著者
佐藤 航 大隈 慎吾
出版者
埼玉大学社会調査研究センター
雑誌
政策と調査 = Policy & research (ISSN:2186411X)
巻号頁・発行日
no.9, pp.35-50, 2015-11

既存の世論調査は対象者に回答を依頼し質問に答えてもらう「応答型」で実施されるが,近年この手法の回収率が低下しつつあると言われている.それに対し,人々が自発的に発言した中から研究課題に関連する部分を抽出して分析する「観測型」の調査が提案されている.そこで,本稿ではツイッター上で観測型の世論調査が可能かどうかを検討した.独自に開発したシステムによって投稿を取得し分析した結果,日本語ユーザーが最も多くつぶやく話題は友人募集や「自分語り」であることがわかった.他方,政治の話題に触れた投稿者はユーザー全体の1%にも満たず,世論調査のサンプルとするには不可能なほど僅少であった.とはいえ,マスメディアの報道に呼応する形で投稿者が急増する現象が確認されたので,これを応用し,報道の中で質問を発し回答ツイートを観測・収集するような「中間型」の調査であれば可能であるかもしれない.Our established poll was carried out using a procedure where respondents answered a number of questions, what we call the Questioning method. This method may have recently faced a decrease in response rate. While, on the other hand, the Observation method analyzes messages that are extracted from voluntary speech that refers to the subject of the survey. In this article, we confirmed the feasibility of a poll on Twitter using the Observation method. Using the tweet data acquisition system that we have developed, we discovered that the most common Japanese tweet is "Let's be friends" and self-conscious mention. Less than 1% of active Twitter users brought up politics, they are too little to poll. During the analysis process, we discovered what the media news accelerate increase of tweets. This suggests that collecting responses via tweets from questions by the media is feasible. We call this the Hybrid method.1.はじめに2.1 万人サンプルのツイート行動の概覧3.1 万人サンプルのツイート内容4.ツイッター世論調査の可能性5.終わりに
著者
佐藤 俊介 西中 一幸 高橋 聡 廣部 恵美 塚本 泰司
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.104, no.5, pp.674-677, 2013-09-20 (Released:2014-09-22)
参考文献数
11
被引用文献数
1

抗てんかん薬であるゾニサニドによる尿路結石の報告が散見される.今回,脱水を契機に短期間で両側腎尿管結石を生じた1例を経験したので報告する.症例は10歳女児.難治性てんかんにてゾニサミドを内服していた.脳室腹腔シャント感染治療で入院中に,肉眼的血尿と尿砂を主訴に2009年1月8日当科紹介.CTにて両側腎尿管結石による水腎症を認めた.3週間前のCTでは尿路結石は認めなかった.ゾニサミド誘発性の尿路結石と判断し同剤を中止するも腎機能障害と水腎症増悪を認め,右腎瘻造設術,左尿管ステント留置術を施行した.両側とも自然排石され術後1カ月時に右腎瘻抜去,5カ月時に左尿管ステント抜去となった.結石の主成分は燐酸Ca結石であった.その後の再発はない.ゾニサミド投与中には脱水等を契機に短期間でも尿路結石が発生することがあり注意を要する.
著者
吉澤 知恵 佐藤 浩一郎 寺内 文雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.448-449, 2018 (Released:2018-06-21)

現在市販されている積み木は対象年齢が子供に限られる傾向がある。本研究ではより立体的な造形を大人も楽しめる積み木の製作を目的とした。既存製品がどのような積み方ができるかを明らかにするため、対象年齢、積み方の2点に関して調査を行った[。その結果、積み方の方法を増やすことで、より立体的な造形を楽しめる積み木が作れるのではないかと考えられた。そのため、重心の偏りと積み木の表面の摩擦力、形状に着目をし、試作及び制作を行った。最終的に重心の偏りと積み木の表面に凹凸を彫った積み木を製作した。製作した積み木を実際に体験してもらい、感想に関してテキスト分析した。その結果、より難しい積み方に挑戦する人が多く、直感的にではなく考えながら積む傾向があることや、ゆらゆらと揺れつつもバランスを保てること、表面の模様が印象的であることが判明した。積み方のバリエーションを増やすことで、大人も立体的造形を楽しめる積み木を作れる可能性を示すことができた。今後の展望として、家族で楽しむことができるため、親子のコミュニケーションにつながることが期待される。
著者
佐藤 秀人 亀田 昌志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第70回, no.人工知能と認知科学, pp.519-520, 2008-03-13
著者
伊藤史人 高見澤秀幸 佐藤郁哉
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.100-110, 2012-09-13 (Released:2019-01-12)
参考文献数
23
被引用文献数
1

標的型攻撃メールは,ある特定の組織や個人を狙った機密情報等を窃取する手段に利用されている.攻撃に利用するメールにはファイルが添付されており,受信者がそのファイルを開くことでシステムの脆弱性等を突き任意のコードを実行する.メールの文面は,受信者が不審に感じ難いものとしていることが多く,完全な防御は極めて難しい.その一方で,効果的な対策としては,教育的効果を狙って模擬標的型攻撃メールを対象者に送り,同種の攻撃に対する意識を高めることが挙げられる.本論文では,標的型攻撃メールを病原体と仮定し,模擬標的攻撃メールを「予防接種」として作用させ,「人」に免疫反応を引き起こすことで攻撃への耐性を高める試みについて報告する.具体例として,一橋大学の学生196名と事務職員200名に対する模擬標的型攻撃メールを予防接種した結果と,解析結果から得られた今後の対策案について述べる.
著者
佐藤 雄一 田川 皓一 平田 温 長田 乾
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.263-268, 1985-06-25 (Released:2009-09-03)
参考文献数
17

