著者
宮川 愛由 田中 謙士朗 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.344-355, 2016

本研究は都市計画,土木計画に抜本的な影響を及ぼす地方政府の統治機構改革を決する政治プロセスの合理化に資する効果的なコミュニケーションについての実証的知見を得る事を目的として,大阪市を廃止して都区制度を導入する,所謂「大阪都構想」を巡る住民投票を事例として,有権者の接触メディアと政策判断との関係性を分析した.その結果,テレビや新聞といった両論併記が原則となる情報媒体を参考にする傾向が高い有権者は,情報の真偽の判断が困難となるが故に従前の意見を変化させない一方で,意見を変化させた人々の内,「反対」に転じた人々は精緻化見込理論でいうところの事実情報に基づく「中心ルート」によって,「賛成」に転じた人々は「周辺ルート」によって態度を変容させたことを示唆する分析結果が示された.
著者
田中 皓介 池端 菜摘 宮澤 拓也 宮川 愛由 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.I_33-I_42, 2016 (Released:2017-01-31)
参考文献数
21
被引用文献数
1

わが国の経済は,1998年から長いデフレ不況の状態にある.デフレ脱却のために,財政政策による需要創出の有効性が示唆されているにも関わらず,1998年以降の公共事業費は削減され続けてきた.その背景として,経済政策の決定に多大な影響を及ぼすと考えられる内閣府の経済財政モデルが算出する乗数効果の小ささが挙げられる.そこで本稿では,内閣府モデルの妥当性の検証を行った.その結果,内閣府モデルには輸出入均衡値という概念が導入されており,輸出入を通じて均衡への調整が行なわれる構造が存在することを指摘した.その上で、マクロモデルに均衡値概念を導入することによって算出される乗数効果が大きく低下することを実証的に示すとともに,均衡値を導入することの不当性を明らかにした.
著者
菊池寛 著
出版者
非凡閣
巻号頁・発行日
vol.下, 1943

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1896年05月30日, 1896-05-30
著者
浜中 新吾
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 社会科学 = Bulletin of Yamagata University. Social Science
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.35-51, 2006-07-31

The rentier state theory gives us the best explanation about a success of authoritarian regimes in the Middle East. Some theorists extend it to non oil-producing countries, like Jordan or Syria, which had gotten workers remittance or official development assistance as a rent. So they can survive their own regime as semi rentier states. However, we should not do this easy theoretical extension. Instead we would get lots of good implications from another approach. The purpose of this paper is to build the formal model of sub categories for authoritarian regime, then to do a positive analysis. I adapt Survival Analysis as the numerical method in the paper. The analysis gives three results to us; (1) higher economic growth stabilize authoritarian regime, (2) oil rent contributes to survivability of regimes, especially monarchies, (3) both monarchies and mixed regime of personal-military-party are stronger than other type of authoritarian regime.
著者
岩下 剛 中島 均
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成28年度大会(鹿児島)学術講演論文集 第8巻 性能検証・実態調査 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.393-396, 2016 (Released:2017-10-31)

東京都の公立小中学校普通教室では冷房機器の導入が進み、ほぼ100%となっている。冷房導入が学生の学力へ及ぼす影響を把握するために、冷房導入前後の自治体ごとの学力テストの結果を用いて調査した。その結果、一部の市において冷房導入の効果が見られたが、全体的な傾向は明確でなかった。さらなる解析・考察が必要である。
著者
平井 浩文 一瀬 博文 長井 薫 亀井 一郎
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

世界中で蜂群崩壊症候群や人類に対する悪影響が危惧されている難分解性ネオニコチノイド系殺虫剤(NEOs)が白色腐朽菌により分解可能であるとともに毒性も除去可能であることが明らかとなった。また、本分解反応にはシトクロムP450が関与していることも突き止めた。さらにNEOsのピリジン環を資化可能な細菌を選抜し、白色腐朽菌との共培養を行ったところ、NEOsを効率的に分解可能であることが示唆された。
著者
安田 康晴 二宮 伸治 諌山 憲司 竹井 豊
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.5-14, 2015-02-28 (Released:2015-02-28)
参考文献数
19

