著者
武田 穣 小泉 淳一 中村 以正 倉根 隆一郎
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.15, no.9, pp.621-625, 1992-09-10 (Released:2008-04-21)
参考文献数
10

The effect of carbon sources on the growth of an actinomycete Nocardia amarae isolated from scum were investigated. Neutral fat medium allowed faster proliferation and greater cell yield of the actinomycete than glucose and organic acid media : polyester granules were intracellularly stored in the neutral fat medium. More than 7 days of lag were required for growth when hydrocarbon was used. Long chain fatty acids did not afford the cell growth.The hydrophobic carbon sources brought about the floatation of the actinomycete, while the hydrophilic carbon sources allowed dispersive growth. Surface proteins of N. amarae exhibited affinity to hydrophobic substances. It was likely that hydrophobic property of cell exterior constructed by the surface proteins caused the capture of the actinomycete at the gas-liquid and oil-water interfaces together with that of cell wall.
著者
坂田 利家 倉田 一夫 伊藤 和枝 藤本 一真 寺田 憲司 衛藤 宏 松尾 尚
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.271-277, 1987 (Released:2010-02-22)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

行動療法としての食事確立療法に固形食化超低エネルギー食を導入し, 8名の中等度肥満患者の減量効果およびその維持について検討した。全治療期間, すなわち初診時より治療後12カ月までの平均体重減少は-20.6±7.8kg, 入院による併用療法実施期間中では-5.7±0.7kg, 退院後12カ月間の維持期間でも-4.3±2.5kgであった。空腹感および血清脂質類は正常化され, 脂肪細胞容積の縮小と体総脂肪量の減少を認めた。この減量効果とその維持はこれまでのどの成績よりも優れていた。以上の本併用療法による好結果は両療法の治療的相乗効果による。なかでも, 超低エネルギー食を液体食に代えて固形食化したことで, 低エネルギー摂取でも咀嚼法を実施でき, したがって十分な満腹信号を視床下部中枢へ送れたと考えられること, また, 今回用いた栄養組成がβオキシ酪酸の血中濃度を至適に上昇させたため, 空腹感を抑え摂食量を減少させたことなど, これらが認知能の変容を起こさせるのに重要な要因になったと考えられた。
著者
白倉 一由
出版者
山梨英和学院 山梨英和大学
雑誌
山梨英和短期大学紀要 (ISSN:02862360)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.27-39, 1994-12-10 (Released:2020-07-20)

『心中宵庚申』の主題は中之巻・下之巻に表現されている。中之巻は平石衛門の家で、平右衛門の父親としての我が娘を思う諦観と意地更に願いが入り混じった複雑な親心を巧みに書いている。半兵衛は養父母の孝行・義理に自害しようとするが、ちよとの夫婦愛に生きようとする。中之巻の半兵衛ちよの夫婦の愛は下之巻において高められていく。下之巻は八百屋伊右衛門の家であり、姑・半兵衛・ちよの関係が語られている。姑とちよとは性格が違っており、理由なしに合わない。近松は姑と嫁ちよとの人間的本質性を問題にしている。半兵衛は姑に対して孝行するか、ちよと離婚するか姑に責められる。半兵衛はちよと離婚すると言う。しかし半兵衛はちよを愛しているので庚申の夜心中するのである。半兵衛は時代のモラルに生きようとするが、それ以上に愛に生きようとするのであり、愛の死が主題である。背後に仏教の信仰があり、封建制度に対する抗議がある。
著者
松倉 一樹
出版者
東京海洋大学
巻号頁・発行日
2017

全文公表年月日: 2018-07-09
著者
井上 功 山本 砧三 武嶋 寛剛 中小 路澄子 貞岡 達也 坂哲 郎 垣鍔 典也 坂倉 淳 牧本 一男 高橋 宏明 和田 公平 大森 研史 林 伊吹 藤田 隆夫 渡辺 猛世 藤澤 俊二 宇野 功 野中 隆三郎
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.87, no.7, pp.985-995, 1994-07-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
5

