著者
今泉 史生 金井 章 蒲原 元 木下 由紀子 四ノ宮 祐介 村澤 実香 河合 理江子 上原 卓也 江﨑 雅彰
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0342, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】足関節背屈可動性は,スポーツ場面において基本的な動作である踏み込み動作に欠かせない運動機能である。足関節背屈可動性の低下は,下腿の前方傾斜が妨げられるため,踏み込み時に何らかの代償動作が生じることが考えられ,パフォーマンスの低下やスポーツ外傷・障害につながることが予想される。スポーツ外傷・障害後のリハビリテーションの方法の一つとして,フォワードランジ(以下,FL)が用いられている。FLはスポーツ場面において,投げる・打つ・止まるなどの基礎となる動作であり,良いパフォーマンスを発揮するためにFLは必要不可欠な動作であると言える。しかし,FLにおいて足関節背屈可動域が動作中の下肢関節へ及ぼす影響は明らかではない。そこで,本研究は,FLにおける足関節背屈可動域が身体に及ぼす生体力学的影響について検討した。【方法】対象は,下肢運動機能に問題が無く,週1回以上レクリエーションレベル以上のスポーツを行っている健常者40名80肢(男性15名,女性25名,平均年齢17.6±3.1歳,平均身長162.9±8.4cm,平均体重57.3±8.7kg)とした。足関節背屈可動域は,Bennellらの方法に準じてリーチ計測器CK-101(酒井医療株式会社製)を用いて母趾壁距離を各3回計測し最大値を採用した。FLの計測は,踏み込み側の膝関節最大屈曲角度は90度と規定し,動作中の膝関節角度は電子角度計Data Link(バイオメトリクス社製)を用いて被験者にフィードバックした。頚部・体幹は中間位,両手は腰部,歩隔は身長の1割,足部は第二中足骨と前額面が垂直となるように規定した。ステップ幅は棘果長とし,速度はメトロノームを用いて2秒で前進,2秒で後退,踏み出し時の接地は踵部からとした。各被検者は測定前に充分練習した後,計測対象下肢を前方に踏み出すFLを連続して15回行い,7・8・9・10・11回目を解析対象とした。動作の計測には,三次元動作解析装置VICON-MX(VICONMOTION SYSTEMS社製)および床反力計OR6-7(AMTI社製)を用い,足関節最大背屈時の関節角度,関節モーメント,重心位置,足圧中心(以下,COP),床反力矢状面角度(矢状面での垂線に対する角度を表す),下腿傾斜角度(前額面における垂線に対する内側への傾斜)を算出した。統計解析は,各算出項目を予測する因子として,母趾壁距離がどの程度関与しているか確認するために,関節角度,重心位置,COP,床反力矢状面角度を従属変数とし,その他の項目を独立変数として変数減少法によるステップワイズ重回帰分析を行った。【倫理的配慮,説明と同意】本研究の実施にあたり被検者へは十分な説明をし,同意を得た上で行った。尚,本研究は,豊橋創造大学生命倫理委員会にて承認されている。【結果】母趾壁距離が抽出された従属変数は,床反力矢状面角度,足関節背屈角度,股関節内転角度であった。得られた回帰式(R≧0.6)は,床反力矢状面角度(度)=0.015×重心前後移動距離(mm)+0.299×母趾壁距離(cm)-0.211×膝関節屈曲モーメント(Nm/kg)-12.794,足関節背屈角度(度)=33.304×体重比床反力(N/kg)+0.393×足関節内反角度(度)+0.555×母趾壁距離(cm)+1.418,股関節内転角度(度)=0.591×下腿内側傾斜角度(度)-0.430×足尖内側の向き(度)+0.278×股関節屈曲モーメント(Nm/kg)-0.504×母趾壁距離(cm)+1.780であった。【考察】FLにおける前方への踏み込み動作において,母趾壁距離の大きいことが,床反力矢状面角度の後方傾斜減少,足関節背屈角度を増加させる要因となっていた。これは,足関節背屈角度が大きいと下腿の前方傾斜が可能となり,前脚に体重を垂直方向へ荷重しやすくなったことが考えられた。また,母趾壁距離と股関節内転角度との間には負の関係が認められた。これは,足関節背屈角度の低下により下腿の前方傾斜が妨げられるため,股関節内転角度を増加させて前方へ踏み込むような代償動作となっていることが原因である考えられた。この肢位は,一般的にknee-inと呼ばれており,スポーツ動作においては外傷・障害につながることが報告されているため,正常な足関節背屈可動域の確保は重要である。【理学療法学研究としての意義】FLにおける足関節背屈可動域が身体に及ぼす生体力学的影響を明らかにすることにより,スポーツ外傷・障害予防における足関節背屈可動域の重要性が示唆された。
著者
小澤 由嗣 今泉 敏
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.5-14, 2004-12-31 (Released:2017-08-31)

