著者
高村 大也 乾 孝司 奥村 学
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.627-637, 2006-02-15
参考文献数
26
被引用文献数
16

単語の感情極性(望ましいか否か)を判定する方法を提案する.提案手法では,単語の感情極性を電子のスピンの方向と見なし,語釈文,シソーラス,コーパスによって構築された語彙ネットワークをスピン系でモデル化する.平均場近似を利用してスピン系の状態を近似的に求めることにより,単語の感情極性を判定する.また,系の状態に影響を与えるハイパーパラメータの予測方法も同時に提案する.提案手法を用いてWordNet に収録されている語彙に対して実験を行い,14 語という少数の単語を種とした場合は約80%の正解率で,3 000We propose a method for extracting semantic orientations of words: desirable or undesirable. We construct a lexical network out of glosses in a dictionary, a thesaurus and a corpus. Regarding semantic orientations of words on the network as spins of elect
著者
岩岡 和輝 米原 英典
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.733-739, 2010 (Released:2010-12-29)
参考文献数
41
被引用文献数
1 1

タバコに含まれる210Poや210Pbは喫煙の燃焼によって揮発して人体に取り込まれるため,喫煙者はこれら核種によって被ばくする。本稿では,喫煙者の線量評価に関する様々なパラメータのレビューを行い,それらのデータから喫煙者の年間実効線量を評価した。喫煙者の年間実効線量はおよそ0.2mSv y-1であり,商品の輸出入の際に用いられるICRP Publ.82の介入免除レベル(1mSv y-1)よりも低かった。
著者
吉永 進一 平野 直子 塚田 穂高
出版者
舞鶴工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本科研では、明治末期より昭和初期にかけて全盛を迎えた民間の精神療法(あるいは霊術)について、同時代における身体技法の世界的な流行、国家主義的運動との関わりという両面から研究を行った。前者では桑原俊郎による催眠術の呪術化、ニューソートやラマチャラカのヨガ呼吸法の流入、後者では井上哲次郎による儒教の近代化、静坐法などの修養の流行という系譜を分析した。これらを元に田中守平の太霊道についての研究を進め、他方では臼井甕男の霊気療法、三井甲之のタナスエの道、そして現在のレイキヒーリングに至る歴史を明らかにした。また、その成果はIAHR(国際宗教史学会)を含む国内外の学会で発表された。
著者
浦野 房三
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.154-160, 2014-09-30 (Released:2015-01-28)
参考文献数
21

脊椎関節炎の本態は付着部炎であると言われている.今回,脊椎関節炎の中核である軸性脊椎関節炎を取り上げた.この疼痛病態が心因性,あるいは精神医学的疾患と誤診されていることが多く,有病率は高いにもかかわらず,通常の医療を受けられていない症例が極めて多い.我が国の報告では藤田らが和歌山県上富田町において,脊椎関節炎の有病率は0.2%であり,同地区のRAの有病率(0.2%)と同等であったと報告している.   2009年には仙腸関節のMRI所見を加えて,軸性脊椎関節炎(axial spondyloarthritis:axial SpA)分類基準が導入され,2011年には末梢性脊椎関節炎(peripheral spondyloarthritis:pSpA)の分類基準が提唱された.   この両分類基準を使うことにより,病態認識が早期に可能となり,有効な治療が期待できる.特にMRIによる病態の認識は,生物学的製剤の投与に踏み切るスタンダードとなる.X線学的に強直性脊椎炎と診断される以前にnon radiographic axial spondyloarthritis(nr-Ax SpA)と診断されることはwindows of opportunityと認識され,生物学的製剤の効果が期待できる期間とも考えられる.仙腸関節のX線診断による強直性脊椎炎の時代から新たな段階にパラダイムシフトしたと言える.
著者
Eunok Lee Jun Miyazaki Shinya Yoshioka Hang Lee Shoei Sugita
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
ORNITHOLOGICAL SCIENCE (ISSN:13470558)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.59-64, 2012 (Released:2012-07-03)
参考文献数
18
被引用文献数
14

We investigated the origin of the iridescent violet-bluish feathers of the adult Jungle Crow, Corvus macrorhynchos, using microscopic and optical techniques. A single layer of melanin granules was found below the surface of the barbules in the feathers of male crows. Although the barbule microstructure was clearly sexually dimorphic, neither the appearance nor the optical measurements were notably different between the sexes, which indicated that the single layer of melanin granules did not contribute to the iridescent color of the feathers. We also found a thin layer, which we refer to as the epicuticle, at the surfaces of the barbules of both male and female feathers, indicating thin-film interference as the most likely cause of the iridescent color. We investigated this possibility by measuring reflection patterns and spectra. Our results suggest that the weak violet-bluish feather color of the feathers of the Jungle Crow is caused by thin-film interface due to the presence of an epicuticle on the feather barbules.
著者
山田 忠雄
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.241-257, 1970-05

今宮新先生古稀記念
出版者
国立国会図書館
巻号頁・発行日
vol.2019年, no.(698), 2019-06-01
著者
岩田 博 磯谷 敦子 宇都宮 仁 西尾 尚道
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.7, pp.534-538, 2004-07-15
参考文献数
8
被引用文献数
3

口噛み酒製造工程への米α-グルコシダーゼの働きを検討するため, 生米と炊飯米で口噛み試験を行い, 糖組成, α-グルコシダーゼ活性, pH及び有機酸組成の各変化を調べた。<BR>糖組成について, 24時間後で, 生米はグルコースが5%, マルトースが0%であったのに対し, 炊飯米ではマルトースが5%, グルコースが0.8%で両者は全く異なっていた。この理由は, 糖組成とα-グルコシダーゼ活性の測定結果から, 唾液アミラーゼにより生成されたマルトースが, 生米のα-グルコシダーゼによりグルコースに分解されたためと推定された。また, 有機酸組成の検討から, 微生物が生成した乳酸などによるpH低下と酵素抽出促進効果がおこり, α-グルコシダーゼが有効に機能する環境条件下で口噛み試験の反応が起こっていることが分かった。<BR>以上から, 口噛み酒は生米のα-グルコシダーゼを巧みに利用した酒造りであると推定された。