著者
石川 ひろの 中尾 睦宏
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.201-211, 2007-03-01
被引用文献数
4

患者-医師間のコミュニケーションは,診察の主要な構成要素であり,患者-医師関係を築き治療を進めるうえで必要な情報の共有や意思決定をしていくための,最も基本的な手段である.診察における医師,患者のコミュニケーションは,各個人の特性によって異なるだけでなく,その場での相手のコミュニケーション行動に影響を受け,それに対応して変化していく.したがって患者-医師間のコミュニケーションを分析するためには,患者-医師間の会話や行動を客観的に評価すると同時にその相互作用を明らかにする必要がある.Roterが開発した相互作用分析システムは,医療現場に特有な相互作用を評価できるツールである.本稿では,そのシステムを日本の外来癌診療場面に用いた研究を紹介し,患者-医師コミュニケーション研究の新たな可能性について展望する.

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著者
石黒 ひで
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.139-143, 2005-12-25 (Released:2009-05-29)
著者
蔀 花雄 尾形 ひろ美
出版者
聖徳大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02892677)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.353-365, 1985-12-15
著者
茂木 美智子 深井 康子 赤羽 ひろ 川染 節江 品川 弘子 日比 喜子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.268-273, 1988-12-20
被引用文献数
1

1949年から1986年に発行された料理書76冊より、511件のすし調理法を対象にファクトデータベースを作成し、構成要素の整理を行った結果、次の結果を得た。(1)すしの種類は、ちらしずし系25.2%、にぎりずし系13.9%、押しずし系19.8%、巻きずし系18.4%、いなりずし系18.4%、その他4.3%に分類された。(2)すし飯の炊飯方法は、湯炊き15.1%、水炊き78.3%、記載なし6.7%であった。(3)すし飯の加水比平均値は、米重量に対し1.27を示し、やや堅めであることが確認された。(4)合せ酢の酢・砂糖・塩の平均値は、それぞれ米重量に対し13.2%、4.5%、1.85%であった。寿司の種類によって味つけに差が見られた。(5)合せ酢の酢・砂糖・塩の量を料理書発行年と共に回帰分析の結果、酢と砂糖、酢と塩、砂糖と塩の間に有意の相関がみられ、すし飯の調味にバランスが保たれる機構が確認できた。また、年と共に酢の使用割合が増加し、塩の使用割合が減少している傾向が見られた。(6)具の平均材料数は5.7個であったが、ちらしずしの平均数は7.7個と最も高い値を示した。ちらしずしの具の出現頻度は、しいたけ、しょうが、錦糸卵、のり、はす、かんぴょう、にんじん、さやえんどうの順に上位8位占めた。
著者
佐藤 伊織 戸村 ひかり 藤村 一美 清水 準一 清水 陽一 竹内 文乃 山崎 喜比古
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.39-49, 2004

我々は、不妊治療と出生前診断について、一般市民の知識・信念・態度を、自記式調査票により調査した。東京都N区の住民基本台帳から30代〜50代の者179名を無作為抽出し、そのうち住所の明らかな169名を対象とし、99の有効回答を得た。各調査項目と属性間、一部項目間の二変量の関係についてPearsonのx2検定を行った。不妊治療の知識やそれへの態度については、男女に明確な差は認められなかった。しかし、女性の方が不妊治療をよりシビアにとらえる傾向が見られた。市民の中には、不妊を夫婦双方の問題として取り組む姿勢も見られ、これからは実際に男性からも積極的に不妊治療に参加できる環境を整えることが望まれる。出生前診断や中絶に関する態度は、その人の年代・子どもの有無によって違いが見られた。出生前診断が必ずしも優生思想や障害者差別に結びつくものではないという点について特に、認識の普及が必要である。
著者
野口 義紘 齊藤 康介 江崎 宏樹 臼井 一将 加藤 未紗 舘 知也 寺町 ひとみ
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.192-198, 2016 (Released:2016-03-19)
参考文献数
29
被引用文献数
3

Objective: Antiplatelet therapy is useful for infraction prevention.  But, in elderly patients, adverse events are easily observed, owing to the decrease in metabolism and excretion of drugs.  Furthermore, applying guidelines for medical care of each disease does not necessarily result in good conclusions.  Therefore, we used Japanese Adverse Drug Event Report database and assessed safety signals with signal detection about adverse events developed by the antiplatelet therapy in the elderly patients.Methods: We analyzed all adverse events reported on ticlopidine hydrochloride that should be carefully administered, and clopidogrel, bisulfate and aspirin that are recommended as the alternative drugs.  We used the proportional reporting ratio for a safety index of drugs.Results: While some adverse events were expressed in only ticlopidine hydrochloride, bleeding signal was detected in all the subject agents.  In addition, onset risk of ticlopidine hydrochloride was found to be the lowest value.  Moreover, adverse events expressed in clopidogrel bisulfate and aspirin were of a wide-variety compared with ticlopidine hydrochloride.Conclusion: It is necessary to carefully administer not only ticlopidine hydrochloride but also the alternative drugs to the elderly patients as indicated, and there is a need to pay careful attention to administration of the alternative drugs.
著者
柏木 恵子 永久 ひさ子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.170-179, 1999-06-30
被引用文献数
8

