著者
別府 まゆみ 北島 宣 長谷川 耕二郎
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.83-88, 2001-01-15
被引用文献数
3 19

'水晶文旦', '晩白柚', '晩王柑', ブッシュカン, '興津早生'ウンシュウミカン, コウジおよび'ダンカン'グレープフルーツの幼葉を用いて, 酵素解離法により染色体標本を作製し, (1)ギムザ, (2)クロモマイシンA_3 (CMA), (3)キナクリンマスタード(QM)で順に染色し, 染色体長の調査およびCMAバンドパターンに基づく染色体の分類を行った.染色体構成は, '水晶文旦'では3A+3C+3D+9E, '晩王柑'では2A+1B+3C+3D+9E, ブッシュカンでは2B+8D+8E, '興津早生'では1A+1C+8D+8E, コウジでは1C+8D+9E, 'ダンカン'では2A+1B+1C+6D+8Eであった.'晩白柚'では17本の染色体構成は1A+2B+2C+4D+8Eであり, 残る1本はA型またはB型のいずれであるか判別できなかった.ブッシュカンを除く種および品種において, A型からE型のいずれかで染色体数が奇数であり, 部分相同染色体を含んでいることが示唆された.ブッシュカンやマンダリンは, 比較的早く分化したと考えられており, ブッシュカン, '興津早生'およびコウジでは, 染色体構成が単純でD型およびE型染色体が多くの割合を占めたことから, D型およびE型染色体がカンキツ染色体の基本型である可能性が示唆された.
著者
宮沢 まゆみ 橋本 勝巳 吉川 晃
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.25-29, 1988

窒素レーザーを教具化することを目的に基礎実験を行った.レーザー電極の長さ,コンデンサーの容量,充電電圧,レーザー電極の間隔によってレーザー出力がどの様に変化するかを調べた.その結果を基に,電源(最高電圧が8kW)を組み入れた,大きさ25cmx25cm×35cm,重さ4.5kgの教具用窒素レーザーを製作した.このレーザーの性能は,出力の尖頭値1kW,繰り返し周波数10Hzである.
著者
中下 富子 伊藤 まゆみ 星野 泰栄 宮崎 有紀子 佐光 恵子 大野 絢子
出版者
上武大学
雑誌
上武大学看護学部紀要 (ISSN:1880747X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.17-33, 2006-03-10

現在訪問看護職が提供している在宅看護技術について実施頻度と難易度を明らかにし、今後の在宅看護・介護技術研修プログラム再構築の資料とすることを目的とした.対象は、G県内訪問看護ステーションの施設代表者及び訪問看護職とした.結果、在宅看護技術実施頻度の高位は、清潔、バイタルサイン、日常生活動作の基本的な看護技術とされる項目であった.在宅看護技術難易度の高位は、ターミナル状態や認知の問題へのケアといった精神的ケアの要求される項目及び医療処置といった技術性の高い項目であった.また、訪問看護経験年数と実施頻度との正の相関が大分類11ケア項目にみられ、経験年数が増すほど、ケアの実施頻度も増す傾向が認められた.実施頻度と難易度との負の相関がバイタルサインズ・問題兆候やターミナル状態のケア、医療処置にみられ、実施頻度の高い項目ほど難易度を低く評価している傾向が認められた.
著者
坂本 真里子 河野 一世 熊谷 まゆみ 赤野 裕文 畑江 敬子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.427-434, 2007-12-20
被引用文献数
4

硬度の異なる3種の水,南アルプスの天然水,エビアン,コントレックスを用いて,かつお節だし,野菜スープ,牛肉のスープストックを調製した。総窒素,遊離アミノ酸,イノシン酸,グアニル酸,有機酸の分析および官能評価を行い,水の違いを比較した。かつお節だしでは用いた水の種類によって,遊離アミノ酸のパターンが異なっていた。官能評価では総合的な好ましさに有意の差は無かったが,エビアンと南アルプスの天然水が好まれる傾向にあった。野菜スープでは南アルプスの天然水に殆どの遊離アミノ酸が多く,次いでエビアンに多かった。官能評価ではこの両者が有意に好まれた。牛肉スープストックではコントレックスがアクを最も多く分離してスープは清澄であった。遊離アミノ酸合計量はエビアンに最も多く,ついでコントレックスであった。エビアンはイノシン酸,グアニル酸も有意に多かった。官能評価で最も好まれたのはエビアンであった。硬度の異なる水で3種の煮出し汁を調製すると,溶出成分に差があった。煮出し汁の好ましさは溶出成分だけでなく,水そのものの味も影響することから,溶出成分と水の味との兼ね合いで好ましさが決まるといえる。
著者
田口 まゆみ
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

