著者
栗田 啓幸 小池 茂
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.43-46, 1981 (Released:2008-11-21)
参考文献数
6
被引用文献数
6 2

Antimicrobial effect of perilla was examined, using microorganisms from air and pure cultures of fungi and bacteria. Either 0.01% ether-extract of perilla leaves or 10% NaCl allowed considerable growth of microorganisms on usual agar media. However, it was found that in agar media containing more than 5% NaCl, the ether-extract of perilla leaves at a concentration of 0.01% completely inhibited growth of many kinds of microorganisms. This synergistic antimicrobial effect of perilla and NaCl concentrations may offer a useful tool for preserving some foods without applying any synthetic preservative.
著者
Yoko Kanazawa Satoru Kuribayashi Masaharu Kojima Terushi Haradahira
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.4213-4216, 1988-10-25 (Released:2011-02-08)
参考文献数
9
被引用文献数
9 10

The metabolic pathway of 2-deoxy-2-fluoro-D-galactose (FDGal) in mice was studied by 19F NMR. Efficient accumulation of FDGal in liver was demonstrated by NMR, which is consistent with the results of Ishiwata et al. using radioactive 18FDGal. The new discovery is that this fluorinated hexose was converted to 2-deoxy-2-fluoro-D-glucose (FDG) through UDP-FDGal and UDP-FDG apparently by the action of UDP-Gal epimerase.
著者
大友 邦子 山中 敏正
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.88, 2011 (Released:2011-06-15)

なぜ、人の手で描かれるゆらぎを含んだ線は、私たちをひきつけるのだろうか。テキスタイルデザインに包括されるプリントデザインは、繊維製品や生地にのせられる連続性のある図柄=パターンをデザインする領域である。 特筆すべきはその領域が工業デザインに類別されながらも、デザイナーのドローイングにはじまる点であろう。PCでのデザイン作成手法が主となっている現状に反し、手描線の表現性の高いパターンを特徴とするマリメッコ社が日本市場でめざましく台頭するなど、近年の消費者動向には手描き線ならではの「あたたかみ」あるパターンへの支持がみられる。こうした背景から、本研究では印象評価を用いて手描線特有の肯定的な素因を抽出することを目的とした。 試料は線の集合で構成されるストライプパターンを採用し、コンピュータソフトと手で描いたパターン双方を同被験者群に評価させた。日本と前述のマリメッコ社を主要繊維メーカーにもつフィンランド両国において、比較的調査実験を行った。結果手描線における評価は総じて好評価を得て、且つ両国それぞれに特徴的な嗜好傾向がみられる結果となった。
著者
Masato Terashita Kazuhiro Iguchi Shigeyuki Usui Kazuyuki Hirano
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.156-165, 2013-03-10 (Released:2014-03-10)
参考文献数
8

Anxieties about the quality of generic drugs are one of reasons why these drugs are not generally used in therapies in Japan. To reduce anxieties, we propose a statistical and objective method to evaluate the quality of generic drugs using the coefficient of variances (CVs) calculated from their pharmacokinetic parameters. CVs were estimated from AUC, Cmax, Tmax, t1/2, and MRT, which were provided as publicly-available drug information. The generic drug assessment tool (G-DAT), an original equation derived from the ratio of CVs of corresponding generic to original drugs, and the quality of generic drugs was statistically evaluated. As expected, when evaluated with G-DAT, there was little variance between original and generic drugs using 11 medicines. Antihypertensive dihydropyridines with a lower solubility were shown to have a larger CV. No significant difference in CVs was observed when famotidine and ebastine OD tablets were taken with or without water. G-DAT and the ratio of CVs (CCVs) of generic to original drugs revealed pharmacokinetic equivalences between generic and original drugs. The proposed comparative evaluation showing equivalent pharmacokinetics of generic to original drugs can be used as one solution to reduce anxieties and increase the reliability of generic drugs.
著者
上田 浩
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.575, 2014 (Released:2016-07-02)
参考文献数
2

後天性免疫不全症候群(AIDS)は,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によって引き起こされる.HIVへの感染により免疫不全が生じ,その結果,日和見感染やがんなどを発症して最終的には死に至る.AIDSの発見当初から現在に至るまで,様々な治療が試みられてきたが,いまだ根本的治療法の開発には至っていない.その理由として,一般的に知られている他のウイルスとは異なり,HIVが細胞性および液性免疫を担うヘルパーT細胞に感染し,免疫系を破壊するウイルスであること,またワクチンとして使用されるようなウイルス表面に存在する表面抗原の構造変化が,他のウイルスに比べて著しく速いスピードで起こるため,効果的な抗体を作ることが難しいことなどが挙げられる.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Picker L. J., Deeks S. G., Nature, 503, 207-208 (2013).2) Brauch D. H. et al., Nature, 503, 224-228 (2013).
著者
山下 貴司 卜部 憲和
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.1441-1444, 2014-12-31 (Released:2015-04-02)
参考文献数
9

