著者
中村 博一
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.119-127, 2014-03-01

2013年に実施したナイジェリア11州とニジェール南部での広域調査から、特に豆腐名称とその分布に注目し考察を行った。従来の 「アワラ」 「クワイダクワイ」 に加え 「ワラ」 「ガーラ」 「ベースケ」 の計5種類の語形を確認できるが日本で報道された名称 「トーフ」 は見いだせない。このうち 「ワラ」 「ベースケ」 とフラニ・チーズ名称 「アワラ」 を新たに確認できたことで豆腐名称 「アワラ」 の語源をめぐる考え方を変更せざるをえなくなった。フラニ・チーズ 「ワラ」 と同じCalotropis proceraの樹液を凝固剤に利用したことが豆腐 「アワラ」 に影響したと考えてきたが、むしろ食品自体の類似性が関係しており発生もナイジャ州であることが推測される。
著者
中村 博昭 角皆 宏 石川 佳弘 玉川 安騎男 渡部 隆夫 望月 新一 松本 眞 徳永 浩雄 古庄 英和 星 裕一郎 角皆 宏 石川 佳弘 玉川 安騎男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

数論と代数幾何学の交錯する豊かな理論が期待されている分野として,遠アーベル幾何学を推進し,とりわけ代数曲線とそのモジュライ空間から生じる数論的基本群の系列がなすガロア・タイヒミュラー被覆塔について国際研究交流を推進した.特に2010年の10月に京都大学数理解析研究所で第3回日本数学会季期研究所を開催し,その研究成果を論文集「Galois-Teichmueller theory and Arithmetic Geometry」として出版した.また無限遠を除いた楕円曲線の数論的基本群から生じるモノドロミー表現について研究を進め論文発表を行った.
著者
天野 光三 西田 一彦 渡辺 武 玉野 富雄 中村 博司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.2000, no.660, pp.101-110, 2000
被引用文献数
1

近世の城郭における石垣構造の技術的頂点に位置するものとして徳川期初期での大坂城石垣がある. 石垣形状での2次元的曲線および3次元的曲面にみられる構造美や構造形式としての力学的合理性からみて, 城郭石垣は世界的に他に例をみない極めて優れたものである. 本研究では, 歴史遺産としての徳川期大坂城城郭石垣をその構造に着目して土木史的研究を行った. まず, 現場調査と文献調査により過去の崩壊事例を明らかにした. 次に, これらの歴史データの分析をもとに抽出した石垣構造形式の力学的合理性に関して, 平面および断面形状に着目した実証的研究を行った. その中で, 石垣構造の安定性評価法として, 石垣構造比および石垣はらみ出し指数といった工学指標について提案した.
著者
大里 俊明 渡部 寿一 進藤 孝一郎 大熊 理弘 本庄 華織 杉尾 啓徳 麓 健太朗 上山 憲司 中村 博彦
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.10, pp.820-826, 2016 (Released:2016-10-25)
参考文献数
27

STA-MCA bypass術は主幹動脈閉塞性脳血管障害の再発予防を目的として現在広く行われている. しかし歴史的にbypass術に対する否定的な研究が発表された経緯があり, 同手術の有効性を証明すべく本邦で行われたJapanese EC-IC bypass Trial (JET study) によりその優位性が証明されるに至った. その後再びbypass術が否定されたCarotid Occlusion Surgery Study (COSS) が発表され, 現在もその検証が進んでいる. 今後JETとCOSSの結果の乖離を解明すべく周術期合併症を含めた本邦でのreal world resultsを発表していくことが必要と思われる. さらに急性期bypass術, 再生医療との協力などSTA-MCA bypass術の将来の可能性も期待される.
著者
松本 義信 津﨑 智之 中村 博範 宮田 富弘 小野 章史
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.413-421, 2019

