著者
山下 正貫 島崎 武雄 野倉 淳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.83-91, 1983-06-24 (Released:2010-06-15)
参考文献数
8

高知県夜須町にある手結港は、江戸時代初頭、承応1年 (1652) から明暦1年 (1655) に土佐藩の家老、野中兼山によって建設された掘込港湾である。経世家、野中兼山は、土佐藩の経済的基盤を整備し、殖産興業を進めるべく、土佐地域の総合的な開発事業に取り組み、物部川の山田堰、仁淀川の八田堰、鎌田堰等を設置して水路を開削し、新田開発を行なったり、その拠点として後免、土佐山田、野市、新川等の新都市を建設した。また、運河開削と一体となった津呂港、室津港等の築港事業も手掛け、陸路と連関した海上交通路の整備を進めてきた。手結港は、その一環として整備されたもので、その技術的意義、大規模性が高く評価され、しかも、特筆すべきこととして保存が良好であることが指摘される。江戸時代初頭の土木構造物が、ほぼ創建当初の状態で保存されていることは、全国でも稀有のことである。小論では、江戸時代の建設の経緯、明治・大正・昭和期における港勢の変化と改修の経緯に関する調査結果を報告するとともに、現状の問題点、地域住民の意識と要望、今後の保存・利用・整備の方向について論及するものである。
著者
金子 唯 池尻 薫 家城 洋平 横山 和人 川本 英嗣 石倉 健 今井 寛
出版者
一般社団法人 日本中毒学会
雑誌
中毒研究 (ISSN:09143777)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.325-328, 2022-12-10 (Released:2023-01-26)
参考文献数
4

Acetaminophen overdose results in acute liver damage. Measurement of the plasma concentration and a nomogram identify patients who require hepatoprotective treatments. The patient was a 28-year-old woman who ingested 100-200 pills of 200-mg acetaminophen and was found unconscious at home. She was brought to the emergency room and subsequently referred to our hospital 4 days later. The plasma concentration of acetaminophen could not be measured. However, she showed signs of acute liver failure and hepatic encephalopathy, and was treated with N-acetylcysteine (NAC) to treat liver failure. She also required plasma exchange with continuous hemodiafiltration. Treatments were successful in improving her consciousness impairment, and she was discharged on day 9. Although the plasma concentration of acetaminophen could not be measured, it was not necessary for determining the diagnosis and treatment plans.
著者
西海枝 恵 大枝 豊 小山 康宏 丹野 美紀 青沼 一岳 志賀 有香 川口 博史 佐々木 敏紘 梶原 克夫 倉品 敏 石川 歩 相澤 修大
出版者
仙台市科学館
雑誌
仙台市科学館研究報告 (ISSN:13450859)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.13-16, 2021 (Released:2021-03-30)

新型コロナウイルス感染症対策のため,小学校中学校高等学校等が一斉臨時休業となり,仙台市科 学館も休館となる中,仙台市科学館では動画を制作し配信した。
著者
倉本 秀人 護守 俊介 寺田 聖花 吉田 珠加子
出版者
公益財団法人 生命保険文化センター
雑誌
生命保険論集 (ISSN:13467190)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.205, pp.243-263, 2018-12-20 (Released:2022-03-18)
参考文献数
14

近年、従業員の健康に配慮した「健康経営」への社会的関心が高まりつつある。健康経営への取り組みは、従業員の健康増進だけでなく、イノベーションをはじめとする企業の成果を高めるうえでも重要であると考えられているからである。こうした動向は、生命保険業界にとっても、極めて重要なテーマの一つである。実際、生命保険会社は、自社の従業員等の健康づくりに関する取り組みを推し進めている。さらに、顧客を支える仕組みとしてFinTechの活用など、さまざまな取り組みを実施しつつある。もちろん、企業の健康経営に対する生命保険会社の取り組みはまだ始まったばかりであるが、今後さらに力を入れることで、保険加入者の健康状態を向上させ、生命保険会社としては保険金の支払いを低減させることができる。それだけでなく、企業が健康経営を行ううえでの助力になり、企業パフォーマンス向上の一翼を担うことが期待される。本論文では、健康経営が企業のイノベーションに及ぼす影響について、東証一部上場企業(製造業)を対象として重回帰分析を行った。分析の結果、従業員の多様性に加えて、積極的に健康経営に取り組むことがイノベーションの促進に影響を与える可能性が示唆された。
著者
庄林 愛 小倉 有子 神田 雅子 加藤 奈々 秦 沙知 伊賀 大八 井上 好文
出版者
一般社団法人 日本食育学会
雑誌
日本食育学会誌 (ISSN:18824773)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.113-122, 2019-04-25 (Released:2019-08-02)
参考文献数
29
被引用文献数
4

