報付きツイートを行うことができる。 位置情報を基に「あるイベントに参加したユーザがどのような行動をとっているのか」、が解明でき、 最適観光ルート案内等の研究に応用することができる。本研究では"2015年開催のコミックマーケット(コミケ)"にてつぶやいたユーザの一週間のツイートを収集し、コミケ参加ユーザがよくつぶやく(訪れる)スポット、及び、そのスポットに訪れる時刻を抽出する。調査の結果、特につぶやきの回数が多かったのは、コミケ会場である東京ビックサイトと秋葉原で、それぞれ6時頃から14時頃と、15時頃から夜に頻繁に呟かれていることが分かった。
著者
山下 高之 大島 まな 岡田 美穂
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09162151)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.55-76, 2005-02

2003年度よりイタリアの国立ヴェネツィア大学から九州女子大学別科日本語研修課程への短期研修プログラム (約3ヶ月) が開始された。本年度前期で2期目の研修が終了したのに際し、本稿では、当プログラムに関する報告と考察を行なう。まず、本学別科が短期研修を受け入れるに至った経緯を述べ、過去2期の研修内容や結果を説明する。次に、イタリアの日本語教育事情を概観し、その後、ヴェネツィア大学の教育事情に焦点を当てる。最後に、別科のカリキュラムを説明した後、イタリア人研修生を含めた日本語コミュニケーション授業の実践報告を行う。本研修は研修生からもヴェネツィア大学側からもかなり高い評価を得ており、さらなる改善を重ねながら継続されていくべきであることを結論とする。
著者
テーウェン マーク ペーチュ ニネッテ 幸子 森 新之介
出版者
東北大学大学院文学研究科日本思想史学研究室
雑誌
日本思想史研究 (ISSN:03868974)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.1-34, 2010-03 (Released:2011-02-10)

「Mark Teeuwen, "Comparative perspectives on the emergence of jindo and Shinto", Bulletin of the School of Oriental and African Studies, Volume 70(02), pp.373-402, 2007」の翻訳(ニネッテ・幸子・ペーチュ、森新之介訳)
著者
藤本 浩一
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
雑誌
Journal of the Faculty of Human Sciences, Kobe Shoin Women's University = 人間科学部篇 : JOHS (ISSN:21863849)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-16, 2017-03

中高教職課程履修生1 回生21 名にインクルーシブ教育についての3 つの質問を行った。Q1もしもあなたが教師3 年目で、担当するクラスに発達障害児童生徒がいたらどう思いますか。また、あなたはどんな心配や悩みがありますか。自由に記述して下さい。Q2 もしもあなたが健常児童生徒の保護者なら、自分の子どもが発達障害児童生徒と一緒に教育を受けることをどう思いますか。自由に記述して下さい。Q3 発達障害児童生徒にとって、健常児童生徒と一緒に教育を受けることについて、自由に記述して下さい。学生たちは調査のために、3 回の発達障害授業の前後に質問に回答し、調査結果として、事前・事後の比較による検討が行われた。彼らの自由記述は、KHcoder というソフトによって解析され、それぞれの共起ネットワークを比較した。学生たちは事前調査では発達障害児をどう扱うかを心配していたが、授業後には、対象児への理解や相談によって子どもたちが成長する重要性に気づいた。学生たちは3 回の授業によって、発達障害についての適切な知識と理解を得た。このことは彼女らが3 人称から2 人称の気持ちに変化したことを示している。
著者
加藤 満 浅尾 秀樹 後藤 俊
出版者
北海道女子短期大学
雑誌
北海道女子短期大学研究紀要 = Bulletin of Hokkaido Women's College (ISSN:02890518)
巻号頁・発行日
no.30, pp.93-98, 1994

We examined speed oriented and strength oriented characteristics of maximal anaerobicpower in female college physical education majors. A total subject of 28 college students ranging in age from nineteen to twenty were tested. Of these twenty-eight, fourteen of the studentswere actively involved in school sports.The results are summarized as follows:1) As for absolute maximum anaerobic power and maximum anaerobic power per body weight,we could see a difference of p < 0.05 in which students participating in school sports performedbetter than those students who were not2) In regard to the average maximal anaerobic power affected by maximum torque, there was asignificant difference between students involved in school sports and those who were not.3) In terms of factors which influence maximal anaerobic power, students participating in schoolsports a tendency to be more strength oriented than those who were not.4) Evaluating characteristics of anaerobic power output, the group of students involved inschool sports may be strength oriented, while those students not active in school sports may bespeed oriented.It would seem that the effect of regular training on those students participating in schoolsports develops strength that was not apparent in the group not actively involved in a regulartraining regimen.
著者
秋林 こずえ Kozue Akibayashi
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
人文研ブックレット = Jimbunken Booklet
巻号頁・発行日
no.72, pp.146-163, 2021-11-22

人文科学研究所連続講座2021第3回会期・会場: 2021年7月2日:Zoomウェビナーによるオンライン開催
著者
林 葉子 Yoko Hayashi
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
人文研ブックレット = Jimbunken Booklet
巻号頁・発行日
no.72, pp.49-104, 2021-11-22

人文科学研究所連続講座2021第2回会期・会場: 2021年6月25日:Zoomウェビナーによるオンライン開催国際的な人身売買禁止運動と近代日本の買売春政策
著者
植木 朝子
出版者
日本文学協会 ; 1952-
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.64-67, 2021-11
著者
高橋 久仁子
出版者
日本未病システム学会
雑誌
日本未病システム学会雑誌 (ISSN:13475541)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.296-299, 2007-03-30 (Released:2010-08-06)
参考文献数
5
被引用文献数
1