Recent advances in neuro-cognitive and brain-imaging studies on speech communication are reviewed and their potential contributions to phonetic science are discussed. Topics are referred from brain imaging research on the role of emotional prosody for mind reading from speech, and on the neural processes of reading and sentence generation, as well as acquisition mechanisms of phonetic categories and neural plasticity.
著者
今泉 良紀 篠埜 功
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.1, 2017-12-12

パックラット構文解析ではLALR(1)よりも強力な形式文法であるParsing Expression Grammar(以下PEG)によって構文解析を行う.PEGによる文法規則には曖昧さがなく,プログラミング言語の構文の記述やその処理系の作成に際し非常に有用である.既存のPEGベースの構文解析器では直接文字列を入力として受け付けるが,字句解析と構文解析を分けたい場合にそのままでは使用に適さない.たとえば,字句ベースのマクロ処理系であるCプリプロセッサを実装する際,マクロ展開後のコードに再度マクロ展開の処理が行われうる.その結果,マクロ展開の過程で同じレクシムに対して字句解析を複数回実行する場合がある.これを避けるためにPEGベースの構文解析器を使用しないとすると,字句解析や構文解析用にPEG以外の形式文法を学んだりその処理系を導入したりする必要がある.そこで文字列だけでなく字句列などを入力できるパックラットパーサーコンビネータをC++で実装し,本発表では実装の詳細について報告する.この実装を用いて生成した構文解析器はchar型だけでなく任意の型を返す前方反復子(Forward Iterator)を入力として受け付ける.結果はtuple・variant・optional・expectedなどを組み合わせたデータ構造として得られ,意味規則によって自由に変換することが可能である.
著者
松田 時彦 山崎 晴雄 中田 高 今泉 俊文
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 = Bulletin of the Earthquake Research Institute, University of Tokyo (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.795-855, 1981-03-07

The Rikuu earthquake (M = 7. 2) occurred in the Mahiru Mountains in Tohoku district on 31 August 1896. Associated with the earthquake, reverse faults appeared on the surface along the western and the eastern feet of the Mahiru Mountains (Table 1 and Fig. 1), which are known as Senya and Kawafune earthquake faults (YAMASAKI, 1896), respectively. This was the largest on-land surface faulting of reverse fault type among events in historical time in Japan. These surface faults were re-studied.

1 0 0 0 OA 心身脳問題

著者
田中 彰吾 浅井 智久 金山 範明 今泉 修 弘光 健太郎
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.90, no.5, pp.520-539, 2019 (Released:2019-12-25)
参考文献数
123

This paper reviews past research on bodily consciousness and its neural representations, as well as current research on the body, self, and brain. In the early 20th century bodily consciousness was first conceptualized as body schema and body image. Empirical findings on phenomena such as phantom limbs suggested that body consciousness could be reduced to body representations in the brain. Body schema and body image have firm foundations in related brain areas including somatosensory and motor cortices, although they cannot be completely reduced to neural processes. In addition, the body image can be better categorized into two aspects (body semantics and body topology) that correspond to different streams of neural processing. Finally, we explored the self that emerges through interactions between the sense of body ownership and the sense of agency. The subjective sense of the self could well be the result of the bottom-up integration of multiple body representations.

1 0 0 0 OA 故実叢書

著者
今泉定介 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.武家名目抄(塙保己一), 1906
著者
今泉 容子
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文芸言語研究 文芸篇 (ISSN:03877523)
巻号頁・発行日
no.39, pp.124-86, 2001

食べる女。飲む女。料理する女。女が日本のテレビコマーシャルのなかでクローズアップされるとき、それが食のシーンであることが多い。女は長いあいだ料理をつくるひとであり、その材料を買いに行くひと ...