著者
加藤 郁子 佐藤 忠 田中 久美子 横山 郁美 大川 貴子
出版者
福島県立医科大学看護学部
雑誌
福島県立医科大学看護学部紀要 = Bulletin of Fukushima Medical University School of Nursing (ISSN:13446975)
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-12, 2019-03

【研究目的】精神科病院の看護師が,がんを併発した精神疾患患者に関わる際に感じる困難の実態を明らかにすること.【研究方法】A県の精神科病院に勤務し,がんを併発した精神疾患患者に関わった経験がある看護師・准看護師を対象に,自記式質問紙による実態調査を行った.調査項目は対象者の基本属性,看護ケアの困難感(6要因25項目),がんを併発した精神疾患患者と関わるために必要な教育のニーズ(3要因12項目)である.【結果】分析対象は138名.看護ケアの困難感では,〈患者のセルフケア〉,〈家族による支援〉について70%以上の看護師が難しいと感じていた.がん看護の基本的な知識と精神疾患患者への応用についての教育ニーズでは,80%以上の看護師が必要性を感じていた.【結論】精神看護とがん看護に携わる看護師が情報交換を行い,相談できる体制を作ることが看護ケアの困難感軽減につながると考える.
著者
山田 浩喜 佐藤 忠彦
出版者
日本マーケティング・サイエンス学会
雑誌
マーケティング・サイエンス (ISSN:21874220)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.17-41, 2012 (Released:2013-07-30)
参考文献数
37

本研究の目的は,消費者の百貨店の小売ミックスに対する期待やパフォーマンス評価が店舗満足に対してどのように影響するかを明らかにすることである。本研究では,それら小売ミックスに対する期待やパフォーマンス評価をその形成メカニズムをもモデル化することにより,モデル内に説明変数として取り込んでいる。提案するモデルは,階層ベイズモデルの枠組みでモデル化し,その推定にはマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いた。検証の結果,提案するモデルの有効性が確認できた。また,個別対応型の百貨店マーケティング実務に対して,有効な知見が獲得できている。
著者
三上 博史 周 伝久 高橋 千一郎 佐藤 忠夫 嶋影 和宜
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
資源と素材 (ISSN:09161740)
巻号頁・発行日
vol.110, no.4, pp.313-318, 1994
被引用文献数
2

Vanadium diboride (VB<SUB>2</SUB>) film has been synthesized on mild steel and transparent quartz substrates by CVD method, which was carried out at the temperature range of 1073 to 1223K with the hydrogen reduction of VOCl<SUB>3</SUB>-BCl<SUB>3</SUB> mixture under the chemical erquivalent ratio regions of 10 to 40 for H<SUB>2</SUB>-VOCl<SUB>3</SUB> gases and of 40 to 120 for H<SUB>2</SUB>-BCl<SUB>3</SUB> gases. VB<SUB>2</SUB> film involving both Fe<SUB>2</SUB>B and FeB was synthesized on a mild steel substrate because a mild steel plate was borided with BCl<SUB>3</SUB> gas. On the other hand, pure VB<SUB>2</SUB> layer film was prepared on a transparent quartz substrate atthe temperature above 1173K. Futhermore, VB<SUB>2</SUB> film having high orientation and crystallization could not be prepared on a mild steel substrate. However, smooth surface VB<SUB>2</SUB> film having high crystallization and micro-vickers hardness of about 2800Hmv could be synthesized on a transparent quartz substrate at the temperature of 1173K under the conditions of chemical equivalent ratio of 40 for H<SUB>2</SUB>-VOCl<SUB>3</SUB> gases and of 80 for H<SUB>2</SUB>-BCl<SUB>3</SUB> gases.
著者
佐藤 忠信
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.463-473, 2014 (Released:2014-11-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

地震動位相を線形位相遅れとそれからの変動部に分解したときに,波動が伝播する媒質の不均質性に内在する自己相似性が,位相変動部における低振動数側での位相の増加傾向と高振動数側でのそれとの間に相似性を発現させるという仮説を立て,それから必然的に導出される位相の確率特性を数理的に明らかにし,最も単純な場合に,それが非整数ブラウン運動過程としてモデル化できることを示す.この結果が,実地震動位相の解析を通してこれまで得られている知見と一致していることを述べた上で,地震動位相の不確定性が地震動振幅の減衰特性として評価できること,さらに,単純な断層破壊過程と局所的地盤伝達関数を用いた強震動模擬モデルを利用して,位相の不確定性が強震動の振幅特性に及ぼす影響をHurst指数により定量的に評価できることを示す.
著者
佐藤 忠宏
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会誌 = WASTE MANAGEMENT RESEARCH (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.136-141, 2006-05-31
参考文献数
6

