著者
田崎 冬記 内田 泰三 梅本 和延 佐々木 優一 向山 貴幸 高山 末吉
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.245-248, 2008-08-31
参考文献数
7
被引用文献数
1

近年,各種開発等によって絶滅危惧種キタサンショウウオ(<I>Salamandrella keyserlingii</I> Dybowski)の生息地が減少している。釧路湿原では,湿原内の乾燥化・樹林化等が大きな問題となっており,キタサンショウウオの産卵池においても開放水面を保持できない箇所が増加傾向にある。本調査では,開放水面が小さくなった産卵池(改修池)を拡幅し,卵嚢数および水質のモニタリングを行った。その結果,産卵池の拡幅によって,卵嚢数は増加した。しかし,鉄膜や鉄フロックによって,卵嚢の吸水状況の低下,カビ卵の発生割合が高まることが示唆された。卵嚢の孵化には水溶性の鉄も大きく影響すると考えられ,今後はこれもモニタリング項目の一つとする必要があると考えた。
著者
内田 満夫
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は,人工知能の技術のひとつである再帰型ニューラルネットワーク(RNN)の技術を用いて,県レベルの地方の感染症流行の予測をおこなうことを目的とした。群馬県の衛生環境研究所と連携して過去の感染症データを用いて流行予測モデルを作成し,研究開始後に実際報告される感染症の発生データを入力し,実際に精度の高い予測を行うことが可能かどうか検討する。
著者
内田武志著
出版者
日本常民文化研究所
巻号頁・発行日
1949
著者
蟻川 奈緒子 チェンバーズ ジェームズ 林 幸太郎 内田 和幸 苅谷 卓郎
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.77-82, 2018 (Released:2018-06-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

メルケル細胞癌を含む多発性皮膚腫瘍が発生した15歳齢の猫の臨床転帰および病理所見について報告する。腰背部に皮膚腫瘤を認め,病理組織検査からリンパ節転移を伴うメルケル細胞癌と診断した。背部にも多発性皮膚病変を認め,病理組織学的にボーエン様表皮内癌,基底細胞癌,および皮膚肥満細胞腫と診断した。第154病日に斃死し,病理解剖にて骨盤腔内にメルケル細胞癌の浸潤病変を確認した。本論文では,他の複数の皮膚腫瘍との併発がみられた猫のメルケル細胞癌の病理解剖および組織検査所見の詳細を述べる。
著者
内田 麻子 大原 和幸 長阪 玲子 潮 秀樹
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.184-188, 2007-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
17

糠漬けは,野菜を米糠に漬けた日本の伝統的な漬物である。米糠油中の最も代表的な生理活性物質であるγ-オリザノールは,フェルラ酸がトリテルペンアルコールや植物性ステロールとエステル結合した化合物の混合物である。γ-オリザノールは血中コレステロールの低下などの生理活性作用を示すことが報告されている。HPLCを用いて,生大根と6種の市販糠漬け大根中のγ-オリザノールを測定した。実際に生大根を米糠に漬け,糠漬け大根中のγ-オリザノール量の変化を,水分含量および塩分濃度とともに測定した。紫外蛍光顕微鏡を用いて,糠漬け大根中のγ-オリザノールを観察した。これらの結果から,糠漬け工程中にγ-オリザノールが糠漬け大根へ蓄積されることが明らかになった。糠漬け大根に蓄積されるγ-オリザノール量は,生理活性作用を有する濃度と比較すると少量であったが,長期間に渡って糠漬け大根を摂取するならば,γ-オリザノールが有する種々の生理活性作用を期待できる可能性が示唆された。
著者
中野 晋 内田 剛 石ヶ森 勲 菅原 敏 新田 慶治
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.64, no.617, pp.107-114, 1998-01-25
参考文献数
9

It is necessary to develop a small positive pressure control system for the closed ecology experiment facilities because of the needs to prevent contamination from the atmosphere and to protect against over differential pressure loading. In the present study, a numerical analysis method was developed to calculate the quantity of state of the closed module which is fitted with rubber buffers for the small positive pressure control system. Experiments to examine the pressure change of the closed module caused by rapid temperature control of an air conditioner were carried out at Biosphere-J. Comparison of calculated and experimental results showed that the present dynamic simulation is suited to estimating the quantity of state of the closed module.
著者
内田 育子
出版者
島根大学大学院教育学研究科
雑誌
島根大学大学院教育学研究科「現職短期1年コース」課題研究成果論集 (ISSN:21884161)
巻号頁・発行日
no.3, pp.41-50, 2012-03-23

