著者
今井 智大 岡田 崇 中田 潤也 丹 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.99-104, 2008-07-10

ホームネットワークの普及のためには、情報家電で構成されるホームネットワークに対してインターネットを通じてリモート管理を行なうサービスが重要である。このようなサービスでは、そのシステムを担う複数の要素がお互いにメッセージ送信を行なうためのインタフェースを定義することが必要となる。このような課題に対し、ホームネットワーク(以下HN)にサービスを提供するバックエンド事業者(以下BE)、管理サービスを仲介するサービスポータル(以下SP)、HN中の情報家電をとりまとめる宅内ゲートウェイ(以下CPE)とサービスを構成する要素を定義し、統一的なアクセスを行なえるようなインタフェースを提案する。提案システムはこれを構成するアーキテクチャの要素を定義した後、各要素のコンポーネントとそれが含む機能を定義した。またこのシステムが担うべき処理がどの程度実行可能かを検討した。
著者
広田 裕 川島 英之 梅澤 猛 今井 倫太
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J89-A, no.12, pp.1090-1103, 2006-12-01

本論文は,複数のアプリケーションが共通参照可能なセンサネットワークの設計モ デルとしてセマンティックセンサネットワークを提案する.センサからのデー タは単なる数値の時系列であり,数値のみから意味のある情報を引き出せない. センサと物体の取付け関係のもとで解釈して初めてデータが意味のある単位と なる.セマンティックセンサネットワークは,センサと物体の取付け関係 を管理し,メタデータとセンサデータの対を環境記述の最小単位とする.また, 論理表現に基づく推論規則をもち,物体同士や物体と環境との関係を記述する. 環境記述は時系列データとして蓄えられ,アプリケーションに提供される.特 徴的な点は,物体に関するクラス定義をもち,センサと物体の取付け関係を インスタンスとすることで,物体を中心とした世界モデルをセンサネットワー ク上に構築できることである.実装例として,実世界指向メタデータ管理シス テムMeTを構築した.RFIDタグを用いて物体とセンサの取付け関係を拾得し, クラスからインスタンスの生成を可能にした.更に,アプリケーションとし て知能ロボットとGUIを用意しMeTの動作を検証した.
著者
松澤 和光 飯田 敏幸 松田 晃一 今井 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.155-156, 1996-09-04
被引用文献数
1

個人がネットワークを通じて膨大な情報を扱えるようになりつつあるが、真に自分の望む情報を手に入れるのは簡単なことではない。そもそも望む情報が何であるかさえハッキリしない場合も多い。このため、検索対象を明確に指定する従来法に代わって、対象が漠然としていても柔軟に検索が行える新しい方式が必要とされている。こうした要求に応えるため、検索を進めながら対象を明確化する「想起型情報検索方式」を提案した。本稿では、この提案を実現するための具体的な機構として、NTTが開発した「概念ベース技術」を利用する方法を述べる。また、この機構を使った新聞記事の検索システムについて、その基本構想を述べる。
著者
飯田 敏幸 松澤 和光 松田 晃一 池原 悟 石野 福弥 今井 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.153-154, 1996-09-04
被引用文献数
1

印刷物やインターネットを通じて提供される情報の量は日々増加し,我々人間が利用できる能力をはるかに越えている.そこで,必要な情報を適切に,しかも簡易に選択できるための新しい情報検索システムが必要である.今迄,情報検索のためのシステムが多数開発されてきたが,余り使い易いものではなかった.情報検索システム(ここでは文献検索システムを想定する)の利用の仕方には以下に示す各種のレベルがある.【レベル1】文献の題名,あるいは,文献を特徴付けるキーワードが分かっている.【レベル2】題名,キーワードは明確ではないが,探したい対象は明確である. 例:こんなことが書いてある.【レベル3】対象が漠然としている. 従来の情報検索システムでは,いくつかの質問キーワードの羅列,あるいは,それぞれに重みづけがされた論理式を利用者が与えなければならなかった.即ち,従来の情報検索システムは,レベル1または2の利用者を前提としていた.そこで,レベル3の利用者も同じインタフェースで利用しなければならず,これが使いにくさの原因の1つである.また,キーワード方式の従来の情報検索システムでは,システムに入力する質問キーワードの個数が少ないと,検索対象の絞り込みが十分にはできないために,検索の効率が落ちてしまう.そこで,検索効率向上のためには,沢山のキーワードが必要となるが,人手で沢山のキーワードを指定するには限界があるという問題がある.
著者
大西 真一 今井 英幸 河口 至商
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.140-147, 1997-02-15
参考文献数
11
被引用文献数
2