ライフスタイルや消費者意識の変化, 環境問題への意識向上により, 家電製品の顧客ニーズは量の時代から質の時代に入り, 他とは異なった個性を重んじる傾向や所有に拘らない意識が台頭し, 折りしも地球環境問題として持続可能な発展をコンセプトに, モノを所有する時代からサービスや価値を消費する時代へとサービス経済への移行の重要性が叫ばれ始め, 特に, 特定家庭用機器商品化法 (通称家電リサイクル法) の2001年4月完全実施を控え, 消費者の意識変革とリサイクル料金負担義務化を背景に, 2000年10月から消費者にとっても生産者にとっても, 『一石二鳥』の新しい環境ビジネスとして中長期使用の家電レンタルビジネスを開始しました。これは, 使用者の初期費用負担軽減・期間中の修理代無料や廃棄処分費用負担不要の直接効果に加えて環境負荷低減の潜在力をも有し, 資源を無駄にしない循環型社会に結びつく効果が期待されます。
著者
宮津 和弘 佐藤 忠彦
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.161-182, 2015
被引用文献数
1

本研究は,心理的財布と関連して,消費者の心的構成を考慮した購買点数の生起メカニズムをモデル化し,その現象を明らかにすることを目的とする.本研究では,①消費者の購買時における心的状況を表す心的負荷,②心的負荷と閾値パラメータの大小関係で心理的財布の切換が生じる構造を表現する階層ベイズ閾値ポアソン回帰モデルによる購買点数生起メカニズムの2つをモデル化する.モデルの推定は,マルコフ連鎖モンテカルロ法で実施する.小売店舗のID付POSデータを用いて実証分析した結果,消費者の購買意思決定には購買時の心的状況が間接的に影響し,心理的財布の違いによって購買点数の生起メカニズムに差があることを示した.また,副次的であるが,提案モデルを用いると消費者ごとの給料日が推定できることも示した.
著者
竹永 勇治 縄田 雅裕 坂田 信行 瀬沼 勝 渡辺 泰三 佐藤 忠司 土佐 哲也
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.204-206, 1991
被引用文献数
1

The removal of pyrogen using immobilized histidine by a batchwise method was investigated. The pyrogen adsorption depended on ionic strength and was influenced by the shaking speed. The concentration of pyrogen in liquid phase decreased to less than 0.1 ng/cm<SUP>3</SUP> from 20 ng/cm<SUP>3</SUP> by batchwise adsorption with the immobilized histidine when the ionic strength was lower than 0.10 mol/dm<SUP>3</SUP>. This indicates that pyrogen could be removed practically by batchwise adsorption.
著者
佐藤 忠夫 堀米 毅 上田 幹人
出版者
The Surface Finishing Society of Japan
雑誌
表面技術 = The Journal of the Surface Finishing Society of Japan (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.640-645, 2000-06-01
被引用文献数
1

TiB<sub>2</sub> and TiN films were coated by chemical vapor deposition on SKD 61 steel to improve the corrosion resistivity of a diecasting machine in a melted aluminum alloy. The protectivity of the film in the melted aluminum alloy was examined by an immersion test at 900°C and a thermal cycle test between room temperature and 900°C. TiN film, which serves as a binder, greatly improves the adhesion of TiB<sub>2</sub> film on the steel substrate. The thermal cycle test indicated that the optimum thickness of TiB<sub>2</sub> and TiN layers is at 4 and 6μm, respectively. Compared to ion-nitrized steel, steel coated by TiB<sub>2</sub>/TiN exhibits significantly higher degree of corrosion resistivity.
著者
堀 敦史 石川 裕 NolteJörg 原田 浩 古田 敦 佐藤 忠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.106, pp.25-32, 1994-12-08

