著者
道 健一 山下 夕香里 片岡 竜太 中村 篤 高橋 浩二 斎藤 健一 IMAI Satoko 山下 夕香理 今井 智子
出版者
昭和大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

臨床応用可能な開鼻声の定量的評価法を確立するために、口蓋裂あるいは先天性鼻咽腔閉鎖不全症による開鼻声患者18例と健常人17例の発声した母音/i/にケプストラム分析を行い、得られたスペクトルエンベロ-プに1/3オクタ-ブ分析を加え、開鼻声の周波数特性を求めた。次に20人の聴取者による開鼻声の聴覚心理実験を行い、得られた主観評価量と周波数特性を表わす物理量の関連を検討したところ次の結果が得られた。1 健常音声と比較した開鼻声のスペクトルエンベロ-プの特徴は第1、第2フォルマント間のレベルの上昇と、第2、第3フォルマントを含む帯域のレベルの低下であった。2 開鼻声の聴覚心理実験を行い得られた5段階評価値を因子分析したところ、開鼻声を表現する2次元心理空間上に2つの因子が存在し、第1因子は全聴取者に共通した聴覚心理上の因子であり、第2因子は聴取者間の個人差を表わす因子であると考えられた。そのうち第1因子を主観評価量とした。3 開鼻声の主観評価量とスペクトルエンベロ-プの1/3オクタ-ブ分析から得られた物理量の相関を検討したところ、第1フォルマントの含まれる帯域から2/3〜4/3オクタ-ブ帯域の平均レベル(物理評価量L1)および9/3〜11/3オクタ-ブの帯域の平均レベル(物理評価量L2)と主観評価量に高い相関が認められた。
著者
宮腰 宏 今井 忠男 佐々木 久郎
出版者
秋田大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

地下空間は,地上の空間に比較し,その潜在的特性である恒温性,放射線遮断性,耐振動性などの特徴を有する。しかしながら,地上との換気経路が限定されるため,その閉鎖性が欠点として挙げられ,災害や火災などの事故対策の十分な検討を行う必要がある。これらのことから,地下空間の通気および換気状況の把握は,安全工学上重要と考えられ,地下空間の形状・容積等と換気係数との関係は空間の基礎設計資料となりうるものであり,数値計算による予測解析における妥当性の判定資料としても必要である。本研究においては,地下風道ネットワークに接して配置され,片側換気状態にある地下空間の漏洩ガスの対流拡散状況をモデル実験によって明らかにし,数値差分法による予測解析モデルの妥当性を調べた。その結果,換気流と密度の異なったメタンなどの可燃性ガスあるいは有害ガスが漏洩した状況下での,空間の形状,容積を種々に変化させ,総合的な地下空間内のレイヤ形成,3次元ガス対流拡散現象および換気特性を実験的に明らかにした。また,地下空間内の換気流量,換気回数,換気流の特性,ガス濃度の変動・周波数特性,非定常的なガスの漏洩に対する応答特性を調べ,地下空間の換気制御に必要なデータを総合的に示した。また、差分法による漏洩ガス対流拡散の数値シミュレーションを実施し,実験値との比較検討を行った結果,正方形に近い空間形状は比較的実験に近い結果となるが,浅い場合や深い空間形状の複雑なガス対流拡散状況に対しての相違が大きいことがわかった。
著者
広瀬 健志郎 佐竹 聡 川島 英之 今井 倫太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.47-52, 2004-09-10

本研究の目的は、コミュニケーションロボットのソフトウェアアーキテクチャに詳しくない一般ユーザが、ロボットを情報提供の手段として容易に利用できる手法を提案することである。ロボットの動作をプログラミングする手法は多数あるが、本研究の目的と照らし合わせると、それらは多種類のロボット間でのコンテンツ共有が不可、一般ユーザにとって使いにくい、センサ情報を反映したコンテンツ提示が不可のいずれかの問題を抱えている。よって本研究では、上記の3条件を満たすために、ロボットのコンテンツを直感的に記述できるエディタを開発と、そのコンテンツを多種類のヒューマノイドロボットで実行できるように、抽象的なモーションを具体的な関節情報に置き換える言語仕様を定義し、それらをロボットに実行させるシステムを開発した。
著者
石田 香織 井面 仁志 今井 慈郎 堀 幸雄 白木 渡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.470, pp.135-138, 2009-02-28

