著者
今泉 敏
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.46-53, 1998-08-30 (Released:2017-08-31)

Magnetoencephalography (MEG) measures weak magnetic fields generated by neuronal activities of the human brain during various information processing. It enables reseachers to estimate which part of the brain is active at which phase of information processing with high temporal and spatial resolutions without any bio-hazards. Neuromagnetic approaches to phonetics are providing new insights on neuronal mechanisms including bottom-up and top-down processes responsible for phonetic categorization and spoken language processing, based on which some of the controversial issues in conventional phonetics may be resolved in the future.
著者
古野 真菜実 今泉 修 日比野 治雄 小山 慎一
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

蓮の花托などの集合体に対する嫌悪はトライポフォビアと呼ばれる。トライポフォビアを誘発する視覚刺激の物理的要因については詳細な検討が行われているものの(Le et al., 2015),認知的要因については検討されていない。本研究では認知的要因について探索的に検討した。トライポフォビア喚起刺激(Le et al., 2015)に対する不快感評定実験の結果,集合体を有する物体が自然物か人工物か(e.g., 蓮かスポンジ)によって不快感が異なることが示唆された。さらに詳細に検討するため自然物・人工物の集合体画像からなる新規刺激を用いて不快感評定実験を行ったところ,自然物は人工物よりも不快感が強かった。以上の結果から,集合体を有する物体における自然物・人工物の違いがトライポフォビアに影響する可能性が示唆された。身体損壊や有害生物の連想からトライポフォビアが生じるとするならば(Cole & Wilkins, 2013),集合体を有する自然物はそのような連想を起こしやすい可能性がある。
著者
吉藤 和久 今泉 俊雄 宮田 圭 外山 賢太郎 野村 達史
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.203-208, 2004 (Released:2006-10-30)
参考文献数
18

Superficial siderosis (SS) of the central nervous system (CNS) is characterized by the deposition of hemosiderin on the surface of the CNS due to chronic and recurrent subarachnoid hemorrhage. This results in irreversible neurological deficits. We present a case of SS associated with an idiopathic meningeal cyst, dural ectasia, and scalloping of the vertebral bodies. A 51-year-old male presented with drowsiness and bloody cerebrospinal fluid. His medical records revealed perceptive hearing impairment that had developed in his early teens; generalized motor weakness, hypesthesia, and ataxia which had progressed over 10 years; and frequent episodes of transient disturbance of consciousness (drowsiness) since the age of 46. MRI revealed atrophy of the cerebellum, the brain stem, and the spinal cord with low signal intensity on their surfaces. This low signal intensity, indicating the deposition of hemosiderin, was more detectable by gradient echo T2*-weighted MRI than by other MRI conditions. A meningeal cyst at the level of Th1-2 and dural ectasia with scalloping of the C2-Th3 vertebral bodies were also revealed. It was considered that either of these two conditions could have led to the bleeding, because no other lesions were exposed. We did not continue with follow-up treatment, because he was bedridden and it was considered that no treatment would be effective in reversing his condition.
著者
海堀 正博 長谷川 祐治 山下 祐一 崎田 博史 中井 真司 桑田 志保 平松 晋也 地頭薗 隆 井良沢 道也 清水 収 今泉 文寿 中谷 加奈 柏原 佳明 加藤 誠章 鳥田 英司 平川 泰之 吉永 子規 田中 健路 林 拙郎
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.49-60, 2018-11-15 (Released:2019-11-15)
参考文献数
10
被引用文献数
8

