著者
山川 紘 林 育夫
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.57-63, 2004-03-20
被引用文献数
2

新潟県粟島の浅海岩礁域に生息するサザエの消化管内容物と藻類植生の関係を解明するために、冬期の波浪条件が異なる2水域に調査区を設け、スキューバ潜水により消化管内容物調査(2、6m)、同所で藻類の現存量調査(2、6、10m)、および底質調査(2、6、10、14m)を行った。(1)冬期の波浪の影響が少ない調査区では水深2mで多種類のホンダワラ類が分布し、水深6mではノコギリモクが主に優占した。他方、冬期の波浪が激しい調査区では、アミジグサ類とモロイトグサが優占し、物理的な環境特性により対照的に異なった植生となることが示された。(2)消化管内容物と藻類現存量の摂餌の選択性の傾向を解析した結果から、種類により選択性がある(摂餌は藻類の現存量と関係していない)という検定結果が得られた。(3)調査区のうち、摂食阻害物質を含有する藻類が優占する調査区では、それらの藻類が消化管から高率に検出されたことから、それらの物質はサザエの食性に影響を与えていないと考えられた。(4)調査区間別、水深別に調査区のサザエの肥満度を比較したところ、それらの間で差異は認められなかった。
著者
安野 眞幸
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部教科教育研究紀要 (ISSN:09129006)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.1-11, 1998-03

高谷好一は「汀線はコスモポリタン的世界で,内陸とは全く異質なコミュニタス的世界である」と述べている。しかし桜井由窮雄の批判するように,この「汀線」は「港市」に置き換えるべきであろう。こうして出来た言葉を導きの星として,この論考は進められた。赤道アフリカのカメルーンやスワヒリ世界はピジンやクレオールの世界である。これに対して,同じ赤道直下の東南アジア海域世界は,商業語であるマレー語の世界で,川喜田二郎の云う「重層化」の社会である。この違いは,それぞれの地域の港市成立の事情と密接な関わりを持ち,東南アジアの港市には外来民に対する原地民の強い主体性が認められるのである。また藤本強の云う「≪ポカシ≫の地帯」とは,海上交易路の結節点で港市の存在する海域世界であるとした。
著者
CHEN Zhijia LIN Chuang CHEN Yang NIVARGI Vaibhav CAO Pei
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE transactions on communications (ISSN:09168516)
巻号頁・発行日
vol.91, no.12, pp.3842-3850, 2008-12-01
被引用文献数
1 5

With the popularity of BitTorrent-like P2P applications, improving its performance has been an active research area. Super-seeding, a special upload policy for the initial seeder, improves the efficiency in producing multiple seeds and reduces the uploading bytes of content initiators, thus being highly expected as a promising solution for improving downloading performance while decreasing uploading cost. However, the overall impacts of super seeding upon BitTorrent performance remain a question and have not been analyzed so far in literature. In this paper, we present an analytical and experimental study over the performance of super-seeding scheme. We attempt to answer the following questions: whether and how much super-seeding saves uploading cost, whether the overall downloading time is decreased by super-seeding, and in which circumstances super-seeding performs worse. Based on the seeding process, our analytical study gives formulas on the new piece distribution time, average downloading time and minimum distribution time for heterogeneous P2P file distribution system with super-seeding. Robust evidence supporting the use (or not) of super-seeding is given based on our worldwide Internet experiments over wide distribution of 250 PlanetLab nodes. With a well-designed experimental scenario, we study the overall download time and upload cost of super seeding scheme under varying seed bandwidth and peer behavior. Results show that super-seeding can save an upload ratio of 20% and does help speeding up swarms in certain modes. Tentative conclusions about the effectiveness of super-seeding and its optimal working circumstances are given with inside mechanism analyzed and negative factor identified. Our work not only provides reference for the potential adoption of super-seeding in BitTorrent and other P2P applications, but also much insights for the tussle of enhancing of Quality of Experience (QoE) and saving cost for a large-scale BitTorrent-like P2P commercial application.
著者
太田 英順
出版者
The Society of Resource Geology
雑誌
鉱山地質 (ISSN:00265209)
巻号頁・発行日
vol.39, no.218, pp.355-372, 1989

豊羽銀鉛亜鉛鉱床には錫・銅と共にインジウムが存在する.ビスマス,タングステン,アンチモン,砒素,コパルトも微量ながら広範囲に分布する.インジウム鉱物としては閃亜鉛鉱とインジウム銅鉱の中間組成を有する亜鉛インジウム鉱物,AgInS<SUB> 2</SUB>の組成を有する銀インジウム鉱物,インジウム銅鉱,櫻井鉱が産するが,ケステライト,黄錫鉱,閃亜鉛鉱,異方性を有する黄銅鉱もかなりの量のインジウムを含む,これらのうち経済的に最も重要なのは亜鉛インジウム鉱物と含インジウム閃亜鉛鉱で,次いでケステライト,黄錫鉱,含インジウム黄銅鉱である.含インジウム閃亜鉛鉱は亜鉛インジウム鉱物と閃亜鉛鉱の固溶体であることが判明した.また,インジウム銅鉱と亜鉛インジウム鉱物,ケステライトと亜鉛インジウム鉱物それぞれの間にも広い固溶体の存在が認められた.これらの固溶体は2(Zn, Fe)とCuIn,(Zn, Fe)InとCuSnの置換によるものである.黄銅鉱と黄錫鉱間の固溶体では(Fe<SUP> +2</SUP>, Zn)Snと2Fe<SUP> +3</SUP>,黄錫鉱またはケステライトとインジウム銅鉱間では(Fe<SUP> +2</SUP>, Zn)Snと2Inの置換がそれぞれ主なものである.上記の鉱物の産状は,今まで見積られていた豊羽鉱床の最高生成温度(300℃)よりも50から100℃高い温度でこれらの鉱物が晶出したことを裏付ける.
著者
中尾 菜穂
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.74-75, 2014-03-15

