著者
樋口 健太郎
出版者
古代学協会
雑誌
古代文化 (ISSN:00459232)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.509-522, 2005-10
著者
静 春樹
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:18840051)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.1315-1321, 2015-03-25

本稿はマイトリパのヴィクラマシーラ僧院追放とアティシャの関与の問題を検討し,僧院における声聞乗の律と金剛乗の三昧耶の対立を述べる.マイトリパ(別名アドヴァヤヴァジラ)は有名な学匠でありタントラの実践者でもあった.マイトリパの生涯とその事績について論じた羽田野伯猷は,アティシャに十九年間師事したナクツォ訳経師からの口承に基づくとされる『アティシャ伝』に大きな信頼を置いてマイトリパの追放事件に言及している.Mark Tatzはこの問題を再検討しチベット人歴史家の方法論自体に疑問を挟み,羽田野論文に批判的な見解を提出している.本稿では最初にチベット人の歴史書を引用する.つぎにTatz論文の要点を紹介する.そこで筆者は,僧院規律に違犯して追放された出家者が,僧院の外部に何らかの活動拠点をつくり,それが金剛乗の信解者たちの交流の場となる可能性を指摘する.玄奘を始めとする中国人巡礼僧の報告によれば,インドの仏教僧院は「大小共住」であった.こうした状況下で,タントラ行の目的で酒を備えもち瑜伽女と目される女性と飲むことが僧院追放となるのであれば,ガナチャクラや「行の誓戒」「明の誓戒」などの金剛乗の信解者に義務づけられている行の実践はおよそ不可能となる.それらのタントラ的実践は単なる創作だったのであろうか.もし実際になされていたとすれば,問題はどこで実行されていたかである.ひとつ明確なことは,誰が僧院から追放されたとしても,その金剛乗の比丘は「ヴァーギーシュヴァラ準則」(bhiksum vajradharam kuryat)によって持金剛者のアイデンティティをもっていることである.僧院に属する金剛乗の比丘と僧院外部の在俗瑜伽行者が金剛乗の仲間内にだけ開かれた何らかの宗教施設でタントラ的行を実践することは可能だったはずである.金剛乗の世界が僧院以外の施設を建立し運営していたことは典籍に窺える.金剛乗の比丘たちはそのような施設を訪れタントラ的実践を行っていたと筆者は問題提起する.
著者
青木 真純 佐々木 銀河 真名瀬 陽平 五味 洋一 中島 範子 岡崎 慎治 竹田 一則
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.133-143, 2020

ノートを取ることの困難さを主訴とした大学生1名に対し,ノートを取るための方略生成と精緻化のプロセスを支援することで方略変容が生じるか,またそれがノートの内容にどのような影響を及ぼすかを検討した。支援開始前に心理教育的アセスメントを行ったところ,言語的な知識や,聴覚的短期記憶は保たれているものの,注意の向け方の独特さや,全体の見えにくさ,ワーキングメモリの弱さ,視覚的短期記憶の弱さ,注意の切り替えの難しさといった認知特性が想定され,これらがノートを取ることの困難さに関連した背景要因として考えられた。これらをふまえ,支援の中では,対象者に友人のノートと自分のノートを比較させ,方略を生成することを促し,言語化させた。その結果,対象者は多くの情報を記載するための方略や情報の取捨選択を行うための方略を生成し実行した。それによってノートに書かれた情報の不足を補うことが一定程度可能となった。
著者
丸山 久美子
出版者
聖学院大学
雑誌
聖学院大学論叢 (ISSN:09152539)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.29-38, 1992-12-20

20世紀末今日、地球は病み、人類はもとより、多くの生態系に歪みが生じ、この時代に青春をむかえる青年の心は、さながら、「アザゼルの山羊」の如くに、荒野を彷徨する孤独な山羊を思わせる。5年前の調査と今回の調査において根本的に異なるのは「死に方の選択」に男女差がみとめられることである。半数は前回と異ならず、男女ともに「自然死、老衰」を選ぶが、第2番目に選択された項目は男子が「自殺・自死」、女子は「殉職(職務執行中の死)」である。ここに従来までにない時代の影響を見ることが出来る。先の見通しもなく、希望もないのに、非現実的な楽感主義(ネアカ志向)をみずからの内にとりこみながら生きつづけなければならないこの時代の青年達の嘆きと潜在的危機感(リスク認知)が濃厚である。
著者
櫻井 雅人
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.130, no.3, pp.169-187, 2003-09-01

論文タイプ||論説
著者
廣瀬 陽子
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.131-165, 2004-03-19

旧ソ連のコーカサス地方に位置するアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ自治州は,ペレストロイカ期にアルメニアヘの移管運動を開始し,やがてそれは平和的運動から,民族虐殺,民族浄化へと発展し,ソ連の内戦となった.ソ連およびアゼルバイジャン,アルメニアの各共産党は求心力を喪失し,権力が乱立したことから,紛争の収拾がなされないままにソ連は崩壊し,紛争は国際化し,戦争の規模が拡大した.以後,OSCEなど国際的主体が和平に乗り出し,結局,ロシアの主導により停戦に至ったものの,ナゴルノ・カラバフ軍がアゼルバイジャンの国土の20%を占領し続けており,「凍結した紛争」もしくは「戦争でも平和でもない状態」のままで和平プロセスは停滞している.バルト三国以外の旧ソ連ではロシアの影響力が依然として強く,また非民主的な政治体制が継続していることから,国際組織などによる予防外交なども機能しにくい.ロシアの位置は冷戦前後であまり変わっておらず,今後の当地の和平の鍵もロシアが握っているといえる.
著者
山崎 浩一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.66-69, 2012-05

数年前、マンガ研究のために来日したというドイツ人留学生からひょんな経緯で「論文のための取材」を申し込まれた際、こんな質問を受けた。「たとえば『デスノート』や『寄生獣』のように難解なテーマを扱う作品が少年誌に掲載されて、しかも絶大な人気を博すなんて日本以外では考えられない。なぜ日本だけでこんなことが可能になったのだろうか?」と。
著者
川村 元気
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.397, pp.78-80, 2015-07

Genki Kawamura1979年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、東宝入社。映画プロデューサーとして、「電車男」「告白」「悪人」「モテキ」「寄生獣」などを製作。2012年に初小説『世界から猫が消えたなら』を上梓、本屋大賞のノミネートを受ける。
著者
舩田 善之
出版者
朋友書店
雑誌
中国史学 (ISSN:09176578)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.139-156, 2014-10