著者
中村 瑠香 工藤 綾乃 南條 優 若月 陸央 萩原 ほのみ 森下 孟 佐藤 和紀
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.2, pp.68-75, 2022-06-27 (Released:2022-06-27)

本研究では,GIGAスクール構想下における,1人1台の情報端末のICTを活用した授業実践を把握し,小学校の授業実践に関するDXの現段階を検討することを目的として,2021年1月から2021年11月までに出版された「GIGAスクール構想」「1人1台端末」に関する書籍21冊に掲載された小学校の1人1台端末を活用した授業実践を,SAMRモデルを用いて分類した.その結果,①中学年になるとM・R(変換)の授業実践が増加すること,②教科全体ではS・A(強化)の授業実践が多いが,総合的な学習の時間ではM・R(変換)の実践が多いことが確認できた.
著者
片岡 由行 河野 久征 河原 直樹 越智 寛友 西埜 誠 中村 秀樹
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7.8, pp.363-371, 2020-07-05 (Released:2020-11-07)
参考文献数
24
被引用文献数
1

蛍光X線分析におけるファンダメンタルパラメータ法(FP法)は,理論的に蛍光X線強度を計算して定量分析に利用する方法である.FP法を搭載した波長分散型蛍光X線分析装置は,1980年代後半に国内X線機器メーカーであるリガクと島津製作所が世界に先駆けて開発し,エネルギー分散型装置への適用を含め機能拡張と改良を重ね,その応用範囲も拡大し一般的に使用されるようになった.FP法の代表的な応用例として標準試料を必要としないスタンダードレス分析があるが,電子材料やめっき分析に使用される薄膜FP法,また,従来の検量線法におけるマトリックス補正係数に,FP法を利用して求めた係数を使用する方法も,各種材料のJISやISOの分析規格として採用されている.また,蛍光X線に加え,散乱線強度を含めたFP法も開発し,ポリマーや生体試料の分析や不定形試料の分析にも応用されており,著者らが開発したFP法は,蛍光X線分析の応用範囲の拡大に大きく貢献することができたと考えている.
著者
中村 大介
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.2_67-2_79, 2010 (Released:2011-04-01)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

This paper aims to interpret Jean Cavaillès' philosophical position proposed in his early works as a reconstruction of Kant's epistemology. Kant's mathematical epistemology consists of three principal components: (a) the pure concept of the understanding, (b) intellectual and sensible schemata produced by the imagination, and (c) sensible intuition. First, as a result of Gödel's incompleteness theorems, Cavailles extends (c) to cover intellectual intuition. Then, under the influence of Hilbert's conceptions of sign, he replaces (b) with the concept of sign as intellectual-sensible mixture, and (a) with certain mathematical concept. Finally, Cavaillès uses this transcendental structure to propose a new idea about the problem of the foundations of mathematics.
著者
栗林 志行 保坂 浩子 中村 文彦 中山 哲雄 中田 昂 佐藤 圭吾 關谷 真志 橋本 悠 田中 寛人 下山 康之 草野 元康 浦岡 俊夫
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.308-315, 2020-03-25

要旨●食道アカラシアは,EGDで拾い上げが可能であることが多いものの,治療選択に関わるサブタイプの診断は困難である.また,その他の食道運動障害では内視鏡検査時に異常所見を認めることはまれである.食道X線造影検査は食道運動障害の拾い上げに有用であるが,やはり食道アカラシアのサブタイプやその他の疾患の診断には,食道内圧検査,特にHRM(high-resolution manometry)が欠かせない.食道アカラシアをはじめとする食道運動障害の診断では,EGDや食道X線造影検査,HRMなどの検査所見を総合的に評価することが必須と考える.
著者
中村 敏宏
出版者
法政大学大学院デザイン工学研究科
雑誌
法政大学大学院紀要. デザイン工学研究科編 = 法政大学大学院紀要. デザイン工学研究科編 (ISSN:21867240)
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-7, 2013-03

This thesis draws varieties and diachronic transformations that hotel architectures in Tokyo had before the war, based on five keywords, "acceptance of foreigners in enclave", "symbol of modernization", "renaissance of Edo Meisho (notable sights in the Edo era)", "mature of civic life", "innovation and new style" applied to the development concepts in which the five social backgrounds were heavily involved.