人間のもつ自然な感覚を取り入れた意思決定の一手法に1977年にSaatyによって提案された階層化意思決定法(Analytic Hierarchy Process, AHP)がある.これを拡張したものにファジィAHPがあり, 通常のAHPでは考慮していなかった代替的や補完的な評価を可能にしている.ところが実際にAHPおよびファジィAHPを行っていると代替案の重要度にあまり差がなく選択が困難な場合があり, このようなとき一対比較行列の成分が重要度に対してどのように影響を与えているかを調べることは, 結果の解釈に手がかりをもたらしたりデータの構造を知る上で重要であると考えられる.それらを探索する方法としては現在まで感度分析を用いて2通り提案されているが, データの構造を変化させていたり方法が複雑であるなどの問題がある.また現在までファジィAHPに対する感度分析は提案されていない.そこで本論文ではまず通常のAHPにおいてデータの構造を変えずに比較的簡便に使用できる重要度への影響の評価を提案し, それによりファジィAHPの代替案の重要度への評価も提案する.最後にファジィAHPの感度分析の結果を実際の数値実験例を用いて紹介する.
著者
今井 豊 石崎 俊
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.127-128, 1995-03-15
被引用文献数
1

従来の概念辞書に記述されている内容としては、上位概念、下位概念などの体系情報と、他の概念との関係やインスタンスが満たすべきスロットの情報などの制約情報が主なものであった。しかし、これらの情報だけでは概念の記述力に限界があるため、著者らはいくつかの新しい概念情報の検討を行なっている。一つは意味空間の導入である。これは、対象とする概念集合に多次元尺度法を用いて3次元の距離空間を導入するものである。もう一つは各概念に多数の特徴(feature)の束を与えて、概念の意味記述を正確に表現すると同時に、その上での動的な意味の変化を定量的に扱うものである。本論文では、そのような概念の特徴の束を用いて比喩理解のメカニズムの一部が表現でき、解析が可能であることを示す。即ち、任意に与えられた二つの概念T、Vを「TはVだ」という形で比喩表現した時、比喩として理解するための二つの概念に共通の顕著な特徴を自動的に抽出する方法を提案する。
著者
立木 翔一 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.683, pp.43-48, 2006-03-15

人と人とのコミュニケーションにおいて,3次元空間内の相対的位置関係の把握は日常的に行われる.人間共存型ロボットとユーザとが3次元空間内でインタラクションを行う場合についても,ロボットがユーザや空間内のオブジェクトとの相対的位置関係を把握しておくことが重要である.本論文ではロボット,ユーザ,オブジェクトの3者の相対的位置関係を考慮した,実空間内でのロボットとユーザとのインタラクションについて述べる.具体的には,ユーザが目的としたオブジェクトの位置に,ユーザを誘導させるような指示をロボットが行う.入力画像に対し顔領域や髪領域の抽出結果からユーザの位置や向きを認識し,さらに色情報からオブジェクトの位置情報を取得する.これらの認識結果を統合することにより相対的な位置関係を把握し,「1m右」,「2m前」などユーザにとって自然な指示を行う.ロボットの実機を用いた実験により,具体的なインタラクション動作を実証する.
著者
佐竹 聡 川島 英之 今井 倫太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.85, pp.49-55, 2004-08-04