This study examines how foreign residents of Japan learn Japanese language and how their study is connected with their social participation. This study focuses on the cases of three employees who are thought to be successful in acquiring Japanese language and participating in Japanese society. They have improved their Japanese language in a natural setting through autonomous learning in their daily lives. The study outlines that their social participation is not limited to formal language study.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1325, pp.94-97, 2006-01-23

新年を迎えた1日午前9時、千葉県浦安市のダイエー新浦安店。法被姿で約130人の店の従業員に挨拶する樋口泰行社長兼COO(最高執行責任者)は、終始明るかった。 「12月に既存店売上高が前年を上回ったのは11年ぶりだ。ようやく再生の入り口まで来た。今年も全社一丸となって、頑張っていこう」。声を張り上げて現場をねぎらい、激励した。
著者
李 〓貞 佐藤 昌子
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.131-140, 1999-09-01
被引用文献数
3

異なる織構造の布間の違いを視覚によって識別するメカニズムについて, 糸, ならびに, 製織布を用い反射光の光学的分析から検討した。試料布は、反応性染料で染色し, その糸を用いて手織機で製織し, 系統的に作製した。30試料布を実験に用いた。色は, 赤, 緑, 青, 紫のそれそれ明度の異なる2水準および1水準の黄と白で, たて糸, よこ糸の打ち込み数がそれそれ6本/cmの3種の織絹織(平織, 綾織, 朱子織)である。反射光特性を変角分光測色計, 及び, 変角光度計を用いて測定した。また、画像処理装置を用い、布表面の一定面積当たりの明部分と暗部分の面積分布を測定した。さらに, 布サンプルに対して8項目の形容詞対を用い一対比較による視覚官能評価を行った。その結果は次の通りである。1)同じ糸から織られた布であっても反射光特性は測色の規定条件において布の製織方向の影響を受ける。2)布の表面色はたて糸, よこ糸の出現頻度によって変化する。3)テクスチャーの違いは布表面の垂直面に対し受光角度を小さくするよりも大きくした方が判定しやすい。4)布の「相い-細かい」, 「厚い-薄い」などのテクスチャーの違いは表面を視るだけで反射光特性から推測しうる。
著者
李 〓貞 佐藤 昌子
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.131-140, 1999-09-01
参考文献数
7
被引用文献数
3

異なる織構造の布間の違いを視覚によって識別するメカニズムについて, 糸, ならびに, 製織布を用い反射光の光学的分析から検討した。試料布は、反応性染料で染色し, その糸を用いて手織機で製織し, 系統的に作製した。30試料布を実験に用いた。色は, 赤, 緑, 青, 紫のそれそれ明度の異なる2水準および1水準の黄と白で, たて糸, よこ糸の打ち込み数がそれそれ6本/cmの3種の織絹織(平織, 綾織, 朱子織)である。反射光特性を変角分光測色計, 及び, 変角光度計を用いて測定した。また、画像処理装置を用い、布表面の一定面積当たりの明部分と暗部分の面積分布を測定した。さらに, 布サンプルに対して8項目の形容詞対を用い一対比較による視覚官能評価を行った。その結果は次の通りである。1)同じ糸から織られた布であっても反射光特性は測色の規定条件において布の製織方向の影響を受ける。2)布の表面色はたて糸, よこ糸の出現頻度によって変化する。3)テクスチャーの違いは布表面の垂直面に対し受光角度を小さくするよりも大きくした方が判定しやすい。4)布の「相い-細かい」, 「厚い-薄い」などのテクスチャーの違いは表面を視るだけで反射光特性から推測しうる。

1 0 0 0 OA Uさん'05-2

著者
堀尾 紀之
出版者
九州産業大学
雑誌
九州産業大学芸術学部研究報告 (ISSN:02867818)
巻号頁・発行日
vol.38, 2007
著者
上原 絢子
出版者
農業情報利用研究会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.59-68, 2003

インターネット市場向け気象情報は、静止画情報及び気象データと動画情報の組合せによる同時提供が今後の標準になると予想している。即ち、緊急性が要求される情報や地域的/時間的な細かさが要求される情報については静止画情報や気象データを、防災や環境といった特定テーマ番組や専門家によるコンサルティング番組に関しては動画解説情報を提供する形態が望ましい。上記を踏まえ、本稿では気象情報分野を事例として、高速インターネットビジネスに関する動向と今後の展望について述べていきたい。
著者
桜井 淳
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.600, pp.89-94, 2004-09

2004年8月9日午後3時半ごろ,関西電力の美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)で復水系配管が破裂,近くで作業していた下請会社の11人中4人が噴出した蒸気によりやけどを負い1時間半後に死亡した。日本の原発事故史上初めて死亡者が出る大惨事の直接の原因は,炭素鋼製配管の肉厚が薄くなる「減肉げんにく」と呼ぶ現象。