3 0 0 0 OA 日本建築辞彙

著者
中村達太郎 著
出版者
丸善
巻号頁・発行日
1906
著者
立石 法史 中村 淳一 野中 裕司
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.408-413, 2018-05-20 (Released:2019-05-20)
参考文献数
26

動脈硬化性疾患は日本人の死因の25%近くを占め,その主たる危険因子である高血圧,糖尿病,脂質異常症などの生活習慣病の発症には,肥満,特に内臓脂肪蓄積が深く関与していると指摘されている.これらの予防・改善には,適度な運動とバランスの良い食生活が大切であるが,現代社会の多忙な日常生活においては,適切かつ継続的な実践は必ずしも容易ではないため,保健機能食品の効果的な活用は国民の健康の維持・増進への一助となることが期待される.そこでわれわれは,肥満や内臓脂肪蓄積の予防・改善に役立ち,無理なく飲み続けられる日頃慣れ親しんだ茶飲料での特定保健用食品を開発することを目指した.
著者
窪田 英樹 桑原 浩平 濱田 靖弘 中村 真人 中谷 則天 雨宮 智史
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.137, pp.9-17, 2008-08-05 (Released:2017-09-05)
参考文献数
20
被引用文献数
2

暑い環境では汗が滴り落ちる無効発汗現象が見られる.ぬれた人体表面からの蒸発密度よりも発汗密度が大きいときに皮膚表面に残留する汗量が発生し裸の時は体から滴り落ちて無効発汗となる.着衣時には,この残留汗量の一部が着衣を濡らし,結果的に人体表面で蒸発する汗の量を増加させる.本論文は,着衣の一部がぬれることにより有効発汗が増加する現象を有効発汗増加率なる概念を導入して人体表面における熱収支式に組み込み,人体の平均皮膚表面温度の予測を可能にしたものである.被験者実験を行い,着衣のぬれと残留汗量との関連を確認し,平均皮膚温の理論的予測値が実測値とよく一致することを確認した.
著者
伊藤 祥江 髙木 聖 小川 優喜 瀧野 皓哉 早藤 亮兵 川出 佳代子 今村 隼 稲垣 潤一 林 由布子 中村 優希 加藤 陽子 森 紀康 鈴木 重行 今村 康宏
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.BbPI1176, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】2000年に回復期リハビリテーション病棟(以下、リハ病棟)制度が創設され、医療施設の機能分化が進められた。急性期病院における在院日数は短縮され、長期の入院を必要とする脳卒中片麻痺患者はリハ病棟を有する病院への転院を余儀なくされる。脳卒中ガイドラインにおいては早期リハを積極的に行うことが強く勧められており、その内容には下肢装具を用いての早期歩行訓練も含まれている。しかし、装具処方から完成までには通常1~2週間を要することなどから、急性期病院における片麻痺患者に対する積極的な早期装具処方は容易ではなく、装具適応患者に対する装具処方のほとんどが、リハ病棟転院後に行われているのが実情であろう。その結果、歩行能力の改善が遅れ、入院期間が長くなっていることが推測される。当院は人口約14万7千人の医療圏における中核病院で、平成18年にリハ病棟を開設した。現在は当院一般病棟からの転棟患者ならびに近隣の救急病院からの転院患者も広く受け入れている。今回われわれは、当院リハ病棟に入院した脳卒中片麻痺患者において、下肢装具作製時期が発症から退院までの日数におよぼす影響について検討したので若干の考察とともに報告する。【方法】平成18年12月から平成22年7月までの間に当院リハ病棟に入院し、理学療法を施行した初回発症の脳卒中片麻痺患者のうち、下肢装具を作製した32例を対象とした。内訳は脳梗塞25例、脳出血7例、男性15例、女性17例、右麻痺13例、左麻痺19例、平均年齢69.5±13.3歳であった。当院の一般病棟からリハ病棟に転棟した群(以下、A群)と他院での急性期治療後に当院リハ病棟に入院した群(以下、B群)の2群に分けた。これら2群について(1)作製した装具の内訳ならびに(2)発症から当院リハ病棟退院までの日数について調査した。また、(2)に含まれる1)発症から装具採型までの日数、2)発症からリハ病棟入院までの日数、3)リハ病棟入院から装具採型までの日数、4)リハ病棟入院から退院までの日数の各項目についても合わせて調査した。2群間の比較は対応のないt検定を用いて行い、5%未満を有意な差と判断した。【説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言をもとに実施し、収集した個人情報は当院の個人情報保護方針をもとに取り扱っている。【結果】(1)A群は長下肢装具(以下、KAFO)3例、金属支柱付短下肢装具(以下、支柱AFO)13例、プラスチック製短下肢装具(以下、P-AFO)1例であった。B群はKAFO2例、支柱AFO6例、P-AFO7例であった。(2)A群で137.2±32.5日、B群では166.8±30.2日でA群の方が有意に短かった。(2)-1)A群で22.5±9.8日、B群では48.2±12.4日でA群の方が有意に短かった。(2)-2)A群で21.9±7.3日、B群では33.8±11.3日でA群の方が有意に短かった。(2)-3)A群で0.65±9.8日、B群では14.5±7.1日でA群の方が有意に短かった。(2)-4)A群で115.2±31.5日、B群では131.5±32.3日でA群の方が短かったが、有意差はみられなかった。【考察】本研究では、装具作製時期ならびにリハ病棟入院時期に着目し、発症からリハ病棟退院までを4つの期間に分けて入院日数との関連について検討した。その結果、リハ病棟入院日数においては両群間に差はなかったが、A群においてはリハ病棟転棟とほぼ同時期に装具の採型がされており、発症からの日数も有意に短かった。このことから、早期の装具処方によりリハ病棟転棟後もリハが途絶えることなく継続することが可能で、早期に歩行が獲得できたものと思われる。その結果、発症から退院までの期間を短縮したと考えられる。一方、B群においてはリハ病棟入院時期のみならず装具作製時期も有意に遅かった。リハ病棟入院日数にはA群と差がなかったことから、作製時期が発症から退院までの日数に影響をおよぼしたものと考えられる。急性期病院においては在院日数の短縮、作製途中での転院の可能性、また義肢装具士の来院頻度など積極的な装具作製を妨げる多くの要因があることが推測される。近年、急性期病院において装具が作製されることは少なく、リハ病院での作製件数が増加傾向にあること、また、リハ病棟が急性期にシフトしてきていることが報告されている。B群では当院リハ病棟転院から装具採型まで約2週間要していたことから、今後は転院後早期から装具処方について検討する必要があろう。2007年から連携パスが運用され始めている。それが単なる情報提供に留まらず、片麻痺患者に対する早期の装具処方、スムーズなリハの継続、そして早期の在宅復帰につながるよう連携することが必要であろう。【理学療法学研究としての意義】脳卒中発症後の早期装具作製は早期歩行獲得、在院日数の短縮に結びつく。それを推進するための地域連携について考えるものである。