超並列OSにおけるプロセス間通信では,仮想記憶管理機構の技法を用いたプロセス間共有メモリによるプロセス間通信の高速化技法が必ずしも使えないことや,プロセスのスケジューリングに注意しないと効率的なプロセス間通信が実現できないなどといった,逐次マシンのOSとは異なる側面を持っている.本稿では,超並列OS上での効率的なプロセス間通信を実現するために,"buddy"と"alternate"という2種類のプロセスグループを提案する.Buddyプロセスグループはパイプライン処理,alternateプロセスグループはプロセス間共有メモリを可能とする.同時に,alternateプロセスグループを用いたスケーラブルな並列デバッガ実行モデルの提案も併せておこなう.Inter-process communication on a massively parallel operating system have some different aspects from that on a sequential system. For example, the virtual memory management technique for efficient inter-process communication that can be seen in the Mach micro kernel can not be implemented on a distributed memory parallel machine. Process scheduling is also very important to realize efficient inter-process communication. In this paper, we propose 2 kinds of process groups, "buddy" and "alternate" to realize efficient inter-process communication. The buddy process group is suitable for pipeline processing, while the alternate process group enables inter-process shared memory. Also, we propose a scalable parallel debugger execution model based on the alternate process group.
著者
堀 敦史 石川 裕 Nolte Jorg 原田 浩 古田 敦 佐藤 忠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
巻号頁・発行日
vol.94, no.383, pp.25-32, 1994-12-08

超並列OSにおけるプロセス間通信では,仮想記憶管理機構の技法を用いたプロセス間共有メモリによるプロセス間通信の高速化技法を必ずしも使えないことや,プロセスのスケジューリングに注意しないと効率的なプロセス間通信が実現できないなどといった,逐次マシンのOSとは異なる側面を持っている.本稿では,超並列OS上での効率的なプロセス間通信を実現するために、"buddy"と"alternate"というに種類のプロセスグループを提案する.Buddyプロセスグループはパイプライン処理,alternateプロセスグループはプロセス間共有モメリを可能とする.同時に,alternateプロセスグループを用いたスケーラブルな並列デバッガ実行モデルの提案も併せておこなう.
著者
中井 朋一 村田 暁 Yimamu Aibibula 名倉 泰三 佐藤 忠 佐渡谷 裕朗 大谷 昌之 花田 正明 岡本 明治
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.173-178, 2007-05-25

去勢牛の十二指腸からラフィノースを投与し,糞便のpHおよび<I>Bifidobacterium</I>と<I>Lactobacillus</I>の菌数に及ぼす影響について調査した.供試動物として十二指腸および回腸カニューレを装着したホルスタイン種去勢牛3頭を使用した.基本飼料はチモシー乾草(CP 7.0% DM, TDN 55.0% DM)および配合飼料(CP 20.5% DM, TDN 70.0% DM)とし,等量ずつ6時と15時に給与した.ラフィノースを50g含有した蒸留水200mLを,6時に十二指腸カニューレから4週間投与した.ラフィノース投与開始前日を0週(W0)とし,1(W1),2(W2),3(W3)および4週目(W4)の6時に回腸内容物および糞便を採取した.W0とW4には,ラフィノース投与直前と投与後4,8,12,16および20時間目に回腸内容物および糞便を採取した.採取したサンプルについてpHおよび<I>Bifidobacterium</I>と<I>Lactobacillus</I>の菌数を測定した.その結果,1週ごとの回腸内容物および糞便のpHおよび<I>Bifidobacterium</I>と<I>Lactobacillus</I>菌数に特定の傾向は認められなかった.W0およびW4に4時間ごとに採取した回腸内容物の同項目に特定の傾向はみられなかった.投与後8時間目の糞便においてW4がW0に比べ<I>Bifidobacterium</I>菌数が増加し (<I>P</I><0.05), pHが低下した (<I>P</I><0.05). 投与後12および16時間目の糞便では, W4がW0に比べ<I>Bifidobacterium</I>および<I>Lactobacillus</I>菌数が増加した(<I>P</I><0.05).以上から,去勢牛の十二指腸からラフィノースを投与することにより,糞便の<I>Bifidobacterium</I>および<I>Lactobacillus</I>菌数が増加し,pHが低下することを確認できた.
著者
宮森 潤 芳賀 昭 角張 泰之 佐藤 文博 松木 英敏 佐藤 忠邦
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
Journal of the Magnetics Society of Japan (ISSN:18822932)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.110-113, 2009-03-01
被引用文献数
1 1

