著者
坪井 誠司 園田 朗 華房 康憲 石川 洋一 長谷 英昭 齋藤 秀亮 佐藤 孝子 福田 和代 田中 克彦 五十嵐 弘道 丸山 正 今脇 資郎
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
JAMSTEC Report of Research and Development (ISSN:18801153)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.43-51, 2014 (Released:2014-11-18)
参考文献数
13
被引用文献数
1

2009年の海洋研究開発機構第2期中期計画開始に伴って新設された地球情報研究センター(DrC)は,海洋研究開発機構の研究調査船等で取得された様々な海洋地球観測データおよび生物や岩石試料等のサンプルの公開・流通を実施してきた.これらのデータ・サンプルについては,2007年に制定された「データ・サンプルの取り扱いに関する基本方針」が,その取り扱いの基本となっている.本稿では,データ・サンプルの公開状況を概観し,第2期中期計画期間に構築されてきた,これらのデータ・サンプルを管理・公開するためのDrCのデータベースシステムの中から,JAMSTEC航海・潜航データ探索システム,深海映像・画像アーカイブス,および海洋生物多様性情報システム(BISMaL)を紹介する.さらに,教育・社会経済分野等のニーズに対応するための取り組みについて解説する.
著者
五十嵐 花織 須賀 千絵
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.232-246, 2011-09-01

2006年8〜10月に,日本の公共図書館5館において,レファレンスサービスを対象に覆面調査を試行した。調査方法の妥当性を検証するために,司書率が高い図書館は優れたレファレンスサービスを提供しているという想定のもとで,調査結果と司書率との関係を調べた。正答率,回答にかかった時間,図書館員の態度の3つの観点からサービスを評価した結果,特に重視されると考えた正答率について司書率との関係が認められた。さらに,試行の結果をもとに,具体的な調査方法の提案を行うと共に,残された課題について指摘した。
著者
川上 繁 五十嵐 幸雄
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.45-60, 1943

1. 梅と杏に關して, 主として低温障害の見地より花粉の發芽試驗を行つた。<br>2. 開花期の早い梅性梅の中には白加賀、甲州最小の如く暖地に比して, 低温地方にて發芽率の不良なる品種あり, 其の原因は低温, 降水等に基く事が尠らずと認めた。<br>3. 花粉の發芽適温は15°C付近にあり。0°Cにては全然發芽せず, 1.5~3にて發芽可能であつた。<br>4. 花蕾の發育程度に依る花粉の發芽率の差異は, 天候良好なる場合には開花日より2日過位まで良好にして, 4日過に至れば極めて不良となつた。<br>5. 蕋咲花, 雌蕋不完全花, 花柱變色花等の外見上に認められる障害の原因の一部は低温に基くものと認められるが, 露地に於ける此の如花蕾の花粉は發芽成績が必ずしも不良でなかつた。<br>6. 枝條, 花蕾, 及び花粉を人工的に低温處理して障害状態を觀察し, 花粉の發芽試驗を行つた。其の結果は成熟せる花粉は耐寒性強く, 開葯前の花粉は耐寒性が極めて弱き事を認めた。<br>7. 著しき低温を伴はざる場合にても降水後の露地の花蕾は花粉の發芽極めて不良であつた。<br>8. 人工にて低温處理せる成熟花粉は人工交配にて高い結實歩合を示した。
著者
中村 彰彦 石田 卓也 鮫島 正浩 五十嵐 圭日子
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.59-65, 2015-02-28 (Released:2015-03-05)
参考文献数
7

Structural analysis including hydrogen position is important for estimating the reaction mechanism of hydrolases. We applied neutron and X-ray structural analysis to a mysterious β-1,4 glucanase from a fungi Phanerochaete chrysosporium (PcCel45A). The joint analysis of neutron and X-ray structures showed that PcCel45A utilizing an imidic acid form of asparagine residue as a general base instead of typical acidic residues.
著者
五十嵐悟道 編
出版者
三合庵
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1922
著者
山口 仁志 伊藤 真二 五十嵐 淑郎 小林 剛
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.653-656, 2002-08-05

