著者
今井 新悟 伊東 祐郎 中村 洋一 酒井 たか子 赤木 彌生 菊地 賢一 本田 明子 中園 博美 西村 竜一 篠崎 隆宏 山田 武志 家根橋 伸子 石塚 賢吉 ファム ターンソン
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

日本語学習者のための日本語スピーキング能力をコンピュータ上で自動採点するテストシステムを開発した。インターネットを介して受験でき、時間と場所の制約を受けずに受験が可能である。音声認識技術を使い、受験者の発話から特徴量を抽出することにより、自動採点を実現している。項目応答理論を用い、受験者の能力に適合した難しさの問題を出題するアダプティブテストとなっており、少ない問題数で能力の判定ができる。
著者
山本 雅 渡邊 俊樹 吉田 光昭 平井 久丸 本間 好 中地 敬 永渕 昭良 土屋 永寿 田中 信之 立松 正衛 高田 賢蔵 澁谷 均 斉藤 泉 内山 卓 今井 浩三 井上 純一郎 伊藤 彬 正井 久雄 村上 洋太 西村 善文 畠山 昌則 永田 宏次 中畑 龍俊 千田 和広 永井 義之 森本 幾夫 達家 雅明 仙波 憲太郎 菅村 和夫 渋谷 正史 佐々木 卓也 川畑 正博 垣塚 彰 石崎 寛治 秋山 徹 矢守 隆夫 吉田 純 浜田 洋文 成宮 周 中村 祐輔 月田 承一郎 谷口 維紹 竹縄 忠臣 曽根 三郎 伊藤 嘉明 浅野 茂隆
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

近年、がん遺伝子、がん抑制遺伝子の研究が進み、がんを遺伝子ならびにその産物の機能に基づいて理解することが可能になった。それと共に、細胞増殖のためのシグナル伝達機構、細胞周期制御の機構、そして細胞死の分子機構の解明が進んだ。また細胞間相互作用の細胞社会学的研究や細胞表面蛋白質の分子生物学的研究に基づく、がん転移の機構についての知見が集積してきた。一方で、がん関連遺伝子の探索を包含するゲノムプロジェクトの急展開が見られている。また、ウイルス発がんに関してもEBウイルスとヒトがん発症の関連で新しい進展が見られた。このようながんの基礎研究が進んでいる中、遺伝子治療のためのベクター開発や、細胞増殖制御機構に関する知見に基づいた、がんの新しい診断法や治療法の開発が急速に推し進められている。さらには、論理的ながんの予防法を確立するための分子疫学的研究が注目されている。このような、基礎研究の急激な進展、基礎から臨床研究に向けた情報の発信とそれを受けた臨床応用への試みが期待されている状況で、本国際学術研究では、これらの課題についての研究が先進的に進んでいる米国を中心とした北米大陸に、我が国の第一線の研究者を派遣し、研究室訪問や学会発表による、情報交換、情報収集、共同研究を促進させた。一つには、がん遺伝子産物の機能解析とシグナル伝達・転写調節、がん抑制遺伝子産物と細胞周期調節、細胞死、化学発がんの分子機構、ウイルス発がん、細胞接着とがん転移、genetic instability等の基礎研究分野のうち、急速な展開を見せている研究領域で交流をはかった。また一方で、治療診断のためには、遺伝子治療やがん遺伝子・がん抑制遺伝子産物の分子構造に基づく抗がん剤の設計を重点課題としながら、抗がん剤のスクリーニングや放射線治療、免疫療法に関しても研究者を派遣した。さらにがん予防に向けた分子疫学の領域でも交流を図った。そのために、平成6年度は米国・カナダに17名、平成7年度は米国に19名、平成8年度は米国に15名を派遣し、有効に情報交換を行った。その中からは、共同研究へと進んだ交流もあり、成果をあげつつある。本学術研究では、文部省科学研究費がん重点研究の総括班からの助言を得ながら、がん研究の基盤を形成する上述のような広範ながん研究を網羅しつつも、いくつかの重点課題を設定した。その一つは、いわゆるがん生物の領域に相当する基礎生物学に近いもので、がん細胞の増殖や細胞間相互作用等の分子機構の急激な展開を見せる研究課題である。二つ目の課題は、物理化学の分野との共同して進められる課題で、シグナル伝達分子や細胞周期制御因子の作用機構・高次構造に基づいて、論理的に新規抗がん剤を設計する試みである。この課題では、がん治療薬開発を目的とした蛋白質のNMR解析、X線結晶構造解析を推進する構造生物学者が分担者に加わった。三つ目は、極めて注目度の高い遺伝子治療法開発に関する研究課題である。レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクターの開発に関わる基礎側研究者、臨床医師、免疫学者が参画した。我が国のがん研究のレベルは近年飛躍的に向上し、世界をリ-ドする立場になってきていると言えよう。しかしながら、上記研究課題を効率良く遂行するためには、今後もがん研究を旺盛に進めている米国等の研究者と交流を深める必要がある。また、ゲノムプロジェクトや発生工学的手法による、がん関連遺伝子研究の進展によって生じる新しい課題をも的確に把握し研究を進める必要があり、そのためにも本国際学術研究が重要な役割を果たしていくと考えられる。

