著者
佐藤 達雄
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.167-175, 1987-03-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
55
被引用文献数
1 2
著者
小林 有美子 佐藤 宏昭 岩井 詔子 村井 盛子 宇佐美 真一
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.192-198, 2010 (Released:2010-07-15)
参考文献数
16

今回我々は, 1997年から2007年までの間に岩手医科大学耳鼻咽喉科小児難聴外来を受診した, 明らかな外因のない両側感音難聴患者64例を対象とし, GJB2 変異, SLC26A4 変異, ミトコンドリアA1555G変異について解析を行った結果と, それ以前に本人及び家族の聴力検査, オージオグラムの特徴などから遺伝性難聴と診断されていた例と比較検討し, 遺伝性難聴の頻度がどの程度変化したのか, またそのオージオグラムの特徴について検討を行った。両側感音難聴64例のうち, 難聴の病因と考えられる遺伝子変異が見つかったのは11例 (17.2%) であった (GJB2 変異9例, SLC26A4 2例)。遺伝性難聴の頻度は遺伝子検査以外の検査から診断した例に遺伝子検査で確認された例を加えることによって, 全体の45.3%となった。遺伝子変異例のオージオグラムの特徴は, その左右対称性などこれまでに知られている遺伝性難聴の特徴と一致することが多いことがわかった。
著者
小林 英子 佐藤 文子 鮎沢 千尋
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.311-318, 1968-08-30 (Released:2010-07-01)
参考文献数
9

高度さらし粉 (200倍) とホルマリン (2%) とを混合した場合の消毒効果が, 単独使用よりもとくに勝ることのない理由についての考察の一つとして, 混合後の有効塩素量およびpHの消長の観点から検討した。(1) 現在, 市販されている高度さらし粉剤としてのクロール石灰, クライト, 養蚕ライト, テトライトおよびクラチンの有効塩素量はいずれも58~64%であって, 無蓋のまま室温 (約23℃) に放置しても42時間以内ではその値は変らなかった。(2) 終末濃度をそれぞれ200倍および2%となるようにクロール石灰とホルマリンとを混合する方法を変えても, いずれも, 混合後有効塩素は速かに激減し, pH値も同じく速やかに低下した。(3) クロール石灰液に重曹あるいは塩酸を混合した場合, 有効塩素量は12時間経過頃より漸減し6時間で8.5程度まで低下した。(4) クロール石灰液を保存する場合, 密栓しても開放しても, 温度が10および20℃では有効塩素量は変らないが, 30℃では開放すると24時間頃より低下の傾向が見られた。(5) クライトとホルマリンとの混合液 (200倍と4%, 400倍と2%, 800倍と1%) の各液に蚕の細胞質多角体を20時間浸漬しても多角体の溶解は認められなかった。以上の結果から, 上記の方法による混合を行なった場合, 高度さらし粉に由来する有効成分は減少すること, 同時に生起するであろうホルムアルデヒドの消費を考えると混合液の消毒効果が単独使用よりもとくに勝る理由は見当らない。
著者
水野 知美 中澤 操 佐藤 輝幸 高橋 辰 山田 武千代
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.52-58, 2019-02-28 (Released:2019-03-14)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

要旨: 秋田県で新生児聴覚スクリーニング (Newborn hearing screening: 以下 NHS と略) が開始されてから17年が経過し, 2012年からは受検率が94%を超えている。 NHS システムを構築する中で, NHS 後も聴こえに関心を持ち続けるための啓発や, 関係機関との連携ができ, NHS 後に難聴児が発見された場合の対応も確立されたと考えられる。 今回の調査で, 聴力型により NHS では発見できない難聴児がいること。 遅発性や進行性の難聴児がかなりの数存在することが示唆され, NHS パス後も引き続き聴覚に気を配り, 関係機関との連携を強化していく必要性が示唆された。 今回画像診断が不完全な症例が含まれたことや, 今後遺伝子診断をする例の増加が予測されること, 先天性サイトメガロウィルス感染症のフォローアップ例が増えている事などから, 今後は遅発性及び進行性難聴の原因について明確にしていく必要性があると考えた。
著者
草間 太郎 相田 潤 東 大介 佐藤 弥生子 小野寺 保 杉山 賢明 坪谷 透 髙橋 達也 小坂 健
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.26-32, 2020-01-15 (Released:2020-02-04)
参考文献数
20

