著者
山本 康平 尾﨑 龍之介 日景 隆 山﨑 圭子 宮下 ちひろ 岸 玲子
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.8, pp.640-642, 2022-08-01

青少年の電波ばく露と健康影響に関する大規模な疫学研究が実施されている.本論文では,同疫学研究のばく露量推定に用いられる携帯型個人ばく露計について,被験者に近接配置された際に人体による反射及び遮蔽影響が受信特性に与える影響を定量的に評価した.
著者
高橋 智子 川野 亜紀 中川 令恵 大越 ひろ
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.314-322, 2007-10-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13
被引用文献数
2

本研究では,高齢者に好まれるごぼうを材料とした,食べやすいレトルト食品開発の基礎的研究を,力学的特性,咀嚼運動,官能評価より検討した。その結果,加圧・加熱時間が長く,表面積を大きく成形したごぼうであるほど軟かく調理できることが判った。また, ごぼう繊維に対して, 斜め方向から咀嚼できるよう成形したごぼ,咀嚼速度が速く食べやすいことが示された。以上の結果より,ごぼうは,加圧・加熱時間,加熱時の表面積,および咀嚼時における臼歯の貫入方向を考慮することで,食べやすいごぼう調理が可能になると推測される。
著者
村田 ひろ子
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.78-94, 2018 (Released:2018-07-20)

NHK放送文化研究所が加盟する国際比較調査グループISSPが、2017年に実施した調査「社会的ネットワークと社会的資源」の日本の結果から、他者との接触や友人づきあい、人間関係と生活満足度との関連について報告する。SNSの利用頻度と他者との接触の関係をみると、SNSを頻繁に利用している人のほうが、親しい友人との接触も多い。高齢層についても、SNSの利用者で18歳以上の子との接触が多い。50代以上の中高年男性では、友人づきあいが希薄な傾向がみられる。例えば、「悩みごとを相談できるような友人がいない」という人は、全体で2割なのに対し、男性50・60代でいずれも3割台、70歳以上では半数を超える。また、「落ち込んだときの話し相手」や「家庭の問題についてアドバイスをもらう相手」として「親しい友人」を挙げるのは、全体で4割なのに対し、男性50代以上の各年層で2割から3割程度にとどまる。生活満足度との関連では、他者との接触や友人数が多いほど、生活に満足している割合が高い。特に40、50代の中年男性では、悩みごとの相談相手の人数によって、生活満足度が大きく異なる。
著者
李 雅次 渡部 一雄 吉田 ひかり 吉田 知之 舩坂 宗太郎
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.657-662, 1993-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
11
被引用文献数
4

慢性副鼻腔炎患者20例に対してクラリスロマイシンを1日朝1回200mg内服投与した。投与開始後1ヵ月目ですでに後鼻漏および嗅覚障害が60%以上改善した。投与開始後3ヵ月目では, すべての評価項目で改善がみられたが, 自覚症状の鼻閉および他覚所見の鼻汁の性状の改善が著しかった。腹痛を訴えた1例が本剤による副作用と思われたが, 投与中止により症状はすみやかに消失した。本剤に対して感受性のない検出菌を認めた症例でも治療効果がみられ, 本治療の効果は単なる抗菌作用ではないことが推察された。
著者
神田 晶申 田中 翔 後藤 秀徳 友利 ひかり 塚越 一仁
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
Journal of the Vacuum Society of Japan (ISSN:18822398)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.85-93, 2010 (Released:2010-03-18)
参考文献数
43

Present understanding of electric transport in graphene, a crystalline layer of carbon, is reviewed. In the first part, emphasis is placed on the gap between the ideal and reality of electron transport, which is mostly caused by disorder (charged impurities) in the experimental samples. Disorder which affects the graphene transport originates mainly from charged impurities in the substrate, comtaminants on the graphene surface due to, e.g., resists and sticky tapes, and absorbed gas molecules. The amount of charged impurities and the methods to remove them are discussed. In the second part, the characteristic phenomena in multilayer graphene are explained for spins and Cooper-pair transport, which are relevant to the nonuniform distribution of the carrier density under nonzero gate voltages.
著者
渡邊 ひとみ
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.105-115, 2020 (Released:2020-06-25)
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

