著者
畠山 智行 神谷 晃央 佐藤 香緒里
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.855-860, 2017
被引用文献数
1

〔目的〕本研究の目的は,大腿骨頸部前捻角が骨盤固定下での股関節屈曲角度に及ぼす影響について明らかにすることである.〔対象と方法〕対象者は健常若年者62名(男性31名,女性31名).大腿骨頸部前捻角をクレイグ検査にて測定し,対象者を平均群,過前捻群,後捻群に男女別で分類した.併せて骨盤固定下での股関節屈曲可動域,背臥位での股関節内外旋,腹臥位での股関節内外旋を測定した.〔結果〕股関節屈曲角度以外の全測定項目に男女差がみられた.股関節屈曲角度において,男女ともに前捻群と後捻群間で有意差がみられ,前捻角度が大きいほど股関節屈曲角度が大きくなった.〔結語〕前捻角などの測定項目に男女差を認めたため男女別で検討した.男女ともに大腿骨頸部前捻角が骨盤固定下の股関節屈曲角度に影響を及ぼすことが明らかとなった.
著者
佐藤 香織
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学国際交流センター紀要 (ISSN:21869243)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.17-26, 2012-03

本稿では中上級の42名の日本語学習者に文産出課題を課すことにより,「ように」を用いた「命令,依頼」の内容を示す間接話法の習得状況の一端を探った。さらに,日本語教科書や参考書等での「ように」を用いた間接話法のこれまでの取り扱われ方等についても検討し,効果的な文型提示や指導法について考察した。間接話法がふさわしい文脈において「ように」を用いた間接話法を産出できた学習者は全体の20%程度であり,習得状況は決して良いとは言えない。1級合格者については半数弱が「ように」節を産出することができていたが,語用論的に不適切な「ように」節の産出も見られた。また,1級合格者の残りの半数は「と」節を用いた直接話法の文を産出していた。このことから,直接話法よりも間接話法がふさわしい状況があることを理解させた上で,待遇表現の調節も含めた適切な「ように」節が使用できるような運用練習を行っていく必要があると考えられる。
著者
佐々木 正子 佐藤 香苗
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.25-35, 2017 (Released:2017-10-31)

Japan faces issues associated with a super-aging society. Thus, extension of healthy life expectancy of patients through dietary modification is extremely important. However, the number of registered dietitians is not enough to improve the nutritional health of patients with personalized nutrition care because of the lack of profit from hospital nutrition divisions. We clarified the strategies to gain profit and relevant challenges by using the SWOT analysis to improve the dietary department of hospital subject to intervention. Data gathered indicate that the charge for subsidies for providing therapeutic diet, and nutrition and meal counseling should be increased. The results indicated that the cost of subsidies for providing therapeutic diet and nutrition and meal counseling should be increased. The results also suggested the necessity of reducing tasks with opportunity losses. A hospital with the system newly established has already realized the benefits of the measures implemented through the system. The system supports patients to take in the appropriate nutrients by increasing the number of registered dieticians and calculating the estimated energy requirement from the actual measurements of resting energy expenditure for personalized nutrition care.
著者
佐藤 香緒里 吉尾 雅春 宮本 重範 乗安 整而
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.323-328, 2008-04-20
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究では,股関節外旋筋群が股関節屈曲に及ぼす影響を検討することを目的とし2つの実験を行った。若年健常男女60名を対象とした股関節回旋角度の違いによる股関節屈曲角度の計測では,股関節内旋角度の増加に伴い股関節屈曲角度は有意に減少し(p<0.001),股関節外旋筋群の伸張が股関節屈曲を制限する因子として考えられた。新鮮遺体1体の両股関節後面各筋を切離するごとに股関節屈曲角度の計測と観察を行った結果,梨状筋と内閉鎖筋に著明な伸張が見られ,これらの切離後に股関節屈曲角度は顕著に増加した。梨状筋と内閉鎖筋は股関節外旋筋であることから,これらが股関節屈曲を制限している可能性があると考えられた。理学療法プログラムとして股関節屈曲可動域を拡大するときには,屈曲角度のみに注目せずに内旋角度にも注意を払う必要があると示唆された。<br>
著者
高橋 美希子 淡路 静佳 佐藤 香織 松本 香好美
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.C0097-C0097, 2004