In July 2018, heavy rain due to Typhoon Prapiroon affected western Japan and caused numerous sediment disasters such as landslides and debris flows in Hiroshima Prefecture. In a southern part of Hiroshima, approx. 8,500 slope failures occurred, and total number of sediment disasters were reported as approx. 1,250. Therefore, members of Japan Society of Erosion Control Engineering and Chuushikoku branch conducted field surveys in Hiroshima City, Aki Gun, Kure City, and Higashi-hirosima City. In Kawasumi area, Aki Gun, large rock which seemed to be core stone and diameter approx. 10 m moved down from the torrent, and at downstream side 6 m diameter rock seemed to hit the house with destructive power. In Aki-Gun, Saka-Cho, Koyaura area, one old stone masonry sabo dam was destroyed. We estimated the flow discharge from the investigation at the upstream of dam and considered the flow process from the flow traces around the dam. The results showed that the dam destroying process was as following. Firstly, the large rocks accumulated at the frontal part of debris flow collided and destroyed the right bank side wing, and then stone masonry product peeled off continuously. Furthermore, debris flows occurred from several streams in Koyaura and 1-1.5 m sediment deposition occurred at downstream residential area. In Higashihiroshima City Kurose-cho, many collapses and debris flows occurred around Hiroshima International University and there were no casualties fortunately. In Kurose-cho, most of the collapses seemed to occur from the top and ridge of the mountains with gentle slope around 15 degrees.
著者
今泉 有美子 杉原 俊一 鈴木 康太 市場 友梨 八反田 葉月 本間 憲治 篠原 悠人
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】脳卒中片麻痺者において,一時的な移動手段として車いすを利用することは多い。その際,非麻痺側上肢ではハンドリムを回し,下肢では床面を蹴り駆動するため,非対称な動作を助長している場面を多く経験する。片麻痺者の車いす座位について,先行研究では殿部荷重パターンの報告は散見されるが,車いす駆動中の座圧の変化について言及している報告は少ない。本研究の目的は,健常成人にて片麻痺患者を模した環境を設定して片手片脚駆動を実施し,前額面上で座位姿勢の影響を明らかにすることである。【方法】対象は健常成人6名(性別:男性3名・女性3名,年齢:25.7±0.8歳)とした。計測にはモジュラー車いす(松下電工株式会社製)を使用し,前座高は下腿長+2cm,後座高・フットサポートの長さは下腿長,アームサポートの高さは肘頭高+2cmに調整した。課題は右上下肢での片手片脚駆動による直進走行とし,座クッションを外したシートの上にベニヤ板を水平に設置(以下,水平条件),ベニヤ板を右側が高くなるよう5°傾斜させて設置(以下,傾斜条件),座面の中心がたわむように調整した張り調整シートのみ(以下,たわみ条件)の3条件で,10秒間の安静座位を保持した後,任意のスピードで5メートル駆動するよう指示した。計測項目は,静止状態からの座圧中心の変化と,体幹の前額面上での傾斜角度とした。座圧中心には,3条件の座面にSRソフトビジョン数値版(東海ゴム工業製)を設置して測定した。体幹の傾斜角度は,胸骨部の高さで巻きつけた加速度センサーと,デジタルビデオカメラで撮影した正面画像から,両肩峰を結んだ線と水平面のなす角をImage Jを使用して測定した値を使用した。分析方法としては,右手でハンドリムを掴んだ瞬間からハンドリムから手を放した瞬間までを1駆動周期とし,1駆動周期中と安静状態の座圧中心の差の平均値と,1駆動周期の駆動開始時と駆動終了時の体幹傾斜角度の差(以下,体幹傾斜角度の変化)の平均値を各条件で比較した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究の実施にあたり,被験者に研究の趣旨と測定の方法について説明を行い,協力の同意を得た後に測定を行った。【結果】座圧中心の安静状態と1駆動周期中の差の平均は,水平条件で右方向へ6.9±2.2mm,傾斜条件で右方向へ9.6±2.2mm,たわみ条件で右方向へ3.5±1.0mmであり,傾斜条件で駆動側への偏倚が大きく,たわみ条件では小さかった。加速度センサーで測定した体幹傾斜角度の変化の平均は,水平条件で右方向へ0.5±2.8°,傾斜条件で右方向へ1.1±1.0°,たわみ条件で左方向へ1.1±1.2°であり,傾斜条件で駆動側への傾斜が大きく,たわみ条件では駆動側と反対側への傾斜がみられた。画像から計測した体幹傾斜角度の変化の平均は,水平条件で右へ10.1±0.7°,傾斜条件で右へ11.7±1.0°,たわみ条件で右へ8.0±1.5°であり,傾斜条件で駆動側への傾斜が大きく,たわみ条件では小さかった。【考察】水平条件と傾斜条件では,駆動中の座圧中心の駆動側への偏倚,体幹の駆動側への傾斜を認め,いずれも傾斜条件で大きかった。健常者であっても,片手片脚駆動では体幹の前額面上での非対称性が生じると考えられた。また,傾斜条件は片麻痺者に見られる麻痺側股関節周囲筋の筋緊張低下や股関節外旋などによる骨盤の麻痺側への傾斜を模擬的に設定していることから,片麻痺者の片手片脚駆動では,骨盤の傾斜角度により体幹の非対称性が増強することが示唆された。今回たわみ条件では,座圧中心の偏倚と体幹傾斜角度ともに他の2条件に比べ小さかった。座面がたわんでいる環境では,駆動方向の重心移動が困難であることが考えられた。【理学療法学研究としての意義】脳卒中片麻痺者では,将来的に歩行を獲得する場合においても一時的に車いすを移動手段として利用する症例は多い。歩行獲得に向けて理学療法を進めていく上でも,車いす駆動中の身体の非対称性を軽減していくことは重要であると考えられる。車いすの片手片脚駆動での体幹の非対称性を明らかにすることで,車いす駆動の指導方法を検討する一助となると考えられる。
著者
長谷川 直哉 今泉 貴史
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-53, no.7, pp.1-7, 2021-05-06