This study examined the types of positive meanings derived from positive and negative past experiences and explored their effects on identity development in adolescence. Participants (494 undergraduates) were asked to recall a single or series of past events that they considered to be the most influential to their current definition of self and sense of who they are. Next, they completed the Identity Scale, Centrality of Event Scale, and other instruments for measuring benefit-finding. Several types of positive meaning—personal growth, attainment of new perspectives and values, interpersonal growth, and positive changes in family relationships—were derived from both negative and positive events central to identity. In addition, “acceptance and personal growth” from negative events and “attainment of new perspectives and values” from positive events were mainly responsible for higher identity achievement levels. Perceiving positive past events as central to identity directly promoted identity achievement. This suggests that, in addition to helping with engagement in positive meaning-making, support or interventions that actively integrate past positive experiences in the life story might lead to identity development and mental health.
著者
岩崎 裕子 大越 ひろ 城 史子 高石 聡淑 島 宏治
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.268-275, 2016 (Released:2016-09-01)
参考文献数
23

飲料の粘度が“のどごし”に及ぼす影響を,官能評価および筋電図測定を行い検討した。被験者を若年群と熟年群について,更に飲用時の頭位を頭位0°(垂直)と頭位後屈として比較した。試料はずり速度50 s-1における粘度を,40,60,90 mPa・sとした3試料と,原液(1 mPa・s)の4試料とした。以後,η1,η40,η60,η90と示す。 官能評価における“のどごし”の結果,若年群は,η1,η40,η60には差が無く,η90が悪いと評価した。熟年群は η60の試料をのどごしが良いと評価した。共通して η90は後味が悪いと評価し,のどごしが良いというイメージは,ビールやすっきりした感じを求めることが示唆された。また,嚥下筋活動量を測定した結果,官能評価ののどごしと関連性はみられなかった。のどごしは粘度の影響を受けるが,個人の嗜好によるところが大きいため,適当な値を確定することは難しい。
著者
川嶋 ひろ子
出版者
尚美学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

世界的ピアニストであり、作曲家としても数多くの作品を残しているクララ・シューマンのピアノ作品について、彼女の音楽的環境や性格、音楽的傾向に基づいて分析することにより演奏表現方法を見出し、楽譜上に校訂として表した。また日本語による演奏法の解説を付すことにより、日本でも彼女の作品を理解し、音楽的に演奏出来る人達が増えることを目指し、世界初となる「クララ・シューマンピアノ作品全集」を出版する。
著者
西田 明美 宮本 めぐみ 宮崎 ひさみ 新塘 久美子
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.205, 2017 (Released:2019-06-01)

目的 在宅で過ごす重症心身障がい児(者)(以下、重症児(者))に対する経管栄養がその重症児(者)にとって妥当なのか評価が難しい。先行研究では、経腸栄養剤はそれぞれ含有する栄養素が異なり、選択によっては微量栄養素の欠乏が起こり得ることがあげられている。当施設利用時のある重症児と接した際に、爪床の所見からセレン欠乏を疑い、セレン値を測定した。今回当施設通所中の重症児(者)の栄養評価を行ったので報告する。 方法 1. 研究対象者:2歳から27歳の当施設通所中の重症児(者)18で超重症児(者)10名、準超重症児(者)7名、経管栄養児(者)1名。疾患は脊髄性筋萎縮症1型、福山型先天性筋ジストロフィー、ウィルス性脳炎後遺症、染色体異常等。 2. 当施設通所者各々の1日の栄養を把握し、家族と相談しながら通所時に朝からの注入をセレン含有量の多い煮干し・かつおだしを含む味噌汁へ変更。味噌汁は当施設でだしを取っている。定期的に採血(セレン)を行う 3. 本研究は当施設の倫理委員会の承認を得て実施した。 結果 初回測定結果セレン値(正常値10.6〜17.4μg/dl)は8.0μg/dl未満は5人、8.0〜10.5μg/dlは5人、10.6μg/dl以上は1名でほとんどが低値であった。注入後約2カ月で8.0μg/dl未満は1名、8.0〜10.6μg/dlは1名、10.6以上μg/dlは2名とセレン値が上昇し、爪床の所見の改善も認められた。 結論 経管栄養だけでなく経口からミキサー食を摂取している重症児(者)のセレン値も低かった。セレン値が正常範囲である重症児(者)も含めて家族に煮干し・かつおだしを提案し、当施設での水分を味噌汁へ変更した。セレン値測定により自宅でのだしやミキサー食を試す家族が増えた。当施設利用者の10名がセレン欠乏を認め、通常の食材でのセレン補充で効果を認めたので報告する。
著者
堀内 かおる 花岡 美紀 小笠原 由紀 太田 ひとみ
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2013