3 0 0 0 OA 霊長類の文化

著者
中村 美知夫
出版者
一般社団法人 日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.229-240, 2009-03-31 (Released:2010-06-17)
参考文献数
94

More than half a century has passed since Imanishi (1952) proposed ‘culture’ to nonhuman animals. Now, although there is still some skepticism, the discussion of nonhuman cultures is widely accepted in the international academic world. It seems that the study of cultures has become one of the important topics in primatology. In this review, I introduce recent trends of cultural studies on nonhuman primates. First, I give a brief outline of the history of the studies. Then I summarize recent findings of cultural primatology by dividing them into the following three domains: 1) chimpanzee tool use; 2) chimpanzee cultures other than tool use; 3) cultures in other primate species. The most well studied domain is the foraging tool use where more and more additional information about the distributions of known tool types has been reported from new study sites in addition to several novel tool types. From long studied sites, the details of developmental process or tool selection are often well investigated. There are some reports on cultural behaviors outside of foraging tool techniques but the information is still limited compared to tool use. Finally I introduce some of the recent debates on nonhuman cultures by focusing on the distinction between culture and tradition, the distinction between social and asocial learning, and the ‘ethnographic’ method often employed by field primatologists. I argue that recent discussions of animal culture often tacitly include the idea of hierarchical advances that implies the complex and sophisticated human culture is in the highest and the best stage. This reminds us of the outdated view on human cultural hierarchism which saw the modernized western culture as the final stage. I stress the importance of writing ‘real’ ethnographies of nonhuman primates for full development of cultural primatology.
著者
小野﨑 晴佳 阿部 善也 中井 泉 足立 光司 五十嵐 康人 大浦 泰嗣 海老原 充 宮坂 貴文 中村 尚 末木 啓介 鶴田 治雄 森口 祐一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.757-768, 2019-10-05 (Released:2019-11-07)
参考文献数
22
被引用文献数
3 2