低糖質食は肥満あるいは糖尿病などの生活習慣病の予防・改善に対する栄養素等の摂取方法として用いられているが,最近では健康な人のダイエット法として注目されている.しかし,低糖質食は糖質摂取を抑えるかわりに,たんぱく質ならびに脂質のどちらか,あるいはそれらの両方が過剰摂取につながりやすいと考えられる.本研究では動物モデルを用いて低糖質食を摂取した時の成長および生体内代謝に及ぼす影響について比較検討した.実験ではSD系雄性ラット3週齢を用い,一般的な食餌(コントロール食群),あるいはたんぱく質30.0%(w/w),脂質50.0%(w/w)の食餌(30%たんぱく質群),またはたんぱく質40.0%(w/w),脂質40.0%(w/w)の食餌(40%たんぱく質群)の2種類の低糖質食いずれかを10週間与えた.その結果,食餌摂取量はコントロール群に比べて低糖質食を与えた群で有意に低値となったが,エネルギー摂取量,ならびに実験終了時の体重に有意差を認めなかった.血清トリグリセライド濃度はコントロール群に比べて低糖質食群で有意に低値を示した.血清中のアラニンアミノトランスフェラーゼ,アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)はいずれ も40%たんぱく質群で他の2群より高値を示し,ASTの差は有意であった.肝臓脂質量はコントロール群に比べて低糖質食群で高値となり,40%たんぱく質群との差は有意であった.以上,本研究では低糖質食摂取により肝臓に脂質が蓄積するとともに肝臓代謝機能が低下したことが示唆された.
著者
奥村 雅彦 中村 博樹 町田 昌彦
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.266, 2014 (Released:2014-09-12)

福島第一原発事故によって環境中に放出された放射性セシウムは、土壌に強く吸着され、住民避難の主な原因となってる。現在大規模な除染が行われているが、除染後の廃棄土壌の減容化手法開発や貯蔵の安定性評価のためにはさらなる科学的知見が必要とされている。このような事情を鑑み、我々は放射性セシウムを選択的かつ不可逆的に吸着することが知られている風化した雲母類粘土鉱物のセシウム吸着海底に付いて密度汎関数法を用いて解析を行った。その結果、風化が進んだ場合にセシウムを吸着する事がわかった。また、雲母類粘土鉱物とセシウムの間に共有結合成分を発見した。講演では、これらの結果を踏まえた減容化手法開発の可能性や貯蔵における安定性等の議論も行う予定である。
著者
中村 博生
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.33-38, 1996

本研究の目的は,英語特有の音と音声変化の学習を行うことが学習者のリスニングとスピーキングの力を向上させるかどうかを明らかにすることである。被験者は中学校と高等学校で6年間英語を外国語として学習した経験のある新潟県立看護短期大学の1年生91名であった。この目的を達成するために,2つの言語活動を処遇として設定した。1つは,英語特有の音声を身につけるためにformalな英語が使用されている教材を用いての口頭練習である。もう1つは,音声変化の学習をするために自然な英語が話されているビデオを用いての口頭練習である。処遇の効果を測定するために,英検2級の面接テストとJACET BASIC COMPREHENSION TESTを採用した。テスト結果に対し,分散分析を行った結果,学習者のリスニングとスピーキングの力が向上したことが明らかになった。
著者
室 友紀 今村 真二 中村 博明 長谷川 正紀 湯浅 勲
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.143-149, 2010
被引用文献数
1

&nbsp;&nbsp;In many countries, including Japan, cultivation of <i>Cannabis sativa</i> (<i>C. sativa</i>) for drug use has been illegal and prohibited. Recently, seeds for cultivation purposes are easily available from internet shops, and then we have often been requested to identify <i>C. sativa</i>. The identification has conventionally been performed by morphological and chemical tests. But, it can be difficult to identify tiny and fragmenting samples as <i>C. sativa</i> even if these tests are performed.<br> &nbsp;&nbsp;In this study, we aimed to establish a method based on DNA analysis. As an initial step, we attempted a method reported by Linacre et al, however, cross-amplification between <i>C. sativa</i> and <i>Humulus lupulus</i> (<i>H. lupulus</i>) with <i>C. sativa</i> specific primers (G and H) was observed. To avoid this cross-amplification, we designed a new primer specific for <i>C</i>. sativa (cp-Can) on <i>trnL</i> intron of chloroplast DNA. DNA samples from nine plants including <i>C. sativa</i> and <i>H. lupulus</i> were amplified using the green plant universal primer pair and the cp-Can. After subsequent agarose gel electrophoresis, <i>C. sativa</i> DNA showed two bands, whereas the other plant DNA showed one band, indicating the clear distinction from the other plants tested. In addition, a BLAST search with the cp-Can sequences showed no cross-activity with other plants. The present method is very simple, rapid, sensitive, and useful for the identification of <i>C. sativa</i>.<br>
著者
中村 博武
出版者
プール学院大学
雑誌
プール学院大学研究紀要 (ISSN:13426028)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.25-39, 2010-12