本稿の目的は、HTMLファイルの情報を人間へ提示するブラウジングロボットの開発である. ブラウジングロボットには以下3つの機能が必要である. 機能1は、ロボットの身体動作および発話内容をHTMLファイルから生成する. 機能2は、ロボットが情報提示するメインコンテンツをHTMLファイルから切り出す.機能3は、リンク情報の検出・提示である. 本稿では、この3つの機能を持つブラウジングロボットシステムCOSHORを提案する. 機能1を持つため、ロボットの身体動作は、キーワードマッチングで定義された行動から選択される.機能2を持つため、メインコンテンツを抜き出すフィルタ関数がWebコンテンツごとに定義される. 機能3を持つため、COSHORはリンクの存在を提示する身体動作を持ち、センサ情報をトリガとしてリンク先のHTMLファイルを提示できる.The purpose of this paper is to develop a HTML browsing robot system. A browsing robot requires follwoing three functions: (1) The robot can create motions and contents of utterances from a HTML file. (2) The robot can retrieve the main contents of a HTML which is exhibited. (3) The robot can detect and exhibit link information. To realize these three functions, this paper proposes COSHOR. (1) COSHOR selects its motion from defined motions by using keyword matching. (2) COSHOR has filter functions for each Web content. This filter function retrieves the main content from the content. (3) COSHOR has the motion which exhibits link information and the sensor detection function which triggers reading new referred page.
著者
阿部 淳也 出石 大志 杉上裕一 堀 幸雄 今井 慈郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.6, pp.97-102, 2007-01-26
被引用文献数
1

伝統的な木構造を用いたファイルシステムが広範に使用されているが,各ファイルのコンテンツによる分類や関係付けの有効な手法が不足している.そのような単純なファイルシステムでは,キーワードを指定した効果的なファイル検索ができないという問題を抱えている.コンテンツに基づく情報検索を可能にするため,各ファイルに関するタグ情報を活用するファイル管理の新しい手法を設計している.本報告では,我々が作成しているファイル管理システムのGUIを紹介し,併せて,形態素解析によるファイル属性からのキーワード抽出,DBMSによるキーワード操作およびキーワードに基づく情報検索などを用いた,プロトタイプ実装についても言及する.Conventional tree-structured file systems have been widely used, but they have lacked a useful mechanism to classify and relate their files according to the contents of each file. And such simple file systems are suffering from efficient retrieval of their files by specifying keywords. In order to perform content-based information retrieval, a new scheme of file management is designed to utilize tagged information about each file. In this report, we will introduce a GUI of our file management system. And we will describe its prototype implementation by means of keyword extraction from file attributes with morphological analysis, keyword manipulation through DBMS and information retrieval based on keywords.
著者
島本 由紀子 山本 弘子 今井 純好 遠藤 紀雄 亀谷 徹
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.432-440, 1988-08-31

1971年から1984年までの13年間に当院で入院加療した小児悪性腫瘍125例(1部121例)について,種類,年齢別患者数,年度別患者数,5年生存率,ALL及びnon-Hodgkinリンパ腫については予後解析を行なった。ALLは,悪性腫瘍の41%,AMLは22%を占め,急性白血病で全悪性腫瘍の63%を占めた。固形腫瘍の中では,神経芽細胞腫の頻度が最も高く,全腫瘍の16%を占めた。神経芽細胞腫は副腎原発のもの,初発時年齢1歳以上のものは極めて予後不良であり,各々5年生存率は12.5%,15%であった。non-Hodgkinリンパ腫ではmodified LSA_2-L_2療法が極めて有効な治療法と考えられた。ALLにおいては予防的頭蓋背椎放射線照射群が他の治療群に比して生存率,骨髄再発率,中枢神経系浸潤率においても有効と考えられた。
著者
前川 満良 今井 有希子 橋爪 慎哉 関 啓明 神谷 好承
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌論文集 (ISSN:13488724)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.1117-1121, 2004-08-05
被引用文献数
2

Because the visually impaired desire to know not only color of the 1 point but also whole color on the object, we developed a color discrimination system by the presentation of the sound which enable the blind to recognize the color and its change. While the blind scans the surface of a target object with this system, it continuously makes sound corresponding to surface colors. The problem is the mapping between color and sound for the blind to learn easily and to get the color condition shortly. In this paper, we propose the Shepard Tone Method (STM) and the Trio Ensemble Method (TEM) as this mapping.