救急車搬送中の傷病者の容態悪化を防ぐため安静に搬送する必要があり,高規格救急車には加速度等により生ずる揺れを吸収するために防振架台が設置されている。本研究は救急車の振動と防振架台の効果と対策について検討した。実験1:3種類の救急車で障害物を走行し,床上と防振架台上の振動を測定した。独立懸架方式サスペンションの救急車が最も振動が小さく(p<0.001),全救急車で床面上より防振架台上が大きく(p<0.05),共振により振動が増幅していた。実験2:救急車と防振架台の共振周波数について検討した。車体は5〜20Hzで振動が減衰しているが,防振架台上は3〜5Hzで減衰し,10Hz以上では車体に対して著しく振動が増加した。防振架台を固定すると当該振動のゲインが低くなった。防振架台は3〜5Hzの低周波域で効果的に振動を吸収するが,衝撃荷重では著しい共振を起こす。振動を抑制する対策として,防振架台を固定する,障害物の走行時は減速することがあげられる。

2 0 0 0 OA 交通流の物理

著者
杉山 雄規
出版者
社団法人 日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会誌「ながれ」 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.95-108, 2003-04-25 (Released:2011-08-16)
参考文献数
23
被引用文献数
3

2 0 0 0 OA 日本史伝文選

著者
幸田露伴 著
出版者
大鐙閣
巻号頁・発行日
vol.下巻, 1920
著者
笠松 秀輔 杉野 修 植村 渉
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

第一原理計算とは、量子力学の原理をもとに、コンピュータ上で物質の振る舞いを再現するための計算手法の総称である。第一原理計算による「コンピュータ実験」を利用することで、物質・材料開発を加速することができると期待されている。実際には、量子力学の原理をそのまま用いようとすると計算量が世界最速のスーパーコンピュータ上でも扱えないほどに大きくなってしまうので、様々な近似手法が用いられるが、多くの場合で十分な精度で計算できていないのが現状である。そこで本研究では、データ解析の分野で着目されている「テンソル分解」を援用することで、高精度かつ適用範囲の広い第一原理計算手法を目指した開発を行った。
著者
森 久美子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學教育學部紀要. 教育心理学科 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.65-78, 1994-12

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
関崎 悠一郎 須田 真一 角谷 拓 鷲谷 いづみ
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.25-35, 2012-05-30 (Released:2018-01-01)
参考文献数
34

現在でもイトトンボにとって比較的良好なハビタットとなるため池が多く残されている北上川水系久保川の流域において、イトトンボ類の分布に影響する要因を、コイの直接・間接的影響に焦点をあてて検討した。調査地域のため池56ヶ所において、2008年4月〜2010年7月に調査を行ない、イトトンボ成虫の個体数と水草の被度、池に隣接する林縁の有無、コイおよびウシガエルの生息の有無、周辺の森林面積と池密度などを記録し、出現種ごとの出現頻度と諸要因との関係を階層ベイズ法により分析した。なお、解析では水草被度およびウシガエルの有無の期待値を、それぞれコイの有無と池密度の関数とすることで、コイによる水草被度を介した間接効果と池密度によるウシガエルを介した間接効果についても定量化を行なった。種ごとに認められた傾向は、湿地を好むとされる絶滅危惧種モートンイトトンボが水草に高い依存性を示すなど、概ね既知の種生態に合致するものであった。全種共通の傾向としては、水草被度が有意な正の効果を示し、水草被度にはコイの存在が有意な負の効果を示した。ウシガエルの存在に対する池密度の影響が有意な正の効果を示した一方で、コイとウシガエルのイトトンボへの直接効果は有意ではなかった。これらの結果から、調査地域において現在、イトトンボの生息に最も大きく影響している要因はため池内の水草であり、コイは、直接捕食よりも水草を減少させる生態系エンジニアとしての効果を通じて、イトトンボに間接的な負の影響をもたらしていることが示唆された。