【はじめに】<BR> 人が立位保持や歩行をする際、唯一地面に接する部位は足部であり、足趾は立位・歩行時の安定性に関与している。足趾筋力が歩行時のバランス、スピード、推進力、感覚に影響を及ぼすとの報告は多いが、我々は、臨床の場面において足底・足部の機能へはほとんどアプローチできていないのが現状である。そこで今回、足趾を中心とする足部への筋力強化が短期間でどこまで歩行時の安定性に影響を与えるかを調査した。<BR>【対象及び方法】<BR> 対象は2003年10月28日から11月22日の間、当介護老人保健施設(老健)に入所している歩行可能な者(walker,T-cane,Q-cane使用者)11名(男性1名、女性10名、平均年齢84、1±7、5歳)である。疾患の内訳は(脳卒中片麻痺3名、大腿骨頚部骨折3名、変形性腰椎症1名、脳卒中・整形疾患両方に罹患1名、循環器疾患3名)であった。評価項目は、足趾筋力(MMT)、10m歩行速度、歩数、歩容(バランス、スピード、HC・TOの有無)、足部の変形・形状・アーチ、足部・足趾の関節可動域(ROM)、安静時における矢状面・前額面のアライメント、安静立位における足底筋筋緊張、重心線とし、治療前後で比較した。方法は、対象者全員に、椅座位で裸足のまま、股・膝関節90°屈曲位の状態から長方形の薄手のタオルを足趾で引き寄せるよう指導及び実施した。開始から終了までの所要時間を計り、初回と同タイムになったら0、5kgの重錘をタオル上に負荷する。また、この他にゲートボールの球を足底部で前後・左右へ転がす動作も行った。各動作は週5日間継続して行った。歩容・重心線についてはデジタルカメラにて画像解析した。統計処理には、StatView5.0を使用し、Student-t検定を用い、危険率5%以下を有意とした。<BR>【結果】<BR> 足部のROMは左背屈、左右外返しにおいて治療前後で有意に改善した(p<0.05)。足趾のROMでは右拇指・左示指・左中指・左環指のMPjt屈曲、右拇指・右小指・左示指・左環指・左小指のPIPjt屈曲、右示指・右環指のDIPjt屈曲でそれぞれ有意差を認めた(p<0.05)。また、10mの歩数が治療前後で有意に改善した。MMTは、有意差が認められなかった。<BR>【考察・まとめ】<BR> 今回、3週間という短期間で足部及び足趾のROMは有意に改善したが、筋力までの効果は得られなかった。しかし、ほとんどの対象者は歩行スピードの向上や歩行バランスの安定化など、歩容が改善する傾向を示した。今後は、足趾把握筋力の短期効果だけでなく、長期効果や、疾患別の比較などを行い、入所者が安全で効率の良い歩行が出来るよう更に検討していきたい。
著者
巽 博臣 信岡 隆幸 川崎 喜恵子 竹中 ユキ江 佐藤 香織 高橋 和也 菊池 敦子 角谷 真由美 井山 諭 平田 公一
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.1119-1123, 2013 (Released:2013-10-25)
参考文献数
5

【目的】スタッフの臨床栄養に関する知識の把握を目的に調査を行った。【対象および方法】2011年4月と11月にアンケート調査を行った。1回目の結果を公表し、2回目の調査までに栄養療法の基礎的な内容のNSTセミナーを行った。【結果】基本項目の正答率 (1回目) は3大栄養素の熱量は52%、6大栄養素の成分は20%、微量元素製剤に含まれる微量元素は11%、急性期の栄養指標は5%であった。略語の意味の正答率はIVH、BMI、NSTについては約5割にとどまり、半数以上の略語が20%以下であった。高カロリー輸液製剤に含まれる栄養成分を理解している医師は50%以下で、経腸栄養剤の特徴は一部を除き10%以下の正答率であった。1回目に比べ2回目にはアンケート回答数が増加し、多くの項目で正答率の上昇傾向がみられた (有意差なし)。【結論】スタッフの栄養に関する基本知識の理解度は低かった。NSTセミナーで臨床栄養の重要性を啓蒙することで、栄養に対する興味や知識の理解度は向上すると考えられた。
著者
佐藤 香代子 前原 陽子 北原 園子 小林 美紀 江原 裕子 前田 陽子 磯野 博明 高山 秀男
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.277-284, 2001-11-30
被引用文献数
1

適応範囲外とされる間歇性外斜視の症例に対し、金谷法に基づく視能訓練を行なった。症例は2例で、症例1は、7才で手術希望のない、斜視角35Δの外斜視で、症例2は、生後6ヶ月で内斜視が発症し、初診時は5才で斜視角30Δ内斜視と交代性上斜位、対応異常がある症例であった。Anomalous Retinal Correspondenceに対する訓練で、正常対応化し、カイロスコープで経過観察中、近見14Δ遠見8Δの間歇性外斜視へ移行した後に行なったものである。訓練方法は、1987年に金谷らの報告した方法に基づき、Red filterを使用した抑制除去訓練、Jump convergence、 Red filterを使用した輻湊近点訓練、赤・青鉛筆による生理的複視認知訓練、Framing card、 3点カード、ステレオカードによる輻湊訓練、Base out prismによる後退法の順に行なった。結果、症例1は、10Δのプリズム眼鏡で斜視角を減らして、訓練を開始し15ヵ月後に外斜位化した。症例2は、訓練開始13ヵ月後に外斜視化した。金谷法は、大角度の間歇性外斜視でも、プリズム眼鏡により、適応範囲内にもちこむことで、また両眼視機能の弱い症例でも、両眼視機能が潜在していれば、効果が出るのに時間がかかるが、有効であると考えられた。
著者
小島 慎也 佐藤 香枝 前田 亮太 呉 宏堯 矢田 拓也 森田 敏明 岩崎 博之
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2014年大会
巻号頁・発行日
2014-04-07

