著者
齊藤 暁男
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1084-1089, 2019-10-15

フォントがどのように制作されているのか,フォントエンジニアの実際の仕事を交えながら説明する.フォントが制作されるプロセス,フォントのフォーマットの違いや欲しい文字を出力する仕組み等を説明しながら,複雑な機能を実現するための仕組みやそのためにフォントに含まれる情報を紹介する.普段何気なく使用しているフォントがどのように制作され,システムの中でどのように扱われているのか等について述べる.
著者
水野 昭
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1070-1075, 2019-10-15

「見やすい文字」がコンセプトのUDフォントは,イワタとパナソニックが2004年から2006年にかけて共同開発し世界で初めて市販化したものだ.発売して間もなく様々な製品に用いられ,いまやUDフォントを見ない日はないほど広まっている.これほどまでに世の中に受け入れられたのは,「見やすい文字」が世の中のニーズに合致したからにほかならない.その背景には電化製品の小型化と多機能化による表示文字の小サイズ化,そして社会の高齢化があった.発売して10年以上経った今でもUDフォントの様々なバリエーションが登場するなど進化を続けており,今後ますます我々にとって身近な存在になっていくことが予想される.
著者
萩谷 昌己
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.e62-e66, 2021-10-15

2021年7月30日,文部科学省は2025年の大学入学共通テストに「情報」を出題教 科として,「情報I」をその科目として定めることを正式に発表した.これに呼応して本会では2021年8月4日に以下の意見を会長名で表明した.本稿では,この意見の背景を説明するとともに,多くの大学が入試に「情報」を採用すべき理由を述べる.すなわち,情報分野の素養は「情報社会に生きる市民」が共通して身につけておくべきものであり,すべての大学学部学科において,それぞれの学習および研究はその基礎の上に展開されていることを鑑みるならば,その定着を大学入試で測ることは高等教育にとってまったく適切である.
著者
榎本 浩章
出版者
法学新報編集委員会
雑誌
法学新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.121, no.1・2, pp.151-204, 2014-06-30

文久二年(一八六二)の参勤交代制度改革について、これまでは、江戸幕府が諸藩を圧倒する存在ではなくなり、やむをえず緩和したという、消極的評価が主であった。しかし近年は、当時の幕政改革についても多角的な視点から研究が進んでいる。本稿ではそれらを参考に、軍事改革のための冗費節減策として、また当時重視されていた「公議輿論」の理念に沿った幕政改革の政治構想をうかがわせる実践例として、松平慶永・横井小楠など改革に携わった当事者の言動を検討した。 そして、参勤交代の緩和後が実際にどのような状況だったのかについては、これまで具体的な研究がされてこなかった。そこで、幕令や藩史などの史料を元に、諸藩の対応を検証したところ、緩和された参勤交代は確かに実践されていたが、当時の朝廷と幕府の対立、また対外的緊張や国内の治安悪化などといった要因から、諸大名は各地の警衛に動員されて国元に戻る事ができない場合が多く、改革の理想通りには運ばなかった。さらに元治元年(一八六四)、参勤交代を再び旧に復する幕令が出されたが、これについても従わなかった藩と従った藩とがあったことを明らかにした。
著者
井上 久祥 埴生 加奈子
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.94(2004-GN-053), pp.19-24, 2004-09-16

本研究の目的は,協調学習において,人の個性や潜在的能力傾向をもとにグループ形成を行うことである。近年,チームマネジメントやコミュニケーションマネジメントの研究がなされており,組織の最適化についての知見が得られている。本研究では,組織最適編成理論のひとつであるFFS理論をもとにグループ形成を行い協調学習の場面においてもに有効に機能するか検証する。協調学習の観点にはさまざまなものがあるが,今回は創造的な活動に着目し意見交換の活性化をねらいとしたグループ形成方法に着目する。
著者
井田 大輔
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学経済経営論集 = ST.ANDREW'S UNIVERSITY ECONOMIC AND BUSINESS REVIEW (ISSN:02869721)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1-22, 2018-02-20

This paper reviews the impact of aging population on the natural rate ofinterest and monetary policy from the new Keynesian model (NKM)perspective. The standard NKM has been used in recent analysis ofmonetary policy. However, it limits the effect of heterogeneous agents onthe private sector. Therefore, how aging population changes the effect ofmonetary policy on the real economy cannot be examined. This surveyfocuses on the NKM augmented with the role of heterogeneous agentsand shows that economic shocks have asymmetric impacts on differenthouseholds and that a change in the demographic structure significantlyaffects the dynamics of the natural rate of interest.
著者
井藤 元 Gen Ito
出版者
東京理科大学教育支援機構教職教育センター
雑誌
東京理科大学教職教育研究 (ISSN:24327565)
巻号頁・発行日
no.2, pp.89-97, 2017-07-15

本論考は、教員志望学生を対象とした教育プログラム(教師を目指す人のための「笑育」特別講座―アクティブラーニングの担い手となるために―)の設計意図を示し、その意義を考察するものである。本プログラムは、漫才づくりをつうじて受講者の発想力、コミュニケーション力、論理的思考力、プレゼンテーション力を育成することを目指した「笑育」という教育プログラムの1バリエーションであが、教職履修者を対象として実施された「笑育」では特に、アクティブラーニングに対応可能な教員の育成に特化して授業を実施した。
著者
藤島 建樹
出版者
大谷学会
雑誌
大谷学報 = THE OTANI GAKUHO (ISSN:02876027)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.17-31, 1973-02
著者
盛口 満
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.24, pp.109-115, 2021-03-31

全国の昆虫の方言についてはさまざまな報告がなされているが、既存の報告の中においては、ナナフシに関してはあまり報告がなされてこなかった。一方、琉球列島の島々での聞き取り調査を行ったところ、琉球列島においては多様なナナフシの方言が見られることが判明したことを報告するとともに、ナナフシに関する人々のまなざしについても考察を加える
著者
関口 海良 田中 克明 赤石 美奈 堀 浩一
雑誌
SIG-SAI = SIG-SAI
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.1-9, 2007-11-26

多元的な世界とは,真理,価値,世界観などの多様性を認める世界である.これを実現するためには,人と人の対話を支援することが有効であると考えられる.ロボット・ネットワークを用いれば,人とロボットの同期対面(ミクロ)の対話と,ネットワークを介した人と人の非同期非対面(マクロ)の対話の両方を,効果的に支援することができる.本論文ではコンセプトを提案し,研究開発中のプロトタイプを紹介する.