Three radioactive microparticles were separated from particles on filter tape samples collected hourly at a suspended particulate matter (SPM) monitoring site located at ∼25 km north of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (FDNPP), after the hydrogen explosion of reactor 1 on 12th March 2011. The 134Cs/137Cs radioactivity ratios of the three radioactive aerosol particles showed that they were derived from the FDNPP reactor 1, rather than reactors 2 or 3. The physical characteristics of these particles with < 10 μm in diameter and non-uniform shape are clearly different from those of radioactive particles generated by the hydrogen explosion of the FDNPP reactor 1. A significant amount of Cl was detected by energy dispaersive X-ray spectrometery. Synchrosron radiation microbeam (SR-μ-) X-ray fluoresence (XRF) analysis showed that these particles contain a series of heavy elements related to the nuclear fules and their fission products with a non-homogeneous distribution within the particles. In addition, the SR-μ-XRF identified trace amounts of Br in these particles; the element has firstly been found in radioactive particles derived by the FDNPP accident. In contrast to the hydrogen explosion-generated radioactive particles containing Sr and Ba, both of which are easily volatile under a reduction atmosphere, these elements were not rich in the particles found in this study. By the SR-μ-X-ray absorption near edge structure analysis and SR-μ-X-ray powder diffraction, it was found that these particles consist of an amorphous (or low crystalline) matrix containing metal elements with chemical states in a comparatively high state of oxidation or chloride. Based on these physical and chemical characteristics and a trajectory analysis of air parcels that passed over the SPM monitoring site, we concluded that these radioactive particles were generated and emitted into the atomosphere at the time of seawater injection for cooling the reactor after the hydrogen explosion.
著者
坂本 ゆか 中村 竜也 大矢 勝
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.528-534, 2021-08-25 (Released:2021-08-25)
参考文献数
15

米のとぎ汁は古来より洗浄剤として用いられてきたが,実際の洗浄力のレベルや,その洗浄メカニズムについては明らかにされていない.そこで,脂肪酸と無極性油をモデル汚れとして用いて米のとぎ汁の洗浄力をSDS 水溶液,米ぬか溶液,麺のゆで汁などと比較するとともに,米のとぎ汁に含まれるタンパク質やデンプン等をモデル化した試料液による洗浄性と比較した.また表面張力,粒度分布等のデータから,洗浄力要因について推定した.その結果,米のとぎ汁にはかなりの界面活性作用が認められ,SDS ほどではないが水よりは明らかに優位な油汚れに対する洗浄性が認められた.またその要因として,固体デンプン粒が固体状界面活性剤や研磨剤として作用し,さらに溶解タンパク質や米ぬか油等が複合的に作用して洗浄力を発揮していることが推定された.更に米のとぎ汁に関するWEB 上の消費者情報を分析した結果,洗浄メカニズムに言及した情報は少なく,一部で非科学的な主張も見られた.しかし,米ぬか油,デンプン,タンパク質等の個別の要因を挙げているサイトが比較的大きな割合を占めており,うまく活用することにより科学的な消費者教育に利用できる可能性が示唆された.
著者
中村 邦義
出版者
京都産業大学法学会
雑誌
産大法学 (ISSN:02863782)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.807-841, 2010-02

一.はじめに二.問題の所在―その限定三.エホバの証人である患者に、手術に際して、輸血の可能性があることを説明せず、その同意を得ないで輸血をして救命した場合四.輸血の可能性を説明したところ、患者が輸血を拒否したのでその意思にしたがって輸血をしないで手術をしたために失血死させた場合五.患者が意識を失っている場合に、患者がエホバの証人であり、輸血拒否の意思をもっていることが分かった場合六.患者の家族がエホバの証人であり、患者である子どもの輸血を拒否した場合七.エホバの証人である患者に養育・扶養を必要とする親族や子どもがいるとか、その患者が妊婦であり輸血をしなければ胎児の生命にも危険があるという場合八.おわりに