- 著者
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板倉 陽一郎
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
- 巻号頁・発行日
- vol.2006, no.128(2006-EIP-034), pp.9-14, 2006-11-30
昨今,ブログやSNSが「炎上」したとの報道が後を断たない。「炎上」状態にあっては,民事・刑事的に名誉毀損にすら該当する批判的書き込みが溢れ返り,情報発信源は①閉鎖,②意見欄停止,③放置,などの対応を余儀なくされる。しかしながら,民事・刑事的な対応は稀である。本稿は,炎上状態の背景には「意図せぬ公人化」現象があると考える。「公人」概念を扱った裁判例の分析により,「公人」概念は幅を持ち,私人が「公人性」を備えることで名誉毀損からの保護が減弱するとの帰結が得られる。そして,「意図した公人化」と異なり,「意図せぬ公人化」においては保護減弱が不当であることを明らかにし,対応策として「公人」概念の不適用と名誉毀損罪の非親告罪化を提案する。