著者
石井 泰 山田 一郎 幹 康 五十嵐 寿一
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.226-234, 1979-05-01
被引用文献数
17

A new technique to measure the ground to ground noise propagation was developed. The test sound of a band limited noise is emitted from a loudspeaker intermittently. A several second burst of the noise and the following pause of the same length are repeated. At a receiving spot, the sound intensity is integrated alternatively by two digital counters. One counter integrates the intensity of the test sound plus the background noise at that spot in the period for which the test sound is present. The other integrates the intensity of the background noise in the absent period of the test sound. Each of the devices at the source and receiving spots has a precise crystal oscillator as the clock. Once the synchronization of the two devices is made before a measurement, the relative phase of the operations of the devices is kept constant during the time of the measurement without any connection. After the completion of a predetermined number of integrations, the difference of the accumulated numbers in the two counters is read, which gives the intensity of the test sound at the receiving spot. Experiments using a 5-Watt loudspeaker showed that the noise attenuations of the distance of 170m can be measured with the statistical error less than 0. 5dB.
著者
五十嵐 隆治
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

現在重要なインフラとなっているインターネット上で悪意あるトラフィックが疎通した場合、これは異常トラフィックとして検知できる。インターネットトラフィックはランダム時系列であり、異常トラフィックが混在していないときには2次の自己相似過程に従っている。R/Sポックスダイアグラムはこの自己相似パラメータ推定に用いられるものであるが、異常トラフィック混在時には独特な散布形状を呈する。 本研究ではこの散布形状を異常トラフィック検知に援用し、異常トラフィックを検知し得ることを見出した。
著者
千田 浩司 五十嵐 大 柴田 賢介 山本 太郎 高橋 克巳
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1993-2008, 2011-06-15

入力データや演算ロジックを秘匿しつつ各種情報処理を可能とする技術の実現可能性が1982年にYaoによって提起されたが,実用上は非現実的な処理時間を要するためもっぱら理論研究のみにとどまっていた.しかしながら近年では,アルゴリズム改良や計算・通信環境の急速な発達に加え,医療分野やサービス分野等での個人のプライバシに関わる情報の安全な活用や,クラウドコンピューティングにおける機密情報保護等の社会的ニーズの高まりを背景に,当該技術に対する実装報告や実用化の動きも見られるようになった.本論文では,当該技術のうち特に情報処理の種別を限定せず汎用的に適用可能な秘匿回路計算(Secure Circuit Evaluation)技術に着目し,従来のアプローチを概観した後,より効率的に処理可能,かつ運用上の利点が見込める委託型2パーティ秘匿回路計算を提案する.また実装により提案方式のパフォーマンスを明らかにするとともに,実用上の価値や課題を探るため実証実験を行った結果について報告する.さらに,個人のプライバシに関わる情報の安全な活用や,クラウドコンピューティングにおける機密情報保護の実現に向け,技術的視点から考察する.A cryptographic technology concept that achieves various information processing keeping input data and/or an operation logic secret was proposed by Yao in 1982; however, it has entirely been stayed only in the theory research due to a heavy processing time. Recently, however, social needs for utilizing personal information safely in the fields of medicine and services etc. and for the cloud computing security are increasing with rapid development of ICT (information and communication technology) environments. In this paper, we focus on secure circuit evaluation as a solution for the Yao's concept and propose a delegation-based 2-party secure circuit evaluation. Moreover, we report on an empirical result of the proposed scheme to clarify the performance and to consider the potentiality on practical use, in particular, for safe uses of personal information and cloud computing security.
著者
下妻 晃二郎 能登 真一 齋藤 信也 五十嵐 中 白岩 健 福田 敬 坂巻 弘之 石田 博 後藤 玲子 児玉 聡 赤沢 学 池田 俊也 國澤 進 田倉 智之 冨田 奈穂子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

経済状況の低迷が続く多くの先進国においては、公的医療資源の適切な配分は、費用対効果などの合理的な社会的価値判断に基づいて行われている。日本では従来そのような仕組みがなかったが、2016年度から、高額な医療用製品を対象に政策への施行的導入が予定されている。本研究では費用対効果分析による効率性の向上にむけて技術的課題の解決を図り、同時に、効率性の追求だけでは疎かになりがちな公平性の確保を図るために考慮すべき、倫理社会的要素の明確化とそれを政策において考慮する仕組み作りを検討した。
著者
小林 奈穂美 五十嵐 透子
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.111-120, 2013-05-31
参考文献数
18

本事例では、治療に抵抗を示す思春期強迫性障害の17歳の女子高校生に対して、マーチ&ミュール(2008)の児童・思春期のCLに対する治療法を参考に、行動療法の曝露反応妨害法を用い、CL、母親、およびセラピストによる自宅訪問を含んだ"チーム"による治療を行い、4カ月半で症状が改善した。"チーム"治療の際の、治療導入時の働きかけ、治療過程における"チーム"の役割と家族を"チーム"に含めることの重要性およびCLの主要な生活の場である自宅での治療について考察し、思春期強迫性障害CLに対する"チーム"による治療の必要性を検討した。
著者
岡田 誠 五十嵐 洋一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.1040-1045, 2013-09-15