明星電気株式会社は、小型気象計POTEKA Sta.(ポテカ:Point Tenki Kansoku、以下POTEKA)を開発した。POTEKAは気温・湿度・気圧・感雨・日照を1分間隔で測定でき、従来気象計と比較して安価で、設置が容易なため稠密な設置及びデータ収集が可能である。そのPOTEKAを用いて、伊勢崎市内小中学校及び同市周辺のコンビニ(SAVE ON)に約1.5~4km間隔で計55ヶ所に設置した。本稿では、顕著な観測事例として8月11日に高崎市・前橋市で発生した突風現象の観測結果について紹介する。8月11日18時頃に高崎市から前橋市にかけて突風が発生し、住家の屋根の飛散などの被害がみられた。POTEKAの気温1分値を見ると、最大12分間で-13.9℃の気温低下がみられた。前橋地方気象台発表の突風経路に近いPOTEKAの海面補正した気圧の1分値時系列を下図に示す。気象台の10分値の気圧は徐々に増加していく傾向しか見られないが、POTEKAの1分値では、1~2hPa程度の一時的な上昇がみられた。これはダウンバースト発生時の下降流による一時的な気圧上昇であると示唆される。さらに詳しく見ると、気圧の上昇は2回発生している地点もあり、1回目はガストフロントによるもの、2回目はダウンバーストによる上昇と考えられる(詳細は「地上稠密観測POTEKAによるダウンバーストとガストフロントの識別」を参照のこと)。今回の稠密観測のようなダウンバースト・ガストフロント発生時の地上における気圧変化を、これほど細かい時間的・空間分解能で観測した事例はほとんど見られない。このような稠密観測をすることによって、突風の種類の判別や突風に対する事前の注意喚起が出来る可能性がある。謝辞:本プロジェクト始動にあたり、サンデン(株)殿、(株)セーブオン殿、伊勢崎市教育員会殿にはPOTEKA設置のご協力を頂きました。ここに御礼申し上げます。
著者
小林 光代 佐藤 郁 佐藤 香織 米田 由紀子 根本 任子 阿部 由季乃 石坂 真理子 小笠原 史子 小田 杉子 海沼 聡子 工藤 稔昭 工藤 博子 黒澤 奈保江 齋藤 江里 髙杉 尚子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.172-175, 2018-04-01 (Released:2018-04-01)

本稿では,秋田県鹿角市立図書館で取り組んだLINEスタンプの活動について述べる。公共図書館でLINEスタンプを制作・発売したのは当館が初めてで,市内外から多くの注目を集めた。また,LINEスタンプの制作も外部に委託することなく,職員自ら行った。待つだけの図書館ではなく,積極的な活動や取り組みが話題になっている今日の図書館界であるが,当館は移転と指定管理者導入をきっかけに,新しい広報の手法を模索し,市民に親しまれる図書館を目指して当事業を進めてきた。本文は制作の裏側や運用などについて実務的なことも含め,LINEスタンプ制作にかけた想いをまとめたものである。
著者
佐藤 香苗 山内 太郎
出版者
天使大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

包括的な栄養アセスメントにより、血液透析患者の栄養状態・ QOLの維持向上の方策として、透析日の生活活動と亜鉛摂取量の増加が重要であることを見出し、透析中に行う低強度運動プログラム(ストレッチ・マッサージ)を開発した。このプログラムは、患者の身体能力や意欲に応じて選択可能な段階的コースを用意するとともに、患者が自己の最適ペースで実施できるよう、教育メディア(DVD)を制作した。また、亜鉛強化菓子を考案し、透析後に提供して栄養指導の動機づけとするダイエットプログラムを開発した。これらのプログラムの介入効果として、患者の貧血改善や下肢の筋肉量の増加、身体機能の向上が示唆された。
著者
佐藤 香代
出版者
大分県立先哲史料館
雑誌
史料館研究紀要 (ISSN:13419838)
巻号頁・発行日
no.18, pp.33-38, 2014-01
著者
三上 聖治 佐藤 香里奈 柴田 有佳李 神 美智子 奈良 夏子
出版者
弘前学院大学看護学部
雑誌
弘前学院大学看護紀要 (ISSN:18808867)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.35-43, 2009

「健康日本21」に関連した厚生労働省や都道府県庁のホームページから国や地方自治体の取り組み状況を調査した結果1.ベースラインの策定となる基礎資料は,統一されていなかった。2.中間評価の方法は,暖味であり,国や地方自治体で異なっていた。3.代表値のデータは乎均値が多く統計分析として扱えるデータはほとんどなかった。4.取り組み状況が明確に示されていなかった。