Web アプリケーションの脆弱性の 1 つに SQL インジェクションがある.本研究では SQL インジェクションの対策手法として DPS(Dual Proxy to prevent SQL Injection Attack)を提案し実装した.DPS は HTTP プロキシとデータベースプロキシを組み合わせたアーキテクチャであり Web サーバを挟む構成になっている.DPS では,ユーザインプット(ユーザからの入力値)と Web アプリケーションから送られるクエリを基に SQL インジェクションを検知する.DPS が実際に SQL インジェクションを防止できるかどうかを確かめるための実験を行い,DPS が SQL インジェクションを防げることを確認した.
著者
佐藤 徹也 焦 玉栄 今泉 洋 狩野 直樹
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.215-219, 2011 (Released:2011-05-28)
参考文献数
8

水素の放射性同位体であるトリチウム(T)はプロチウム(H)と化学的挙動が類似しており,トレーサとして用いられている。一つの応用例として,無機結晶中の結晶水の挙動を明らかにするためにこの方法を適用した。用いた試料は硫酸銅五水和物である。この化合物をT標識し,これを脱水することで結晶水の脱離の情報を得た。その結果,得られた観測値を基に物質量と比放射能の挙動とを相互比較した結果,以下のことが明らかになった。(1)用いたT濃度の範囲では,加えたHTO水のT濃度は結晶水全体の挙動に影響を与えない。(2)硫酸銅五水和物は3種類のエネルギー的に異なる結晶水を持つことをTトレーサ法で確認できる。(3)結晶水のT濃度は配位する位置によって異なり,HTO分子は結合力の弱い位置には配位しにくい。(4)Tトレーサ法が物質中の結晶水の挙動を解明するのに役立つ。
著者
今泉 祐治
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.101, no.4, pp.219-231, 1993 (Released:2007-02-06)
参考文献数
54
被引用文献数
5 4

Membrane ionic currents were recorded using whole cell and patch clamp techniques in smooth muscle cells isolated from various organs to clarify the mechanisms underlying the diversity of membrane excitability. Components of inward and outward currents upon depolarization were resolved from one another kinetically or pharmacologically and were analyzed and compared in these cells under the same conditions. Cells were isolated from the ureter (UT), urinary bladder (UB), vas deferens (VD), aorta (AT), pulmonary artery (PA), taenia caeci (TC) and ileum (IL) of the guinea pig; the femoral artery (FA), portal vein (PV) and iris sphincter (IS) of the rabbit; the stomach fundus (SF) of the rat; the trachea (TR) of the dog and the coronary artery (CA) of the pig. Action potentials were elicited by depolarization in cells from UT, UB, VD, TC, IL, SF and PV, but not in those from AT, PA, FA, IS, TR and CA. Currents identified included Ca2+ currents, Na+ current, Ca2+-dependent K+ current, two kinds of delayed rectifier K+ currents which were pharmacologically distinguished by sensitivity to 4-aminopyridine, and Ca2+-independent A-type transient K+ current. The membrane excitabitiy including the action potential configuration in each cell type can be roughly explained by a combination of these currents, taking their amplitude and features into consideration.
著者
吉田 陽 今泉 洋 佐藤 貴之 狩野 直樹
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.121-128, 2009 (Released:2009-04-28)
参考文献数
18
被引用文献数
3 3