近年,発達障害についての研究がすすめられ,周囲の理解が広がりつつある。しかし,場面繊黙については,未だその理解や対応が遅れている。この研究では,大人しいが故に見逃されがちな「場面繊黙」の児童生徒について,どんな支援が必要なのかを検討した。子どもたちの思いによりそった支援をするためには,①周囲の理解,②適切な実態把握をもとにした柔軟な対応,③周囲の密な連携が欠かせないと考える。通級指導教室担当者への質問紙調査や事例研究,研修会参加,文献研究を通して,通級指導教室担当者の立場で考えられる具体的な支援や関わりについて検討した。通級指導教室担当者が子どもたちと直接関わるのは一週間のうちのわずかな時間であるが,「通級による指導」は「個別指導を中心にした特別の指導をきめ細かに弾力的に提供する」貴重な場である。通級指導教室で過ごす時間が少しでも有意義なものになるよう,よりよい支援のあり方について考察した。そして安心できる環境,信頼できる相手,自信を持つことができる関わりの大切さを確認した。
著者
荒瀬 輝夫 内田 泰三
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.7, pp.11-19, 2009-03

サルナシ(Actinidia arguta(Sieb. et Zucc.) Planch. ex Miq.)の地域産物化をはかるため、長野県中南部において系統収集を試みた。自生地の環境を把握するとともに、果実の形態および収量の系統間変異を分析した。得られた系統数は20、自生地の標高は770?1400m、地形は沢筋から尾根上まで様々で、落葉樹林が多かった。平均果実重は系統平均4.47±1.47g(1.87?6.89g)で、2山ないし3山の頻度分布を示した。果形にはAP型とCU型、着果型には鈴成り型と普通型という顕著な変異が認められた。果実における相対生長関係から、果実重と果実径との間に強い相関が認められたが、果実長との関係は不明瞭であった。採集効率(1時間あたり採集可能数の対数階級値)を用いて収量を求めたところ、1.4?2.8(25?630g/hr)であった。自生地の標高と比較すると、平均果実重および収量は、いずれも標高1100m付近を最大値とする曲線関係を示した。
著者
荒瀬 輝夫 内田 泰三
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
巻号頁・発行日
no.7, pp.11-19, 2009 (Released:2011-03-05)

サルナシ(Actinidia arguta(Sieb. et Zucc.) Planch. ex Miq.)の地域産物化をはかるため、長野県中南部において系統収集を試みた。自生地の環境を把握するとともに、果実の形態および収量の系統間変異を分析した。得られた系統数は20、自生地の標高は770?1400m、地形は沢筋から尾根上まで様々で、落葉樹林が多かった。平均果実重は系統平均4.47±1.47g(1.87?6.89g)で、2山ないし3山の頻度分布を示した。果形にはAP型とCU型、着果型には鈴成り型と普通型という顕著な変異が認められた。果実における相対生長関係から、果実重と果実径との間に強い相関が認められたが、果実長との関係は不明瞭であった。採集効率(1時間あたり採集可能数の対数階級値)を用いて収量を求めたところ、1.4?2.8(25?630g/hr)であった。自生地の標高と比較すると、平均果実重および収量は、いずれも標高1100m付近を最大値とする曲線関係を示した。
著者
内田 希 前川 尚 横川 敏雄
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.11, pp.1414-1424, 1986-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
38
被引用文献数
2

半経験的分子軌道法MNDOを二元系ホウ酸塩ガラスに適用し,その構造と塩基度に対する考察を進めた。ホウ酸塩ガラス中に存在するとされるpentaborate,triborate,diborate構造のクラスターを組み立て構造の最適化を行なった。計算結果は実験的に決定された構造をよく再現した。四配位ホウ素(4B)あるいは非橋かけ酸素(NBO)の形成にともなうB-O結合長の変化は電荷の移動と対応し, Gutmannの結合長変化則による予想と一致した。これらを基に分子式[H8B12O23]2-をもち種々の組成における構造を反映した異性体を組み立てた。これらのクラスター中の,軌道相互作用による非局在化エネルギー,Sparkle親和力,陽子親和力を求め塩基度の尺度とした。ハードおよびソフト酸・塩基の考え方にしたがった場合,クラスター中のBO4-構造単位はハード塩基に分類され・非橋かけ酸素はむしろソフト塩基に分類された。二元系ホウ酸塩中の4Bの安定性は対となる塩基性酸化物の種類に依存し,アルカリ酸化物とH2Oの場合で大きく異なることが示された。
著者
内田 智大
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
関西外国語大学研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
no.85, pp.99-116, 2007-03