日本の認知症高齢者の推計人数は,2012年の段階で462万人,前期認知障害の高齢者数を含めれば862万人にのぼる.認知症を取り巻く社会的課題は日本の社会にとって大きなインパクトを持つ.一方,認知症を含め,現代社会の課題は相互に複雑に絡み合い,状況や全体像も曖昧である.誰がその課題に対して新たな力をもたらすステークホルダかも明確ではない.本稿では,企業の視点から,社会的課題自体をさまざまな組織を結びつけるバウンダリー・オブジェクトとして機能させる意味とアプローチについて,認知症プロジェクトを例として紹介する.
著者
五十嵐 沙千子
出版者
筑波大学哲学・思想学系
雑誌
哲学・思想論集 (ISSN:02867648)
巻号頁・発行日
no.38, pp.114[49]-104[59], 2013-03-30
著者
満永拓邦 おまーるいすまいる 久野祐介 田所成久 近藤伸明 藤木裕之 五十嵐寛
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.443-445, 2011-03-02

近年、クラウドコンピューティングが脚光を浴びている一方で、<br />利用者は企業内のデータをクラウドサービス提供企業に預ける必要があり、<br />サービス提供企業の管理者が保管しているデータを窃用・漏洩する危険性が存在する。<br /><br />この内部からの情報の窃用・漏洩に対し、利用者が暗号化してデータを保管するという対策が考えられるが、<br />既存の公開鍵方式では、多数のユーザの鍵の管理に問題があり、クラウドサービスには適しておらず、新たに属性ベース暗号方式が提案されている。<br />今回、鍵管理効率を向上させるため、退職者などの鍵を無効化させる鍵失効機能を追加した属性ベース暗号方式の実装し、性能評価を行った。
著者
五十嵐 浩子 宇野 彰 小嶋 知幸 加藤 正弘
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.297-306, 1992-10-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
16

本研究の目的は, 脳損傷者の筆算障害の有無と特徴, および“純粋”な計算障害の概念について再検討することである.検査課題は1) 数字の系列的表出, 2) 数字と丸の数とのマッチング, 3) 九九, 4) 筆算などである.対象は左半球損傷失語群 (以下失語群) , 左半球損傷非失語群, 右半球損傷左半側無視群 (以下USN群) , 右半球損傷非左半側無視群, アルツハイマー型老年痴呆群 (以下痴呆群) および非脳損傷群である.その結果, 失語群, USN群, 痴呆群の3群は非脳損傷群に比べ筆算力が有意に低下していた.失語群では言語情報処理過程の障害が, USN群では空間情報処理過程の障害が, 痴呆群では大脳の全般的処理過程の障害が筆算障害を生じさせる要因になっていると考えられた.従来爪純粋”な計算障害と報告されている症例も前述の処理過程のいずれかの障害で説明可能なことが多いことからも, 筆算障害はおのおのの高次脳機能障害に起因した障害であり独立した“純粋”な障害ではない可能性が考えられた.
著者
五十嵐 淑郎 佐伯 知司 四ツ柳 隆夫
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.39-43, 1983-01-05
被引用文献数
4 4

新しい水溶性ポルフィリン,α,β,γ,δ-テトラキス(5-スルホチエニル)ポルフィン{T(5-ST)P}を合成した. T(5-ST)Pは水によく溶解し,その水溶液は安定で,しかも酸性pH条件における試薬及びその錯体の二量体生成反応は認められなかった. ソーレー帯における吸収スペクトルは,酸性型(H_4P^<2+>)が特異的に長波長側(456nm,ε=32.9×10^4cm^<-1>mol^<-1>dm^3)に位置し,亜鉛錯体(428nm,ε=41.7×10^4cm^<-1>mol^<-1>dm^3)と十分離れていた. このスペクトル特性を利用して,二波長増感法による10^<-9>g/cm^3の亜鉛(II)の吸光光度法を開発した. 本法のsandell指標は,1.12×l0^<-4>μg/cm^2であり,公定法であるジチゾン法の14.3倍の感度である. 又,相対標準偏差値は1.31μ/25cm^3の亜鉛(II)に対しO.6%(10回測定)であった. 本法を市販の四塩化炭素特級試薬中の亜鉛(II)の定量に応用し,良好な結果を得た.
著者
小峰 優佳 岩田 祐佳梨 貝島 桃代 五十嵐 浩也
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.114, 2013 (Released:2013-06-20)

筑波大学では、病院との協力でQOLの向上に向けたアートデザイン活動を行っている。本稿では平成25年2月より筑波メディカルセンター病院を対象として実施している「はるまちポケット」という企画について報告する。この企画は、芸術系の学生団体が主体となり、病院外来の待ち合い(時間)をデザインする目的に実施した。5ヶ月の期間を経てリサーチやヒアリングを行い、待ち時間の利用方法について病院スタッフと協議を重ね、企画の実施に至った。待ち時間を有効に活用し、患者とススタッフ間のコミュニケーションの向上を図るため、椅子の背もたれを利用してポケットを設置し、そこにカードを入れた。カードの片面はスタッフ紹介になっており、もう片面は外来に上手にかかるためのメモ欄を設けた。その結果, カードの使用枚数は徐々に増加してきている。まだコミュニケーションに対する効果は不明であるが、患者教育としての効果が期待できると考える。また椅子の背もたれを利用したことで、患者が情報を手に取りやすくなり、情報発信の場として椅子のデザインの可能性もあると考える。