We analyzed factors affecting nutrition literacy using the awareness and the expected nutritional effects of gluten-free food as evaluation indices among 1,624 female university students. Data analyses were performed using SPSS software (IBM). We applied recognition of the term ‘gluten-free food’ as an index of functional nutritional literacy, experience of seeing actual goods and eating experience as indices of interactive nutritional literacy, and expected nutritional effects as an index of critical nutritional literacy. Their department at university (p<0.001), information sources concerning weight loss, beauty, and health, such as social networking service (SNS) (p=0,014), websites (p=0.002), and magazines (p<0.001), and interest in weight loss (p<0.001) were significantly positively associated with functional literacy. Regarding the expected nutritional effects of gluten-free food, their department at university (p=0.013), and their friends and acquaintances as information sources concerning weight loss, beauty, and health (p=0.042) were significantly positively associated, whereas, websites (p=0.027) and magazines (p=0.001) as information sources were significantly negatively associated. Participants may have had a lower critical literacy than functional literacy because of their low percentages of correct answers about the expected nutritional effects of gluten-free food. This study suggested that university departments, information sources concerning weight loss, beauty, and health, and interest in weight loss influence nutritional literacy.
著者
倉田 容子
出版者
お茶の水女子大学21世紀COEプログラムジェンダー研究のフロンティア
雑誌
F-GENSジャーナル
巻号頁・発行日
no.8, pp.37-45, 2007-07

芥川龍之介『羅生門』(1915)に登場する老婆は、「死骸」の臭気が充溢する場で、「死骸」の中に蹲りながら、「死骸」と向き合う形で登場し、さらに「肉食鳥」「鴉」「蟇」といったネガティブな比喩表現によって造形されている。このような老婆表象は、従来、下人の心理を中心とするストーリーとの整合性において意味づけられてきた。しかし本稿では、むしろその整合性を脱自然化すること、すなわち妖怪や魔物を連想させるネガティブな視覚的・聴覚的表現と、老婆に対する下人の「憎悪」や「侮蔑」といった感情、さらに下人の老婆に対する加害行為という三つの要素を結びつける暴力的なレトリックの回路を、同時代的なインターテクスチュアリティの観点から解体することを試みる。それにより、これまで古典文学に起源を求められてきた老婆表象が、同時代的なジェンダー/エイジング規範と響き合うものであり、下人の心理もまたそうした規範性と不可分なものであることを明らかにした。
著者
芳倉 太郎 西尾 孝之 藤原 康博
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.33-43, 2008 (Released:2008-02-07)
参考文献数
73
被引用文献数
2

The present document summarizes the achievements of Osaka City Institute of Public Health and Environmental Sciences in the study of leachate control and management at a sea-based solid waste disposal sites in Osaka City.The document covers investigative research such as analysis of changes in water quality, advanced water treatment for the removal of nitrogen and micropollutans, water treatment using activated charcoal made from wastewood, and microbiological study.
著者
倉田 稔
出版者
小樽商科大学
雑誌
商学討究 (ISSN:04748638)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2/3, pp.29-57, 1997-01-17
著者
倉田哲治著
出版者
コスモヒルズ
巻号頁・発行日
1997
著者
池辺 孝 西岡 孝芳 真弓 勝志 寺倉 政伸
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.84-87, 2011 (Released:2011-07-25)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

症例は43歳,女性.激しい性行為の後,腹痛を自覚し近医を受診した.イレウスを疑われたため当科に紹介,救急搬送された.腹部造影CT検査で腸間膜の引きつれ像(radial distribution)を伴うイレウス像と小腸の虚血像を認め,小腸軸捻転症による絞扼性イレウスと診断した.発症後約11時間で緊急開腹手術を行った.Treitz靱帯より約2m肛門側の小腸が時計回りに180度捻転し,約80cmにわたり壊死を認めた.解剖学的異常,腫瘍,異常策状物等なかったため,原発性小腸軸捻転症と診断した.壊死小腸を切除し,端々吻合した.術後15日目に軽快退院した.成人における原発性小腸軸捻転症はまれで,腹部CT検査でのwhirl signが特徴的とされるが,自験例のように,whirl signを呈さない場合もあることを念頭に置き,早期診断,治療を行うことが重要であると考えられた.また,激しい性行為後の発症という点でも自験例はまれな例と考えられた.
著者
松本 実紗 伊香賀 俊治 山川 義徳 内田 泰史 村上 周三 安藤 真太朗 満倉 靖恵 中島 侑江
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成30年度大会(名古屋)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.137-140, 2018 (Released:2019-10-30)