34歳男性が左前胸部上部刺創で救急搬送された。諸検査で左血気胸,左横隔膜損傷ならびに横隔膜ヘルニアの診断となり,腹腔内臓器損傷は否定的であった。循環動態は安定しており,準緊急手術で対応可能と判断され,搬入後17時間で手術が行われた。手術所見では肺損傷は存在せず,胃穿孔が認められた。横隔膜は経胸的に縫合され,経腹的に胃損傷を修復した。十分に洗浄して閉創とし,術後に膿胸,腹腔内感染の発症はなく軽快退院した。昨今系統的な外傷診療が普及しても,体表の損傷状況から,ある程度の範囲の損傷が想定される場合は,体表受傷部位を中心とした診療となり,遠隔部位の損傷判断は疎かになりがちである。胸部穿通性外傷において横隔膜ヘルニアが存在する場合には,腹腔内臓器損傷は高率に起こり得て,消化管内容物が胸腔内へ漏出すると重症化する可能性が十分あるため,緊急手術に踏み切るべきであった。
著者
比多岡 清司
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.446, 2014 (Released:2016-06-21)
参考文献数
1

インシリコ創薬は,従来の実験を主体とした手法に理論・計算化学に基づく分子科学計算を応用した創薬手法である.近年の飛躍的なコンピュータの演算能力の向上も相俟って,従来の試行錯誤的なアプローチをより効率化・迅速化させることが期待されている.例えば,インシリコ技術を活用してタンパク質に対する薬物(リガンド)の結合親和性を評価する場合,ドッキングや古典的な結合自由エネルギー評価法(molecular mechanics/Poisson-Boltzmann surface area:MM/PBSA)などのポストドッキング解析は,実用的かつ簡便な手法であると考えられる.一方,その精度についてはどうであろう.本稿では,ドッキングやMM/PBSAの解析において,リガンドとタンパク質の結合を媒介する水分子(架橋水)や電子分極効果の重要性ならびに,これらが予測精度に与える影響を議論・検討したLiuらの報告を紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Liu J. et al., J. Chem. Inf. Model., 53, 1306-1314 (2013).
著者
奥野 恭史
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.433-437, 2014 (Released:2016-06-21)
参考文献数
4

第1の科学的手法である「経験科学(実験)」,第2の科学的手法である「理論科学」に加え,近年新たな潮流として,第3の科学的手法である「計算科学(シミュレーション科学)」と第4の科学的手法である「データ科学(data centric science)」が注目を浴びている.実際,2013年のノーベル化学賞は,ハーバード大学のカープラス教授らが,創薬計算などにも貢献している計算化学の基盤研究で受賞するなど,生命科学分野における「シミュレーション科学」の重要性は高まる一方である.また,近年のハイスループット技術やオミクス計測技術の著しい進展に伴い,生命科学分野においてもデータ爆発が起こり,「ビッグデータ科学」の研究開発が急務とされている.スーパーコンピュータ「京」は,こうした時代の要請に応えるべく2012年9月末より共用利用が開始された.筆者は,製薬企業,IT企業と共にコンソーシアムを設立し,「京」を用いた創薬応用計算に取り組んできた.この約1年間の取り組みの中で見えてきた,モンスターマシン「京」の驚異的パフォーマンスとそれによる創薬計算の展望を紹介する.
著者
平井 辰典 中野 倫靖 後藤 真孝 森島 繁生
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.J251-J259, 2012 (Released:2012-06-25)
参考文献数
12
被引用文献数
2

We present a method that can automatically annotate when and who is appearing in a video stream that is shot in an unstaged condition. Previous face recognition methods were not robust against different shooting conditions, such as those with variable lighting, face directions, and other factors, in a video stream and had difficulties identifying a person and the scenes the person appears in. To overcome such difficulties, our method groups consecutive video frames (scenes) into clusters that each have the same person's face, which we call a “facial-temporal continuum,” and identifies a person by using many video frames in each cluster. In our experiments, accuracy with our method was approximately two or three times higher than a previous method that recognizes a face in each frame.
著者
阪下 日登志
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.408-412, 2014 (Released:2016-06-21)

