著者
谷内田 真一 髙井 英里奈
出版者
一般社団法人 日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.10-16, 2016-02-25 (Released:2016-03-15)
参考文献数
27

膵臓がんは「がんの王様」に君臨している.膵臓がんは他のがん種と比較し特異的ながん腫で,4つの遺伝子異常のみ(KRAS,CDKN2A/p16,TP53,SMAD4/DPC4)が高頻度に認められる.その一方で,他のがん種と同様に低頻度ながらも治療標的となりうる遺伝子異常も有している.例えば,DNA損傷・修復パスウェイの遺伝子変異(BRCA1,BRCA2,PALB2,ATMなど)である.これらの遺伝子異常を捉えるために,手術や生検検体を用いたClinical sequencingが行なわれている.しかし,がんにはHeterogeneityがあり,一ヶ所だけの生検材料だけでは,がんの全体像を把握できない.さらに,がんが生検困難な部位に存在する患者や全身状態の悪い患者には生検は躊躇われる.低侵襲かつ複数回の検査が可能で,その時々にドミナントながんクローンを検出する技術が開発されつつある.“Liquid clinical sequencing”である.血漿から遊離DNAを抽出して,治療標的となる遺伝子異常を探索する.未だ発展途上の技術ではあるが,今後の“Precision Medicine”には必要不可欠な検査法といえる.
著者
内田,惠太郎
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.47, no.559, 1935-05-15
著者
内田 義彦
出版者
専修大学
巻号頁・発行日
1954

博士論文
著者
朴 永鎰 内田 雅文
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.127, no.10, pp.1811-1812, 2007-10-01
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

In present, personal identfication system have been used to input identification-numbers and passwords by keyboards and touch panels. When a user enters their identification-numbers and passwords an observer could easily see the user's secret details. In this report, new personal identification, which system constitutes tactile sense information using tactile stimuli and based on the cardinal trait of the tactile sense, is proposed.
著者
田代 一洋 内田 為彦
出版者
宮崎県水産試験場
雑誌
宮崎県水産試験場研究報告 = Bulletin of the Miyazaki Prefectural Fisheries Experimental Station (ISSN:13445863)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-34, 1989-05
被引用文献数
1

1967~1986年の20年間に漁業試験船みやざき丸が実施した標識放流調査結果を基に,中南方海域(おおよそ9°~23°N, 128°~14O°E)から日本近海(23°N以北)へ来遊するカツオの北上移動経路について検討した結果,次の知見が得られた。1 日本近海で再捕されたカツオの北上移動に対する再捕割合は,14°~23°N帯(A,B,C,D海区)から58%,9°~14°N帯(E,F海区)から約32%であった。このことから14°N帯付近を境に南北移動に大きな差がみられ,また,冬期に高緯度帯に加入した群ほど北上傾向が強くなっている。2 日本近海で再捕されたカツオの北上経路について,135°E以西(A,C,E海区)からの放流魚に対する再捕魚はすべてが北~北西方向に移動して春先に薩南海域へ加入しており,小笠原海域および紀南沖合への加入はみられなかった。また,135°E以東(B,D,F海区)からの放流魚に対する再捕割合は薩南海域へ68%,小笠原海域へ32%が加入していた。中南方海域を全体的にみると,それぞれ86%,14%で,薩南海域への加入は厚く,小笠原海域へは簿く,紀南沖合海域を直接縦断して北上する魚群はごく一部に限られるものと推察された。また,14O°Eより西側の海域へ加入した群ほど薩南海域へ来遊する割合が高くなる傾向にある。3 九州西方海域のカツオの移動について,中南方海域から春先に先島諸島近海に加入したカツオは,一部が4~5月に奄美大島~トカラ列島近海を経て,6月頃には五島列島近海に達しており,10月頃には水温の降下とともに再び同様のコースをたどりながら北赤道反流域まで南下することが推察された。他の魚群は,屋久島南方海域を北東流する黒潮本流に沿って主に5~6月には紀南,伊豆両海域へ,更には7月頃までには東北沿岸海域まで広く移動している。
著者
平岩 明 内田 典佳 曾根原 登 下原 勝憲
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.31(1992-HI-042), pp.97-104, 1992-05-11

The cybernetic interface through which users can communicate with computers "as we may think" is the dream of human-computer interactions. Aiming at interfaces where machines adapt themselves to users' intention instead of users' adaptation to machines we have been applying neural networks to realize electromyographic (EMG)-controlled prosthetic members-a historical heritage of the cybernetics. This paper proposes that EMG patterns can be analyzed and classified by neural networks. Through experiments and simulations it is demonstrated that recognition of not only finger movement and torque but also joint angles in dynamic finger movement based on EMG patterns can be successfully accomplished.
著者
工藤 通明 内田 聡 平沢 敏昭
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.7, pp.895-899, 2000-07-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
7