寒冷暴露が脳機能に悪影響を及ぼすと仮定し、高知県梼原町在住の90名について、2016年度及び2017年度の冬季に住宅の温熱環境測定、対象者の血圧及び活動量測定、MRI 装置による脳機能検査、アンケート調査を実施した。多変量解析の結果、個人属性、生活習慣、血圧及び活動量を考慮した上でも、居間の床上1.1mの冬季室温が寒冷な居住者は全脳領域神経線維拡散度の得点が有意に低いことを確認した。
著者
大西 康貴 日浅 芳一 村上 尚嗣 中川 貴文 當別當 洋平 陳 博敏 宮崎 晋一郎 馬原 啓太郎 小倉 理代 宮島 等 弓場 健一郎 高橋 健文 岸 宏一 細川 忍 大谷 龍治
出版者
徳島赤十字病院
雑誌
徳島赤十字病院医学雑誌 = Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal (ISSN:13469878)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.43-46, 2009-03-25

症例1は46歳女性.2007年10月に2回,食事中に失神発作があった.近医でのホルター心電図にて,最大で6.5秒間の心停止を伴う発作性房室ブロックが確認された.当院入院中にも夕食時に一致して4.5秒の発作性房室ブロックによる心停止がみられた.心エコーなどその他の画像検査でも異常は認められなかった.以上から,失神発作の原因は嚥下性失神によるものと考え,永久ペースメーカー植え込み術を行った.術後,失神の再発は認めていない.症例2は,74歳男性.10年前より年に2,3回,固い物を飲み込んだときにボーっとすることがあった.2008年4月,食事中に意識消失発作があり,近医でのホルター心電図にて,食事中に最大6.3秒間の心停止を伴う高度房室ブロックが認められた.現在,永久ペースメーカー植え込み術を勧めているところである.
著者
金田 千穂子 山崎 隆浩 宇田 毅 内山 登志弘 寺倉 清之
出版者
The Surface Science Society of Japan
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.20, no.10, pp.732-736, 1999-10-10 (Released:2010-02-05)
参考文献数
12
被引用文献数
2 1

Stable structures and electronic states of Si(100)/SiO2 interface are investigated using the first-principles molecular dynamics method. Quartz, tridymite, and pseudo beta-cristobalite are employed as the initial structures of the SiO2 at the interface to find the stable ones by the structural optimization. It is found that the optimized tridymite-type SiO2 structure on Si is the most stable for thin (about 7Å) SiO2 layer. For the thicker (about 15Å) layer, however, this structure becomes less stable and the optimized quartz-type SiO2 structure is the most stable. The band gap variation along the direction perpendicular to the interface is also investigated for the optimized structures. In the SiO2 region within 1Å from the structural interface, the band gap remains as narrow as that of silicon. The drastic change of the band gap takes place in the SiO2 region between 1 and 4Å.
著者
米倉 一男 服部 均 斉藤 弘樹 鈴木 克幸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.3H5GS305, 2020 (Released:2020-06-19)

機械設計では以前から機械学習を用いた最適設計手法が用いられてきた。近年の深層学習の進歩に伴って、これまでよりも推定精度が向上し、より幅広い設計プロセスに応用できるようになった。 本講演では深層学習を機械設計プロセスに応用するアプローチを三つ紹介する。すなわち回帰モデルによる性能推定、生成モデルによる形状生成、強化学習による形状修正である。これらの方法を、深層学習や深層強化学習wお用いた場合とそれ以外の方法を用いた場合を比較すると、深層学習等を用いた場合のほうが高精度で推定ができることを示す。これらのアプローチはデータを基にしているという意味でたデータ駆動型設計と呼べる。
著者
小倉 榮一郎
出版者
滋賀大学経済学会
雑誌
彦根論叢 (ISSN:03875989)
巻号頁・発行日
no.第198・199号, pp.1-20, 1979-12