【目的】  中学校技術・家庭科家庭分野の「A家族・家庭と子どもの成長」は、家庭分野の導入として、ガイダンスの位置づけとすることになっている。しかしこの内容に含まれている「自分の成長と家族とのかかわり」は、中学校入学当初のみならず、家庭分野の学習を通して生徒に見つめさせていきたい内容である。中学生の時期に自立の概念をとらえ、今後の自分の人生を展望することは極めて重要であり、キャリア教育の視点も加味しつつ、家庭科学習との関わりで自らの成長を振り返る契機としたいと考えた。以上の授業観に基づき、中学生が自らの成長を家族との関わりを可視化することを通して考える授業を設定し、その効果と課題を明らかにすることを目的として、「絵本」を教材とした授業実践とその分析・考察を試みた。【方法】 2012年10月に、国立大学附属K中学校第1学年4クラスの生徒を対象として、家族と家庭生活に関する内容の絵本を教材とした授業を試みた。授業は2時間続きで行われ、1時間目には本授業のために制作されたオリジナルのデジタル絵本『「なりたい自分」になるために必要なこと』を、2時間目には、レイフ・クリスチャンソン:文(にいもんじまさあき:訳)、ディック・ステンベリ:絵の『じぶん』(岩崎書店、1997年)という絵本を使用し、他者とのかかわりの中で、相手意識をもって「自分に何ができるのか」を考えるように促した。 授業の中では、現在に至るまでの、家族とのかかわりに着目させることとし、自分の成長の背景には、家族をはじめとする身近な大人たちの存在が不可欠であり、そうした人々との関わりを通して今の「自分」を形成してきたのだということに生徒たちが気づくための手立てを考え、授業の内容が組み立てられた。本授業における生徒の気づきをワークシートや授業後の感想から読み取り、分析を行った。【結果と考察】1.生徒にとっての「自立」: 1時間目の授業の冒頭で、教師は「自立」のイメージマップを生徒たちに書かせた。その結果、「自立」という言葉から直接枝分かれして書かれている言葉は、「一人暮らし」「視野が広がる」「自分の意思をもつ」「自分の力で生活する」ということであった。自立には、生活的な自立、精神的自立、経済的自立があることをとらえていることが分かった。しかし、「自分の力で生活する」と言う言葉から派生しているのは、「自分のことは自分でやる」ということであって、「一人でできるようになる」ということが自立の根本的な考え方として捉えられていた。「誰かと共に助け合って生活する」「誰かのために役立つ自分になる」という「共生」の概念は、この「自立」のマップからは見取ることができなかった。2.「共生」というコンセプトについての生徒の理解: 1時間目の授業では、「自立」の概念に続いて、「共生」の意味についても生徒に提示している。「共生」の概念を押さえたうえで、2時間目の「いまの自分・これからの自分と家族とのかかわりについて考えてみよう」という小題材へと学習は展開した。「自分の成長と家族とのかかわり年表」は、自分の成長とともに家族それぞれも年齢を重ねていくということを可視化させる手がかりとなり、家族とのかかわりを見つめ直した様子がうかがえた。3.教材としての絵本の効果: 授業後のアンケートにより、生徒たちの絵本教材に対する意識を把握したところ、約4割の者が絵本に対する関心を持っていた。しかしほぼ同率で「あまり関心がない」と回答する者もおり、授業にあたり、絵本それ自体に対しては、自発的な興味・関心を抱いている学習者ではなかった。しかし、それにもかかわらず、今回使用したデジタル絵本に対しては肯定的な評価が得られ、約6割が「わかりやすかった」と回答し、約4割が「いまの自分のことを考える手がかりになった」「文章(言葉)がよかった」と回答している。「将来の自分のことを考える手がかりになった」という回答も約4割見られ、これからの自分の生活を考える視点を持つきっかけになったと推察された。