1 0 0 0 OA 尿膜管癌の2例

著者
松尾 康滋 清水 嘉門 松下 磐 辻 裕明 今井 強一 山中 英寿
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.1227-1229, 1988-07

Two cases urachal carcinoma are presented. Both of them had complaints of macrohematuria. One patient received partial cystectomy, and the other patient had radical cystectomy, peritoneo-umbiliectomy, and ureterosigmoidstomy after CDDP and ADM intraarterial injection. The former patient was found to have distant metastasis 7 months after operation. The latter patient has been disease-free for 4 months. The most important point to cure urachal carcinoma is accurate staging and sufficient first treatment, especially pre-operative intraarterial chemotherapy.
著者
加藤 盛夫 今井 勝
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.253-259, 1996-06-05

食用カンナの高生産力を解明するための基礎として, 葉面積の形成と個葉光合成速度の葉齢および個体の生育に伴う変化を明らかにするため, 0.5m×1m(群落状態)および3m×3m(孤立状態)の栽植密度下で4月下旬から11月中旬まで筑波大学の実験圃場で栽培を行った. 食用カンナは生育中期には6-9日間隔で大型の葉身を展開するため, LAIが7になる7月下旬, 9になる8月中旬には, 上位4葉までの葉身で全葉面積の約70%を占めていた. 個葉の最大光合成速度は19.1μmol m^<-2>s^<-1>(6月9日)であったが, 生育が進むにつれて低下する傾向があった. 個体群の下位葉では葉面積指数の拡大する7月以降になると主に相互遮蔽により光合成速度は急激に低下した. 上位展開葉の光合成速度は1,000μmol m^<-2>S^<-1>PPFD以上の光強度でも光飽和しなかった. 葉冠内の葉面積構成及び各葉位の光合成速度から判断して, 食用カンナ個体群では生育中期以降, 上位4葉が乾物生産に大きな貢献をしていることが窺われた.
著者
今井 直基 田辺 博 渡辺 進
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.2800-2803, 1991-11-01
被引用文献数
9

虫垂原発悪性リンパ腫の1例を経験したので, 本邦報告例の検討を加えて報告した. 症例は42歳, 男性. 下腹部痛を主訴として近医を受診し, 急性虫垂炎と診断され当院を紹介された. 虫垂穿孔性腹膜炎の診断で虫垂切除術を施行したところ, 術後の病理学的検索で non-Hodgkin's lymphoma, diffuse, large cell type と診断された. 根治術を目的として第10病日に R_3 リンパ節郭清を伴う右半結腸切除術を施行したが, 切除標本のいずれにも悪性リンパ腫の所見を認めなかった. 虫垂原発悪性リンパ腫はきわめてまれな疾患であり, 本邦報告例は21例にすぎない. 多くは急性虫垂炎の診断で手術がなされ, 術後の病理学的検索で確定診断されていた. 根治術がなされたものは7例 (33.3%) のみであった. リンパ節転移陽性の9例中3例, 陰性の8例中7例が生存中とされていた. 治療は癌腫と同様に根治的切除が第1であり, 症例により後療法が必要と考えられた.
著者
田中 啓策 今井 功
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.58, no.682, 1952-07-25
著者
山本 俊哉 持田 耕平 今井 剛 土師 岳 八重垣 英明 山口 正己 松田 長生 荻原 勲
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, 2003-03-01

