著者
金田 吉弘 小野寺 拓也 坂下 将 高階 史章 佐藤 孝 伊藤 慶輝 保田 謙太郎
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.681-686, 2012-12-05

我が国の稲作において,代かきは「均平」,「田植え」,「活着」,「肥料混和」,「水もち」,「除草」などのために,古くから不可欠な作業とされてきた。しかし,近年の機械化移植栽培では移植精度が向上したことから「田植え」や「活着」に対する代かきの意義は薄れている。さらに,代かきは土壌を単粒化し,透水性の低下や土壌の還元を促進させることから水稲根の活力維持を阻害する場合があるとされている(熊野ら,1985)。特に,東北の日本海側に広く分布する重粘土水田では,代かきにより作土直下に不透水性の土層が発達し,稲作期間の透水性が低下しやすい。また,近年は機械収穫後の稲わらを春にすき込む事例が多くなり,排水不良水田では,稲わらの分解に伴い土壌は強還元になりやすく根腐れを生じやすい。
著者
五十嵐 裕美 伊藤 博 一林 亮 坪田 貴也 吉原 克則 小泉 雅之 佐藤 秀之 山崎 純一 池田 隆徳
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.S2_5-S2_10, 2012

症例は60歳代の男性, 未治療の高血圧の既往があり, 国内線の飛行機内で心肺停止となった.客室乗務員が自動体外式除細動器(AED)を装着し1回作動後に心拍が再開し, 羽田着陸後, 当センターに緊急搬送された.AEDの記録では心室細動(VF)を呈していた.JCSII-10, GCS E4V2M4, 瞳孔3mm大で左右差なく, 血圧212/mmHg, 脈拍111/分であった.心電図は洞調律で, V<sub>4~6</sub>誘導でstrain T波が認められた.脳保護目的で低体温療法が3日間施行された.復温後に意識状態は回復し, 神経学的後遺症は認められなかった.ACh負荷冠動脈造影で4-AVが完全閉塞となり, 冠攣縮性狭心症と診断された.心臓電気生理学的検査(EPS)でVFが誘発されたこともあり, 植込み型除細動器(ICD)が植え込まれ退院となった.2010年1月より当センターは羽田空港の航空会社と救急医療連絡会を行っている.同年10月に新国際線旅客ターミナルが開設し, 旅客数の増加が見込まれる.迅速な応急処置と救急処置で救急の輪が成立し, 社会復帰が可能となった症例であったので報告する.
著者
山根 一郎 飯泉 茂 黒崎 順二 佐藤 和夫 菅原 亀悦
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.90-96, 1962-09-30

(1)強酸性の石灰,燐酸の欠乏のはげしい腐植質火山灰土壌の山地草原において羊を用いた牧草地造成を小規模に1961年に試みた。(2)野草の不足,群れからの孤立,年令の若すぎたことなどから羊の体重は40日間に増加を示さなかつた。(3)羊の放牧によつて牧草地を造成することに成功した。
著者
石坂 正大 石川 良太 伊藤 詩峰 遠藤 沙紀 君島 未紗 鯉沼 夢 佐藤 克己 関 健吾 田野 勝也 千明 龍太郎 淵田 悟
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.581-584, 2016

〔目的〕コンプレッションウェアの着用が酸素摂取量および心拍数に及ぼす影響を明らかにする.〔対象と方法〕対象は健常男性26名とした.対象者に対しトレッドミルでの心肺運動負荷試験を行い,裸とコンプレッションウェア着用の2つの着衣条件で酸素摂取量,心拍数,呼吸交換比,呼吸数を測定した.〔結果〕心肺運動負荷試験の運動前,中,後の心拍数(回/分)はそれぞれ,裸で84.4±11.8,156.9±12.3,110.2±22.1,着用時で81.2±11.9,151.7±14.7,102.0±10.4となり,後者の着衣条件で有意に低い値を示した.酸素摂取量,呼吸交換比,呼吸数では着衣条件間の有意な差がみられなかった.〔結語〕コンプレッションウェアの着用は酸素摂取量には影響しないが,運動時の心拍数を低下させる. <br>
著者
川久保 英樹 土屋 和博 佐藤 運海
出版者
社団法人 砥粒加工学会
雑誌
砥粒加工学会誌 = Journal of the Japan Society of Grinding Engineers (ISSN:09142703)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.31-36, 2010-01-01
参考文献数
6

磁気研磨法は,金型の仕上げ工程を自動化するための手法として期待されている.金型は磁性工作物材料であることが多く,磁気研磨法によって仕上げを行う場合,強磁性材粒子が工作物表面に磁気吸引されて残留するなどの問題点が指摘されている.そのため,磁性工作物材料の磁気研磨技術の確立が切望されている.本研究の目的は,磁性工作物材料のR溝およびテーパR溝の内面磁気研磨法の提案とその研磨特性の検討である.本報では,マスキングテープを用いたR溝内面の部分研磨法を提案し,溝半径Rと強磁性材粒子半径rとの組み合わせが研磨特性に及ぼす影響を検討した.その結果,粒子半径rは溝半径R未満であり,半径比r/Rが1.0に近づく程,良好な仕上げ面が得られることを明らかにした.さらに,テーパR溝を均一に内面研磨するための分割研磨法を提案し,溝内全体を同程度の表面粗さに仕上げることを可能にした.
著者
川久保 英樹 土屋 和博 佐藤 運海
出版者
The Japan Society for Abrasive Technology
雑誌
砥粒加工学会誌 (ISSN:09142703)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.31-36, 2010