The Contactless Power Station (CLPS) is a cordless power supply system that makes use of electromagnetic induction generated by means of coils. We propose a desktop design for CLPS, using spiral coils, because it is convenient to be able to charge the batteries of a digital still camera, a cellular phone, and a PC on single desk. The primary coil are arranged so that the coupling factor becomes 0, since it is inconvenient for the primary coils to be excited by each other. However, when the primary coils are synchronized and driven, the magnetic flux interferes with the electric power transmission. Attention was paid to changing each phase on the primary coils. As a result, when the phase was moved, stabilization of the output voltage was confirmed. Therefore, if the primary coils are suitably arranged, the power transmission pad can stabilize electric power transmission everywhere.
著者
佐藤 忠彦
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

平成19年度の研究は,動学的統計モデルによるID付きPOSデータを用いた計量分析として行った.ID付きPOSデータとは,総合スーパーやスーパーマーケットで日々蓄積されている番号化された形で個人が特定できる時系列購買データであり,最も集計されていないデータである.その意味で,平成19年度の研究は18年度の研究を発展させた研究となる.研究は,前年度同様マイクロ・マーケティングの現象に関連した消費者来店行動の解析をテーマにし研究した.これらの課題は,消費者行動研究の主たる研究分野に位置づけられるものであるが,動学的な統計モデルを用いた形式で研究はなされていない.今後益々発展を望まれている研究課題であるといえる.具体的には,(1)消費者の小売店舗への来店行動および(2)カテゴリー購買積行動を解析するための動的個人モデルの提案及び解析事例の提示を行った.通常マーケティング分野では、(1)や(2)の解析を行う場合、個人毎のデータを全て用いてモデルの推定を行う.しかし、one to oneマーケティングやCustomer Relationship Management(CRM)といった当該分野における今日的課題の解決には、そのアプローチでは不十分である.その問題点を克服し、個々人の動的行動を表現するために、本研究では個人毎モデルの提案、検証を行っている.モデル化は一般状態空間モデルの枠組みで行い,その状態推定には粒子フィルタ/平滑化のアルゴリズムを用いた.モデルは実際のID付POSデータへ適用し,その有効性の検証を行った.その結果,本稿で提案するモデルが個人の来店行動及び購買生起行動の解析に適用できることが示された.(1)及び(2)の課題は,現在学術雑誌に投稿し,審査中である.
著者
佐藤 忠弘 新谷 昌人 今西 祐一 大橋 正健 福田 洋一 田村 良明
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本年度は科研費の最後の年度であり、神岡超電導重力計(SG)の性能の向上、特に冷凍機関係の性能向上を図るため、筑波大学研究基盤総合センター低温部門の池田博講師に、また、従来も共同研究をしてきたJSPSの外国人特別研究員(水沢勤務)Severine Rosat博士の2名に研究協力者として参加してもらった。スマトラ・アンダマン地震(Mw=9.0-9.3)の信号は世界の多くのSGで明瞭に捉えられた。神岡、松代を含む世界13ケ所のSG記録を使い、地球自由振動_0S_0モード(地球の半径が変化するモード)の解析結果を出版した。従来の研究で、このモードの地球の扁平度、回転の影響(緯度依存性)は知られていたが、緯度のみのならず、経度方向にも変化すること、また、その変化が3D-地震波トモグラフィーを使ったモデル計算から予測される分布と矛盾がないものであることが分かった。これは、世界初である。神岡と松代の解析結果は観測誤差の範囲で一致しており、解析の信頼度を測る目安になった。本科研費で実施した一連の観測・研究の大きな成果と言える。観測された_0S_0の振幅変化幅は全地球で2%程度の小さなものである。しかし、本研究の結果も示すように、振幅変化は地球の横方向の構造変化に敏感で、地球内部構造の研究にとって重要と言える。SGは絶対重力計を使い0.1%以上の精度で検定されている。これが、このような微小な現象が議論できる基礎になっている。しかし、SG観測点の数は、国際観測網で使われている地震計の数に比べ圧倒的に少ない。一方、地震計の振幅精度は数%程度で、これを0.1%台に向上できれば、地球内部構造の研究に大いに寄与すると言える。地震計検定の精度向上を目指し、本研究のレーザ歪計グループが開発したレーザ地震計とSGとの比較観測を、本年度、神岡で開始した。重力観測への大気圧変動、海洋変動の影響についての研究でも、大きな進展がみられた。なお、絶対重力計FG5によるSGの検定を3回(江刺1回、神岡2回)実施した。