著者
林 倬史
出版者
国士舘大学経営学会
雑誌
国士舘大学経営論叢 = Kokushikan business review (ISSN:21871701)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.161-189, 2018-03-30

目次1. 研究課題2. 分析方法3. バリューチェーンとビジネス・プロセス 3. 1 M.Porterのバリューチェーン論の再確認 3. 2 バリューチェーンとビジネス・プロセス概念の再定義4. VCの再編成とBPO 4. 1 VCの切り離しと組織編成 4. 2 BPOの目的 (期待効果)5. 事業構造の変化過程におけるVCとビジネスプロセスの再編成 5. 1 擦り合わせ型・固定的事業構造とVCの組織的再編成 5. 2 モジュール型・非安定的事業構造とVCの組織的再編成6. まとめと課題
著者
前原 直子
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.723-754, 2015-09-30

『国富論』のアダム・スミスによれば,教育の役割は,《相対的幸福》の実現に寄与することにある。人間各人が,人生の目標を富の増大=物質的利益の増大に見定め,「利己心」を発揮し「勤勉」に自己「努力」を図り自己の境遇を改善すれば,物質的に豊かな経済生活を実現できる。こうして《相対的幸福》の実現を目指し,「勤勉」に自己「努力」する人間が増えてゆくならば,イギリスは生活水準の高い経済社会を形成するのみならず,国家の税収を増やし,道路の整備や港湾の建設などの公共事業を通じて,一国の資本蓄積を進展せしめ,豊かな経済社会を実現できる。 『国富論』においてスミスは,資本蓄積論と分業論を展開することによって,社会における「教育」の重要性を主張した。その意味でスミスは,経済的利益の増大と教育とが密接に関連していることを主張する教育経済論を展開しているといえる。具体的には,スミスの主張は国民教育の導入と大学教育の改革に向けられた。 これに対し,『道徳感情論』における教育の役割は,《絶対的幸福》の実現に寄与することにあった。人間各人は,他者との比較による物質的利益の増大,すなわち《相対的幸福》を実現したのちは,「生活必需品」と「便益品」を獲得すること以上の利己心の作用を「自己抑制」し,「心の平穏」を保持しなければならない。『道徳感情論』における教育の役割は,人間各人に高い「共感」能力を育成し,「心の平穏」を保持することの重要性,すなわち《絶対的幸福》の重要性を認識させることにあった。 総じていえば,スミスにおいて教育の役割は,「共感」能力の向上によって人生の目標を発見し,「利己心」の発揮によって自分の理想とする自分を創造する力の涵養,そして必要以上の「利己心」を「自己抑制」する「徳」を培い,自分の「才能」=自己「能力」に見合った仕事を通じて社会に貢献してゆく力の涵養,という点にあった。
著者
笹山 琴由 野口 真理子 藤本 尚子 鴨 浩靖 新出 尚之
雑誌
第47回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.161-166, 2006-01-10

makeは、依存関係の定義をもとに、ターゲットの更新に必要となる動作を行うツールで、ソフトウェア開発に広く用いられている。makeの動作は、依存関係のルールを記述したファイルに基づき、ターゲットを構築するためのルールを見つけ出し、必要なアクションを再帰的に起こすというものである。これは、論理プログラミング言語であるPrologの動作と類似している。そこで我々は、makeのPrologによる再実装を行うプロジェクトを進行している。動作の検証を行う対象としてはNetBSDのシステム全体のmakeを選び、ある程度大規模なソフトウェア開発に対してもこのプロジェクトが有効であることを示す。本発表では、我々のプロジェクトの紹介と、現在の進行状況について述べる。
著者
工藤 英美
出版者
名鉄局印刷株式会社
雑誌
瀬木学園紀要 = Segigakuen Kiyo
巻号頁・発行日
no.11, pp.37-46, 2017

In light of the current situation regarding poverty in Japan, this paper examines how poverty affects child development and how everyday life experiences during infancy should be guaranteed in order to correct the effects of poverty. Currently, Japanese citizens are beginning to become aware that there is an issue in that Japan is a poor society. If the child poverty issue is considered from the viewpoint of child development, social exclusion is considered to be an issue. Important development during infancy is impeded as a result of being unable to participate in society owing to poverty, and being excluded from interactions with others. Poverty measures for children also require economic support for children's everyday lives so that they will not be subjected to social exclusion. As support at childcare centers, etc., relationship building for guardians is necessary in order not to exclude the children's guardians from social networks. This paper also considers the fact that for children, it is important to guarantee development during infancy sufficiently.
著者
北島 純
出版者
学校法人先端教育機構
雑誌
社会情報研究 = Journal of Information and Communication (ISSN:2433670X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.39-46, 2022-03-31