磁気研磨法は,金型の仕上げ工程を自動化するための手法として期待されている.金型は磁性工作物材料であることが多く,磁気研磨法によって仕上げを行う場合,強磁性材粒子が工作物表面に磁気吸引されて残留するなどの問題点が指摘されている.そのため,磁性工作物材料の磁気研磨技術の確立が切望されている.本研究の目的は,磁性工作物材料のR溝およびテーパR溝の内面磁気研磨法の提案とその研磨特性の検討である.本報では,マスキングテープを用いたR溝内面の部分研磨法を提案し,溝半径Rと強磁性材粒子半径rとの組み合わせが研磨特性に及ぼす影響を検討した.その結果,粒子半径rは溝半径R未満であり,半径比r/Rが1.0に近づく程,良好な仕上げ面が得られることを明らかにした.さらに,テーパR溝を均一に内面研磨するための分割研磨法を提案し,溝内全体を同程度の表面粗さに仕上げることを可能にした.
著者
小野 晃一 勝又 達也 菅原 泉 上原 巌 佐藤 明 Kouichi Ono Katsumata Tatsuya Sugawara Izumi UEHARA Iwao Sato Akira
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.60-67, 2011-06

森林施業に関わる野ネズミ類の役割を明らかにする一環として,林相の異なる針葉樹人工林と広葉樹二次林を跨ぐ形で林内に生息する野ネズミ類を捕獲・放獣する方法により2006年から2009年まで個体群の変動を調査した。その結果,調査対象としたアカネズミ(Apodemus speciosus),ヒメネズミ(Apodemus argenteus)の捕獲個体数は2006年9月には延べワナ数675個で157個体,422回と最高の高密度状態を記録したが,11月から急激な減少が認められ,その後は1年以上ひと月の捕獲個体が数頭という低密度で推移したことから,野ネズミ類個体群にクラッシュが生じたものと判断した。アカネズミとヒメネズミの捕獲個体数の変動を比較すると,それぞれの生息特性を反映して急減の時期に3か月の時間的差異が見られた。しかし,全体的な変動の傾向は両種とも同様の推移を示した。針葉樹林と広葉樹林での生息状況を見ると,アカネズミでは広葉樹林の利用頻度が高く,秋季から冬季にかけて針葉樹林の依存度が増す傾向にあった。ヒメネズミでは針葉樹林のみの利用個体が多いものの,年によっては夏季に広葉樹林のみ利用する個体が増加した。また,いずれの種とも両方の林分を同時に利用している個体は少ないという傾向を得た。行動範囲に関しては,高密度下では大きく,ランダムに分布し,低密度下では小さく,限定的になる傾向が見られた。
著者
佐藤 好茂 阿部 孝章 稲垣 尚人 吉川 泰弘 船木 淳悟 SATO Yoshishige ABE Takaaki INAGAKI Naoto YOSHIKAWA Yasuhiro FUNAKI Jyungo
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
河川技術論文集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.205-210, 2015-06

When the river tsunami occurs in the winter period, the operation of the gutter sluice gate can beprohibited by the influence of the drifting and jamming of ice floes, increasing the inundation risk insidethe levee. Therefore, secure sluice gate operations are required against tsunami run-up during the icecoveredperiod. In this paper, demonstration experiments are performed in the Aikoku sluice gate of theShinkushiro-river, showing the effectiveness of ice control measures using submerged pumps. The fieldtest presented that submerged pumps inhibited ice formation within a radius of about 2~2.5 meters aroundthe installation location. In addition, numerical ice-thickness estimation showed that the methodguaranteed the ice control effect up to the thickness of 0.63 m. Based on these results, the applicability ofthe method is further investigated in other rivers around the coast of eastern Hokkaido. This papersucceeded in showing the effectiveness of our novel ice control measure for actual rivers.
著者
安岡 広志 佐藤 健 塩地 成香 中島 みずき 井川 正治
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.253-254, 2014

近年,ソーシャルメディアの進展やスマートフォンの急速な普及により,利便性が向上する一方で,ネットの長時間利用により実生活に悪影響が出る,いわゆる「ネット依存」と呼ばれる事例が一部で問題となっている。本調査研究では,東京情報大学のオンラインアンケートサーバーを用いて,各教育機関の端末室等で全体説明を行いない,14歳から20歳代前半の若者,1089名(男542、女547)の有効回答を得た。インターネットとスマートフォン,フィチャーフォンを中心とした情報環境の利用実態とヤング基準によるネット依存傾向を判定した結果,被験者全体の56.2%に,中程度以上のネット依存傾向があることが明らかとなった。性別では,男性52.2%,女性60.2%がネット依存傾向にあり,女性が多い傾向であった。さらに,学生別では高校生の51.9%,大学生,大学院生の59.8%がネット依存傾向であることが明らかとなり,特に大学1年生、2年生において高いネット依存傾向にあった。