著者
神内 謙至 橋本 善隆 新美 美貴子 山下 亜希 山内 光子 四井 真由美 西田 なほみ 山崎 徹 早川 太朗 中山 英夫 槻本 康人 並河 孝 笹田 侑子 前林 佳朗 高橋 正洋 磯野 元秀
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.256-263, 2014

50歳女性.平成4年に糖尿病を指摘され平成16年より当院にて加療中.低血糖で救急搬送された既往あり.インスリン治療で血糖コントロール不良,また低血糖も起こすため,平成23年2月教育入院となった.入院中,血糖正常であるものの低血糖症状のためパニックになることがあった.翌日のスケジュールを説明しても当日になると忘れる,糖尿病教室でテキストを忘れる,と言う出来事があった.そのため,注意欠如/多動性障害(ADHD)を疑い本人の同意の上で滋賀医科大学精神神経科に紹介しADHDの診断となった.抽象的な情報を処理する能力は低く,簡潔で具体的な手本を示し,時間的余裕が必要な症例であると判断された.全成人の4.7 %の有病率とされるADHDであるが,今のところADHDと糖尿病の合併にかかわる報告は極めて少ない.血糖コントロールが極めて悪化することが考えられ,適切な治療方法が必要である.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.696, pp.92-96, 2001-07-09

ホテルチェーンに買収された後,団体客も受け入れ,大衆路線で黒字転換を達成した。 「結局,堀さんという人が採算を度外視してメチャクチャな建物をつくったのが原因でしょう。まったくけしからん話だ」。倒産後に会員有志が組織した「川久の会員権を守る会」会長の真野清以志氏はこう話す。
著者
服部 英治
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア : 医療・介護の経営情報 (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.301, pp.84-86, 2014-11

A眼科診療所の職員のB子は、年次有給休暇をなかなか取得できないと労働基準監督署(労基署)に密告した。これがきっかけで労基署から指導を受けたA院長は、B子が取った行動が許せない。B子に辞めてもらいたいと考え、顧問の社労士に相談した。
著者
早石 修
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.1-13, 1988-01-20

かつて,アメリカの首都ワシントンにあるジョージタウン大学の薬理学教授ピーター・ラムウェル博士は,「近い将来において,医薬品の2/3以上はプロスタグランジン,またはその類縁化合物によって占められるであろう」と予言した。多少誇張があるにしても,この言葉はプロスタグランジンの重要性を端的に物語っているものである。それではプロスタグランジンとはいったいどのような働きをする物質であろうか。一言で言えば,プロスタグランジンは生物情報伝達物質の一種であるということができる。地球上の総人口はおよそ50億といわれているが,私達は日常種々の情報伝達機構を用いて相互に情報を伝えることにより,健全な社会生活が営まれていることは衆知の通りである。特に最近はいわゆるマスコミュニケーションが発達し,通信衛星・テレビ・ラジオ・新聞・電話・ファクシミリ・その他きわめて多種類の情報伝達機構が働いており,一旦それに異常を来たすと社会には非常な混乱が起こることは私共の日常経験するところである。生物の体内でもこれと同様に多くの情報伝達機構が働いて,細胞と細胞,臓器と臓器の間の連絡をとっている。すなわち,私達の一人一人の体を考えてみると,その細胞数はほぼ地球の人口の1,000倍,すなわち50〜60兆といわれており,脳細胞だけでも150億という多数の細胞から成りたっているが,これらの異種または同種の細胞間でも時々刻々種々の情報が交換され,それによって全体としての臓器や個体の生命現象がうまく維持されているのである。このような生体内における情報伝達機構は,生命現象の基本となる重要な歯車のひとつであり,古くから神経やホルモンが遠距離の情報伝達に役立っていることが知られている。最近,近距離の情報伝達物質として,組織ホルモン・局所ホルモンと呼ばれるいくつかの物質が知られてきた。その中でも細胞を外部環境から守っている細胞膜の構成成分である"リン脂質"から作られるプロスタグランジンが注目を浴びており,1982年にはプロスタグランジンの発見や,特に著名な業績をあげたBergstrom, Samuelsson, Vaneの3人がノーベル医学賞を受賞したのもプロスタグランジンの重要性を示すものといえるであろう。本講演ではプロスタグランジン,ロイコトリエン,リボキシン等関連物質の研究について,その現状を解説し,特に最近の話題である脳神経・免疫・がんの研究について述べる。
著者
遠藤 弘美 目黒 美紀 宮地 洋子
出版者
仙台白百合女子大学
雑誌
仙台白百合女子大学紀要 (ISSN:13427350)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.133-140, 1999-01-29
被引用文献数
1