目的 東日本大震災は2011年3月に発生したが,2018年11月現在においても宮城県内では約1,100人の被災者が仮設住宅に入居している。家を失い仮設住宅へ移住することは健康状態を悪化させる可能性があることが報告されている。しかし,仮設住宅入居者の健康状態を長期間にわたって調査した研究はほとんどない。さらに,災害公営住宅入居者まで対象にした研究は我々の知る限り存在しない。本研究の目的は災害公営住宅も含めた応急仮設住宅入居者の震災後からの健康状態の経年推移を明らかにすることである。方法 本研究は宮城県内のプレハブ仮設住宅・民間賃貸借上住宅・災害公営住宅に入居している20歳以上の男女を対象とした繰り返し横断研究である。調査期間は2011年度から2017年度までの7年間である。従属変数として主観的健康感を用い,独立変数として調査年度および入居している住居の種類を用いた。また,共変量として性・年齢を用いた。多変量ロジスティック回帰分析を用いて調整オッズ比(aOR)および95%信頼区間(95%CIs)を算出した。結果 本研究の対象者は延べ179,255人であった。平均年齢は災害公営住宅で一番高く,2017年度で63.0歳であった。主観的健康感の悪い人の割合は民間賃貸借上住宅入居者では経年的に減少していたが,プレハブ仮設住宅入居者においては減少していなかった。また,災害公営住宅入居者はプレハブ仮設住宅・民間賃貸借上住宅入居者に比べて,主観的健康感の悪い人の割合が大きかった。多変量解析の結果,調査年度が新しいほど有意に主観的健康感が良くなっていた(P for trend <0.001)。また,民間賃貸借上住宅入居者とプレハブ仮設住宅入居者の間に有意差は見られなかったが,民間賃貸借上住宅入居者に比べて災害公営住宅入居者では有意に主観的健康感が悪い者が多かった(aOR, 1.20;95%CI, 1.15-1.27)。結論 入居者の健康状態は経年的に改善傾向にあった。しかし,とくに災害公営住宅では健康状態の悪い者の割合が高く,今後も入居者の健康状態をフォローアップし,適切な介入をしていく必要があると考えられる。
著者
佐藤 克美 海賀 孝明 渡部 信一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Suppl., pp.145-148, 2011-12-20 (Released:2016-08-08)
参考文献数
4

神楽継承用教材として立体視CGにどれほど効果があるかを明らかにするため,フレームシーケンシャル方式の3D眼鏡を採用したプロジェクタ用およびパララックスバリア方式を採用した裸眼立体視モニター用の2方式の立体視CGを評価した.予備調査として高校生に立体視CGを視聴してもらったところ,3D眼鏡をかけた立体視の方がよいとの回答が多く,没入感やリアリティーの高さが教育に役立つと考えれた.また神楽の師匠と弟子たちに調査をしたところ全員が裸眼立体視がよいと答えた.明るく,はっきりしていることがその理由だった.立体視CGは複雑で理解が難しいものに対して学習者の理解を助ける役目が期待されていると思われた.
著者
水野 智仁 山中悠紀 佐藤 剛介 上田 絵美 松尾 真輔
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.71-75, 2013 (Released:2013-04-11)
参考文献数
13

〔目的〕先行肢をつく位置と高さの違いが側方移乗動作に与える影響を調査する.〔対象〕日常的に側方移乗を行っている脊髄損傷者3名(男性2名,女性1名)とした.〔方法〕先行肢をつく位置が着座面の側方・斜前方,高さが着座面と同じ・10 cm上・20 cm上の6課題で側方移乗動作を実施させ,デジタルビデオカメラ画像から臀床距離と移乗動作に要した時間を算出し,反復測定two-way ANOVAで先行肢の位置と高さの影響を調査した.〔結果〕先行肢をつく位置に有意な効果を認めたが,高さによる有意な効果や交互作用は認められなかった.〔結語〕先行肢をつく位置を考慮した側方移乗動作の指導が有益である可能性が示唆された.
著者
佐藤 健一 冨田 哲治 大谷 敬子 佐藤 裕哉 原 憲行 丸山 博文 川上 秀史 田代 聡 星 正治 大瀧 慈
出版者
長崎大学
雑誌
長崎医学会雑誌 (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.186-190, 2012-09

平成20年度に広島県・市が主体となり黒い雨を含む原爆被爆体験による心身への健康影響や黒い雨の体験状況に関するアンケート調査が行われ,平成22年に「原子爆弾被爆地域の拡大に関する要望書」が厚生労働省に提出された.しかしながら,「黒い雨」そのものを危険因子として死亡危険度を評価した疫学的研究は未だない状況である. 一方で,黒い雨を含む放射性降下物などによる間接被爆あるいは内部被爆の影響を評価する試みとして,被爆時所在地の位置情報を用いた死亡危険度の評価が考えられる.
著者
佐藤 房郎
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.249-253, 2003-06-20 (Released:2018-09-25)
参考文献数
8
著者
佐藤 賢一郎 水内 英充
出版者
医学書院
雑誌
臨床婦人科産科 (ISSN:03869865)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.79-87, 2006-01-10