17種類のマーカーを用いて,交雑育種で育成されたモモ9品種,枝変わり2品種,偶発実生由来5品種の合計16の日本のモモ栽培品種の親子鑑定を行った.交雑育種により育成された9品種では,すべてのSSR座において親の対立遺伝子が矛盾なく子供に伝達されていたことから,親子の関係が確認された.枝変わり品種の「暁星」は,原品種の「あかつき」と全く同じ遺伝子型を示したことから,枝変わりであることが示唆された.一方,枝変わり品種とされる「日川白鳳」では,原品種の「白鳳」と比較して,12ヶ所のSSR座で異なる遺伝子型を示した.このことから「日川白鳳」は「白鳳」の枝変わりではないことが明らかとなった.偶発実生由来と考えられている4品種「阿部白桃」,「川中島白桃」,「高陽白桃」,「清水白桃」では,各SSR座で推定親の「白桃」の対立遺伝子の一方を持っていた.これらの結果から,この4品種は,枝変わりではなく,「白桃」の子供であることが示唆された.以上のことから,SSRマーカーは,限られた遺伝資源に由来しているとされる日本の栽培モモ品種の親子鑑定に有効に利用することができた.
著者
寺沢 良夫 福田 陽一 鈴木 康義 森田 昌良 加藤 正和 鈴木 騏一 今井 恵子 高橋 寿 鈴木 富夫 関野 宏
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.84, no.12, pp.2137-2145, 1993-12-20
被引用文献数
6

1985年4月から1992年9月までの7年6ヵ月において,当院での血液透析症例1,556人に,腹部超音波検査(US)を行い,腎癌を36人(41胃癌)診断し,手術で組織学的に確認した.血液透析症例の腎癌の検出率は2.3%(43人に1人の割合)で,健常人発生の胃癌(当院健診センターで延27,933人のUS検査のうち22人の腎癌,0.079%)の29倍高頻度発生であった.36人の内訳は,萎縮腎発生15人,ACDK (acquired cystic disease of the kidney)発生18人,腎移植後の固有腎発生3人で,ACDKの8人が1側腎多発,5人が両側腎多発であった.腎癌の診断率はUS100%,CT68%,血管造影55%で血液透析症例における腎癌の診断にはUSが最も優れた検査法であった.
著者
林 雅也 今井 慈郎 堀 幸雄 林 敏浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.470, pp.175-180, 2009-02-28
被引用文献数
1

計算機アーキテクチャ教育支援を目的とした可視化シミュレータVisuSimはアプレットとしても,スタンダローンアプリとしても動作できるようJavaで記述・実装されている.可視化機能と共に情報通信機能を有し,ユーザ間での非同期型情報共有を可能としている.実際の教育現場では,効率的な情報共有を実現するため,シミュレータのダウンロード用Webサーバを立ち上げ,これにメイルサーバ機能や情報共有機能(の一部)を準備し,複数ユーザを対象とするシミュレーション機能,情報通信機能,情報共有機能などを提供している.本稿では,シミュレータの運用を目的とした情報サーバの環境について事例に基づき報告する.
著者
中西 卓哉 今井 むつみ 石崎 俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.96, no.593, pp.31-38, 1997-03-18
被引用文献数
2

自然言語を用いて、遠く離れた人どうしが、互いに仮想空間の中のオブジェクトを操作できるようにする臨場感通信会議システムの研究が試みられている。しかし、そこでは、空間記述における自然言語の曖昧性が問題になっている。たとえば、「ボールが黄色い車の左側にある」といった場合、どこまでが左の領域で、どこからが左の領域でないのかという境界をはっきりと決めることはできない。さらに、ボールが話し手にとっての左側にあるのか、車自身にとっての左側にあるのか、特定することも難しい。そこで、本研究は、参照物体の種類や、向きなどが変わる状況を考慮した認知実験を行なった。また、空間指示モデルにおいて近似的な前後左右の領域を決定するためデータをとり、研究を進めた。
著者
今井 顕 濱嵜 朋子 笠井 幸子 粟野 秀慈 邵 仁浩 安細 敏弘 朴 永哲 宮崎 秀夫 竹原 直道
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.574-584, 2003-10-30