トリチウム(3H又はT)が生態系に及ぼす影響を定量評価するために,三つのアミノ酸(L-チロシン,L-フェニルアラニン,L-2-フェニルグリシン)とHTO蒸気との間の水素同位体交換反応(T-for-H交換反応)を,50~70℃の温度範囲で固-気反応の形で観測した。得られたデータにA"-McKayプロット法を適用することで,この反応における各官能基の速度定数(k)を求め,相互比較した結果,以下のことが明らかになった。(1)各アミノ酸の官能基の反応性は温度の上昇と共に増加する。(2)T-for-H交換反応において,本研究で用いたアミノ酸の官能基の反応性は,L-チロシン<L-フェニルアラニン<L-2-フェニルグリシンの順であることがわかった。(3)L-チロシンにおける各官能基の温度依存性はCOOH基<OH基<NH2基であり,OH基の反応性はNH2の反応性の約3.8倍であり,更にCOOH基の反応性はNH2基のそれの約2.0倍である。(4)NH2基の反応性に及ぼす置換基の影響はCOOH基の反応性に及ぼすものに比べ大きい。(5)A"-McKayプロット法を使うことで,マスク剤等を使わないで,Tが物質に取り込まれる挙動を非破壊的,実態的,定量的に解析することが可能である。(6)本研究で得られた結果は,T汚染の防止やTの挙動を明らかにする上で利用できると思われる。
著者
中村 文 今泉 敏
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.264-273, 2011-12-31 (Released:2020-06-25)
参考文献数
32

【目的】あらかじめ提示される音声情報の有無による飲料の種類の予測の成否に,嚥下運動がどう影響されるか,影響に年齢差があるかどうかを検討した.【対象】 摂食・嚥下障害のない健常若年成人(11 名,平均21.7 歳)と健常高齢成人(8 名,平均68.4 歳)を対象とした.【方法】実験刺激として,5 ml の飲料(りんごジュース,水,青汁)および音声情報(ringo,omizu,aojiru)を使用した.3 種類の飲料と3 種類の音声情報の組み合わせによって,音声情報と実際に投入される飲料が一致する場合と一致しない場合が生じるようにした.音声情報を提示した1 秒後に,対象者の口腔に飲料をシリンジで注入した.対象者は5 ~ 7 秒間口腔内に飲料を保持した後,純音を合図に,一気に飲み込んだ.その間の嚥下運動を,嚥下音と表面筋電図(舌骨上筋群および舌骨下筋群の筋活動を測定)を介して計測した.従属変数を各嚥下運動パラメーターとした2 種類の分散分析を行った.分析1 では,音声情報無条件および音声情報有条件の結果を分析対象とし,独立変数を飲料と,音声情報の有無,年齢とした.分析2 では,音声情報有条件の結果のみを分析対象とし,独立変数を飲料と,音声情報の種類,年齢とした.【結果】年齢にかかわらず,音声情報を提示しない場合に,舌骨上筋群最大値が減少した(p<.05).高齢者では,音声情報を提示した場合には,飲料と一致しない音声情報を提示した場合に,嚥下音潜時‐舌骨下筋群潜時が有意に短縮した(p<.05).【考察】口腔内投入の事前合図がない場合に,嚥下運動時の筋収縮が不十分となり,高齢者では,予測と異なる飲料を飲み込む場合に,嚥下反射が弱化することが示唆された.高齢者では,音声による事前情報に基づく予測と知覚情報が異なる場合に,摂取物認知の情報処理過程が混乱し,結果として嚥下運動も変化するものと考えられた.
著者
木暮 道夫 今泉 俊秀 増田 浩 松山 秀樹
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.119-124, 2003-07-30 (Released:2012-11-13)
参考文献数
19