1はじめに 現在,産婦人科領域で日常診療で行われる超音波の走査法としては経腹と経腟によるアプローチがほとんどであるが,そのほかに経直腸,体腔式,および経会陰がある.経直腸超音波は,性交未経験者や閉経後で腟腔が狭小な場合について経腟超音波の代替として行われ,経腟超音波と同様な画像が得られる.体腔式超音波は専用の細径プローブを用いて,例えば子宮腔に挿入し子宮体癌などの筋層浸潤の評価に利用できる.経会陰超音波は,子宮体部の評価よりも外陰,腟,尿道,子宮頸部の観察に適しており,そのほかのアプローチとは目的が異なる. 以前われわれは,AFS class III子宮奇形・重複腟・片側腟不完全閉鎖・留膿症例の経会陰超音波所見1)や尿道憩室例に対する経会陰超音波の有用性2)を報告した.今回は,その後のわれわれの経験も踏まえ,本邦ではあまり紹介されることがない経会陰超音波について述べたい.なお,文献的にはtransperineal sonographyのほかにtranslabial sonography,transperineal─translabial ultrasonographyと呼称するものもあるが,transperineal sonographyという記載が多いため本稿では経会陰超音波と呼称することにする.
著者
佐藤 冬果 井村 仁
出版者
日本野外教育学会
雑誌
野外教育研究 (ISSN:13439634)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-18, 2018 (Released:2019-10-05)
参考文献数
32

The study aims to elucidate the lasting impacts of organized camp on participants as they reached their adulthood through the viewpoint of autobiographical memory and autobiographical reasoning. Qualitative data were collected by semi-structured interviews with three male and four female research subjects (20 to 40-years age) who had participated in an organized camp during their childhood. Interpretative Phenomenological Analysis (IPA) was used to analyze these seven case studies of organized camp experience. Through the IPA, 14 themes emerged which were categorized into two major domains. Domain of “impact on oneself” including seven themes ; “core of self,” “conception of nature,” “relationship to others,” “acquisition of sociability,” “improving confidence,” “interest and skill about outdoor education or outdoor activity,” “vitality,” and domain of “factor of impact on oneself” including seven themes ; “camper and adult staff,” “enjoyment,” “unusual situation,” “experience of severe situations,” “continuous participations,” “successful experience,” and “motivation for camp”. Results revealed that the duration of evaluation by participants about camp's significance is not confined within the immediate time frame of the occurrence. The camp's significance is reevaluated at different stages of one's life. This could be during the time when one goes to camp again, or when one is trying to figure out one's occupation, or even when one is facing an obstacle. Further, our analysis suggests that at each stage, the camp's experience is reassessed by the individuals and held a new meaning to them. This study confirms that the meaning-making process and lifelong benefits of camp experience during childhood to adulthood.
著者
佐藤 冬果 井村 仁
出版者
日本野外教育学会
雑誌
野外教育研究 (ISSN:13439634)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.15-26, 2018 (Released:2019-03-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1

The memories recollected from an individual's life are referred to as autobiographical memory. When people recollect one’s past, we undergo the process of autobiographical reasoning as well as recalling merely. That is the activity of creating relations between different parts of one's past, present, and future life and personality and development. The purpose of this study was to elucidate the lasting impacts of organized camps on participants as they reached their adulthood through the viewpoint of autobiographical memory and autobiographical reasoning. The data were collected using a “Camp Memory Characteristics Questionnaire,” which was completed by 191 participants and analyzed using statistics. It was shown that memories of outdoor activities, such as “campfire,” “hiking or Solo,” “involvement with the camper,” “involvement with the camp counselor,” and “meaningful nature experience” were the most memorable events of camp in most of the respondents. Especially, the memories of “accomplishment,” such as “hiking or Solo” were recalled more frequently as well as more clearly, and they are valued as more important than the memories of other activities. In addition, the memories of camp remained in participants’ minds regardless of how much time has passed. By comparing and analyzing respondents' ages, these memories appear to have become more important as participants grew older. Furthermore, around 80% of respondents recognized the impacts of organized camp experiences. Participants also have attributed a variety of meaning to their camp experiences, and it was classified into 6 groups: “self,” “others,” “nature environment,” “outdoor activity,” “occupational choice,” and the other.
著者
佐藤 直行
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.119-128, 2011-09-05 (Released:2011-10-28)
参考文献数
55

脳はコンピュータとは異なり,光や音など異なる属性に関する情報処理は別々のハードウェア(脳部位)で並列分散的に処理される.このような構造は予測不能に変化する環境に適応して行動するために必要な構造だと考えられるが,どのようにして個体全体の情報を統合しているのだろうか? この問題を解く手がかりが「神経活動のリズム同期現象」である.リズム同期は多数要素の時空間パターンを自己組織的に生成できるダイナミクスであり,脳の各部で機能的な役割をもつことが明らかになってきた.なかでも領野スケールの同期現象である“脳波”は,脳分散システムにおける情報統合プロセスの理解に役立つ.本稿では神経活動のリズム同期現象とその機能的意義について概説し,脳波の大域脳モデルが脳分散システムの理解への道筋を与えうることを述べる.