本論文は,昭和22年に成立した国会法(昭和22年法律第79号)38 条が規定する「通信費」(現在の文書通信交通滞在費)の立法経緯を,GHQによる勧告案との異同の観点から検討し,「特権付与」から「実費弁償」へ,「郵便のみ」から「通信も含む」へ修正が加えられた意義を考察したものである。
著者
歌島 昌由 Utashima Masayoshi
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 = JAXA Research and Development Report (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RR-05-008, 2005-11-30

世界のラグランジュ点ミッションについて。1978年8月打上げのNASAのISEE-3(International Sun-Earth Expiorer-3)により、ラグランジュ点を利用する新しいミッションの世界が開かれた。ISEE-3は太陽-地球系L1点のハロー軌道に投入された。太陽-地球系L1点は主に太陽観測に利用され、1995年12月に打ち上げられたESA/NASA共同ミッションのSOHO(Solar Heliospheric Observatory)が現在もハロー軌道から太陽観測を続けている。太陽-地球系のL2点においては、2001年6月に打ち上げられたNASAのWMAP(Wilkinson Microwave Anisotropy Probe)が最初のミッションである。太陽-地球系のL2点は、その位置の特性から天文衛星に適した場所であり、今後もHerschel(ESA, 2007年打上げ予定)、Planck(ESA, Herschelと相乗り打上げ)、JWST(NASA, 2011年打上げ予定)、GAIA(ESA, 2011年打上げ予定)などの天文衛星の打上げが計画されている。日本の将来計画。日本においても、太陽-地球系L2点から観測する幾つかの天文衛星の検討が行なわれている。赤外線天文衛星SPICA(Space Infrared Telescope for Cosmology and Astrophysics)、高精度位置天文観測衛星JASMINE(Japan Astrometry Satellite Mission for INfrared Exploration)、太陽系外地球型惑星探査衛星JTPF(Japanese Terrestrial Planet Finder)などである。JASMINEはサーベイ観測型ミッションであり、サイズの小さいリサジュ軌道が適しているが、SPICA、JTPFなどはポイント観測型ミッションであり、どちらかと言うとサイズの大きいハロー軌道が適している。2005年3月に発表されたJAXA長期ビジョン-JAXA2025-には、「月や地球重力圏界(ラグランジュ点)を太陽系に広がる人類活動のための新しい場として活用する「深宇宙港構想」の実現をめざす。」という記述が盛り込まれている。ラグランジュ点軌道の保持の方法。太陽-地球系L1、L2点周りの軌道は、発散時定数が約23日の不安定軌道であるため、少なくとも数ヶ月間隔の精密な軌道保持制御が必須である。しかしながら、姿勢制御系などからの大きな外乱がなければ、年間1m/s程度のΔVで軌道保持できる。これを実現するため、正確な摂動モデルの下でΔVゼロの基準軌道を前もって設計しておき、それに追従する様に数ヶ月間隔で保持制御が行なわれている。欧米での基準軌道の設計法。欧米では円制限三体問題の3次以上の解析解を求め、それを初期軌道として、各半周軌道の位置萌速度のmatching条件を満たす解を数値的に求める事で、ΔVゼロの基準軌道を設計している。この方式はSOHOに対して初めで適用された。本報告のハロー基準軌道の設計法。上記の欧米の方法は高次解析解を必要とする難点があるため、本報告では、非線型計画問題の解法の1つである逐次2次計画法(SQP法; Sequential Quadratic Programming)を使い、高次解析解を求める事なく、ΔVゼロのハロー基準軌道を設計する方法を示す。摂動としては、地球公転軌道の離心率の影響と月潮汐力を考慮した。この他の摂動として、太陽輻射圧と惑星潮汐力があるが、輻射圧はほぼ一定の加速度であり惑星潮汐力は小さいので、本報告の手法は実際の太陽系モデルにも適用できると考えられる。なお、本報告は、2005年2月に発行された「太陽-地球系L2点周りのリサジュ基準軌道の設計」のハロー軌道版である。

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著者
中野 真麻理
雑誌
成城国文学
巻号頁・発行日
no.18, pp.31-49, 2002-03
著者
加納 和寛 Kazuhiro Kano
出版者
同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)
雑誌
一神教世界 = The world of monotheistic religions (ISSN:21850380)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.49-68, 2014-03-31