日本経済は1992年後半のバブル経済の崩壊に伴う長期のデフレ期を脱し、ようやく2002年から経済成長の軌道に乗り出した。景気の長さで見れば、今回の景気拡大は4年5ヶ月を過ぎ、1965年11月から4年9ヶ月続いた「いざなぎ景気」に迫る勢いである。この景気拡大の影響により、大学新卒を対象とする労働市場も、この2-3年は完全な売り手市場になっている。本稿の研究目的は、2007年度入社予定の本学国際言語学部の4回生を対象に質問票調査を行い、彼らの就職活動の実態や就業意識を明らかにすると共に、就職活動のやり方や学業成績や語学力を含めた彼らの属性が、就職予定の企業に対する満足度や企業規模の大きさとどのような関係にあるかを考察することである。
著者
内田 まり子 中村 透 山縣 浩 佐藤 幸子 浅野 真晴 秋保 明 阿部 直子
出版者
日本ロービジョン学会
雑誌
日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
巻号頁・発行日
vol.6, pp.71, 2005

財団法人日本盲導犬協会仙台訓練センターでは、平成13年11月から平成17年3月まで、仙台市による地域リハビリテーションモデル事業の一環である中途視覚障害者生活訓練事業の委託を受け、訪問による視覚障害リハビリテーションサービスを実施した。このサービスを利用した仙台市民の人数は、平成13年度および平成14年度は16名、平成15年度は16名、平成16年度は23名であった。のべ55名のケースについて、支援に関係した施設および機関は、当訓練センターのみではなく、地域に存在する複数だったケースが大半を占めた。その他、ケースの概要と傾向をまとめ、地域にある複数の関係機関どうしの関わりや支援システムの動きなどについて報告する。 また、受傷後およそ3年間、引きこもりに近い生活をしていたケースが地域のデイサービス利用をきっかけに視覚障害リハビリテーションサービスを利用し、交流会(「仙台市における中途視覚障害者リハビリテーション支援システム第3報」にて発表)にも参加を始めたケースを報告し、地域に住む視覚障害者に提供できるリハビリテーションサービスについて考察したい。
著者
丸山 哲夫 内田 浩 升田 博隆 小野 政徳 BULUN Serdar SCIARRA John J.
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、子宮内膜症および子宮腺筋症の発生・進展における幹細胞の役割を明らかにするために、ヒト内膜細胞を用いた腹膜内膜症モデルマウスの開発を行い、磁性体により内膜症様病変をマウス壁側腹膜の任意の位置に局在させ得る戦略が可能で有ることを示した。同時に、新たに幹細胞標識追跡法を開発することで、組織(病変)再構成過程における幹細胞の振る舞いを検証できるin vivoシステムを構築し得た。さらに、子宮腺筋症の類縁疾患である子宮平滑筋腫の病因メカニズムに幹細胞とWNT/β-Catenin経路が関与することを明らかにした。
著者
森川 眞介 内田 啓一 米森 重明 小田 吉男 山崎 晤弘 森沢 弘和
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.11, pp.2185-2190, 1985-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
20
被引用文献数
2

オロト酸をフッ素ガスを用いて直接フッ素化し,ついで得られたトフルオロオロト酸を脱炭酸する二段反応工程からなる5-フルオロウラシルの新規合成法にっいて検討した。フッ素化反応を効率よく行なうには,溶媒は重要な役割を果すので,これについて検討した。その結果,それ自体還元性の物質でありフッ素ガスのような強い酸化力を有するフッ素化剤を用いる反応の溶媒として用いられた例のないギ酸が溶媒としてもっとも有効であることを見いだした.また反応を円滑に行なうには7~15wt%の水を含むギ酸を使用することが必要であることがわかった。本溶媒中,-5~10℃の反応温度でオロト酸とフッ素ガスを反応させることにより5-フルオロ-6-ヒドロキシ-5,6-ジヒドロオロト酸が生成し,これは100℃で加熱することによりほぼ定量的に水を脱離して5-フルオロオロト酸に変換され,その収率は70%以上であることがわかった。フッ素化反応で得られた5-フルオロオロト酸の脱炭酸方法について検討した結果,水中で5~7atmの加圧下に150℃ 以上で加熱することにより90%の収率で5-フルオロウラシルが得られることがわかった。