筆者は,学生時代に構造生物学を学び,製薬会社の研究員として長年初期創薬研究に携わってきた.その立場と視点で表題について紹介したい.本号は「使おう! 構造生物学」の特集とのことなので,特にハイスループットX線構造解析に重点を置く.構造生物学と創薬研究というと,多くの方がSBDDという言葉を連想するだろう.薬剤がタンパク質に結合している状態の立体構造を見て次の合成方針を考えるのは,教科書的で当たり前のように思うかもしれない.しかし,製薬企業内での研究スピードに合わせて構造情報を提示しながらテーマを進めるためには,構造解析に相当する速さが必要となる.以前は構造解析ができたころには化合物のステージが進んでおり,「後付け」と揶揄されたり意味がないといわれることがほとんどであった.筆者はこの流れを断ち切るため,速さと測定数の増加を両立させるハイスループット(HT)型のX線構造解析を目指した.速い構造解析とは,薬理評価と同等の速さ,つまり,化合物を得てから1週間程度で立体構造を提示する位の速さを実現することを示す.また,HTSヒットの解析や後ほど詳しく説明するfragment based drug discovery(FBDD)を可能とするためには,数多くのタンパク質/化合物複合体構造解析ができる必要がある.本稿では,当社のHT-X線構造解析の紹介と,これを利用したFBDDである「fragment evolution(FE)」を概説することによって,製薬企業内の初期創薬研究を解説する.
著者
藪田 直希
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.577, 2014 (Released:2016-07-02)
参考文献数
4

シスプラチン(cisplatin:CDDP)は,多くの固形がんに用いられる抗腫瘍性白金錯体だが,腎障害によって減量や休薬を余儀なくされる.代表的な腎障害防止策である輸液による水分負荷を行っても,3分の1の患者で腎障害が起こることが知られており,CDDPの腎毒性軽減のための新たな対策が望まれている.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Filipski K. K. et al., Clin. Pharmcol. Ther., 86, 396-402 (2009).2) Ciarimboli G. et al., Am. J. Pathol., 176, 1169-1180 (2010).3) Sprowl J. A. et al., Clin. Pharmcol. Ther., 94, 585-592 (2013).4) Franke R. M. et al., Clin. Cancer. Res., 16, 4198-4206 (2010).

1 0 0 0 OA 第13回 浅田飴

著者
岡戸 達佳
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.560-561, 2014 (Released:2016-07-02)
参考文献数
1

効能効果:せき,たん,のどの炎症による声がれ・のどのあれ・のどの不快感・のどの痛み・のどのはれ成分分量:(36g中)キキョウ根エキス216mg,トコンエキス36mg,マオウエキス108mg,ニンジンエキス108mg,カッコンエキス108mg用法用量:大人(15才以上)12g,11才以上15才未満8g,7才以上11才未満6g,3才以上7才未満4g,1才以上3才未満3gを,1日3回,口中に含み,ゆっくり溶かして服用
著者
鈴木 匡
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.548-552, 2014 (Released:2016-07-02)
参考文献数
3

6年制薬学教育を卒業した学生達が社会で活躍を始めている.社会が薬剤師に求めるニーズも大きく変化し,臨床現場で積極的にチーム医療や地域医療に参画できる能力が求められ,その能力習得のための薬剤師研修を大学が積極的にプロデュースする必要性が高まっている.特に,6年制薬学部で実施されている実習・演習を主体とした問題解決型学習(problem based learning:PBL)を現場の薬剤師に活用した研修が注目されている.チーム医療参画への実践的能力取得を目的として,薬学部が医療系学部と連携して行っている新しい薬剤師生涯研鑽の試みについて報告する.
著者
佐々木 弥生
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.135-139, 2014 (Released:2016-04-05)

私が当財団とかかわることとなったのは,1998年に厚生省医政局研究開発振興課に在籍し,当財団の所管課の担当者の1人であったこと,1999年度補正予算において創薬知的基盤施設・設備整備事業(現在は医薬基盤研究所(以下,基盤研)難病・疾患資源研究部泉南資源研究施設)を当財団の事業として実施することとなったことに始まる.その後,公益法人制度の見直し,厚生労働省の事業仕分けなど目まぐるしい環境の変化があったが,本稿では当財団が創立時から継続してきた厚生労働省関係の国立研究機関との官民共同研究事業,創薬にかかわる調査事業,技術移転事業,動物実験実施施設認証事業を中心に紹介する.