著者
川崎 千恵
出版者
日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.90-97, 2014-03-31

目的:在日外国人女性の出産・育児の過程において経験する困難や,異文化社会で出産・育児を行うことの健康への影響,出産・育児の過程における支援ニーズを明らかにし,今後の在日外国人女性への育児支援策を検討するうえで示唆を得ることを目的とした.方法:医学中央雑誌,CINAHL,PubMedを用いて検索し,抽出した国内外の原著論文について分析を行った.結果:在日外国人女性は出産・育児の過程において,異文化間の葛藤やジレンマ,サポートを得られない,孤立や孤独感などの困難を経験していることが明らかになった.また,これらは産後うつなどの精神的な健康にも影響しており,情報やソーシャル・サポートのサービスへのアクセス,異文化に関連する困難への対処についての支援が必要であることが明らかになった.結論:文献レビューの結果,日本の文化の影響を考慮した在日外国人女性への具体的な支援策を検討することが今後の研究課題と考えられた.特に,在日外国人女性の支援ニーズを満たし,精神的な健康を維持するために必要な方法についての検討が求められていると考えられた.保健師等専門職は,情報やソーシャル・サポート,ソーシャル・ネットワークにつながる仕組みを整備するとともに,在日外国人女性が出産・育児の過程で直面していると考えられる困難に共感し継続的に支援を行う必要があること,家族に対する働きかけが必要であることが示唆された.
著者
井上 雅弘 金子 賢二 瀬戸口 俊明 猿渡 哲郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.53, no.496, pp.3691-3698, 1987-12-25
被引用文献数
6

A Wells turbine operating under irregular wave conditions has been analyzed theoretically. It is shown that the turbine performance depends on a unique parameter, including characteristic parameters of the irregular wave, turbine speed and dimensions of the turbine and air chamber. In order to obtain the optimum value of this parameter, a model test has been performed using a computer-controlled wind tunnel, which can simulate arbitrary oscillating flows based on spectra of irregular waves. From this value a set of optimum dimensions of a Wells turbine system can be determined. Furthermore, starting and running characteristics of the Wells turbine have been obtained by a computer simulation. It is possible to predict the optimum value of the parameter and behavior of the output coefficient by computer simulation.
著者
西本 公紀 高島 史男 多田 純夫 宮内 修平 堤 定美 丸山 剛郎
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.819-829, 1987-08-01
被引用文献数
12

歯冠修復物に対する審美的な要求は, 年々高まってきている. これに呼応して, 種々の材料が開発されており, その1つとして, キャスタブル・ガラス・セラミックスがある. ガラス・セラミックについては, 物性等は明らかになってきている. しかし, 臨床的な破折実験等も少なく, また力学的解析もほとんど行われていないのが, 現況である. 本論文は, コーニンググラスワーク社とデンツプライ社の共同開発による'DICOR'について, 力学的な検討を行った報告である. すなわち, 有限要素法を用い, 咬合力が正常または異常に補綴物に作用した状態を想定し, 応力解析を行い, 破折, 脱離等の可能性の有無について検討した.
著者
加藤 正美 臼井 憲義 田坂 修二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.749-759, 1997-09-25
被引用文献数
13

本研究は, PHSの二つの通信チャネルを使用し, 蓄積されたH.263圧縮ビデオ情報をARQで, 蓄積されたADPCM音声情報を無手順で伝送しながら再生する場合を考える. このとき, H.263の符号発生量とPHSの伝送容量がほほ等しいため, 再送による遅延はビデオのメディア内同期を乱す. 特に, 蓄積されたビデオの伝送では, 通信状態に応じた符号発生量の制御が難しく, メディア内同期をいかに制御するかが課題となる. 更に, 別の通信チャネルで同時に音声も伝送する場合, ビデオのメディア内同期の乱れは, 音声とビデオのメディア間同期の乱れとしても問題になる. そこで本研究は, ビデオや音声のメディア内同期や両者のメディア間同期を維持するために, 送信側においてBブロック廃棄制御方式を提案する. 更に, 受信側において出力開始遅延制御を適用すると共に, スライド制御方式を提案する. そして, ランダム誤りとバースト誤りの各環境下で, 実際のビデオ情報と音声情報を使用したシミュレーションを行い, メディア同期の性能評価, および主観評価により本提案方式の有効性を示す.
著者
生田 和重
出版者
徳島大学
雑誌
大学教育研究ジャーナル (ISSN:18811256)
巻号頁・発行日
no.13, pp.48-55, 2016-03

A learning support website was constructed using Moodle and has been used in my classroom. The students in my classes can experience student-based and cooperative activities on the Moodle website. The documents created in text format by the students are accumulated in the database of the website. This paper provides the results of sentiment analysis of career planning documents created in text format. The results indicate that the students feel relief or pleasure by setting targets, enjoying hobbies and so on. Moreover, they yearn for the items such as marriage and family life. On the other hand, they worry about their work-family balance, living alone and so on. I want to store such sentiment analyses and utilize them in mentoring.
著者
小野寺 夏生
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.272-276, 2016

論文データベースの収録記事に付与される主題分類は検索キーとして使われる他,情報分析において重要な役割を果たす。主要なデータベースで使われている主題分類の概要を示し,その中でも情報分析によく利用されるWeb of Science Core Collection,Essential Science Indicators,Scopusの3つの分類の特徴を述べるとともにそれらの比較を行う。その後,情報分析を指向して提案された主題分類について解説する。それらは,人的な考察に基づく分類とアルゴリズム的な分類(主に引用関係による)に大別される。
著者
鈴木 信弘 岡村 敦 桐本 哲郎 峠 誠 小牧 昌彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.7, pp.27-32, 1998-04-20
被引用文献数
1

フリーフロー方式のETC(Electronic Toll Collection system)では, 無線機を搭載した車輌と搭載していない車輌を区別するため, 車載無線機の位置を測位する必要がある.測位方式として, 路上中央にそれぞれ水平角と上下角を測角する2つのセンサを配置して, 車載無線機からの電波の到来方向を測定し, これらの測角値と車載無線機の地上高とを用いて測位する方法を提案する.この方式では, 無線機の搭載位置を仮定するため, 測位誤差が生じる.本報告では, 車載無線機の高さ誤差に加え測角誤差に対する測位誤差の感度解析を行う.また, 電波実験により, アレーアンテナを用いた測角センサの素子数と測角精度の関係を評価するとともに, 上記考察結果の検証と, 測位精度の評価を行う.