高純度銅中の微量ケイ素定量はJIS法では対応できない.また,二酸化ケイ素の状態で含まれるケイ素についても対象外である.そこで二酸化ケイ素を含む全ケイ素の定量にフッ化物分離法の適応を検討した.二酸化ケイ素を分解して四フッ化ケイ素を生成するのに必要なフッ化水素酸量等,最適条件について詳細に検討を行った.その結果,二酸化ケイ素の状態を含むサブ ppm のケイ素定量が可能となった.また,試料量 0.5g のときの検出限界は 0.1ppm であった.
著者
広瀬 弥奈 松本 大輔 八幡 祥子 前山 善彦 青山 有子 島袋 鎮太郎 千秋 宜之 松下 標 倉重 多栄 福田 敦史 伊藤 綾子 野呂 大輔 齊藤 正人 丹下 貴司 五十嵐 清治
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.444-452, 2006-06-25
被引用文献数
4

改革した小児歯科学基礎実習の点検評価を,本学歯学部4年生の96名に対しアンケート方式にて実施した。アンケートの内容は,実習に対する理解度,満足度についてで,「全くできなかった,あまりできなかった,どちらでもない,できた,よくできた」の5段階による無記名回答方式で調査した。その結果,予習の段階で実習書の内容について理解できた者は,フッ化物応用法,ラバーダム防湿法,窩溝填塞法,乳歯の歯髄切断法,既製乳歯冠修復法,治療計画の立案(口腔疾患の予防)の各実習項目とも約80%を占め,多くの者がこれから行う内容についてある程度理解しながら実習を行っていると判断された。<BR>また,本実習を通して理解を深めることのできた者は,いずれの課題も80%以上を占め,本実習によりある程度体得できたものと思われた。テユートリアル実習においては80%以上の者が本実習に積極的に参加したと自己評価していたが,あまり参加できなかった者も16%認められ,再検討が必要であると思われた。マネキンを実患者と想定した施術時態度・技能の修得については,マネキンへの話しかけを有益でないと答えた者が約30%認められたことから,学生の意識改革を惹起するような対策・対応が必要と思われた。
著者
西川 眞弓 中島 邦生 五十嵐 一雄 糟谷 史代 福井 巳芳 土橋 均
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.121-126, 1992-04-30
被引用文献数
8

An analytical procedure for morphine-3-glucuronide (M3G) and morphine (M) in the human urine was investigated by using high-performance liquid chromatography coupled with atomospheric pressure ionization mass spectrometry (LC/APCI-MS). The samples were purified with Sep-Pak C_<18> cartridges. The LC separation was carried out using a L-column ODS in 50 mM ammonium acetate-methanol (86 : 14 v/v). The calibration graphs constructed by the absolute calibration curve method showed linearity over the concentration range of 30 to 1000 ng/ml (γ=0.9965) for M3G and 30 to 2000 ng/ml (γ=0.9970) for M. The detection limits by selected ion monitoring (SIM) were 3 ng/ml for M3G and 1 ng/ml for M, and by scan mode were 350 ng/ml for M3G and 80 ng/ml for M. The coefficients of variations for M3G and M were 4.79 and 3.15% at 1 μg/ml, respectively.
著者
五十嵐 泰正
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

現在、日本の諸都市では、地域イメージ戦略を核としたまちづくり運動が盛んであり、多くの場合その中では、地域の固有性や多様性を称揚する理念が謳われるこが、グローバルな流動性を前提とした現代においては、それらは非常に大きな困難を抱え込んでいる。このパラドクスとそこからの脱却の模索を、千葉県柏市における数量調査・インタビュー調査や東京都上野地区におけるインタビュー調査などから明らかにした。
著者
五十嵐 学
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