耐震改修の急務が報道されつつも,防災教育の整備はその緒に就いたばかりである.防災教育の扱う範囲・対象は多岐にわたるものの,多くの危機管理マニュアルは抽象的で学習者にとって,理解が進まない現状も指摘されることが多い.大学など教育機関でも効果的な教材開発や効率的な実施手法が望まれている.本報告では,学生の観点から,危機管理マニュアルをより効率よく説明できるよう,マルチメディア化し,クラス単位での評価を行い,専用のWebサーバを立ち上げて公開すると共に,オンライン・アンケートによるフィードバックにより,定期的改良や年代や立場に対応した防災教育のための教材作成のアイデア収集もできる教材開発および実施手法の一例について述べる.
著者
今井 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, pp.411-412, 1995-03-27

本稿では,最適化アリゴリズムの研究動向について,まず伝統的なものと相対的に新しいものを簡潔にまとめる.そして,その中の厳密解法である分技限定法・動的計画法に関連するもので,VLSIの論理設計の分野から実用性が注目されてきた2分決定グラフ(BDD)の最適化問題への応用について触れる.また,モダンヒューリステックでの近傍探索に関連した話題として,局所情報のみを用いて全域情報を列挙する逆探索手法について述べる.分量の制限のため,このように具体的に紹介するのは筆者の興味からこの2つに限るが,もちろん最適化は広範な分野であり,本稿を元に他の研究動向についても興味をもって頂けると幸いである.
著者
秋山 朝子 今井 かおり 石田 幸子 伊藤 健司 小林 正志 中村 秀男 野瀬 和利 津田 孝雄
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.787-792, 2006-10-05
被引用文献数
1 3

An analytical method for the determination of aromatic compounds exhalated from hand skin has been proposed. The sampling of exhalated aromatic compounds was performed as follows: after the intake of aromatic compounds included in chewing gum or a capsule, exhalated skin gas was collected from a hand. The hand was covered with a sampling bag of poly vinyl fluoride (PVF) for 30min. Then, the inner space of the sampling bag was sprayed with a 25% of ethanol aqueous solution. After removing the hand from the bag, the trapped solution containing skin gas was collected. The aromatic compounds in the trapped solution were extracted to the solid phase as Twister^[○!R] (stir bar coated with poly dimethyl siloxane, Gerstel). Extracts were determined by gas-chromatograph mass spectrometry using a thermo desorption system and a selective ion mode, Linalool, citronellol and geraniol, which are the main components of rose essential oil, were detected from the skin of a hand after an oral intake of rose oil. The exhalated absolute amount of linalool, citronellol and geraniol increased in 30 to 60min, and then decreased after intake. The recoveries of linalool, citronellol and geraniol were 53.5%, 66.7% and 55.1%, respectively. The correlation coefficient of the standard curves for linalool, citronellol and geraniol were 0.9977, 0.9994 and 0.9987, respectively. Each compound exahalated from the skin of a human body during 6 hours after intake was estimated to be, according to the amount of intake, 0.39%, 0.09% and 0.25%, respectively, for one subject. The absolute amount of geraniol exhalated from a hand increased significantly after oral intake for 8 subjects (P<0.025). This is the first report to present hard proof that an aromatic compound was exhalated from human skin after its intake as food.
著者
向後 麻里 斉藤 有深 柏原 由佳 小市 佳代子 市川 幾重 堀地 直也 今井 俊道 足立 満 村山 純一郎 木内 祐二
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.124, no.12, pp.973-981, 2004-12-01
被引用文献数
1 2

日本における肺癌罹患者数は増加傾向にあり, 男性では悪性腫瘍の中で死亡原因の1位となっている. 非小細胞肺癌(non-small-cell lung cancer:NSCLC)は早期診断, 早期切除が原則となってくるが, 進行性肺癌や小細胞肺癌(small-cell lung cancer:SCLC)に対しては外科的切除の適応は少なく, 強力な化学療法や放射線療法が実施されるものの, 5年生存率は1%未満である. 近年, 肺癌の化学療法は, cisplatin(CDDP)と他剤との併用療法が主流でありSCLCではetoposide(VP-16), irinotecan hydrochloride(CPT-11), NSCLCではvinorelbin tartarate(VNR), gemcitabin hydrochloride(GEM)などと併用されている. こうした併用化学療法を安全かつ効率的に実施するためのクリニカル, パス(パス)を用いることは有用と考えられるが, 国内ではいまだ十分には活用されていない. パスとは, 病棟でのチーム医療の「質」と「効率」を同時に保障するために考え出されたマネージメントツールであり, パス導入により, 医療の標準化, チーム医療の推進, 情報の共有などの効果が期待される.
著者
渡邊 公一郎 今井 亮 横山 拓史 板谷 徹丸 三谷 泰浩 小林 哲夫 本村 慶信 セティジャジ ルーカスドニィ 高橋 亮平 米津 幸太郎 糸井 龍一 池見 洋明 実松 建造 HARIJOKO Agung SHERSTEN Anders IDRUS Arifudin WARMADA I Wayan DUNCAN Robert A.
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