研究の目的:表題の研究を進めるにあたり、特にMS Pepys 2125,Magdalene College Cambridge, and MS G.31,St.John's College, Cambridgeを対象とした。成果[Pepys 2125]-1:"Dimitte me, Domine,..."(item 3)の校訂が完了し、国際的学術雑誌Mediaeval Studies(Toronto University)に掲載が決まった。本エディションには詳細な注を付し、Introductionでは、Pepys2125写本全体の考察、本文の内容、筋立て、またどのような読者を対象にいつ書かれたものか、原典となった文献や類似した素材を扱った関連文献などについて論じている。成果[Pepys 2125]-2:中世の文献はオリジナリティより、過去のオーソリティを継承することが重要であったが、換骨奪胎、複数の文献からの抜粋の組み合わせ他自由な書き換えが常套的であった。"Against despair"という1つの作品を材料に、このような創作過程を実例によって考察した。使用した写本はMS Pepys 2125(item 12,"Teaching of St Barnabas"),MS Hopton Hall, Keio University, and MS Additional 37049,British Library, London.成果[St John's College, G.31]:G.31は、『創世記』の中世英語訳である。主にウルガタ聖書をもとにしており、Peter ComestorのHistoria scholastica、その中仏語訳La Bible historiale、Peter RigaのAuroraなどからの引用と、訳者自身の加筆を加えた自由でこなれた訳となっている。14世紀末Wyclif派によって聖書の英語訳が初めて試みられたが、教会はWyclif派を弾圧して、1408年、一切の聖書の翻訳、またそれを使用したり保有したりすることを厳しく禁じた。弾圧は宗教改革まで続いたことを考えると、15世紀半ばにこのような自由な聖書訳が上梓されたことは驚異に値する。本テキストの校訂本(エディション)は、Middle English Textsシリーズ(Heidelberg University)から、出版が決まり、編集部と準備を進めている。エディションは英語テキストと、及びウルガタ聖書、Historia scholasticaの対応箇所を並列段組で示し、La Bible HistorialeはAddendumとして巻末に付す。Introductionでは時代背景、作品のスタイル、原典についての論述、創作年代、対象などについて論じ、詳細にわたる注とglossary, bibliographyを付ける。準備の一環として、Wyclif派と15世紀イギリスの英訳聖書、また本テキストとWyclif聖書との関連を論じた論文を学会で発表した。
著者
澤田 まゆみ
出版者
新島学園短期大学
雑誌
新島学園短期大学紀要 (ISSN:18802141)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.101-112, 2006-03-31

本論は,2004年8月26日伊勢崎市文化会館小ホール(群馬県)での「五感を育てるコンサート」実施にいたるまでの研究過程および実践方法をもとに,クラシック・ピアノ演奏による幼児教育の可能性について書したものである。クラシック・ピアノ演奏を用いる意義,用いる際の環境構成(対象・場所・曲目)および五感と想像力を育てるための援助方法についての考察,実践の記録からなる。クラシック音楽は幼児にとって,これだけ情報社会,文化交流がすすんでいる現代においても決して馴染みのある音楽とは言い難く,幼稚園教育要領「表現」のねらい及び内容である「生活の中で美しいものや心を動かす出来事に触れ,イメージを豊かにする」の「生活」の中にはまだまだ入っていない。しかし,今までふれたことのない世界だからこそ,五感を刺激し,育てる力を内包している。また,具体的なストーリーや事物に限定されず,自由な発想やイメージを描くことができる音楽は,想像力を育てるのにも適していると思われる。ただし,クラシック音楽を幼児教育にとり入れるためには,適切な環境構成と援助が必須である。実施場所は,音響,演奏者と幼児の距離の両方を考慮しつつ,慎重に構成する必要があり,席も幼児一人一人の感受性や反応に対応できるセッティングが望ましい。選曲にあたっては,ねらい達成を目的としながら,楽曲と幼児を結ぶ何らかの橋渡し的素材を含むものが求められ,語りかけ(想像力を育てる素材・基準の提供やコミュニケーション)や,幼児自らが参加できるプログラムを導入することも大切である。クラシック音楽を生の演奏で奏でることは,ある意味,絵本のよみきかせと共通する部分も多い。質のよい音楽を,語りかけなどの援助を行ないながら直接幼児に聴かせてあげることによって,音楽は息づき,幼児の五感や想像力につよくはたらきかけるだろう。
著者
長野 秀樹 宝達 勉 土本 まゆみ 井出 誠弥 山上 正 山岸 郭郎 藤崎 優次郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.491-497, 1987-06-15
被引用文献数
1

精製ウイルスをトライトンX-100で可溶化したものを抗原とするELISA法により中和試験でほとんど交差性がみられなかったB42株 (マサチューセッツ型), グレイ株 (デラウェア型) およびA5968株 (コネチカット型) の3株間に強い交差反応がみられた。ELISA法ではB42株は血清学的に相互に異なると思われている上記3株以外の8株と強く反応し, 鶏血清のB42株に対するELISA抗体価は中和抗体価と平行して推移した。
著者
若松 宣一 後藤 隆泰 足立 正徳 井村 清一 林 憲司 亀水 秀男 飯島 まゆみ 行徳 智義 柴田 俊一 堀口 敬司 金 昇考 土井 豊 森脇 豊
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.165-177, 1990-03-25
被引用文献数
2

金属表面にコーティングする場合と同様な方法で作製したハイドロキシアパタイト(HAP)セラミックスの破壊応力に与える水の効果を評価するために, 四点曲げ試験を0.5mm/minの条件で空気中(20℃, 相対湿度73%)と蒸留水中(37℃)で行った。そして得られた強度データを2-パラメータワイブル統計を用いて解析した。各条件において, 曲げ強さのデータは単一モードのワイブル分布に従った.このデータの表面欠陥モデルを仮定したワイブル解析は, 空気中でワイブルパラメータm=7.8, σ_0=26.2MPaと蒸留水中でm=8.1, σ_0=18.5MPaを与えた.曲げ強さの平均値は空気中で27.3MPaと蒸留水中で18.2MPaであった.この結果より, 水のような腐食性環境が定応力速度で測定される破壊応力に影響を与えることは明らかである.この影響は試料が破壊するよりも低い応力レベルで起こるサブクリィティカルなクラックの成長が原因であると考えられる.また, 本研究で推定したワイブル分布関数を用いて, 試料の寸法と試料中の応力分布が破壊応力の平均値に与える影響を予測した.