塩味嗜好と調味との関係を検討するため,本女子大学健康栄養専攻の学生52人を対象に調査した。その結果は次の通りである。1)食塩味覚検査を行った結果,0.6%濃度で知覚できたものが52人中50人(96.2%)で,味覚感受性が高いと考えられる。2)塩味に対する意識と感度には正の相関性(r=0.38,p<0.01)が得られ,塩味意識が「薄い」と認識している者はそうでない者と比べて塩味感度「鋭い」と認識している傾向が認められた。3)0.4〜1.2%の5試料の食塩濃度のうちすまし汁としてもっとも好まれだのは,0.8%濃度で22人(42.3%),ついで1.0%で19人(36.5%)であった。被検者が5試料に与えた順位の一致度はw=0.48(p<0.01)であり被検者の塩味嗜好に一致性が認められた。塩味意識との間に正の相関性(r = 0.45, p<0.01)が認められ,「薄い」味を意識している者は塩味嗜好においても薄い塩味を好むことが明らかになった。4)被検者に調味させたすまし汁の食塩濃度は0.67〜1.51%の範囲にあり,平均値は1.01土0.21%で,塩味嗜好濃度より高値を示した。 0.6〜0.9%のすまし汁として適塩範囲内に調味している者は21人(40.4%)であった。塩味意識との関係は「薄い」から「濃い」になるにしたがい,調製食塩濃度も高値を示し,両者間に正の相関性(r=0.29,p<0.05)が得られたが,塩味嗜好との間には相関関係は認められなかった。5)12種類の料理における塩味嗜好の結果,コンソメスープ及び茶碗蒸しにおいて有意差が得られ,塩味意識が「濃い」とする者が「薄い」「ふつう」より評点が高かった。料理の嗜好度では全ての料理が好まれ,塩味意識別に有意差がみられたのはスクランブルエッグ及びかぶときゅうりの即席漬であった。終わりに,官能検査にご協力下さいました本女子大学健康栄養専攻の学生の皆様に感謝いたします。なお,本報文の概要は,日本家政学会東北・北海道支部第43回大会において発表した。
著者
高松 道生 田村 真
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.79-84, 2001

佐久地域の全住民を対象として, WHO-MONICA Projectの手法に基づく心筋梗塞発症登録研究を行った。1989年度から1998年度の10年間の推移では発症数に有意な変化は認められず, 人口の高齢化に伴う発症増加も認められなかった。心筋梗塞発症例の平均年齢は女性で不変, 男性がやや高齢化の傾向にあった。最重症の心筋梗塞は突然死の形を取る事が多いが, その把握には保健所を中心とした公的研究が必要と考えられる。一方で農業従事の有無に視点を置いた研究も必要であり, 本学会の研究テーマとして意義のあるものと思われる。
著者
三上 茂
出版者
The Japanese Society for the Philosophy of Education
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
no.15, pp.19-33, 1967

The purpose of this paper is to expound Thomas Aquinas's theory of 'the acquisition of knowledge' (<I>acquisitio scientiae</I>), paying particular attention to his treatise on a teacher, <I>De Magistro</I>.<BR>Thomas gives two things as the prerequisites for the acquisition of knowledg -'the light of active intellect' (<I>lumen intellectus agentis</I>) and 'principles' (<I>principia</I>)- and discusses them in relation to the 'pre-existing knowledge' (<I>scientia prae-existens</I>). But this <I>pre</I>-existence is not to be regarded as suggesting precedencei n time; rather, we should interpret it in logical terms.<BR>On the other hand, Thomas maintains that the acquisition of knowledge is made by two means, that is, 'discovery' (<I>inventio</I>) and 'learning through training' (<I>disciplina</I>). This implies that teachers and students belong to a same order in a sense, while in the other sense they are at different stages. By making this point clear, Thomas definitely gives a teacher his proper place in his relationship to the students as well as to the process of the acquisition of knowledge.