第二次世界大戦後のドイツが国内外のユダヤ人・ユダヤ教に関して「贖罪」の態度を取り続けているのは言を俟たない。こうした中で、ドイツ国内のユダヤ人数は、1990年頃を境として突如急増する。これは旧ソ連に居住していたユダヤ人が流入したためであり、彼らはユダヤ人ではあるがナチスに迫害された者やその関係者とは限らない。この新しい状況のもと、ヴッパータール市バルメン地区にある、1934年にナチスに反対する第一回告白教会会議が開催され、いわゆる「バルメン宣言」が採択されたゲマルケ教会(ラインラント州教会所属)の敷地の一角に2002年、ゲマルケ教会および州教会の全面協力のもと、新たにユダヤ教のシナゴーグが建設された。このことをバルメン宣言と関連づけて評価する向きもある中で、これまでの「贖罪」モデルに加えたキリスト教とユダヤ教の新たな対話や共存の可能性について、ドイツにおける両者の社会的共存の現実を踏まえつつ、神学的および信仰的な交流の実態と理想とについて検討する。
著者
横濱 道成 石田 生男 Michinari Yokohama Ishida Ikuo
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.76-81,

わが国のサラブレッド種における白毛の個体は1979年に出現しているが,その遺伝的様式が不明なまま血統登録されることとなった。白毛の遺伝については,優性白遺伝子(W)とサビノ遺伝子(S)の2説が報告されているが,後者の遺伝子は交配データを用いた解析が実施されないまま仮定されていた。そこで本報告では,わが国のサラブレッド種に出現した白毛の家系調査を実施した結果,それは不完全優性のS遺伝子がホモ型になった場合に発現されることが確認された。またS/s型は刺毛や大きな白徴が特徴となるサビノ毛色を表現するが,その発現には大きなバラツキが存在する。
著者
猪田 浩理
出版者
京都第二赤十字病院
雑誌
京都第二赤十字病院医学雑誌 = Medical journal of Kyoto Second Red Cross Hospital (ISSN:03894908)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.11-17, 2012-12

組織再生技術の発達はめざましく,歯科口腔外科領域においては骨再生療法に関る研究が注目を浴びている.骨欠損部を修復するためには,骨移植,人工材料の使用が一般的である.骨再生療法の発達はリコンビナント技術と細胞培養技術の発達によってもたらされた.細胞増殖因子は細胞増殖と分化を誘導することで創部治癒を促進する能力を有している.特に骨形成タンパク(BMP)の存在,3 次元細胞培養の技術は臨床の場における骨再生療法の将来的な向上に寄与すると考えられる.今回は最近の骨再生療法の動向について報告を行う.
著者
前原 正美
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.545-575, 2013-09-20

「人聞の幸福」=《相対的幸福》とは,他者や社会からより高い社会的賞賛=社会的是認を獲得するということであり,つまりは自分自身の存在価値の社会における他者と比較しての相対的優位性--富の大きさ,社会的地位や名声,能力や才能など--を獲得するプ ロセスのなかに自らの幸福を見いだす.という幸福のことである。「入聞の幸福」=《絶対的幸福》とは,現実の不完全な自分自身 =「良心」に従えない現実の自分自身から. 「良心」に従える完全な自分自身へと自分自身を創造してゆくことのなかに自らの幸福を見いだす.という幸福である。まさにそれは,スミスにとって真の意味での幸福であり,「良心」に従って自己を改善し.より完全なる自分を創造する.という意味で《絶対的幸福》 なのである。『道徳感情論』におけるスミスは. 「人間の幸福」 =《相対的幸福》論に加えて「人聞の幸福」論=《絶対的幸福》論を展開している。スミスの考えでは,最終的には「人間の幸福」は《絶対的幸福》を実現してゆ〈プロセスのなかにある。スミスは. 『国富論』において.資本蓄積の増進→富裕の全般化→高利潤・高賃金の実現→富の増大=物質的利益の増大→より高い社会的賞賛=社会的是認の獲得というプロセスのなかでの社会の全構成員の相対的地位の向上の実現可能性を資本蓄積論に基礎づけて論証したのだが,そうして万人が「人間の幸福」=《相対的幸福》の実現を目指し努力してゆけば.おのずと「見えざる手」を通じて万人が「人聞の幸福」=《絶対的幸福》の認識へと到達し 幸福の価値転換=意識転換を果たしてゆける機会を与えられてゆくであろう,と予想したのである。
著者
王 晶
出版者
城西国際大学
巻号頁・発行日
2020-08-31

2020