The effectiveness, safety and usefulness of ketotifen nasal spray were investigated in 163 patients with allergic rhinitis. Ketotifen nasal spray (0.05mg/puff) was given four times daily for 4 weeks or more. “Slight to high” improvement was recorded in 92.4% of patients and “moderate to high” improvement in 61.0%.Overall usefulness was very high for both perennial and seasonal allergic rhinitis. Side effects were noted in six patients (3.7%). Drowsiness was noted in five patients and nasal mucosal pain in only one.The results of this study suggest that ketotifen nasal spray is very useful in the treatment of allergic rhinitis.
著者
井元 章 増田 大介 小倉 健 瀧井 道明 梅垣 英次 樋口 和秀
出版者
一般社団法人 日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.835-841, 2013-12-31 (Released:2014-01-23)
参考文献数
27
被引用文献数
2

セフトリアキソン(CTRX)の投与が胆泥形成に関わることは,主に小児を中心に報告され,広く知られている.我々は,細菌性髄膜炎に対するCTRXの高容量・長期間投与により胆石が形成され,投与の中止により自然消失を確認し得た高齢者の2例を経験した.1例は総胆管結石による閉塞性胆管炎を併発したため,内視鏡的ドレナージを要したが,1例は経過観察のみで自然消失を確認し得た.CTRX中止から胆石消失に要した期間はそれぞれ21日間,38日間であり,両者ともそれ以後胆石の再発は認めていない.CTRX投与時には胆泥が形成されやすく,小児だけでなく高齢者にも発症し,時には重症化しうる合併症を併発する可能性のあることを念頭において診療にあたることが必要である.
著者
山末 英嗣 光斎 翔貴 柏倉 俊介
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.22-28, 2021 (Released:2021-01-27)
参考文献数
22

グリーンイノベーションは地球温暖化をはじめとする環境問題を解決する手段の一つとして期待されている。しかし、グリーンイノベーションの背後に過剰な資源利用が誘発される場合がある。著者らはこれを「資源パラドックス問題」と定義した。資源パラドックス問題は、多くの人が気付いていないか、気付いていたとしても定量化された例は少ない。本稿では、国レベル、素材レベル、製品レベルで資源パラドックス問題が起きていると思われる定量的な実例を紹介する。そして、資源パラドックス問題が起きているようなグリーンイノベーションの対応策について、資源消費パターンの類型化とそれに応じた戦略が重要であることを議論する。また、今後、再生可能エネルギーの導入や製品の使用形態が与える影響についても考察する。
著者
赤倉 康寛 高橋 宏直
出版者
一般財団法人 運輸総合研究所
雑誌
運輸政策研究 (ISSN:13443348)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.010-018, 2001-07-31 (Released:2019-05-31)
参考文献数
14

近年,フルコンテナ船の大型化の傾向は著しい.これに対応する水域施設,係留施設等の港湾施設において,一番問題となるのが水深である.船型の大型化に伴って船舶の喫水は深くなるが,港湾施設の水深は供用後に増深することはなかなか困難である.したがって,港湾施設の整備においては,船舶の喫水と港湾施設の水深の関係について,十分検討を行っておく必要がある.本報告は,日本の主要港に寄港したフルコンテナ船の入出港時の実際の喫水データを収集し,満載喫水やバース水深との関係についての分析を行った.また,この状況を踏まえ,今後の日本におけるコンテナバースの必要バース水深について考察した.
著者
脊板 弘康 倉橋 節也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.3A3J1301, 2019 (Released:2019-06-01)

