著者
小野 哲雄 今井 倫太 江谷 為之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. ICS, [知能と複雑系] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.114, pp.43-49, 1998-10-02
参考文献数
17

本稿では、人間とロボットの間に円滑なコミュニケーションを成立させるための方法について述べる。まず、擬人化エージェントを用いたロボットインタフェースを提案する。ユーザは、このエージェントと携帯端末上でインタラクトすることにより関係性を構築する。その後、必要に応じて、エージェントはロボットへ移動するが、この関係性は継承されるため、ユーザはロボットの指示にしたがってナビゲートされるようになる。ロボットに移動したエージェントは、ユーザの情報と要求モデルをすでにもつため、同様の内部状態をもつロボットを出会うと、惹き込み合いコミュニケーションを始める。これらのロボットにナビゲートされてきたユーザ同士もコミュニケーションを始めるため、マッチメイキングが促進される。さらに本稿では、今後の研究として、人間とロボットの役割行動などの、ロボットの社会性について考察する。
著者
佐野 雅昭
出版者
地域漁業学会
雑誌
地域漁業研究 (ISSN:13427857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.117-128, 2019-09-10 (Released:2020-06-26)
参考文献数
16

Salmon farming in Japan has been developing rapidly in recent years. In this paper, the backgrounds and actual situations of this industry are reported. Salmon farming had spread all over Japan as a result of the 2011 Great Earthquake. There are three types in this industry. New entering enterprises, yellowtail farmers and integrator companies in fish farming industry. In this industry, freshwater and saltwater farming are strongly combined into one integrated industry. There are some problems and difficulties in this industry. However, with huge global market it can be a successful fish farming industry even in Japan. Also, it will have positive impacts on many areas, both inland and coastal areas.
著者
安藤 正芳
出版者
日経BP
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.1036, pp.48-53, 2021-02-18

老朽化したCOBOL資産をどうマイグレーションすべきか。この課題は20年以上前からあったが、一部は先送りされてきた。「費用対効果を得にくいためマイグレーションをためらうユーザー企業は多い」。
著者
和達 清夫
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.5, no.6, pp.119-145, 1927
被引用文献数
10

地震の震源の深さに就いては從來種々の結果が得られて居るが、近來近地地震觀測の精密さに依り震源の深さは殆んど總ての地震に就き四十粁内外が最も普通となされて居る。我が國に起る多くの地震に就きても、多くの研究は悉くこの程度の淺き震源の深さを與へて居る。而るに著者は或種の地震を研究したる結果、其れ等が三百粁以上の深き震源を有すべき結論に達し、假りに之を深層地震と呼ぶ事にした。此の結論が正しければ、從來の地震源捜索法に改良を要し、又過去の地震表の訂正を要することゝなる。依うて本論文に於て其の決論の達したる研究を述べて學會の批判を仰がんと欲す。多くの集蒐されたる深層地震中特に大正十五年七月廿七日の地震は、本州中央部の地下約三百五十粁の深さに發現したる代表的の深層地震なりと考へらるゝを以て、其の記象型及び震波の走時に關し詳細の調査がなされて居る。本論文に於ては右研究の結果として、地震源の深さ及び地殼上層に於ける震波の傳播速度が求められた。<br>かゝる深層地震の存在は近地地震の觀測に依り地殼上層の物理的状況の研究をなすのに極めて好都合の材料を與ふるものである。近年の觀測に於て確に深層地震であると決定されるものを求め其等の分布から深層地震帶なるものが求められた。この深層地震帶は從來の地震帶と略直角に交叉し從來のものと別にある新しい意味を持つ地震帯であり、其の地震帶附近に於て近來の大地震が發現して居るのも興昧ある事である。此の地震帶に就いても大體の調査がなされて居るが、淺き大地震と深層地震との間に何等かの關係が認められさうである。此の問題は大地震の警戒に關し實際的に興味ある問題を與へるものと思はれる。
著者
菊地 雅子 渡邊 席子 山岸 俊男
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.23-36, 1997
被引用文献数
1 20

他者一般の信頼性についての信念である一般的信頼の高さが必ずしもその人の騙されやすさを意味しないというRotter (1980) の議論, および高信頼者は低信頼者よりも他者の信頼性 (ないしその欠如) を示唆する情報により敏感であるという小杉・山岸 (1995) の知見を, 情報判断の正確さにまで拡張することによって導き出された「高信頼者は低信頼者に比べ, 他者の一般的な信頼性についての判断がより正確である」とする仮説が実験により検討され, 支持された。この結果は, 他者一般の信頼性の「デフォルト推定値」としてはたらく一般的信頼の高低と, 特定の他者の信頼性を示唆する情報が与えられた場合のその相手の信頼性の判断とは独立であることを示している。すなわち, 高信頼者は騙されやすい「お人好し」なのではなく, むしろ他者の信頼性 (ないしその欠如) を示唆する情報を適切に処理して, 他者の信頼性 (ないしその欠如) を正確に判断する人間であることを示唆している。最後に, 社会環境と認知資源の配分の観点からこの知見を説明するための一つのモデルが紹介される。

2 0 0 0 OA 剣話録

著者
剣話会 編
出版者
昭文堂
巻号頁・発行日
vol.附録, 1912
著者
浪岡 新太郎
出版者
明治学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本年度はコロナ禍のために現地調査ができなかったので、これまでの調査のまとめと比較のための日本での調査を行なった。具体的には、フランスにおけるムスリムの経験する、人種差別と宗教上の差別という差別の経験を、フランスの法律、政策、制度がどのように対応しているのかを検討した。その際に、これまでは別々に扱われることが多かった、人種差別と宗教上の差別を、同じレイシズムの異なった現れとして検討することで、両者の関連性を明らかにした。また、日本との比較においては、フランスのムスリムの依拠する社会保障制度との比較の観点から、日本の生活困窮者自立支援法の成立過程について検討した。その際に、特に、2008年の派遣村に注目することで、いわゆる生活困窮者がどのように社会運動の当事者として政治的に自分たちを表現することができたのか、その際の政治的、社会的、経済的条件とはどのようなものかを論じた。
著者
阿比留 睦美 酒井 浩 澤田 泰洋 山根 寛
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.593-601, 2011-10-15

要旨:音楽刺激は,視覚刺激と比較し,より効率的に注意機能を促進するとされているが,その効果は十分明らかになっていない.そこで健常者を対象に,近赤外線分光法を用い音楽活動時の前頭葉の賦活状況を分析し,注意障害の訓練における音楽の効果を検証した.活動は,「注意課題」と「二重課題」を想定した活動を用いた.その結果,「注意課題」では有意な傾向はみられなかったが,「二重課題」で実行機能に関与するとされている左側前頭葉背外側の賦活が有意に確認できた(p<0.05).単独で用いるには課題の提示方法などに工夫が必要であるが,前頭葉背外側を用いるとされる注意機能の訓練に,音楽利用の可能性が示唆された.

2 0 0 0 OA 日ごとの心得

著者
畑銀凛
巻号頁・発行日
1833
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1114, pp.37-40, 2001-10-29

お盆の帰省ラッシュで世間が気ぜわしい8月10日の夕刻。東京・紀尾井町の料亭、弁慶橋清水の玄関を7人の男たちが次々にくぐった。 その顔ぶれは相沢英之、山中貞則、宮下創平の自民党ベテラン議員と一橋大学長の石弘光ら。相沢らは党税制調査会の会長、最高顧問、小委員長。石ら3人は政府の税制調査会の幹部。ホスト役は財務大臣の塩川正十郎だった。