60歳男性.以前より,胆嚢にびまん性のコンステローシスを指摘されていた.右上腹部の腫脹・疼痛を主訴に,当院を受診した.腹部エコーにて胆嚢の腫大,壁肥厚に加え,全域にわたる最大径2mm程度の hyperechoic な小隆起性病変を多数認め,胆嚢炎,コレステローシスと診断した.結石やポリープは指摘できなかった.切除標本で胆嚢全域にコレステローシスが見られ,胆嚢は腫大し,壁はやや肥厚していた.胆嚢頸部から胆嚢管にかけての内腔に, 折れ重なるように黄白色のコレステローシスが群生していた. 胆嚢管壁も一部肥厚が見られた.これらのことから,胆嚢管から胆嚢頸部にかけてのコレステローシスにより,胆嚢内の胆汁の流出が妨げられ,胆嚢炎を生じたものと考えられた.胆嚢管,胆嚢頸部のコレステローシスの存在は,コレステロールポリープの脱落・嵌頓例と共に, 胆嚢炎の原因となりうると考えられた.
著者
堤 大三 藤田 正治 宮本 邦明 今泉 文寿 藤本 将光 国領 ひろし 泉山 寛明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_721-I_726, 2011 (Released:2012-03-14)
参考文献数
5

In August 2009, the Typhoon Morakot hit Taiwan and caused an extraordinary amount of rainfall. Due to the heavy rainfall, a large number of floods and sediment-related disasters occurred all over the island. In Shaolin Village, Kaohsiung County, a huge landslide occurred around 6 am August 9, destroyed the village completely and killed more than 500 people. After the landslide, authors visited the landslide site and investigated the landslide scour to collect information on factors affecting landslide occurrence such as exposed bedrock and soil layer conditions. GIS analysis using DEM data were also conducted to determine the sliding domain. According to the site investigation and GIS analysis, rainwater infiltration analysis and slope stability analysis were conducted. Results of the analysis suggested that the landslide domain, about 1,200 m long, 500 m wide and 80 m deep was collapsed by multi phased manner.
著者
木田 光広 長谷川 力也 松本 高明 三島 孝仁 金子 亨 徳永 周子 山内 浩史 奥脇 興介 宮澤 志朗 岩井 知久 竹澤 三代子 菊地 秀彦 渡辺 摩也 今泉 弘 小泉 和三郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.3, pp.456-463, 2015-03-05 (Released:2015-03-05)
参考文献数
26
被引用文献数
1

胆嚢腺筋症は,1960年にJutrasによりRASの増殖とそれにともなう胆嚢壁の肥厚を引きおこす病態として報告され,武藤らにより胆嚢壁1 cm以内にRASが5個以上存在し,壁が3 mm以上に肥厚したものと定義された.病変の広がりにより胆嚢全体に瀰漫性に存在するびまん型(G型)diffuse type,胆嚢頸部や体部あるいは両方にまたがり輪状に存在し,胆嚢を2つに分節する分節型(S型)segmental type,胆嚢底部に限局的に存在する底部型(F型)fundal typeの3つに分類される.画像診断では胆嚢癌との鑑別が重要で,胆嚢腺筋症は胆嚢壁の肥厚と,拡張したRASが診断の決め手であり,簡便な腹部超音波検査でスクリーニングされ,診断能の高い検査は超音波内視鏡(EUS)とMRIである.胆嚢腺筋症は,40~60歳代の男性に多く診断される.胆嚢癌との関係は疑われているがコンセンサスは得られていない現状では,定期的な経過観察が必要と思われる.
著者
今泉 飛鳥
出版者
Business History Society of Japan
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.3_31-3_56, 2010 (Released:2014-05-23)