Arishima Takeo, in LOVE THE PLUNDERER, thougt deeply about the relationship between self-sacrifice and love. He came to the conclusion that self-sacrifice or disinterested service did not actually exist. He discovered individuality as the instinct as a motive of evolution invoked by Bergson's Creative Evolution. The instinct, or inner impulse, demonstrates individuality and brings the enhancement of life, and leads to creative evolution. This instinct works as love in human beings. Love as an instinct to plunder, rather than to give; an energy to absorb rather than to emanate. You can love the outside object in as much as it is assimilated into yourself. In other words, to love is to extend one's existence. Your impulse of love would vehemently seek a broader sphere so you can display the uttermost freedom of self in order to deepen and beautify yourself beyond the limits of biological self-preservation. The more you love the outer world, the more the outer world becomes yourself. You and the outer world enter into a relationship in which they mutually weave a beautiful pattern. The better outer world will have deeper connection with you as your love deepens and gains in wisdom. There is no room for self-sacrifice or disinterested service in this activity. Thus, Arishima attempted to explain all aspects of love, and also tried to integrate the "Life of the disinterested service" and the "Life of the self-realization" from the love of self.
著者
内田 博 高柳 茂 鈴木 伸 渡辺 孝雄 石松 康幸 田中 功 青山 信 中村 博文 納見 正明 中嶋 英明 桜井 正純
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.131-140, 2007
被引用文献数
3

1994年から2003年にかけて埼玉県中央部の丘陵地帯で,20×20 km,400 km<sup>2</sup>の調査区を設定して,オオタカの生息密度,営巣環境,繁殖成績,繁殖特性などを調査した.調査地での生息密度は1996年から2003年にかけて100 km<sup>2</sup>あたり平均12.8から14.0ペアであった.調査地内の隣接最短巣間距離は平均で1.74±0.59 km(±SD,範囲0.79−3.05 km, <i>N</i>=37)であった.営巣樹木は214例のうち,スギが54%,アカマツ30%,モミ13%と常緑針葉樹が97%を占めた.巣の高さは平均14 m,営巣木の69%の高さにあり,胸高直径は平均41 cmであった.巣は林縁から平均68 m,人家から155 m,道路から100 mの距離にあり,人の生活圏に接近していた.繁殖成功率は平均72%で,年により53~87%まで変動があった.巣立った雛は,産卵以降の全巣を対象にした場合平均1.49羽で,繁殖に成功した巣だけの場合,平均2.06羽であった.巣は前年繁殖に使用して,翌年も再使用したものが61%であった.また,9年間も同じ巣を使っているペアもいた.巣場所の再使用率は繁殖に成功した場合65%で,失敗すると50%だった.繁殖に失敗した67例の理由のほとんどは不明(61%)であったが,判明した原因は,密猟3例,人為的妨害4例,巣の落下4例,カラスなどの捕食5例,卵が孵化しなかったもの4例,枝が折れて巣を覆った1例,片親が死亡4例,近くで工事が行われたもの1例などであった.また,繁殖失敗理由が人為的か,自然由来のものであるかで,翌年の巣が移動した距離には有意差があり,人為的であればより遠くへ巣場所は移動した.
著者
中村 博一
出版者
文教大学大学院言語文化研究科付属言語文化研究所
雑誌
言語と文化 (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
no.24, pp.285-303, 2011

Nollywood is one of the key issues in the contemporary African media worlds. Since 2001 I have conducted my research on video culture in Sokoto, Northern Nigeria. In this article I trace some developmental processes of popular market literature and video-movie among the Hausa-speaking people, and try to analyze kungfu video-movies produced in Sokoto, as resulting from watching Hong Kong movies for several decades.