この研究の目的は,韓国人の歯列弓と口蓋の形質の特徴を明らかにすることである.研究には韓国人学生(18〜32歳)から得られた209組(男性105人,女性104人)の上下顎模型を用いた.得られた計測値について,男女間およびこれまでわれわれが報告してきた12集団との比較検討を行った.その結果,韓国人はほとんどの計測項目において有意な性差が認められた.また,男女ともに中央アメリカに住むヒカケ族と多くの項目において有意な差を示した.さらに,韓国人の口腔の形質人類学的住置づけを明らかにするために,クラスター分析,近隣結合法,多次元尺度構成法を行った結果,韓国人は男女ともバリ島民,台湾高山族やヒカケ族よりも日本人,台湾在住の中国人に近いということが明らかとなった.
著者
今井 浩 青沼 裕美 上林 彌彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.363-364, 1988-09-12
被引用文献数
1

利用者要求の高度化に伴い,近年盛んにマルチメディアデータベースの研究が行われてきた.しかし,それらの研究の多くはメディアの蓄積法や検索法に関するもので,異種データを取り扱うために起こる新たな問題-メディア間の相互作用-は,ほとんど研究されていない.本稿では,図形と文字の相互作用を考え,わかりやすく表示するためのユーザ・インタフェースである「文字自動配置機能」について述べる.論理回路図,発電所の設備配置図,種々の地図などの図面をデータベースで管理することは,更新や検索を容易にし,関連情報との対応づけも行え,たいへん有用である.しかし図面中に,図形と,その各部を説明する文字を同時に表示する場合,文字を固定配置していてはわかりやすい表示は望めない-というのは,図面の拡大率によっては意味のないほど希薄な情報しか表示されなかったり,その逆に詰まりすぎて文字が重なり,読めなくなったりする恐れがあるからである.また,図面作製時に人手で文字を配置することは,手間と時間を要する大変な作業である.そのため,図形と文字を扱うマルチメディアデータベースでは,文字のみを扱う従来のデータベースにはなかった特殊なユーザ・インタフェース機能が必要となる.これが「文字自動配置機能」である.文字自動配置機能は図形のデータと文字のデータを受け取り,それらを統合し,図面中に文字をレイアウトして出力する.本稿では,地図を対象とした地理データベースにおける文字自動配置機能のアルゴリズムを検討する.
著者
関根 京子 今井 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.100, pp.25-32, 1996-10-17

ネットワーク信頼度計算の問題は,一般に#P完全な問題で,大規模ネットワークの信頼度を厳密に実用的時間内で求めることは難しいと思われている.そのため,近似解法として,信頼度の上限下限を多項式時間で求めること,またモンテカルロ法で確率的に近似解を求めることが考えられてきた.後者について,計算量・アルゴリズム理論的観点から,近年,ランダム化(andomizatio)を用いたランダム化FPTAS (andomized Fully Polynomial?Time Approximation Schem)が開発されている.一方,関根,今井は,BDDを援用したネットワーク信頼度の厳密求解法を提案している.本稿では,ネットワーク信頼度計算に対するランダム化FPTAS解法(モンテカルロ法)とBDDを援用する厳密解法の2つについて,後者で得たある程度大きいグラフの厳密な信頼度関数とモンテカルロ法で得た値の比較などを行ない,両者の種々の場面での性質について論じる.Computing the network reliability is a #P-complete problem, and is believed hard to solve if the problem size is large. Recently, randomized fully polynomial-time approximation schemes for computing the network reliability have been developed by Alon, Frieze, Welsh [1] and Karger [15]. There are also proposed several enhanced Monte Carlo methods which utilize lower and upper bounds for the reliability, etc. On the other hand, Sekine and Imai [24] propose an exact approach based on BDDs. By this method, the reliability of a moderate-size network can be computed rigorously. They also present a polynomial-time algorithm for the case of complete graphs. This paper performs compurational experiments, and discusses features of these methods.