インドネシア及びフィリピンの金・銅鉱徴地と地熱資源、タイ及びマレーシアの含REE花崗岩風化殼、フィリピンの斑岩銅鉱床および浅熱水性金鉱床についての地質調査を行い、鉱床生成条件の解析に基づく資源量と開発可能性の評価を行った。また、地質試料と室内実験データについて、地理情報システムとデジタルデータベースを併用した統合管理システムを構築した。
著者
渡邊 公一郎 米津 幸太郎 今井 亮 高橋 亮平 横山 拓史 中西 哲也 実松 健造
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

多くの鉱物・エネルギー資源を海外依存する我が国では、資源安定供給に向けて継続的に学術的な資源探査を行うことは必須であり、本研究では、レアメタル・金属・炭化水素資源を含む地下資源ポテンシャル評価のための新しい資源データモデル開発をアフリカ及び東南アジア各国の資源国で行った。結果、エジプト・シナイ半島の重希土類元素濃集帯、アルジェリア南部・ホガールでのレアメタル花崗岩体の発見、リビアでのリモートセンシングによる炭化水素資源の抽出を成し遂げた。東南アジア・モンゴルでは金、希土類元素、スズ、タングステン、モリブデンの新たな濃集地域の発見および既存鉱床の成因モデル開発を行い、探査・開発の指針を示した。
著者
岩崎 稔 八尾師 誠 大川 正彦 今井 昭夫 工藤 光一 金井 光太朗 小川 英文 米谷 匡史 篠原 琢 藤田 進 岩田 重則
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

国民国家内とそれを越える広域的空間として、南北アメリカ、アイルランド、ドイツ(旧東ドイツを含む)、オーストリア、フランス、イタリア、ベトナム、北朝鮮、韓国、中国、沖縄、日本を選択し、それらの「想起の文化」つまり過去の想起のあり方が、グローバル化・新自由主義の影響によって、大きく変容を遂げていることを、理論・方法論の構築ならびに事例解釈・思想史的分析を通じて明らかにした。それらの成果は世界各地の国際シンポジウム等で発表され、論文・著作として公刊された。
著者
今井 弘道 鈴木 敬夫 安田 信之 岡 克彦 國分 典子 鈴木 賢
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

16年度は、このプロジェクトを中心として、第五回東アジア法哲学シンポジウムを開催した(9月・札幌)。これはすでに何回も報告した通りであるが、日本国内からの参加者を始め、中国、各国、台湾その他を含めて100人を優に超える参加者があった、その中で、2006年には台湾で、第6回大会を行うこと、併せてそれを東アジア法哲学会の発会大会とすることが決議され、準備委員長として、本プロジェクトの代表者である今井が選出された。17年度は、上記第六回東アジア法哲学シンポジウム/東アジア法哲学会の発会大会が、行われた(主催・台湾大学、3月・台北)。中国、韓国、台湾その他を含めて150人を超える参加者があった。そこで、今井が理事長に選出された。これで、このプロジェクトで目標としてきた東アジアの法哲学の共同研究体制は基本的には完成し、大きな可能性が保障されることになった。18年度は、北京大学法学院から朱蘇力・張騏両教授を招待し、シンポジウム《中国における「生ける法」と「司法」を通しての法形成の可能性》を、名古屋大学と北海道大学で共催した。また上海政法学院教授の倪正茂教授を招いて「上海における住民運動と市民的法文化」とシンポジウムを行った。個々の成果については別記する。
著者
高村 博之 永井 昇 長谷部 健 浦出 雅昭 今井 美和 八木 雅夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.668-672, 2002-06-01
被引用文献数
12

今回,我々は消化管出血を契機に狭義のgastrointestinal stromal tumor(GIST)の多発が診断されたvon Recklinghausen病の1例を経験したので報告した.症例は46歳の男性.腹痛を伴う下血を主訴に近医より当科転院となり,精査の結果,空腸と回腸に多発するhypervascular tumorの存在が確認されたため開腹手術を行った.空腸と回腸に亜鈴状の粘膜下腫瘍の多発を認めたため小腸部分切除術を施行し,同腫瘍からの出血であることが確認された.この他にも小腸に小さな粘膜下腫瘍が多発していたため,これらを可及的に局所切除した.切除標本の病理検査より,小腸の腫瘍は大小を問わずすべてKIT receptor陽性,vimentin陽性,CD34陽性,actin陰性,desmin陰性,S-100陰性,NSE陰性で狭義のGISTのみであり,比較的サイズの大きいもののみlow grade malignancyと診断された.
著者
今井 邦英
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.9, pp.626-630, 2001-09-20
被引用文献数
3