顧客第一主義を標榜し、品質第一主義を掲げて世界を席巻してきた日本企業で今、品質詐称事件が後を絶たない。これは、これまで各企業が日本独特の高コンテクスト社会ならではの概念である「空気」を用いて絶対化していた品質第一といういわば信念が組織内の現実の問題により相対化し崩れたために詐称に至るものと考えられる。 本研究で、Giddensの構造化の理論の枠組みを基に、山本七平の言う日本独特の精神文化とも呼べる「空気」により形成された顧客への「忖度」が相対化され破れに至る様を、ビジネスゲームを用いて再現させる事を目的としている。
著者
大常 雄基 安田 啓司 朝倉 義幸
出版者
日本ソノケミストリー学会
雑誌
ソノケミストリー討論会講演論文集 25 (ISSN:24241512)
巻号頁・発行日
pp.39-40, 2016 (Released:2017-07-21)

To investigate generation of ultrasonic cavitation in gel, sodium polyacrylate swollen in potassium iodide solution was used as a sample. After ultrasonic irradiation at 500 kHz, absorbance and viscosity of sample were measured. The absorbance and viscosity changes are originated from oxidation reaction of potassium iodide and decrease in the degree of polymerization of sodium polyacrylate, respectively. The absorbance started to increase after several minutes irradiation. On the other hand, viscosity decreases immediately after irradiation. This is because polymer is degraded due to shear stress of ultrasonic propagation in addition to cavitation. After sample viscosity fully decreased, it is able to generate ultrasonic cavitation and chemical reaction occurs. As sample temperature became lower, the viscosity decreased and the absorbance increased. To use this sample, detection of cavitation generation in gel is possible.
著者
松永 裕樹 高橋 正道 大倉 淑寛 志水 祐介 前原 弘武 北川 幹太 山川 潤 杉山 和宏 三上 学 濱邊 祐一
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.353-358, 2022-10-20 (Released:2022-10-20)
参考文献数
9

外傷性腹部大動脈損傷は稀だが, 死亡率が高く, 迅速な診断・治療が肝要である. 当院はCTと透視装置を備えたハイブリッドERを有し, 移動を伴わず, 蘇生・診断・治療が可能である. ハイブリッドERで, resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta (以下REBOA) で出血を制御し, ステントグラフト留置で救命した1例を経験した. 70歳代男性. ワゴン車乗車中の事故で, ショック状態で搬送された. CTで血管外漏出を伴う腹部大動脈損傷がみられた. REBOAを大腿動脈からZone3に留置し, 出血制御後, 手技中の循環安定のため, 左上腕動脈からの留置に変更した. コイリング, ステントグラフト留置で止血を得た. ハイブリッドERでのステントグラフト治療は, 移動を伴わず迅速な診断・治療が可能である.
著者
比留間 航 駿河 康平 門倉 一成 富田 剛 関野 芳弘 小松 靖弘 木村 公彦 小野 信文
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.133, no.5, pp.487-491, 2013-05-01 (Released:2013-05-01)
参考文献数
14
被引用文献数
5 5

Cancer is the most common cause of death in Japan. Fundamental and clinical studies on cancer were conducted from the viewpoint of Western medicine so far. However, a sustained complete remission has not been achieved yet. In order to alleviate the side effects of anticancer drugs, some traditional herbal medicines (Kampo medicines) have been prescribed to cancer patients. We have been studying on antitumor substances in medicinal herbs and found an antitumor medicinal herb named Rhus verniciflua (lacquer, Urushi in Japanese). To investigate the antitumor effect in vitro, a plant extract mixture was prepared from six medicinal herbs containing lacquer. The plant extract mixture containing lacquer (Rv-PEM) inhibited the proliferation of several mouse and human tumor cell lines. Rv-PEM had more potent inhibitory effect on the proliferation of human leukemia cell lines (MOLT-3, KG-1) than on other tumor cell lines. The IC50 values of Rv-PEM on MOLT-3 and KG-1 cells were 0.208 and 0.293 mg/mL, respectively. After treating Rv-PEM to the tumor cells, DNA fragmentation and Caspase-3 and -9 activity increased in the treated cells. The mechanisms of the inhibitory proliferation activity of Rv-PEM would involve apoptosis of human leukemia cells (MOLT-3, KG-1, K-562) by the mitochondrial pathway.