一側視床前内側部の梗塞により, 急性発症のhypersomniaと記銘力障害を呈した2例を経験した.症例1 : 62歳, 女性, 右利き.hypersomniaと記銘力障害を認めた.CTscanにて, 非優位側視床の前内側部にX線低吸収域を認めた.症例2 : 68歳, 男性, 右利き.hypersomniaと知的能力の低下や記銘力障害などの精神機能の低下を認め, また, Horner症候群と右上肢の軽度の脱力および異常知覚を認めた.CTscanにて, 優位側視床の前内側部にX線低吸収域を認めた.2症例とも, hypersomniaは約2週間の経過で消失した.hypersomniaと記銘力障害の発現に関する視床前内側部の意義について検討し, 文献的考察を加えた.
著者
続木 陽子 佐藤 勉 永山 正雄
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.1085-1090, 1989-10-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
15

優位側視床梗塞による健忘症候群の1例につき, 131I-IMP SPECTにより検討を加えた. 症例は73才女, 右利き. 傾眠と一過性の右上肢不全麻痺で発症した. 数日で意識清明化した後にも健忘症状が持続し, 14~16日後の神経心理学的検査で言語性短期記憶, 計算, 抽象的思考の障害を認めた. CTスキヤンにて左視床前核群, 背内側核, 前腹側核にわたる梗塞巣がみられた. SPECT所見では, 発症後18日目に左視床の他に左前頭葉と側頭葉に広汎な脳血流低下が示唆され, 発症後41日目には左前頭葉下部にのみ異常が残つた. 視床前・内側部の限局性病変が大脳皮質機能に影響し, これが症状の発現と関係した可能性が考えられた.
著者
平川 淳一 木村 和夫 山内 眞義 中山 一 中原 正雄 藤沢 洌 亀田 治男 大畑 充 佐藤 泰雄
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.30, no.12, pp.1726-1730, 1989-12-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
14

約1年の間に5人の覚醒剤乱用者グループの全員にみられた非A非B型急性肝炎例を経験した.これらの症例は注射器を共用し覚醒剤の静脈注射するといういわゆる“回し打ち”を行い,いずれも急性肝炎の発症を認めた.覚醒剤乱用と肝炎発症の関連について検討した結果,通常のB型,非B型急性肝炎に比べ潜伏期の長いことが推察された.回復期に行った肝生検像は,慢性活動性肝炎の所見であった,覚醒剤による弊害は現在大きな社会問題となっており,これによるB型肝炎の報告は散見されるが,非A非B型肝炎の報告は本邦では文献上みあたらず興味ある集団発症例と思われる.
著者
佐藤 乾 藤田 稔 佐伯 浩
出版者
京都大学農学部附属演習林
雑誌
京都大学農学部演習林報告 = BULLETIN OF THE KYOTO UNIVERSITY FORESTS (ISSN:0368511X)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.318-325, 1990-12-20

熟成したモルトウイスキーの香味は, 樽材の性質, とくに, その組織や抽出物に負うことろが大きいと言われている。本報告では, モルトウイスキーの樽材中での分布を明らかにし, 樽材の組織とモルトウイスキーの浸透性を検討した。また樽材中のアルコール抽出物の分布も調べた。その結果, モルトウイスキーの樽材中での含有量は内表面側から外表面側に向かって低下するが, その全体の量は大変大きなものであり, モルトの総欠減量の半量にも達することが明らかとなった。樽材中のアルコール抽出物の割合は内表面側で低く, 中ほどで高い分布を持ち, 内表面側のそれはモルトウイスキー中に溶解されたことを示している。モルトウイスキーの浸透深さと年輪幅あるいは追柾角度との間に, 一定の関係は見られなかった。
著者
佐藤 直之 藤木 翼 池田 心
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.2337-2353, 2016-11-15

本稿は「戦術的ターン制ストラテジ」という,チェスや将棋と似た形式でアプローチしやすく,また同時に3つの興味深い課題を含むAI設計の問題クラスを記述する.その課題とは,1つ目は行動数の組合せ爆発で,同ゲームでは1手番ごとのbranching factorがしばしば億のオーダに達する.2つ目は局面評価に関するもので,毎回異なる初期局面から生じる多様な局面群に対し,駒間の循環的相性も考慮して駒価値を適切に与えなければならない.3つ目は攻撃行動組合せの扱いが要する繊細さで,同ゲームでは攻撃行動の適切な組合せで数十体の駒ものがたった1手番で消滅することがあり,そうした影響力の行使および相手からの行使の予防が重要になる.我々はこれらの課題を,具体的状況と既存のAI手法を例に用いて論じた.複数のアプローチを提案しそれぞれの長所と短所を整理して,同問題においてAI設計者が考慮すべき課題の特徴を明らかにした.