症例は65歳,女性.人間ドックの精査で上部消化管内視鏡検査施行したところ,胃内に運動性のある虫体を発見し,内視鏡下に三ツ又鉗子で把持し摘出した.回虫症は近年増加しているといわれているが,過去11年間の本邦報告例は55例であった.これに自験例を含め,治療法別に手術的治療,駆虫剤投与,内視鏡的治療に分けて,主訴と診断名,患者の居住地,治療法,摘出虫体の個体数と虫卵検査の結果について考察した.
著者
内田研
出版者
三菱重工業
雑誌
三菱重工技報
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, 2002-07
著者
下元 幸夫 山路 昭彦 内田 洋平 大西 健二 上原 謙太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.211-215, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
4
被引用文献数
2 2

2004年に西日本に相次いで来襲した台風は, 瀬戸内海沿岸各地において広範囲にわたる高潮災害をもたらした. これらの台風のうち, 台風0416号では, 潮位偏差のピーク値が台風の最接近時刻から遅れて出現するケースがみられた. 台風の最接近時刻と潮位偏差のピーク時刻に差がみられる現象は, 波浪と高潮の出現時刻においても同様に時間差が生じる可能性を示唆していると考えられる. 一方, 瀬戸内海において波浪と高潮の同時生起特性について研究された例は少ない. 本研究は, あらゆるコースを想定したモデル台風の数値シミュレーションにより, 瀬戸内海沿岸における高潮・波浪の出現特性および同時生起特性について検討を行った.
著者
内田 恵一 井上 幹大 小池 勇樹 松下 航平 近藤 哲 大北 喜基 藤川 裕之 廣 純一郎 問山 裕二 荒木 俊光 楠 正人
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.633-644, 2017 (Released:2017-10-23)
参考文献数
81
被引用文献数
1

小児の炎症性腸疾患に対する治療のゴールは患児に正常発育と優れたQuality of Lifeをもたらすことであり,すべての領域の医療従事者が協力しながら,小児特有の問題に留意して治療を進めなければならない.診断においては,おおよそ10歳以下の超早期発症の症例や成人と比して非典型的な経過の症例では,原発性免疫不全症が鑑別疾患に入るため専門家にコンサルトすべきである.治療においては,成長障害と学校生活の障害に常に注意し,内科的治療内容,内科的治療の限界の見極めと外科手術適応,外科治療方法と時期,ワクチン接種などを考慮に入れて治療計画を立てるべきである.また,小児IBD患者が増加し優れた内科的治療が発展する現代では,小児期から成人期へシームレスで適切なトランジションが行われることが重要な課題の1つである.本稿では,本邦の現状と最新の文献をもとにこれらの課題について述べる.
著者
内田 照久
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.71-86, 1998-12-30 (Released:2017-08-31)

This study found that segment duration is perceived categorically in Japanese. Using a speech time-scale modification algorithm, PICOLA plus 2, the nonword /kesonato/ pronounced by a native Japanese male was manipulated to generate stimulus continua. The durations of /s/, /n/, /a/, and /t/ closure interval were manipulated in four continua. In the first experiment, three stimulus pairs which had the same disparity in duration were selected from the short, long, and middle region of each continuum. Forty-eight randomized trials were presented to twenty native Japanese, who were asked individually to distinguish the stimuli by the ABX method. Pairs from the short and long regions of the continua were not accurately discriminated while pairs from the middle region were. In the second experiment, 44 stimuli were selected from every continuum. They were presented to the subjects for identification in Hiragana (Japanese characters). The second result demonstrated the existence of a moraic phoneme boundary paralleling the discrimination peak in the first experiment. This research concluded that native Japanese perceive the duration of relatively steady-static sounds categorically. And also it is suggested that native Japanese utilize an automatic duration detection routine.
著者
三木 仁司 開野 友佳理 沖津 奈都 森本 忠興 内田 尚之 木村 早那 岡本 浩 泉 啓介
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.264-268, 2016 (Released:2017-01-26)
参考文献数
20

28歳,女性。平成27年4月右乳房の硬結と痛みを自覚し当科を受診。初診時,右乳房AC領域に5cm大の硬い腫瘤を触知し発赤も認めた。肉芽腫性乳腺炎を疑いテトラサイクリン系抗生剤投与を開始した。乳房硬結部の針生検を施行し病理学的に炎症所見を認め,同材料の培養検査でCorynebacterium kroppenstedtiiを検出した。初診から約4週間後,両下腿に散在性の紅斑が出現し皮膚生検にて結節性紅斑と診断した。そこでプレドニゾロンを投与開始し2週間後に結節性紅斑は軽快した。しかし肉芽腫性乳腺炎はドレナージが必要で治癒するのに約4カ月を要した。肉芽腫性乳腺炎は,最近Corynebacterium kroppenstedtiiの感染が原因ではないかといわれており,本症例も針生検材料からCorynebacterium kroppenstedtiiを検出しえた。よって,肉芽腫性乳腺炎の早期診断に針生検は有用な診断手段と考えられた。また,稀に結節性紅斑を合併することがあり,乳房に感染したCorynebacterium kroppenstedtiiに対する免疫反応の結果,結節性紅斑が惹起されたのではないかと考えられた。