子どもの価値は普遍・絶対のものではなく, 社会経済的状況と密接に関連している。近年の人口動態的変化-人口革命は, 女性における母親役割の縮小と生きがいの変化をもたらし, 子どもをもつことは女性の選択のひとつである状況を現出させた。子どもは"授かる"ものから"つくる"ものとなった中, 子どもの価値の変化も予想される。本研究は, 母親がなぜ子を産むかその考慮理由を検討し, 子どもの価値を明らかにするとともに, 世代, 子ども数, さらに個人化志向との関連を検討することによって, 子どもの価値の変化の様相の解明を期した。結果は, 子どもの精神的価値として社会的価値, 情緒的価値, 自分のための価値が分離され, さらに子ども・子育てに関連する条件依存, 子育て支援の因子も抽出された。子どもの価値はいずれも世代を超えて高く評価されているが, より若い世代, 有職, 子ども数の少ない層では, その価値が低下する傾向と条件依存傾向の増大が認められた。家族のなかに私的な心理的空間を求める傾向-個人化志向は, 世代を超えて強く認められたが, 若い世代, 有職, 子ども数の少ない層でより強まる傾向が認められ, さらに, 子どもを産むことへの消極的態度と関連していることも示唆された。この結果は, 人口革命と女性のライフコースと心理との必然的関連, また子産みや子育てに関わる家族および社会規範との関連で論じられた。
著者
ましこ ひでのり
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.146-165, 1991-06-05

In any border district, in this case the Ryukyu Islands, "nation states" run the risk of being vulnerable to various separatist movements. In order to combat this vulnerability, "national" education, the conscriptive and compulsory educational system, plays the role of an assimilative apparatus used by the "national states" in order to stabilize their own hegemonic rule. In particular, the educational system assimilates and unifies the diverse cultures represented in minority or regional groups. This is achieved largely through the imposition and/or replacement of the primary reference group, or "imagined community", where membership in the traditional or local community becomes membership in the "national state". In important ways, the "imagined community" of the "national state" is a function of the internalization of the "communications market" by abstracted intellectuals whose primary concern is the securing of their own better life chances. In this process, the intellectuals become a part of the hegemonic leadership and play a prominent role in the reproduction of the "communications market" and the legitimation of the "state language" for following generations. Ultimately, it is this mechanism that is responsible for the replacement of any local or traditional community by the hegemonic "imagined community" of the "national state". This paper discusses this historical process in detail as it is manifest in the case of the Ryukyu Islands during the pre-war period.
著者
保田 ひとみ 柳原 真知子 畑下 博世 西条 旨子
出版者
金沢医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

里帰り分娩は、親からの支援を受けることができる一方、夫の家事育児の減少、夫婦関係や父子関係への影響が懸念されている。そこで、妻が里帰り分娩から自宅へ戻った後1か月における、夫婦の3人の家族作りの体験を、質的記述的研究法を用いて分析した。結果、夫婦は、里帰り分娩をして良かったと捉えており、実家の支援を受けながら、里帰り中は、「頻繁な連絡により夫婦関係・父親の意識を高める」、自宅へ帰って1か月後の頃では、「夫婦が互いに気遣い、初めての子どもを育てていく」という体験をしていた。
著者
讃井 真理 田村 和恵 平間 かなえ 浅香 真由巳 今坂 鈴江 原 ひろみ 迫田 千加子 岡本 響子 熊田 栄子
出版者
広島文化学園大学看護学部
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.22-28, 2011-09

現在,学士課程の教育及び看護系人材育成は,知識や技術だけでなく利用者のニーズに対応し,応用力のある人材を,また,自発的な能力開発を継続するための素養を育成することが求められている。今回,本学の1年次~4年次の学生とオープンキャンパスに参画した学生に,オープンキャンパスという大学行事への参加に関するアンケートを実施した。その結果,1年次生のオープンキャンパス時の入学動機では,ボランティア学生と教職員の対応,またその関係性から感じ取った大学全体の雰囲気の良さを評価していた。そして,様々な模擬体験,或は学生ボランティアや教職員との関わりを楽しさと受け止め,学ぶこと・知ることへの意欲が記述されていた。オープンキャンパスに向けた後輩への選好メッセージを,各学年別に類似している内容毎カテゴリー化した。全学年に共通した項目は,仲間および教員との関係性を示す内容と,看護を学ぶことへの充実感,後輩への励ましと応援であったが,学年によってその内容に変化が見られた。学生は他者との関わりを通して,看護職者として不可欠である人間関係を構築していることがわかった。更に,正課外活動が,学生の主体的・自主的に学ぶ機会となっており,学生が主体的に学ぶことを支援することに繋がると考えられた。