クモ膜下出血で発症した右後交通動脈瘤の1例を報告した.症例は47歳, 男性で, 突然の頭痛, 意識障害で発症した.来院時のCTにて, クモ膜下出血と診断され, Hunt & Hessの分類ではGrade IVであり, 重篤な不整脈もみられたため, 腰椎ドレナージを留置後, 意図的晩期手術を予定した.その後, 意識レベルは徐々にアップし, 神経学的な改善を認めたものの, 発症後10日目に再出血を起こし, 19日目に死亡した.内頸動脈とは解剖学的関連のない, いわゆる真の後交通動脈瘤は稀であり, 渉猟し得るかぎり, 本例を含め19例であった.一方, 本例のように神経学的に重篤な症例においても, 血管内手術等の非侵襲的な治療を積極的に行ってゆくべきであると考えられた.
著者
今井 勝 島辺 清志 田中 健一 川名 健雄
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.345-351, 1994-06-05
被引用文献数
7

食用カンナは温・熱帯地域における生産力の高い作物の一つである. その高生産力の基礎として, 生産構造の個体発生に伴う変化を明らかにするために畦間1m, 株間0.5mとして4月下旬から11月中旬まで筑波大学の実験圃場で食用カンナを栽培した. その間, 個体群各層における光の分布を測定すると共に, 層別刈り取りを行って, 葉面積および植物体地上部の乾物の分布を調べた. 食用カンナの草高は9月中旬に最大値を示した後, 生育後期までほぼ同じ高さを保った. 葉面積指数は同時期までに10を越え, 11.2の最大値を示した後, 植物体の成熟に伴って漸減した. 群落の吸光係数は, 生育の初期に広葉型の1.34であったが, 生育の後期には0.4-0.5とイネ科型の値へと変化した. それは, 食用カンナが生育初期の葉面積指数が小さい時には太陽光を有効に利用するため, 水平葉を展開し, 個体発生に伴って草高と葉面積指数が大きくなると, 次第に直立的な葉を形成するためであった. また, 植物の生育に伴って発生する茎の位置および葉の方位角分布は, 葉群が光を最大限に受容するためのものと考えられた.
著者
今井 孝成 板橋 家頭夫
出版者
日本小児科学会
雑誌
日本小児科学会雑誌 (ISSN:00016543)
巻号頁・発行日
vol.109, no.9, pp.1117-1122, 2005-09-01
被引用文献数
20
著者
鈴木 晶子 小田 伸午 西平 直 金森 修 今井 康雄 生田 久美子 加藤 守通 清水 禎文
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

スポーツや音楽演奏や伝統芸能における「わざ」の修練・継承においては、(1)目習いと手習いの連動、(2)修練と継承の一体化が軸となっていた。(1)目習いにおいては単に視覚のみでなく様々な運動感覚が統合的に働くこと、また手習いにおいても自己の身体動作の実際と身体イメージとの間を繋ぐために表象・言語の力が大きく関与していること、(2)修練における経験の内在化が常に継承行為の一部となっていること、創造的模倣(ミメーシス)が、経験の再構成において広義の制作的行為(ポイエーシス)へと移行していく機構が認められることが解明された。
著者
今井 晴雄 岡田 章 渡邊 直樹 堀 一三
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

協力ゲーム分析の中心概念である提携について、多様な制約下での提携契約のあり方を比較検討し、これが非協力ゲームとのギャップを埋める上で重要であることを、理論を中心に実験や現実的な観察も交えて例証した。とくに、配分や行動についての提携機能の制限やその有効期間、不完備情報、動学的問題が影響することを一連の研究によって確認した。
著者
谷 明信 今井 光規 西村 秀夫 家入 葉子 尾崎 久男 澤田 真由美 柳 朋宏 内田 充美 矢橋 知枝
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

従来の英語史の研究では、15 世紀に成立し始めた標準英語を中心に研究がすすめられることが多く、通時的な変異と地域的な変異の関係などについては十分に検討がなされてきたとは言い難い。しかしながら、最近では、標準英語を中心とした英語史のみならず、地域的な変異すなわち英語の方言での歴史的研究を含めた、多くの人々の声の言語の歴史を検討する研究の必要性が叫ばれつつある。本研究は、コーパスを利用することにより、通時的な変異のみならず、地域的な変異をも検討することで、通時的変異と地域的変異の関係に従来以上に焦点をあてることが、英語史のより良い理解に貢献しうることを照明した。