The purpose of this article is to observe the effects of land-use regulation on industrial agglomeration, focusing on the machinery industry in Tokyo, and to investigate the net outcome of the merits of industrial clustering and the land-use regulation.In Japan, city planning started in the 1920s. Zoning is one of the measures of city planning, which classified areas into those for residence, commerce, and industry. For manufacturers, it was restrictive in the sense that limits of factory size were imposed in the residential and commercial areas. In Tokyo City, there were six wards where machinery factories had been agglomerated for more than 20 years. Out of them, only two wards were designated as the industrial areas and most industrial areas located in counties surrounding Tokyo City. Consequently, many manufacturers resisted to the zoning, which made the government ease the regulation.Econometric analyses show that designation as residential, commercial and undecided areas, especially residential area, had a negative effect on the size of factory and the number of entries. On the other hand, despite of the negative effects of zoning, according to the documents which the manufacturers filed for petition, they hesitated to move to the counties outside Tokyo City. They complained that in the counties infrastructures were lacked and access to the labor market and supporting industries was difficult. These facts indicate that the merits of industrial clustering, especially the external economy, which Alfred Marshall emphasized, significantly affected the location decision of manufacturers in prewar Tokyo. As a result, zoning failed to expel factories from areas not for industry in Tokyo City.On the other hand, in the counties, unlike in Tokyo City, zoning succeeded to concentrate factories into the industrial areas, to some extent. That was because the start of zoning preceded the formation of clusters in counties.
著者
今泉 裕美子
出版者
法政大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

<資料収集>本研究の対象時期を含めた日本の南洋群島統治資料の所在をほぼ確認し、複写することができた。従来、南洋群島資料は殆どないとされてきたが、戦後アメリカのミクロネシア信託統治行政の資料収集について情報を得、アメリカが押収した資料、また日本への返還文書、それぞれの所在を確認できた。よって、貴会の特別研究員時代の調査研究とあわせて、アジア及び太平洋島嶼地域、アメリカにおける南洋群島資料の所在について、その全体像をほぼ明らかにすることができたことは、南洋群島研究の進展に大きく貢献するものと考える。とくにハワイ大学調査では米国押収資料のほとんどを複写できたこと、また、ハワイ以外の未発掘資料の所在も確認でき、今後の研究計画もたてることができた。以上のような経緯から本研究の資料調査では、結果的には海外における資料調査に重点が置かれることになった。一方、聴き取りでは、引揚者によるミクロネシアへの慰霊団に同行したほか、ミクロネシア、沖縄、東京近郊で調査を進め、日本統治下の人々の世代別、性別、仕事別の諸分野について聴き取りを行なうことができた。<研究発表>海外での資料を多く確認できたため複写手続に時間がとられた。とくに平成13年9月のテロ事件以後、通信や交渉が滞り、資料の入手段階で通常以上の時間が必要となり、論文作成の遅延をもたらさざるを得なかった。すなわち、研究計画に示したように、日本の国際連盟脱退からアジア・太平洋戦争までの時期について、資料分析が行なえたのは第二次世界大戦開始前後までとなった。しかし、アジア・太平洋戦争期の政策や、実態についての分析は現在進行中であり、本奨励研究の研究成果には間に合わなかったにせよ、今後の研究発表がすでに具体的な日程に上っている。また、論文化できた研究成果には、現地住民政策を委任統治の「島民ノ福祉」向上という委任統治条項履行という観点から分析したもの、および、南洋移民研究のサーヴェイがある。前者では、南洋群島統治における1930年代の現地住民政策の特徴を、日本化政策の浸透が福祉向上という解釈で行なわれたことを明らかにした。後者では、南洋群島移民に関する国内外の研究動向について、本奨励研究対象期の日本の南洋群島統治政策と移民政策および移民の実態から検討し、自らの研究の位置づけを行った。平成14年3月1日には「沖縄県地域史協議会」にて「日本の南洋群島政策と移民」と題する講演会を行い、南洋群島統治と移民との相互関連性について本奨励研究の成果を口頭報告した。以上の作業によって従来報告者が進めてきた研究、すなわち海軍統治期、南洋庁統治期の1920年代に加えて、1930年代の統治研究を行いえたので、今後は、日本の南洋群島統治全期のモノグラフ作成をめざしたい。