インフルエンザの流行を効率よく制御するためには、抗原変異の機序を理解し、予測することが必要である。本研究では、インフルエンザウイルスの主要抗原であるヘマグルチニン(HA)とそのモノクローナル抗体(mAb)に焦点をあて、ウイルスがmAbからエスケープする際に起こるHA上のアミノ酸置換の特徴を明らかにすることを目的とした。具体的には、アミノ酸置換に伴うHA-mAb複合体の相互作用変化、およびHAの機能や構造安定性への影響を分子シミュレーション等の計算科学的手法により解析し、実際にエスケープ変異株で観測されるアミノ酸と比較した。
著者
齋藤 仁弘 金子 和幸 堀江 康夫 小泉 寛恭 大谷 一紀 五十嵐 孝義 塩田 陽二 吉橋 和江 廣瀬 英晴 西山 實
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.124-130, 2001-03-25
被引用文献数
12

フィラー含有量の多い歯冠用硬質レジン(高フィラー型硬質レジン)の4製品, エステニア(EE, ED), アートグラス(AE, AD), ベルグラスHP(BE, BD), グラディア(GE, GD)のそれぞれ2種類(エナメル用, デンチン用)について, それらの曲げ強さ, 曲げ弾性率, ヌープ硬さ, 吸水量および溶解量を測定した. 試験体の作製は, 製造者指示に従い, 測定結果はt-検定(危険率5%)で統計処理を行った. 曲げ強さは96.2〜210.6MPaを示し, エナメル用ではEE>BE>AE>GE, デンチン用では, BD,ED>AD>GDの順に大きな値であった. 曲げ弾性率は6,8〜24.6GPaを示し, エナメル用ではEE>AE, BE>GE, デンチン用ではBD>ED>AD>GDの順に大きな値であった. ヌープ硬さは42.7〜163.8を示し, エナメル用ではEE>BE>AE, GE, デンチン用ではBD>ED>AD, GDの順に大きな値であった. 吸水量は9.7〜28.1μg/mm3を示し, エナメル用ではGE>AE, BE>EE, デンチン用ではGD>AD>BD>EDの順に大きな値であった. 溶解量は0.2〜0.6μg/mm^3を示し, エナメル用およびデンチン用の両者で有意差は認められなかった. 以上の結果から, 高フィラー型硬質レジンは製品ごとの性質を理解した上で, 適切な症例や応用部位に用いるべきであることが示唆された.
著者
五十嵐 章 長谷部 太
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

デング出血熱の発病機構に係るウイルス毒力説の直接的証拠を得る目的で、1993年タイ国東北部ナコンパノムにおいて臨床的に重篤度の異なる患者から分離された2型デングウイルス遺伝子の塩基配列と、それから推測されるアミノ酸配列を比較解析した。(1)ウイルス蛋白質のアミノ酸配列から、分離株は3つの亜型に分類され、亜型1は最も重症のDSS患者からの分離株、亜型2はDHF患者分離株2株とDF患者分離株2株、亜型3はDF患者分離株3株であった。(2)3'非コード領域(3'NCR)に推測される2次構造からも分離株は3つの亜型に分類され、亜型1はDSS患者分離株、亜型2はDHF患者分離株2株とDF患者分離株3株、亜型3は2株のDF患者分離株であった。これらの結果から、亜型1のアミノ酸配列と亜型1の3'NCRを有するウイスル株に感染した場合、臨床症状は重篤化する可能性があるのに対して、亜型3のアミノ酸配列と亜型3の3'NCRを有する株の感染は軽症で済む可能性が推測される。LLC-MK2細胞に形成されるプラークサイズは、ウイスル遺伝子の構造よりもむしろ、各株が分離された患者の血清反応と関係している。更に1993年、タイ国バンコックの流行から分離された4株の4型デングウイスル遺伝子を比較解析した。その結果、軽症のDF患者分離株に特異的なアミノ酸置換、及び比較的重症のDHF grade II分離株にそれぞれ特異的なアミノ酸置換が存在した。これらのアミノ酸置換は蛋白質の性状に重大な影響を与えると考えられるので、上記2型デングウイスルの結果と総合してデング出血熱の発病機構にウイスル遺伝子の塩基配列が関与していることを推測させる。これらのアミノ酸置換或いは3'NCR構造を有するウイルス株の生物学的性状の解析と、デング出血熱発病機構との係わりは今後の研究課題である。